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2012/06/09 (Sat) 11:23
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3日前の記事ですが、度肝を抜かれるほどおったまげましたので、この話題を。
「外国人に頼るしかない」原子力規制庁に“外圧”案、エネルギー会議が声明
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120606/waf12060611560019-n1.htm
MSN産経ニュース 2012.6.6
橋下徹大阪市長は6日、国会で設置法案が審議されている「原子力規制委員会」の在り方に関し、大阪府市エネルギー戦略会議で提言となる声明文をまとめることを明らかにした。
委員会に対し、原発の安全性確認に関する専門的な判断機関としての役割が期待される一方、現状では日本の原子力規制行政は国際基準を満たしていないとして、メンバーの過半数に海外の専門家を入れることなどを盛り込むとしている。
橋下市長は、記者団に「(原子力規制行政への信頼性が低い)この危機の状況では、情けないけれど外国人に頼るしかない。日本の体質を根本から変えないといけない」と言及。
(後略)
え?
市長!にわかには信じられなかったので、日経の記事も引用します…
橋下市長、原子力新組織「過半は外国人に」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0601J_W2A600C1CC0000/
日本経済新聞 2012/6/6
大阪市の橋下徹市長は6日、原子力安全行政を一元化する新組織の専門家メンバーについて「過半数は国際標準に精通した外国人部隊を入れるべきだ」と述べた。近く、大阪府市エネルギー戦略会議で出す声明文に盛り込む方針という。
橋下市長は「日本の専門家と言われる人たちが結託して原子力発電所の事故を起こした。外国人に頼るのは情けないが、体質改革しなくてはならない」と語った。
市長!!!
日本にはスパイ防止法が存在しないのですが、これほどエネルギー問題だけでなく、下手をすると重大な国防問題にもつながる事柄について、「日本人(の専門家)が信頼できないので、過半数を外国人部隊」というのは、ちょっとヤバイんじゃないかと思いますが。
先般、アメリカからの核開発施設への「サイバー攻撃」を受けたイランのアフマディネジャド大統領ならこう言うのではないでしょうか?
「わしらはサイバー攻撃を受けて核開発が少なくとも2年遅れちまったがよう、
おたくら、石油もねーのに、そんなんで大丈夫かよ。
原子力行政に過半数の外国人って、それが『国際標準に精通した』工作員
だったらどうすんだよう。
サイバー攻撃すらいらねえじゃねえかよう。
西側世界の連中ときたら、気楽なもんだねえ」
(いや、もし実際にコメントがあったなら、もうちょっと上品に、かも知れませんが)
とにかく、この点はもう少し留意されたほうが良いんじゃないかと思います。
私、1年前に出版した拙著「TPPは日本を壊す」のp.129に、うっかり
「橋下都構想+外国人参政権+TPP=ニッポン崩壊?」
という項目を書きました。
橋下さんの大阪都構想では当時、大阪市を分割して特別区にすると、議員数が却って増える、という批判に対し、区会議員を「5~7人にすればいい」という案を出されていました。
これだと、区長と合わせて4人か5人いれば、区政を完全に独裁できることになってしまいます。
そこで、外国人参政権と、さらにTPPで外国人の流入が増えるという状況が加わればどうなるか?
ということに関して、最悪のケースでは自治体を完全に外国人に実権を取られてしまうこともあるので、よくよく注意しないといけない、という趣旨のことを書いていたのであります。
地方自治体にも「交付金」という形で中央政府からのおカネが入ります。
地方自治体であっても、万が一、外国人の支持者による議員や首長が実権を握ってしまえば、それは国家の予算権の一部を外国に譲渡することに等しい状態になってしまいます。
※参考資料
私は橋下さんが「外国人参政権推進派だ!」と主張しているわけではなく、このような可能性にも留意する必要がありますよという注意喚起をしているだけであります。
なお、コメント欄へのご投稿を参考に、橋下さんの外国人参政権および夫婦別姓に関する質疑応答を見つけてきましたので、資料として貼り付けておきます。
2010年2月(2年前)の大阪府議会
橋下氏(当時は大阪府知事)が話されている内容だと、
地方参政権については
「民主党の拙速な議論は間違い」
「参政権は基本的には血統主義だが、在日2世3世の扱いについては議論が必要。大阪市は特に在日韓国人の方が多いため、全国での扱いとは違う扱いにする議論も必要」
ということのようです。
つまり、外国人参政権に関しては、バリバリの推進派ということではなくて、大阪の特殊事情について配慮した慎重な議論が必要というお立場であったようです。
さて、現在交渉中(日本は交渉に入っていませんが)のTPPでは「単純労働者が大量に入ってくることはない」とされています。
単純労働者、つまり、ブルーカラーは問題はない、としても、ホワイトカラーについては注意が必要です。
「企業内転勤」の条件緩和という話が有り得るので、こちらのほうが大きな問題です。
「国家戦略室」の
「TPP協定交渉の分野別状況」(全体版)(平成23年10月)
http://www.npu.go.jp/policy/policy08/pdf/20111014/20111021_1.pdf
によると、
11.商用関係者の移動
のところで、米韓FTAの内容を参考として挙げており、
(ウ)米韓FTA
米韓FTAでは特段の章を設けていないが,「2011年2月10日付合意議事録」において,
米国は韓国人の企業内転勤に係る査証の有効期限を5年に延長するとしている。
としています。
TPPの今後を占う上で非常に参考になるとされている米韓FTAでは、「企業内転勤」について、緩和がなされているということですね。
そして、これに加えて外国人の地方参政権が仮に成立するとどうなるか?
(ただし、憲法第15条「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」に矛盾するので、これの成立は極めて困難ではあります)
その場合には、外国人参政権は永住者に限るという制限がつくのかも知れませんが、
法務省
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-4.html
によれば、永住権取得のための審査基準は、
(1) 素行が善良であること
(2) 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
(3) その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
(注)日本人,永住者又は特別永住者の配偶者又は子の場合は,(1)及び(2)に適合することを要しない。
です。
「企業内転勤」で日本に来た外国人なら、かなり容易に永住権を取得できる可能性があります。
1年前に「橋下都構想+外国人参政権+TPP=ニッポン崩壊?」などと書いたときは、いささか心配しすぎかしら、と思っておりましたが、今回の橋下さんの「原子力行政の専門家の過半数を外国人部隊に」という考えがあるというというのを見るにつけ、やはり、心配になりました…
ということでこの辺りは是非ともご留意頂きたいところであります。
ところで、橋下さんは「独裁者」と批判されることがよくありますが、しかし、これまでの経緯をみると、必ずしもそうではないようです。
例えば、大阪府庁の咲州WTCビル(東日本大震災で唯一、西日本において”被災”した建物)への移転問題は、反対の声が大勢になると、断念されました。
また、先般の大飯原発再稼働問題も、橋下市長の支持者の中で再稼働推進の声が高まるにつれ、橋下市長は再稼働反対を翻されました。
また、昨日も
橋下改革案に市民94%「ノー」
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20120608-964318.html
日刊スポーツ 2012年6月8日
大阪市は8日、支出削減のための事業見直し方針「市政改革プラン」素案のパブリックコメント(意見公募)を実施した結果、意見総数の94%が反対意見だったと発表した。橋下徹市長の急進的な改革案に多くの市民が「ノー」を突き付けた。
(中略)
橋下市長は同日の記者会見で「結果は真摯(しんし)に受け止める」と強調。市は寄せられた意見を踏まえて6月中に成案をまとめる方針だ。
つまり、
橋下市長には、皆が大声で意見を述べれば柔軟に考えを変化させる、という民主的な傾向が多く見受けられます。
ということですので、読者の皆さん、今回の
『原子力新組織「過半は外国人に」』
に反対、という考えなら、その考えをしっかり表明しちゃいましょう!
→今回の当ブログタイトル、「@t_ishin」と付けたので、ツイートボタンをおしてTwitterでつぶやくと、橋下さんのアカウントに@ツイートが出来るようにしていますので、どうぞご利用下さい。
あと、↓アンケートも作ってみましたので、
皆さん、意思表示のためにも、ふるってご参加下さい。
ということで、
「
原子力行政の新組織。
今のところ日本には
スパイ防止法がないですし、
できれば全員日本人でお願いいたします♪
」
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・国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
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・「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。
・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」、「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。
・そして、本書の目的の第二は
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。
・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。
・本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。
・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり、将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか。
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか。
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
本書についての類書との際立った特異点でありましょう。
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2011/03/31 (Thu) 22:19
2011/01/09 (Sun) 16:46
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つまり、「都」構想は大阪府や大阪市だけの問題ではなく、
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参考記事:
・MPJコラム http://mp-j.jp/free_9_29.html
大阪「都」構想、「夢のまた夢」 広宮孝信 2010.12.24
・上記MPJコラムの補足記事(当ブログ): 「都」構想、夢のまた夢
とある市の物語です。
人口千人当たりの職員数。
夜間人口、つまり、住民人口あたりでは、全市町村の1.6倍。
昼間人口で計算しても、1.2倍。
だから、この市は解体、ぶっ潰すべきです!!!
え?でも、それを自覚して職員を絶賛削減中だって?
しかも、全自治体のペースを大幅に上回るペースでだとー???
う・・・。そ、そ、そうかいな。
いやいや、でも借金が際限なく膨らんでこのまま夕張みたいに破綻するはずだ!
だから、破綻する前にぶっ潰せ!
え?借金も絶賛削減中だとー???
しかも、全自治体のペースよりもずっと急激にだとー???
これ、まさか某О(オー)阪市じゃないよね。
横浜シティーかどこかだよね?
いいえ、残念ながら大阪シティーです。
いや、でも、↓これでどうだ!
「大阪を変えるのか、変えないのか、どちらかだ」 by 橋本知事
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201101050009.html
たしかに変わらないといけないし、その志は正しいと思います。
でも、大阪市が変わろうとする意志を持って、実際に変わっている最中だったりします。
ちなみに、「都」構想のモデルの本家本元の東京都については、
・昭和18年、東京市を解体して特別区制にできたのはあくまでも戦時
中の強権的な政治体制であったからで、しかも目的は内務省による
統制強化。
知事が良く言う「大阪のことは大阪で決められるようにする」という地
方分権とは正反対の中央集権化が目的だった
のです。本家本元の「都」は橋下知事のやりたい目的とは違う目的で出来たものだったということです。
そして、
・「都」構想は国の法律を変えなければならない日本の民主主義体制
そのものの問題であって、大阪だけの問題ではなく、全国的同意形
成が必須。
・仮に移行するとなっても、膨大な労力と経費がかかりそう
・分割される区同士で市から引き継ぐ借金の押し付け合う泥沼の紛争
がほぼ間違いなく起きそう(例えば、単純に人口割で借金を引き継ぐ
としたら、他市から移って来たばかりの住民の多い区があれば、移っ
てすぐなのに借金だけ押し付けれることに納得が行かないでしょう。
逆に、古くからの住民の方々が『これまで散々大阪市に税金払ってき
たのに、なんで余分な借金背負わされなアカンねん』となることもある
でしょう。後になってからそのことに気づいても後の祭り)
などなど、
何かと不都合な問題を生みそうな『都』構想という『手段』に固執する必要は無さそうな気が・・・
「
ありゃりゃ?
あれだけ散々ボロカスに言われているから
てっきり≪大阪市は職員も借金も絶賛増殖中≫
と思っていたんだけど…
」
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・国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一は読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。
・「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。
・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」、「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。
・そして、本書の目的の第二は
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。
・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。
・本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。
・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり、将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか。
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか。
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
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2010/12/27 (Mon) 16:32
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このたび
新生MPJ(メディア パトロール ジャパン)にコラムを寄稿しました
http://mp-j.jp/free_9_29.html 大阪「都」構想、「夢のまた夢」 廣宮孝信 2010.12.24
内容を簡単に説明しておきます。
「都」構想実現に向けては、三つの関門
1. 府議会、二つの政令都市(大阪市、堺市)の全てで過半数に達する候補者を立てられるかどうか
2. 1が出来たとして、3議会全てで実際に過半数を取れるかどうか
3. 日本国憲法第九十二条
(この憲法の規定により、「都」にするには国会の過半数の承認を得るか憲法を変える必要がある)
があり、これらをクリアするのは極めて困難であることを指摘。
また、その肝心の「都」構想については、
「東京都モデルにもいろいろ問題があるが、とりあえず大阪府よりはマシっぽいので、東京型にしてみた方が良い」という程度の構想でしかない(と、維新の会のホームページで「これを読めば分かります」と紹介されていた書籍からは読み取れる)
ということを併せて指摘しました。
タイトルの「夢のまた夢」というのは、太閤秀吉が臨終の間際に詠んだ辞世の句「なにわのことも 夢のまた夢」から取っています。府庁がその臨終の地、大阪城のすぐ隣にあるので借用させて頂きました次第です。
それにしても、その「都」構想が夢ですら無いということが何とも皮肉と言ったところ…
さて今回は、このコラムに関する補足が本題です。
「大阪都は困難」 橋下知事設置の府研究会
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201012230042.html
朝日新聞 2010年12月23日
新たな大都市制度を議論するため、
大阪府の橋下徹知事が設置した府自治制度研究会(座長=新川達郎・同志社大大学院教授)は22日、
知事への提言をとりまとめる最終会合を開き、
府と大阪市の役割分担を明確にするため再編が必要としながら、
知事が目指す大阪都構想の導入は困難とする意見で一致した。
また、再編にあたっては府市が協議し、
合意できない場合は住民投票を実施することも提案するとした。
-----
府自治制度研究会とは、
橋下知事が設置した、
大阪府の研究会です
大阪府HP
大阪府自治制度研究会
http://www.pref.osaka.jp/chikishuken/jichiseido/index.html つまり、
知事の声がかりで出来た府の研究会が、「都構想は困難」としているわけで、
身内からも否定されてしまったということになるという具合です。
記事の続きを引用してみましょう:
-----
東京都をモデルとした都制度について、
特別区に分割しても市より財源や権限が弱いため
自治体としての力が発揮できないことから
「導入は困難」と一致した。
委員から
「ポピュリズム(大衆迎合)にならないよう」 「一時の熱狂に踊らされないように」との意見も相次ぎ、
住民が判断できるように制度の長所や短所を明確に示す必要があるとした。
-----
当ブログの読者の皆さんの多くにとっては意外な感があるような気がしますが、
朝日さん、なかなかの記事をお書きになるものです。
さて、この自治制度研究会、
橋下知事の声がかりで出来ただけに、やはり知事に一定の配慮をする見解も出している模様です。
-----
一方で、現在の府と市は「責任の所在が不明確な『もたれあいの関係』」と指摘。
政令指定都市制度は「住民の意向が反映されにくい」とし、
人口267万人の大阪市を人口10万~30万人規模の一般市に再編する
「分市」案や、
ロンドンのような
小規模な区などと広域の行政体を設ける案を提言するとした。
-----
☆人口267万人の大阪市を人口10万~30万人規模の一般市に再編する
「分市」案 これは
「都」構想の特別区(普通の市より法律上格下の自治体)を
普通の「市」に置き換えただけの案と思われます。
「じゃあなんで人口規模が大阪市より横浜市や同じくらいの名古屋市を分市しないの?」というような議論が噴出して来ること必至で難しいでしょう。
横浜市は政令指定都市を県から独立させることで二重行政の解消をする方式を提唱、推進していますし、
名古屋市は河村市長が「名古屋市は解体しない」と宣言しています。
さらに、
もっと単純にして困難な問題があります。
分市するときの資産、負債の配分はどうするのか、という問題です。
市町村合併よりも絶対にもめに揉めます。 だって、
合併の場合は、
資産と負債を合算するだけですが、
分割となると、
資産と負債をそれぞれでどう分割するかを計算するのは非常に困難になるからです。
単純に人口割するとしても、住民の平均所得に差がある場合どうするのかとか、事業所の数が違って事業税収にばらつきがあったらどうするのかとか、人口の増減や域内生産の将来予想をどう見るかとか、どうやって決めるのでしょう?
資産の奪い合い、負債の押し付け合い、これは
到底収拾が付かないでしょう。
この点からも
「夢のまた夢」の「夢」ですらなく、むしろ「悪夢」と言えましょう。
☆ロンドンのような
小規模な区などと広域の行政体を設ける案を提言するとした。
これはまだ実現性はあるでしょう。
河村名古屋市長の推し進める、
小学校区または中学校区ごとに「地域委員会」を設置し、
地域地域の細やかなニーズに対応すべく、ある程度の予算の使い方は地元で決めるという方式に近いのではないでしょうか。
これについては
名古屋においてモデル地区で実験中(のはず)ですので、その実験でメリットデメリットがはっきりしたらまた検討すれば良いのではないかと思われます。
そして、もう一つ、
皆様に注意喚起させて頂きたいことがあります。
外国人参政権との絡みです。
橋下知事は少し前までは
260万人の大阪市を30万人程度の8から9の特別区に分割する とおっしゃっていたのですが、
12月5日の維新の会の鶴見区でのタウンミーティングでは
・鶴見区の人口は11万人。大阪府にはこれより人口の少ない市がたくさんあるので、
鶴見区は独立しても十分やっていける。 と、
主張が微妙に変化しています。そして、
・今はお役人の区長を選挙で選ぶ区長公選制にすべき ・区に分割すると議員の数が増えるというが、「区議会議員5人でも6人でも7人でも良いじゃないですか!」 と。
実は、
鶴見区選出の大阪市会議員の定数は現在3人です。
この発言の少し前、
維新の会は大阪市会に議員定数を半分にする条例案を提出していました(これは議会で否決)。
市会議員の定数を半分にする、ということは、
鶴見区であれば3人の定数を1人か2人にしないといけません。
ところが、
橋下さんはこれを
「5人でも6人でも7人でも」と言っているのです。
明らかな矛盾です。
市会議員を減らせと言っているのと同時に、
鶴見区は独立して議員を倍に増やせと言っているのです。
そして
もっと問題なのは、
5人とか7人の議会であれば、3人か4人を抱き込めば、完全な独裁が可能ということです。
これではまるで
古代ローマで一時あった寡頭政治です。
なお、このような
寡頭政治にならないように
、地方自治法 第九十一条では人口の小さい地方自治体の定数の上限を多めに取っています。
例えば
大阪市鶴見区は11万人なので、この条文の第七項により
「人口十万以上二十万未満の市 三十四人」 です。(これはあくまでも上限です)
橋下さんは
「みなさん、区役所の支配から独立を勝ち取りましょう!」とおっしゃっていたのですが、
現状、私は鶴見区に住んでいてちっとも区役所に「支配」されているとは思いません。 というか、
どこに住んでいても役所に支配されていると感じたことがないのですが、
もし読者の皆様の中で、「俺は役所に支配されている」と感じたことのある方がいらっしゃれば(某独裁国家以外の国において)、
是非コメントをお願いいたします(^^;)
それよりも、
こんな寡頭政治体制に支配されることになることの方が真っ平ごめん。ご勘弁頂きたいと思います…
そして、ここに民主党や社民党が推し進めようとしている
地方選挙の外国人参政権がおおいかぶさってくればどうなるでしょうか?
これは間違いなく、
民主主義政体としての日本の危機です。
大量の外国人住民が押し寄せて住民登録し、ほんの3、4人の議員を選挙で祭り上げる、ということをすればどうなるでしょう? 私が某国首脳であれば間違いなく、住民を送り込みます。
これならわざわざ機関銃やミサイルでドンパチしなくても、一人の戦死者を出すこともなく、簡単に支配可能です。
(私は、
国民には少なくとも潜在的に
国防の義務があり、
参政権はその義務があるからこそ持つことのできる権利である、
権利には必ず義務が伴うという観点から、
外国人参政権に反対です。
外国籍住民が意見や要望を表明する機会は与えられるべきであり、そのような意見や要望は尊重されて然るべきですが、
義務を伴わない権利を付与すれば日本は法治国家として成り立たなくなると考えます。これでは
法治国家ではなく放置国家です。)
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つまり、「都」構想は大阪府や大阪市だけの問題ではなく、
国のあり方の問題、国全体の問題です!
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「
『都』構想、『夢のまた夢』
というよりは、『悪夢、また悪夢』?
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・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。
・本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。
・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり、将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか。
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか。
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
本書についての類書との際立った特異点でありましょう。
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2010/12/23 (Thu) 15:11
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最近はあまり更新できておらず、コメント欄でもご心配のコメントを頂きまして、すみません^^;
前回、「とある事情」と書いていたことで更新のための時間があまり取れていなかったのですが、
そのとある事情とは…
自民党大阪市鶴見区支部青年部長
に就任の上、
「『都』構想より『都市構想』」というモットーで、関西の要、大阪市をより良くするための政治活動を開始することになりました、ということであります。
自民党大阪府連
第17回統一地方選挙 公認・推薦決定者一覧(大阪市会議員)のページ
http://www.osaka-jimin.jp/candidate/index2.shtml
もご参照下さい。一番下の方に私の顔と名前が出ています。
さて、
「なぜ、大阪市か」というと、
大阪市は全国の大都市でも最も少子高齢化が進んでおり、逆に、その少子高齢が進んでいる大阪市が「少子高齢化でも栄える都市モデル」を提示できれば、日本全体が良くなるから。
そういう思いがあるからです。
大阪市の課題は、前述の
・少子高齢
に加えて
・昼間人口370万人に対し、夜間人口(つまり住民人口)が260万人しかおらず、
昼間人口に対応したインフラ整備が必要なのに住民税収が少ないこと
・生活保護率が政令指定都市の中で突出して高い
といったことが挙げられます。
解決策としては例えば
・高齢者が多いことをむしろ前向きに捉えなおした地域活性化
東京・巣鴨は平日昼間でも高齢者客でごった返していることを考えれば、高齢者が多い
ことを活かした活性化策があるはずです。
・住む街としての魅力、歩く街としての魅力を高め、人口流入を促す
カギは最近の世界の都市建設の潮流である「徒歩経済圏」の確立/推進というところ
に考えています。徒歩と公共交通機関だけで生活が完了してしまえるような街づくり、
ということです。自動車を使わないことによる省エネや、徒歩による滞留時間の増加に
よる消費活性化効果、さらには歩くということによる健康増進効果、そして望ましくは
健康増進による医療費の抑制/節減効果を狙うものです。医療費の抑制/節減のレベル
まで行けば、それを財源とした景気対策も可能となり、更に人を集めることができると
いう好循環が生まれることになります。もちろん、それによって人口増による市民税収
の増加ということも狙いです。
・「第三の道」の発想による無理のない生活保護率の低減
生活保護の不正受給の防止というのは当然のことですが、それに加えて第三の道的な
「やる気を引き出す福祉」の発想で保護率を減らす方策があって良いと思うのです。
例えば、毎月10万円もらっている保護受給者の方がいるとします。仮にその方が就業し、
保護を脱却した場合に、一定期間(1年とか3年とか)、月2万円を本人に、月5万円を雇
用主に奨励金ということで支給するとします(ただし、それに伴って従業員数を減らし
た雇用主がいた場合はちっとも雇用促進にならないので対象外とします)。すると、市
の負担は奨励金を払っても3割減ることになります。この奨励金で仮に生活保護受給者の
10%が保護から脱却できたとしたら、大阪市の保護費負担は年間2800億円ですので、
2800億円×3割×10%=84億円
ということで、年あたり84億円の負担を減らせることになります。このようにして浮か
せた経費で更に景気対策・雇用対策をやる、ということができれば、大きな好循環が生
まれることになるのではないでしょうか。
と言ったことが考えられます。
特に、「徒歩経済圏」というキーワードで「『都』構想より『都市構想』」のスローガンで頑張ってゆきたいと思っております。
(「都」構想の問題点についてはこちらです。
ここではとりあえず、
都構想に時間とエネルギーを使うよりも大阪市の状況、特徴を勘案した景気対策や
都市構想、政策構想のほうが先ではないですか?
というところで留めておきたいと思います)
上記のような政策論は、もっと肉付けした上で別途ホームページを立ち上げて掲載する予定にしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ご意見、感想など、是非コメント欄にお書き下さい!
※なお、通貨発行権のある中央政府の国政の話とは違って、通貨発行権の無い地方自治体の話なので、私の大阪市に関する政策論は中立財政の立場を取ります。
#後援会の立ち上げなどはこれからになります。またお知らせしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
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2010/03/17 (Wed) 12:59
好評発売中: 「さらば、デフレ不況」

このところブログの更新があまり出来ていませんが、
政治団体の会計っていうのは企業会計と違うところが多過ぎまして。
ちょっとした経費の処理についてもあれやこれやと調べたり、詳しい人に教わったりなどなど。
とりあえず政治資金規正法絡みで会計帳簿や収支報告書関係は本を二冊読んで、一通り概略はつかんだのですが、
私の知り合いの税理士さん曰くは
「政治資金規正法よりも公職選挙法の方がきついから、ちゃんと勉強しときやー」
ということで、今から勉強を始めようとしているところです。
昨日、本屋さんで立ち読みしてたら、例えば、選挙期間中の
「選挙運動員」は選管に登録し、報酬を払ってはいけないが、弁当代などは出せる
「労務者」は報酬を払っても良い(日額1万円まで)が、弁当代は出せない
とか、
労務者はポスターを張る場所を自分で考えてもいけない。言われたとおりの仕事をするだけでなければならない。
とか、
些細なことが「買収」と見なされるケースもある
とか
これやれば禁固刑
とか
いろいろ書いてあって、少し読んだだけで立ちくらみがしてしまいました^^;
正直、訳わかんないので4冊ほど買い込んだのですが、追々ゆっくり読んで勉強しつつ、きっと読んだだけでは空知識でしかないので、詳しい方に教えてもらいつつ、という感じになろうかと思います。
あ、ところで、ちなみにですが、
私、この関係では報酬は頂いておりません。ボランティアです。
なお、後援会とは別に「政党支部」があるのですが、そちらの会計責任者となっております。
「会計責任者」というのは、万一のときは禁固刑があるので、前出の税理士さんは「カネもらっても割に合わんから絶対に引き受けん」と言っているようなお仕事なのですが、
三橋さんからお電話でその話を頂いたときは、正直迷いました。
といっても3秒だけですが(笑)
3秒だけ迷って、「分かりました。私も腹くくりましょう」とお答えしました。
逆に言えば、
引き受け手を捜すのが難しい仕事であるからこそ、自分が引き受けんとあかんやろと思ったので3秒で決めたのですが。
もちろんそれだけでなく、こんな面白い出来事に引き込んでもらってる時点でありがたいと思っているということもあります。
と言いつつ、タダでこれを引き受けている私は我ながらかなりの酔狂だと思いますが、引き受けた以上は責任を全うすべく、頑張って参りたいと思います。
私自身、「【魅惑の刑務所1年間の旅】にご招待♪」というのは願い下げでありますので!
という話の流れで、今日は経済の話は離れて、哲学的なお話をば。
当ブログで何度か紹介させて頂いている歴史作家の
宮城谷昌光さん
の作品から学んだことです。
ちなみに、宮城谷さんについては、「さらば、デフレ不況」の中でも
中国史上最初に通貨を出現させた商の紂(ちゅう)王
のくだりで引用させて頂きました。
ちょっと脱線しますが、私の2冊の本では、かなり意図的に歴史小説や「孫子」の引用をしています。
というのは、
読者の皆さんには長い時間軸の中で経済について考えて頂くきっかけになれば、という意図があるからです。
これと、諸外国のデータや事例を並べることで、
時間軸、空間軸
の二点においてより立体的に経済問題について捉えて頂けるのではないかという意図です。
昔、会社勤めをしていたときは、上司や先輩とよく歴史談義をしていたのですが、
飲み会帰りの電車の中で、部長さんに「現代日本だけを見ていては、物事を平坦にしか捉えることができず、立体的にみることが出来ないと思うんです」というような話をしたら
「確かに。そいういった時間軸と、それに空間的な広がりの中で見んとあかんな」
と返して下さったのが、いまでも印象に残っています。
さて、宮城谷作品の話に戻ります。
読者の皆さんは
という言い方をご存知でしょうか。
「自分の行いというのは、子や孫に有形・無形に甚大な影響を及ぼす」というような意味合いです。
多分に儒教的な発想だと思われます(もしかしたら、仏教的でもあるかも知れませんが)。
宮城谷さんの作品では、必ずと言って良いほど
ある人の行いが、その子孫に及ぼす影響
についての記述が出て来ます。
例えば、
ある有力な家の当主がいて、
傲岸不遜、冷酷無比で、政敵を次から次へと理不尽な理由で殺しまくり…
という不徳な行いを積み重ねたとします。
本人は幸せのうちに家族に囲まれながら天寿を全うしたのですが、
その孫の代になって一族皆殺しの目に遭う。
しかも、その孫は人格に優れ、多くの人から慕われていたにも関わらず、です。
あるいは、
一族がほぼ皆殺しとなり、赤ん坊一人がたまたま生き残って、その赤ん坊はその祖父の恩顧を受けた旧臣に命懸けで守られた結果生き残って家を再興し、その子孫がのちのち大国の君主の座に収まるまでになる。
というような事例が沢山出て来ます。
あるいは、
秦の公室(のち王室)は、「天子」たる周王しか祀ってはいけない天を、密かに祀り続けていたというお話。「天を祀る」というのは、もちろん、天下統一の志を持っていたということです。
これが800年、受け継がれました。
800年の後、始皇帝によってその父祖累代の野望は達成されるのですが、始皇帝の目に余る不徳な行いが祟り、帝国成立後わずか15年で滅亡してしまいます。
宮城谷さんの作品(どの作品か忘れましたが)で、この話を読んだとき、
【「家」というのはこのようなものか】
と感嘆を禁じ得なかったのですが、日本の歴史にも似たような話があります。
吉川英治さんの「私本太平記」に出てくる足利家の話です。
八幡太郎義家の子で、足利家の始祖・義国がこんな置手紙を遺していたというお話です。
七代の孫、かならず天下をとり、時の悪政を正し、また大いに家名をかがやかさん
(「私本太平記」文庫版(一)p.166)
ここで、「七代」というのは本人を含めて七代目という数え方なのですが、
その「七代の孫」にあたる家時は自分の代ではできそうにないと思い詰め、
と遺言して切腹してしまいます。
そして、
その「三代の後の子(=孫)」が室町幕府初代将軍、
足利尊氏
というわけです。
三河松平家も三河の国で勢力を張り始めてから家康を輩出するまで七代かかっていますが、
家というものはそういうものではないかしら、
大事を為すにはそれくらいの時間スケールが必要なのではないかしら
というのが私個人の認識です。
信長があれだけの仕事を為せたのは、織田家の父祖累代の積み重ねである家産と家臣団を最大限活用したからであるし、
秀吉の天下取りは一代と言えども、結局は織田家の家産と家臣団を引き継いだから出来たのであって、累代の積み重ねが無かったがゆえに政権基盤は脆弱にならざるを得ませんでした。
ちょっと脱線してしまいましたが、
究極の私益というものは、
家の存続と繁栄
であるというのが私の個人的認識です。
さて、
家の存続と繁栄を確保
するには、上記の「一族皆殺し」の事例を踏まえればもちろん、
「積善の徳」、つまり、徳を積み続けることが基本であるということになります。
それともう一つの基本中の基本は
家の存続と繁栄は、国家の存続と繁栄なくしてあり得ない
ということです。
つまり、
家の存続と繁栄
という究極の私益を追求するためには、
・基本的に、悪いことはできない
・公益に反することをしてはいけない(国家の存続と繁栄なくして、家の存続と繁栄はあり得ないので)
という理屈になります。
ただ、この文脈で考えると、例外はやはりあります。
私の中でその最たるものは、坂本龍馬の坂本家です。
龍馬の死後、龍馬の坂本家は甥に当たる方が継ぎましたが、その甥の方も子ができず、坂本家は断絶してしまいます。
公益に尽くしたはずの龍馬の坂本家において、残念ながら「家の存続と繁栄」が無かったわけです。
しかし、
龍馬の名は多くの日本人の中で永遠に生き続けるであろうことを考えれば、
これはこれで「究極の私益」に該当するのではないかとも思うのです。
例え子孫を為さなかったとしても、例え龍馬ほどには名を成すことがなかったとしても、
お寺屋さんで永代供養してもらおうと思えば、やはり国家の存続と繁栄は必要ですね。
ところで、
よく、「既得権益」を持っているとされている方が批判の的にされます。
仮に、
「既得権益」を持っている方がいらっしゃるとして、
そのような方には、私はこのように申し上げたいと思います。
究極の私益とは何か、ということを突き詰めて考えて頂き、私益と公益を一致させるように折り合いをつける工夫をして頂きたい。
利益を独占し過ぎることなく、徳を積み、公益と「積善の徳の余慶が子孫に及ぶ」ということを、是非とも両立させて頂きたい。
それこそが結局は私益を極大化することになるという認識を持って頂きたい。
「【積善の徳の余慶が子孫に及ぶ】、【私益を突き詰めれば究極的には公益と一致する】 という考え方もありか」 と思われた方は、↓下のリンクのクリックをお願いいたしますm(_ _)m
☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】はこちら
2009/06/02 (Tue) 17:20
「こんな国による救済はインチキだ!自由競争を阻害する!日本メーカーは一方的に不利だ!」
といえば、確かにその通りかも知れません。
しかし、一方で、
日本の自動車産業は、1950年代、
あまりの脆弱さゆえに「国産自動車メーカー不要論」まで沸き起こるなかで、
国策として、
税制上の優遇措置、政府系金融機関からの優先的融資、自動車の輸入禁止措置
といった、保護された状態の中で、なんとか育ってきたことを忘れてはなりません。
確かに、できるだけ自由競争であったほうが望ましいとは思いますが、
現実は、
最後は国全体の競争になると考えておいた方が間違いはないと思います。
日経ビジネス 09/03/16号で、こんな記事があります。
「我々は、トヨタ自動車を超える」
そう言って憚らない男がいる。
ヘンリク・フィスカー。
かつて独BMWや英アストンマーチンでボンドカーを生み出した天才デザイナーだ。
そして2年前、米カリフォルニア州に電気自動車メーカー、フィスカー・オートモーティブを設立し、CEOとなった。
今年11月にハイブリッドスポーツカー「カルマ」を納車する予定だ。
元副大統領アル・ゴアは、このクルマにほれ込んでいる。
パートナーを務めるファンドを通してフィスカーに出資し、8万7900ドル(約860万円)するクルマを早々に注文した。
そのゴアは、オバマ支援者の一人として知られ、環境政策に影響を与えている。
で、そのフィスカー・オートモーティブが
設立からわずか2年で、ハイブリッドカーのような技術力の必要な製品をどうやって作ったかと言うと
実は、核となる技術が、国家から提供されている。
米政府が軍事目的で研究したドライブトレインを、そのまま利用しているのだ
とのこと。
ちなみに、冒頭AFP記事の写真は、そのフィスカーの「カルマ」です。
さてさて、
よくよく考えれば、
コンピューターの発明は米軍のミサイルの軌道計算、
インターネットの発明も米軍の情報通信システム開発、
と、軍事部門、公的部門から出てきた技術です。
政府によるGMへの資本注入を「社会主義だ!」と批判することは簡単ですが…
オバマさんは著書「合衆国再生」の中で、
コスト削減と政府の縮小だけではアメリカは中国やインドとは競争できない。
と書いています。
↑この文章、「アメリカ」を「日本」に置き換えても、普通に成り立つと思いますが、いかがでしょうか?
「どんなときも、自由競争だ!新自由主義万歳!!!国の借金返済が優先!!!!なんて寝言を言ってる間に、技術的にアメリカに大差を付けられてしまったら、誰かちゃんと責任取ってくれるのかなぁ…???」と思われた方は↓こちらのリンクのクリックをお願い致しますm(_ _)m
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2009/04/03 (Fri) 15:49
2010年末までに財政出動の合計が500兆円になるように…
という話になりましたね。
ただ、この500兆円というのは、「目標」ではなく、
「各国の財政出動の合計が5兆ドル(約500兆円)になるとの積算を示すにとどめた。
(日経新聞 09年4月3日 3面)
ということなのだそうです。
54兆ドル
でした。これを基準に考えると、5兆円で世界のGDP比約9.3%、
これが2010年末まで、つまり、約2年間で、ということなので、1年当たりは4.6%ということになります。
まあ、ドイツやフランスが財政出動の目標を設定するのは渋ったとは言え、
世界のGDPと比較するとかなり大規模な財政出動になるということは、
間違いなさそうです。
それにしても、報道機関がこういう話をするときは、「500兆円」という金額だけを言うのではなくて、
1年あたり世界のGDPの○○%
という記事を是非とも1行追加して欲しいですね。
でないと、こっちでいちいち計算せなあかんやないかい!(笑)
ちなみに、上のAFPの写真で、まるで大学の卒業式のような雰囲気をかもし出しているのは
バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領、
シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)伊首相、
ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)露大統領
イギリスと違って、韓国は対外債務も外貨建てだろうから、イギリスのように「通貨安で対外純債務改善」というロジックが成り立たないのでは?という読者の方からの疑問について:
これは、「対外債務」のうち、
どれくらいの割合が外貨建てで、どれくらいの割合が自国通貨建てか、によると考えられます。
上の表のように、
07年末から08年末にかけてのポンドと韓国ウォンの対米ドル下落率は、
あまり変わりません。
それなのに、
対外純債務GDP比の改善幅は、イギリスの方がずっと良くなっています。
おそらく、
英国の対外債務に占める外貨建ての割合は、韓国よりもずっと低いのでしょう。
「対外純債務GDP比の改善幅」と「為替レートの下落幅」が比例すると仮定した場合、
対外純債務がゼロになるには、
英国ポンドは、07年末比で35%の下落で済むと見積もられるのに対して、
韓国ウォンは、07年末比で59%も下落しなければならないと見積もられます(上の表参照)。
さて、本題です。
『
英国債未達、大丈夫?』の回で、
日本でも2002年9月20日の入札で、10年物国債の未達が発生しました
という話を紹介しました。
さて、この10年物国債の買い手が付かなかった
(といっても10年物なのに1.2%しか金利が付かず、1兆3,500億円のうち、1兆1,852億円は買い手が付いたので、87.8%は売り切れたのですから、大したことはありませんが)
ということが起こっているちょうどそのとき、
上の表は2002年9月の日銀の「短国買入オペ」の明細データです。
買入オペ、ということは、日銀が
短期国債、我々に売ってください!
と言っているのに、売り手側が売り渋って、品薄になり、買いオペ目標額に届かず、「未達」になっていたのです。
この時期は、長期国債が不人気で、短期国債が大人気、であったと言えます。
この02年9月、
長期国債の「販売」の未達という「ネガティブ」な情報は新聞に載りましたが、
この短期国債の「買取」の未達という「ポジティブ」な情報は一切報道されていないと思います。
報道にはやはり、バランスが必要でしょう、と思うのですが、いかがでしょうか?
また、「国債買いオペ未達」というようなことがあり得るのです。
このような事実は、私がこれまで何度か書いてきました、
政府が「国債増発+財政出動」をしない限り、日銀も資金供給を増やしようがない
ということの一つの強力な根拠と言えるでしょう^^。
日銀が「国債買うぜ!」というのに、「国債売るのいやじゃ!」、なんてこともあったとは、こりゃまた驚いたよ!と思われた方は↓こちらのリンクのクリックを
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2009/04/02 (Thu) 19:59
本題に入る前に、ニュースを2件
【ニュース 1】
ちょうどイギリスのことを書いているときに、かの地では死者まで出るという痛ましい事態にまでなっていますね…。
そして、
さっきたまたまデモのことをテレビでやってましたが、「Bank is Evil」、銀行は悪だ、というプラカードを持っている方がいました。
ロンドンでは、銀行は相当恨まれているようです。
昨日の記事へのコメントで、イギリスの銀行、預金金利がやたら高いということは、相当ヤバイようですね、と書いて頂いておりましたが、実際、かなりヤバイようです。
Bank of Englandのデータベースで
民間企業向けの変動金利ローンの金利 3.09%
個人向け変動金利ローンの金利 3.73%
(09年2月28日現在)
となっていました。
昨日の記事で紹介しましたように、預金金利が5%を超えていましたので、これじゃ逆ザヤですね。
損を出してまでして金利を上げているということは、とにかく
運転資金を集めるのに必死なのでしょう。
【ニュース 2】
麻生首相:財政出動慎重 ドイツを批判--英紙に…
麻生首相は
「欧米の国々は財政出動の重要性をはっきり理解している国とそうでない国に分かれている。
それがドイツが財政出動を行わない理由の一つだと想像している」と述べた。
毎日新聞 2009年4月1日 東京夕刊 ドイツのメルケル首相はこの麻生発言に怒っているそうです。
お怒りはご最もですが、メルケルさんには是非、「財政出動の重要性をはっきり理解」して頂きたく思う、今日この頃であります。
ドイツでは、インフレ率は1%程度と低く、国債10年物金利も過去10年で最低水準ですので、もっと財政出動していいですよ、メルケルさん!出典:インフレ率:Eurostat、金利:OECD
さて、本題に移ります。
(3)ポンドの大幅下落 [ネガティブな材料]
(4)対外純負債が実はポンド下落とともに激減している[ポジティブな材料]
を
まとめて書いてみたいと思います。
↑(4)の「対外純負債」を昨日は「金融純資産」と間違って書いておりました。すみませんm(_ _)m
さきに、
(4)の対外純債務から。
これを見ると、イギリスの対外債務は、規模が昨年末にはGDPの5倍にまでなっています。
これだけをみると、「お前はもう死んでいる」と言いたくなってしまいますね。
しかし、
対外債務から対外資産を引くと実は、そうでもないのです。
下に
対外純資産を示します(対外純資産なので、マイナスが対外純債務、ということになります)
出典:対外債務の表と同じ
実は、
英国の対外純債務は、07年末のGDP比21%から08年末には5%と、大幅に改善しているのです
外貨準備高の激減具合から見ると、英国は韓国よりヤバイ!という感じでしたが、
対外純債務の状況を見ると、韓国より英国の方がずっとマシという感じですね^^。
これは、
1.対外債務は主にポンド建て
2.対外資産は主に外貨(ユーロや米ドル)建て
3.ポンド安により、対外資産がポンド建てで高くなり、対外債務が相対的に小さくなることで、
対外純債務が小さくなった
と考えられます。
単純化して考えますと、
日本の対外資産が100ドルとします。レートが1ドル100円とすると、
対外資産1万円です。
そして、対外負債も1万円あるとします。
そうすると対外純債務は0円です。
ここで、円安、たとえば1ドル120円になると、
対外資産1万2千円、対外債務は1万円のままで、対外純資産が2千円になります。
逆に円高、1ドル80円になりますと、
対外資産8千円、対外債務は1万円のままで、対外資産がマイナス2千円、つまり対外純債務が2千円となります。
上の対外純資産の各国の増減を見てみますと、
通貨安に見舞われた韓国、英国は対外純資産の増加(対外純債務の減少)で、バランスが「改善」
それに対し、
通貨が高くなったあるいは安定している日、米、伊(ユーロ)は、逆にバランスが「悪化」しております。
イギリスについて、少し詳しく見ておきましょう:
出典:対外純債務:上記と同じ、為替レート:Bank of England
実は、
ポンド安で、却って対外純債務が減っていく
つまり、
ポンド安は単純にマイナス要因だけでもないという、非常に面白い現象が起こっているのです。
変動為替相場制における為替レートは、一般的には(必ずしもどんな場合でも当てはまるわけではないですが)
・安くなり過ぎると貿易黒字が増加して、為替高への圧力が生じる
・高くなり過ぎると貿易赤字が増加して、為替安への圧力が生じる
というようなメカニズムで経済のスタビライザー(安定装置)になると思っていましたが、
対外純資産(純債務)の観点からもスタビライザーの役割を果たすこともあるのかも知れません。
⇒これが今回の検討で得た、私にとっての全く新しい知見であります。
昨日の記事では、
外貨準備高のイギリス08年3月⇒09年1月の減少率を見てみると、イギリスは韓国やロシアよりも大きくなっています。
と書きましたが、
イギリスの取るべき政策としては、
外貨準備高が急減すると不安を煽り過ぎることになるので、
本当に急激なポンド安が起こったときに、これを緩和するために、外貨準備を取りおいておき、
あとは徐々にポンド安に導くようにして、
対外純資産がプラスになるように持って行くのが良策ではなかろうか。
⇒対外純資産がプラスになれば、かなり安心感が広がることになると思われますので
と考えられます。
もちろん、そうなるまでに怒り狂った民衆が待ってくれるかどうかは、別問題ですが…。
さて、
日本についてはイギリスとは逆に、もしこれから一段の円高が進行したとしたら、対外純資産が減ることになります。
そうなると、日本破綻論者の皆さんが勢い付いてしまう可能性があります。
そのときは上記のような話をしっかり覚えておいて、しっかり反論できるように準備する必要がありそうですね^^。
つまり、
円高のときにしっかり外貨建ての対外資産を獲得しておけば、危機に陥ったときに大いに役に立つ
という
論法です。
この円高、世界的株安の状況を利用して、
年金資産200兆円を使えば、世界の上場企業の13%の支配を獲得できる。資源株獲得に集中投入すれば世界征服も夢ではない
のように、半分冗談で書きましたが
実際、日本企業はしっかり資源獲得を実行しております(日経新聞 09年03月26日 11面)
これだと、
「対外資産」+「資源も確保」
により、将来、いざ円安型の不況が生じたときには、非常に強力なスタビライザーとなるでしょう。
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2009/01/19 (Mon) 23:10
【1】「『もはや財政出動は効かない』が世界の常識」のウソ
「国債を刷れ!」p.59で
国の借金が増えることと金利とは無関係と言う話をしたのですが、関連して
「金利が上昇するから財政出動は利かない」とする説がウソであることについても述べておきたいと思います。
例えば、竹中平蔵氏。
そもそも従来、開放経済の下では財政拡大は大きな効果を持たないことが知られてきた。
財政で内需を増やしても、一方で金利上昇・通貨高(筆者注:つまり、円高)・輸出減というメカニズムが働き、財政の効果がキャンセルアウトされるためだ。
その中で日本は、ロジック(論理)を無視して常に財政拡大を指向してきた数少ない国だった。
(Fuji Sankei Business i 2008.12.22) ここで、「開放経済」とは要するに、為替変動相場制で自由貿易をしている場合の経済です(江戸時代の鎖国経済と正反対の経済)。
このような話は、竹中氏と密接な関係のある高橋洋一氏(「霞ヶ関埋蔵金」の提唱者)も著書「日本は財政危機ではない!」p.19で
景気対策に公共投資を投下する財政政策が効いたのは、はるか昔の固定相場制の時代のことであり、変動相場制の下では、ほんの少ししか効かない
(中略)
これは『マンデル・フレミング理論』によって証明されている。
(中略)
(その理論は)ノーベル経済学賞を受賞した国際経済学者、ロバート・マンデルらによって唱えられ…もはや世界では常識となっている
と述べています。
竹中氏も高橋氏も特に
日本の90年代(借金ばかりが増えてGDPが伸びなかった「失われた10年」)を問題にしています。
公共事業をしまくった割りには景気が良くならず、借金ばかりが残ったという具合です。
そして、
その理由を「金利が上昇するから」としているのですが、
その「公共事業をしまくった90年代」は金利は下がり続けています(図表1)。
図表1 80年代から2000年代にかけての国の借金と金利 |
つまり竹中氏の
「財政で内需を増やしても、一方で金利上昇」
という見解は、
全くの事実無根であるのです。
そもそも、
金利というものは、中央銀行(日銀)が市中に資金を供給することでいくらでも下げることが可能
です。
変動為替相場制の下で中央銀行が金融緩和を行ったとする
(中略)
国内金利には低下圧力がかかる
(中略)
MFモデル(マンデル・フレミング・モデル)においては、国内金利の低下のため、資本が自国から外国に流出する圧力がかかり、外国通貨への需要が増加するという追加的な効果が発生する
とあります。
つまり、マンデル・フレミング理論によれば、
1.日銀が資金供給(金融緩和)をすれば金利が下がり、
2.それにつれて外貨需要増加=外貨高=円安の効果がある
ことになります。
それならば、
政府による財政拡大と日銀による金融緩和を同時に行えば、財政拡大による円高という弊害は除ける
ということになります。
竹中氏や高橋氏がこのマンデル・フレミング理論を用いて財政拡大は無意味と主張するのは、実際のところ、かなりの無理があると言えます。
#なお、
「国債を刷れ!」のp.88で
江戸時代は鎖国、つまり閉鎖経済だからうまく行ったのでは、という疑問が生じるかも知れないが、この吉宗のバラマキは金融緩和とセットで行われた。開放経済でもうまく行くと見て良い。
のように書いているのですが、
暴れん坊将軍の政策は、
バラマキ(=積極財政)と金融緩和(=資金供給増加)がセット
ですので、
マンデルフレミング理論に従って考えれば開放経済でも全く問題なかったであろう、と考えられるわけです。
【2】いまや、世界の常識は財政拡大!
実際、80年代から90年代にかけての
「はるか昔」でもなく「固定相場制」でもないイタリアでは、
「失われた10年」の日本以上に「ロジック(論理)を無視して常に財政拡大を指向してきた」のですが、
公的債務/GDP比で見れば財政は日本よりもずっと健全なままであり、かつ、
国民の実質所得は日本よりもずっと増えています。 (このイタリアの事例については「国債を刷れ!」p.257で詳述しています)。
開放経済・変動相場制だからといって財政が効かないということはないのです。
そして、
いまや世界の常識は財政拡大です。
08年の金融危機による景気後退に対して、
世界各国が【図表2】のような財政拡大を計画しています(
国際金融協会IIFの08年12月発表資料より)。
中国・米国は金額もGDP比も抜きん出て大きくなっています。
そして、世界はつながっているのであり、経済は持ちつ持たれつです。
中国・米国の経済がダメになれば日本も当然タダでは済みません!
もし本当に
「開放経済では財政拡大は無意味」 ⇒
景気は良くならず、借金ばかりが残るだけ⇒いずれ中国政府も米国政府も財政破綻するかも
であるのなら、
竹中氏や高橋氏は世界経済を救うため、胡錦涛主席やオバマ新大統領が巨額の財政拡大を実施することを思いとどまるよう、身を挺して説得しに行くべきでしょう。しかし、
もちろんそんな必要はないし、決してすべきではありません!
なお、
日銀の金融政策(金利の調整など)については「国債を刷れ!」p.218で、政府による財政出動(積極財政)については「国債を刷れ!」第3章以降で具体的に説明しております。
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