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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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お知らせ:当面ツイッター中心に更新。ブログ更新は控えることにしました - 2015/07/16 (木) 12:18
ギリシャ危機、本当の「勝者」は「ドイツ第四帝国」か、「ローマ帝国」か? - 2015/07/14 (火) 15:17
「これはクーデターだ!」:国民投票前のショイブレ独財相のちょいブレは、“NO”勝利を間接的に支援した上で「信頼性が」とチプラス政権にいちゃもんを付け、ギリシャ財政主権接収に持って行くための仕込みだった? - 2015/07/13 (月) 12:28
ギリシャ瀬戸際外交の瀬戸際――瀬戸際なのはギリシャだけでなくドイツやEU全体も、だと思いますが! - 2015/07/12 (日) 16:08
ギリシャ、TV広告税導入へ(→国民投票実施の真の目的??日本では広告税導入検討で麻生内閣が倒れたとの噂も…) - ギリシャ、債権団にGDP比7%の緊縮財政案を提出(日本で言えば、自衛隊7個分消失の強烈な緊縮財政案) - 2015/07/10 (金) 11:41
ギリシャ、国民投票の真の目的は「大手メディアつぶし」か? - 2015/07/09 (木) 12:19
甘利大臣の緊縮NO発言が、あまり日本で報じられていない(というか日本のメディアがあまりにも報じなさ過ぎる)件 - 2015/07/08 (水) 10:57
ギリシャ新財相は反グローバリゼーション、反新自由主義の経済学者:冷静で物腰柔らかな、ギリシャ左派期待の星 - 2015/07/07 (火) 12:23
ギリシャ、反緊縮が地すべり的勝利⇒今後の想定シナリオ:ドイツが「ギリシャをユーロから追い出せ」世論に押されて強硬路線→株価暴落(?)→ドイツ世論に揺らぎ→ギリシャがほど良く妥協し債権団譲歩引出してユーロ居座り - 2015/07/06 (月) 12:20
独、土壇場で「NO」を支持?:対ギリシャ強硬派の独財相が「NOはギリシャの一時的なユーロ離脱につながる」発言直後に「我々はギリシャを見殺しにしない」と姿勢急転換+ギリシャのNO支持は極左と極右であり日米の反TPPと同じ構造 - 2015/07/05 (日) 10:18
ギリシャ、ドイツに債務免除していた!――1953年、第二次大戦戦勝国の一員として - 2015/07/04 (土) 12:36
ギリシャ不法入国者数、上半期でEU首位に――日本にとって他人事でないのは、借金問題よりは難民・移民問題かと+今朝までのギリシャ危機関連の動きのまとめ - 2015/07/03 (金) 11:30
ギリシャ、波乱の一日終え、首相と財相は「反緊縮&ユーロ居座り路線」を強化 - 2015/07/02 (木) 12:11
ギリシャ、ユーロ離脱なさそう:独財相の「国民投票で“NO”でもギリシャはユーロ残留可」発言で+その他今朝のIMF返済「延滞」までの動きのまとめ - 2015/07/01 (水) 10:38
ギリシャには米軍基地があるため、ギリシャ危機は米露「冷戦」と無関係でいられなさそう - 2015/06/30 (火) 17:11
ギリシャ銀行閉鎖:国民投票終了後まで+先行き不透明ながらギリシャ瀬戸際外交はさっそくEU、独、仏のみならず米の首脳らから「債務減免」の言及引き出す「成果」も - 2015/06/29 (月) 11:58
現代版ギリシャ悲劇、いよいよ第二幕か?――ギリシャ債務危機:直近2週間の流れのまとめ&今後の想定シナリオの検討 - 2015/06/28 (日) 10:46
日本のメディアがなぜか一切報じない「大規模 反緊縮財政デモ in ロンドン」の話――補足(これまでのツイートのまとめetc) - 2015/06/23 (火) 19:10
【拡散希望】「大規模反緊縮デモ in ロンドン」:主催団体の経済的主張が非常に興味深い――日本のメディアが一切報じないのはなぜ?? - 2015/06/21 (日) 18:49
ムーディーズ、日本国債格下げしつつ「民間部門の黒字が依然として財政赤字を十分に賄える水準」で国債金利急上昇のリスクは低い、とお墨付き - 2014/12/02 (火) 12:05
憲法で禁じられた“民間の貯金”…ドイツ基本法は政府財政赤字を厳しく禁じていますが、世界全体でこれをやると民間部門は財政黒字=貯金を禁じられることになります - 2014/10/04 (土) 18:03
「国の借金」ゼロにして滅亡したカダフィ大佐に学ぶワンポイント・レッスンその2:「国の借金ゼロにしたら、あら不思議。国民生活が破綻しちゃったかも…」 - 2014/10/03 (金) 09:50
「国の借金」ゼロにして滅亡したカダフィ大佐に学ぶワンポイント・レッスンその1:「下水道管に隠れていたところを捕まり流れ玉に当たって死ぬ前に、もっと財政出動しておけば…」 - 2014/10/02 (木) 11:30
「ハゲタカ」VSアルゼンチン…新たな「冷戦構造」の様相も垣間見える13年越しのドル建て債務問題から得られる教訓:「本当に怖い外貨建て債務」⇔日本の「国の借金」は「本当は怖くない自国通貨建て債務」 - 2014/09/29 (月) 11:27
韓国:財政黒字でも通貨危機:過去40年近くほぼ一貫して財政黒字で「国の借金ガー!」と一切無縁な韓国は「良い見本」?それとも「悪い見本」? - 2014/09/17 (水) 21:22
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「財政赤字を拡大せよ!」という奇特な米ヘッジファンド・マネージャーの物語:NYタイムズ記事より - 2013/07/18 (木) 17:00
ロゴフ教授が謝罪!ユーロ債務危機の緊縮政策の参考となった「国の借金が大きいと成長しない」という結論はエクセルの操作ミスだった、と。 - 2013/04/19 (金) 10:33
「国債を刷れ!新装版-これがアベノミクスの核心だ」先行発売のお知らせ:国土強靭化万歳!国債を刷って刷って刷りまくれ!!! - 2013/03/07 (木) 14:24
NHKスペシャル「日本国債」→財務省が「海外で日本国債の安全性を訴え、長期保有を呼びかけています」とナレーション - 2012/12/25 (火) 13:04

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681:お知らせ:当面ツイッター中心に更新。ブログ更新は控えることにしました

2015/07/16 (Thu) 12:18
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当面、ツイッターのみ更新し、ブログ更新はどうしてもツイッターでは表現しきれない重要なニュースがあったときだけ、というようにする方針です。

※私のツイッターは、当ブログのPC版の左上に表示しているツイッター窓で見て頂くか、「twitterでフォローして下さい」ボタンを押してツイッターを開いてみて下さい。



一応、最新のギリシャ関連ツイートのまとめと補足をしておきます:



















※与党シリザ内で緊縮案採決で造反の中心となった極左(革マル派)の「Left Platform」の代表、ラファザニス氏(エネルギー大臣)は、「大臣辞任の要請があれば受ける。債権団救済案には反対するが今後もチプラスを支持する」と述べています。つまり、政権与党内に留まるということですね。

 今後は、今回の国会採決で明確に反対を示した政権与党外の勢力である極右の「黄金の夜明け」、極左の共産党が勢力を徐々に拡大するでしょう。しかし、共産党はギリシャ正教会信徒の支持は得られないでしょうから、党首が正教会信徒である「黄金の夜明け」のほうが若干有利でしょうか。とは言え、正教会の聖職者らは「黄金の夜明け」を少なくとも表立って支持することは、まず、ありません。

 というわけで、
前回のエントリーで立てた仮説、正教会そのものが、政府の弱体化によって相対的に権威・権力が増してゆく、という路線が今後の有力なシナリオかと、やはり思う次第です(正教会は、反グローバリゼーションという点において、極左とも極右とも一致)。
 ギリシャの政権は今後、安定した政権運営のために正教会との協力を強化することはあっても、協力を弱めてゆくことはまずないと思われます。無神論が党是のシリザ政権が、今般の危機においてすら教会の特権を取り払えなかったことは、その大きな証左と言えます。









※やはり、「正教 Orthodox Church」は今般のギリシャ問題において、一つの極めて重要な要素と言えそうです。とはいうものの、上記はあくまでも野党議員の提言に過ぎませんが。







※プーチン大統領がギリシャを全面的に支援するとまでは言わないのは、アメリカへの遠慮もあるのかも知れません。もちろん、しゃしゃり出過ぎると、ユーロ圏内、EU内の嫌ロシア派を刺激し過ぎることとなり、交渉をぶち壊してしまいかねない、ということもあるでしょう。つまり、米欧の出方を見ながら、チプラス首相と懇意にしつつ、間接的に圧力を加える、という具合でしょうか。





緊縮が強化され、新自由主義、グローバリゼーションが強化されるという「作用」は、その反対側で、反緊縮、反新自由主義、反グローバリゼーションの勢力も強化されるという「反作用」をも生むことになります。

今後、世界はどうなるか?

私は、このブログでも何度か紹介している書経(しょきょう)の周書・泰誓上(しゅうしょ・たいせいじょう)の言葉:

“天、民をあわれむ。民の欲するところは、天、必ずこれに従う”

が鍵になると、個人的には思う次第であります。



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クリック、ありがとうございましたm(_ _)m  



※あと、この2、3週間のギリシャ危機や反緊縮関係の当ブログエントリーの一覧を以下に示します:


2015/06/21
【拡散希望】「大規模反緊縮デモ in ロンドン」:主催団体の経済的主張が非常に興味深い――日本のメディアが一切報じないのはなぜ??
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-659.html


2015/06/23
日本のメディアがなぜか一切報じない「大規模 反緊縮財政デモ in ロンドン」の話――補足(これまでのツイートのまとめetc)
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-660.html


2015/06/28
現代版ギリシャ悲劇、いよいよ第二幕か?――ギリシャ債務危機:直近2週間の流れのまとめ&今後の想定シナリオの検討
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-664.html


2015/06/29
ギリシャ銀行閉鎖:国民投票終了後まで+先行き不透明ながらギリシャ瀬戸際外交はさっそくEU、独、仏のみならず米の首脳らから「債務減免」の言及引き出す「成果」も
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-665.html


2015/06/30
ギリシャには米軍基地があるため、ギリシャ危機は米露「冷戦」と無関係でいられなさそう
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-666.html


2015/07/01
ギリシャ、ユーロ離脱なさそう:独財相の「国民投票で“NO”でもギリシャはユーロ残留可」発言で+その他今朝のIMF返済「延滞」までの動きのまとめ
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-667.html


2015/07/02
ギリシャ、波乱の一日終え、首相と財相は「反緊縮&ユーロ居座り路線」を強化
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-668.html


2015/07/03
ギリシャ不法入国者数、上半期でEU首位に――日本にとって他人事でないのは、借金問題よりは難民・移民問題かと+今朝までのギリシャ危機関連の動きのまとめ
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-669.html


2015/07/04
ギリシャ、ドイツに債務免除していた!――1953年、第二次大戦戦勝国の一員として
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-670.html


2015/07/05
独、土壇場で「NO」を支持?:対ギリシャ強硬派の独財相が「NOはギリシャの一時的なユーロ離脱につながる」発言直後に「我々はギリシャを見殺しにしない」と姿勢急転換+ギリシャのNO支持は極左と極右であり日米の反TPPと同じ構造
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-671.html

2015/07/06
ギリシャ、反緊縮が地すべり的勝利⇒今後の想定シナリオ:ドイツが「ギリシャをユーロから追い出せ」世論に押されて強硬路線→株価暴落(?)→ドイツ世論に揺らぎ→ギリシャがほど良く妥協し債権団譲歩引出してユーロ居座り
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-672.html


2015/07/07
ギリシャ新財相は反グローバリゼーション、反新自由主義の経済学者:冷静で物腰柔らかな、ギリシャ左派期待の星
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-673.html


2015/07/08
甘利大臣の緊縮NO発言が、あまり日本で報じられていない(というか日本のメディアがあまりにも報じなさ過ぎる)件
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-674.html


2015/07/09
ギリシャ、国民投票の真の目的は「大手メディアつぶし」か?
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-675.html


2015/07/10
ギリシャ、TV広告税導入へ(→国民投票実施の真の目的??日本では広告税導入検討で麻生内閣が倒れたとの噂も…) - ギリシャ、債権団にGDP比7%の緊縮財政案を提出(日本で言えば、自衛隊7個分消失の強烈な緊縮財政案)
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-676.html


2015/07/12
ギリシャ瀬戸際外交の瀬戸際――瀬戸際なのはギリシャだけでなくドイツやEU全体も、だと思いますが!
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-678.html


2015/07/13
「これはクーデターだ!」:国民投票前のショイブレ独財相のちょいブレは、“NO”勝利を間接的に支援した上で「信頼性が」とチプラス政権にいちゃもんを付け、ギリシャ財政主権接収に持って行くための仕込みだった?
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-679.html


2015/07/14
ギリシャ危機、本当の「勝者」は「ドイツ第四帝国」か、「ローマ帝国」か?
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-680.html



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680:ギリシャ危機、本当の「勝者」は「ドイツ第四帝国」か、「ローマ帝国」か?

2015/07/14 (Tue) 15:17
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近年まれに見る「国際的大型政治劇」もひと段落、と言ったところでしょうか。

今般のギリシャ危機のすったもんだは、ネットによりリアルタイムで、豊富な情報を時系列で観察することができた、という意味で個人的に非常に勉強になったという印象です。善悪良否は別にして、ですが。

特に、イギリスのガーディアンやテレグラフのように、重要なテーマはライブ・アップデート記事サイトを立ち上げ、次から次へと新しい情報が追加され、しかも時系列で確認できたので、話の流れを追うことが容易になりました。
 
ただ、テレグラフはひと月あたり無料で見れる記事数が限られており、あっというまに上限が来てしまったので、後半はガーディアン頼みでした。ガーディアンはリベラル、テレグラフは保守という感じで、ガーディアンはチプラス政権に若干好意的、テレグラフはチプラス政権に若干批判的なスタンスかな、という感じでしたので、バランスを取るために、本当は両方とも見たかったのですが。

ガーディアンとテレグラフを比較すると、プロパガンダ・マシーンとしてのメディアの機能の観点から、ある立場からの情報を無料で大量に流すことの重要性を改めて感じた次第です。プーチン肝煎りで創設されたロシアの英語メディアRTは、もちろんその文脈で作られたものと考えられます。まあ、メディアというものはそういうものでしょう。







さてさて。
昨日、夜通し行われ、現地時間の朝9時くらいまで続いてようやく「合意」に至ったギリシャ問題協議の、その合意に至った直後の様子を振り返っておきます:






※このトゥスクEU大統領の発言を受け、欧州の株式市場は2%以上、ニューヨークも1%以上上昇した、とのことです(ガーディアン記事参照)。

※グレグジット(Grexit)に続き、新たな造語(aGreekment)が出て来ましたね。






















※ユンケルさんと言えば、チプラス首相による国民投票の発表の直後、「債権団は年金カットを要求していない、チプラス首相はうそつきだ」といって、ジャーナリストらから「あんさんこそうそつき」と言われていた、あのユンケルさんです。最後は妥協する、というのがユーロ・スタイルということのようで。












※この500億ユーロ(約7兆円)のギリシャ政府資産の民営化ファンドへの資産移転の件、当初ユーロ財相会合で出て来たドイツ案では、ドイツのショイブレ財務大臣が経営トップであるKfWというドイツの開発銀行の100%子会社であるルクセンブルクのInstitution for Growthというファンドに移転させるという、とてつもない話になっていました。

 これは、あまりにもあからさま過ぎた案です。

 で、これをチプラス首相が交渉し、新ファンドをギリシャ国内に設立するということで話が付いたわけですね。

 これは恐らく、法人税の問題かと思います。もちろん、この新ファンドの組織形態をどうするかによって税負担は違って来るかとも思います。NPOとかだったら非課税かも知れません。でも、普通の民間企業という形式であれば、間違いなく法人税の課税対象です。今回の協議では法人税は引き上げられることになっていますから、もしこの新ファンドが課税対象であれば、ギリシャにとって引き上げた法人税率で課税できるので、その分は有利になります。
 ルクセンブルク案だったら、ギリシャで課税できない(というか課税の可能性が完全に断たれる)だけでなく、ルクセンブルクはユーロ圏のタックスヘイブンとして有名な国であるわけですから、ユーロ圏全体でみても課税がやり難いという話になっていたわけです。ここはチプラス首相も一矢報いることができた、という話になります。
 
でも、よくよく考えてみるとこの話、またもや「仕込み」だったのではないかと思います。ショイブレ独財相も、こんなあからさまな話が完全に通るとは最初から思っていないでしょう。

つまり、
・とにかく、目的はギリシャに政府資産を供出させること
・でも、このあからさまな案は、かなりの確率でギリシャの国会で可決されない、ということも最初から承知の上
・で、チプラス首相の求めに応じて、新ファンドをルクセンブルクではなく、ギリシャ国内に設立、ということにして、チプラス首相に花を持たせ、ギリシャ国会で通りやすくする
という筋書きではないかと思います。



政治というのは、このように進んで行くんだな、という典型的な事例ではないかと思うわけです。これがユンケルさんのいう「典型的な欧州の流儀 typical European arrangement」なのかも知れません。
前回も書きましたが、国際政治場裏というのはこんな海千山千で溢れているんでしょうね。ちなみに、チプラスさんは41歳で私より1つ年上なだけです。




ギリシャは、いわば上記の500億ユーロの政府資産を担保(collateral)として差し出し、さらに「増税&歳出削減」の緊縮財政パッケージと引き換えに、860億ユーロ(約11兆円)の新規借り入れや、債務返済期限の延長を獲得する(予定)となっているわけです。

 この件につき、ギリシャにおいては、シリザ(急進左派連合)の中でも最左翼で革命マルクス主義の「Left Platform」始めとするグループが造反しそうですし、連立相手のギリシャ人独立党(ANEL)の党首も同意しないと言っています。

 また、新規資金の貸し手となるユーロ圏のみならずEU各国では、資金貸出を渋る動きもあるようです。まだまだひと波乱ありそうな気配もありますが、ひとまずは「典型的な欧州の流儀」で何とか収まるんじゃないかと個人的には予想します。

 ギリシャでは銀行閉鎖、ATM引出し制限が続いていることも大きな不満の要因であり、860億ユーロの借入ができればそのような資本規制も解除できるでしょうから、国会でも結局は賛成が過半数を上回って可決されるものと思われます(可決されなければ、また一大国際的政治劇になってしまいます…)。




以下、ギリシャでも欧州各国でもこの新プランが可決されるシナリオで、今後の推移を想定してみたいと思います。その場合における、本当の「勝者」は誰か、という視点で。


勝者は「ドイツ第四帝国※」か?

※神聖ローマ帝国が第一の帝国、プロイセン国王が帝位について成立したドイツ帝国が第二、ヒトラーの「帝国」が第三。その次ということで第四の帝国。第四帝国という言い方は当ブログでも3年前にもちらりと触れました。

【EU、第4帝国か解体か? - メルケル首相、「主権移譲すればユーロ圏共同債の検討が可能」とな?】
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-503.html 2012/06/24

そこで引用していたロイターの記事で以下のような箇所がありました:

----
成長戦略をめぐっては、欧州の政策金融機関である欧州投資銀行(EIB)の増資やEU構造基金の未使用分の再分配、インフラ事業向けのプロジェクトボンドなどがすでに検討されているが、この日、追加対策に関する発表はなかった。

こうしたなか、ユーロ圏共同債などをめぐっては、メルケル首相から前向きな発言はなく、オランド仏大統領がドイツの消極的な姿勢に不満を漏らす場面も見られた。

オランド大統領は「ユーロ圏共同債を選択肢とみなしているが、10年という時間では考えていない」とした上で、「ユーロの連帯改善なくして主権移譲などあり得ない」と強調した。

これに対しドイツは実質的に逆の立場をとっており、メルケル首相はこれまでに、ユーロ圏加盟国が財政や経済政策をめぐる権限を移譲すればユーロ圏共同債の検討が可能としている。
-----


この3年前の記事で伝えられている仏オランド大統領と独メルケル首相の姿勢は、今回の協議の過程における姿勢と全く同じですね。

以前からメルケル首相はユーロ圏加盟国の「財政や経済政策をめぐる権限を移譲」について言及していた、というわけです。そして、ギリシャがその初のケース(に近々なる予定)という運び。


前回書きましたが、ショイブレ独財相の、ギリシャ国民投票発表後の発言の揺らぎは、少なくとも結果として、ギリシャ有権者にNO投票を後押しするものになっていたと考えられます。

NOの圧勝(といっても有権者の35%に過ぎませんが)を盾に、待ってましたとばかり「ギリシャは信用できん!」「信用ガー」と騒ぎ立て、ドイツ及びその賛同国はギリシャの500億ユーロ政府資産の供出をもぎ取りました。

(この「信用ガー」というのは、国際政治場裏では有効な手段のようですね。最近、日本は世界遺産登録の場で韓国に事前の約束を「裏切られた」ので、「信用ガー」オプションを全面的に活用し得る立場を得たと言えます。しかし残念ながら、今までのところはドイツがギリシャに行使したようなほどには全面的に活用できていない、という具合でしょうか)


今回の交渉につき、ガーディアンの記事

almost total surrender of the nation’s fiscal sovereignty
ほぼ全面的な国家の財政主権の放棄


と表現し、あるシリザ幹部が

the deal as the product of defeat and capitulation
敗北の産物、降伏文書としての取引


と言っていることを紹介しています。



さて、ユーロ圏は金融調節機能を一つの中央銀行、ECBに集中させることで、通貨発行権は統合されています。財政主権は各国が一応は独自に持っています。そして今回、ギリシャはその財政主権の一部を「放棄」する流れになっています。これが全てのユーロ圏参加国でなされると、財政がみごとに統合されます。あとは政治統合、となりますが、財政が統合されれば、各国政府は自治体政府のようなものになりますから、ユーロ圏は一つの国ということになりますね。それがドイツ第四帝国というわけですが、今回の条件が各国の国会で承認されれば、このドイツ第四帝国に一歩近づきます。

その意味で、3年以上前からユーロ圏加盟国の「財政や経済政策をめぐる権限を移譲」について言及していたドイツ・メルケル首相は「勝者」と言えるでしょう。


一方、逆の方向からの見方もできます。



勝者は「ローマ帝国」か?

拙著「日本経済のミステリーは心理学で解ける」で私が散々多用した「抑圧」の概念を考えてみましょう。

抑圧というのは、簡単に言ってしまえば「否定」、あるいは「否定されること」、「存在を否定されること」です。

そして、どんな形であれ「否定」はストレスを生じさせます。これは心理学的、生理学的、生物学的、あるいは、物理的、化学的に、生物個体において自動的に発現する機能です。

それは、一人の個人においても発現しますし、多数の人間集団においても発現します。

今回の「取引」は、多くのギリシャ国民を抑圧することになり、ギリシャ国民の個人個人の、あるいは集団的なストレス、不満は高まることになるでしょう。当たり前と言えば当たり前ですが、作用には必ず反作用がある、と言えます。

今回、平たく言ってしまえがドイツはかねてからの所望どおり、ユーロ参加国であるギリシャの財政主権をかなりの度合いで移譲させることに成功しました(あくまでも、「その予定」ですが)。その「作用」に対し、今後、その作用によって生じる「反作用」のほうが上回ることになれば、今後はドイツが一転して「敗者」になる可能性もあることになります。ナチスドイツという「作用」が「反作用」に打ち負かされたように、です。

そこでカギになるのは、ギリシャ正教会かも知れません。


前回も書きましたが、西ローマ帝国の流れをくむカトリック(バチカン)に対し、東ローマ帝国の流れをくむのが東方正教となります。東方正教は各国ごとに正教会があります。例えば、ギリシャ正教会、ロシア正教会という具合です。


今回の交渉に当り、ギリシャがフランス官僚軍団の助けを得ながら作成した「改革案」では、ギリシャ最大の地主であるギリシャ正教会の特権に切り込む改革が含まれていないと、ドイツの「自由民主党FDP」所属で欧州議会副議長のLambsdorff氏が指摘しています。


ギリシャ与党のシリザは、党の方針としてギリシャ正教会の特権廃止を謳っています英語wikipediaエコノミスト誌記事参照)

それにも関わらず、今回の切羽詰った局面でも、その党の方針であるギリシャ正教会の特権を弱めるような提案を債権者側に対して行っていないわけです。今回こそ絶好の機会であったと言えるのに、です。

 そのシリザの党首であるチプラス首相自身、二人の子供を洗礼させず、また、就任宣誓式を宗教的形式で行わなかった最初のギリシャ首相で、無神論者です。しかし、政権与党にまでなるくらいに勢力を拡大するに当たっては、ギリシャ正教会の信徒票が必要不可欠であるため、シリザはギリシャ正教会とも良好な関係を維持しているとのことです。2004年に初めて国会で議席を取ったときはたったの6議席。それが今年初めの選挙では149議席です(ギリシャ国会の議席総数は300)。これだけの議席の確保には、無神論のシリザもギリシャ正教会を敵に回せないわけです。その上、ギリシャ正教会とシリザには「反グローバリズム」という共通項もありますから、シリザが敢えて教会を敵に回す必要もない、という面もあります。(英語wikipediaエコノミスト誌記事参照)。

 そして、 シリザが政権の座に就くためには、ユーロ離脱も言えませんでした。シリザは元からユーロ残留を唱えて選挙に勝っているわけです。それが圧倒的な世論だからです。だから、今回の交渉の成り行きはある種、当然の結果と言えます。
 
 
 一方、シリザの正反対の極である、極右ネオナチの黄金の夜明けの党首、ミハロリアコスは元軍人にしてギリシャ正教会の信徒でもあります。
 彼は何人かの聖職者を褒めちぎっています。ただ、褒められた聖職者は即座に拒否反応を示していますが。とにかく彼は正教会の教義をうまく活用して支持者を獲得しているということがあるようです(エコノミスト誌記事参照)。

 といったわけで、ギリシャ正教会は極右から極左まで幅広く共通的に良好な関係を構築し、あるいは幅広く支持されている、ということになります(もちろん、極左といわれるシリザの中の最左翼であるLeft Platformの革マル派な人々は、無神論の度合いも高いでしょうから違うかも知れませんが)。

 そして、先ほども触れたようにギリシャ正教会はギリシャ最大の地主です。
 政府が今般の財政主権の弱体化、緊縮財政の強化、となれば教会の力、権威は、自然の成り行きとして相対的に増すことになります。
 経済を構成する3要素である「ヒト、モノ、カネ」のうち、本質的に重要なのはカネではなく、ヒト、モノです。すなわち
  ヒト× モノ○ カネ○ →人類滅亡
  ヒト○ モノ× カネ○ →飢え死にでやはり滅亡
  ヒト○ モノ○ カネ× →一応、社会経済は成立可能
というわけです。
 教会はカネはあまりなかったとしても、ヒト、モノは有り余るほど動員できるはずです(その意思があれば、ですが)。

 エコノミストの記事では、無神論を掲げるシリザを支持するギリシャ正教会の信徒である若者のコメントを載せていますが、
彼は今後、教会がチャリティー(奉仕活動)だけに専念し続けるのか、ギリシャをこんな状態にした人々に説明責任を果たさせようとする(つまり、政治に介入を強める)か、注目したいと言っています。

 ギリシャ正教会はその莫大な所有地を、多数の失業者を募ってうまく活用すれば、かなりのことができるのではないかと思います。教会はいわば、大規模な物々交換コミュニティーを成立させ得るわけです。政府が金銭的に弱体化することが確実な今、まさにそのような環境が整おうとしていると言えます。
 
 この流れが確実になれば、ドイツは「勝者」から「敗者」に転じ、この数百年で権威・権力を弱め続けて来た東方正教会が勢力を盛り返し、却って「勝者」に転じるかも知れません。

 そして、同じことはローマカトリックにも言えるかも知れません。

 ちなみに、ドイツは一応はカトリック教徒も多い国です(wikipediaでリンクしている資料によると、2008年時点で30%がカトリック、29%がプロテスタント、4%がイスラム教、34%が無宗教)。
 そしてメルケル首相自身は祖父、父親がプロテスタントの牧師ですが、メルケル首相の所属政党であるキリスト教民主同盟(CDU)は、いまはプロテスタントも受け入れていますが元はカトリックだけの政党でした。

 メルケル政権の主導する欧州全体における財政統合&緊縮財政の大きな流れは、大企業にとって有利であるという「作用」がある一方、格差・貧困の拡大に伴うカトリック教会や東方正教の勢力の拡大にもつながる――すなわち、東西ローマ帝国復興への道につながる――という「反作用」をもたらし得るわけです。
 そして、上述のようにメルケルさんの所属政党は元々はカトリック教徒だけの政党でした。
 これは偶然なのか、必然なのか。


もちろん、これは一つの仮説です。


なお、バチカンのフランシス法王は最近、反グローバリゼーションの砦たるボリビアで、グローバル経済に批判的な演説をしています:



Pope Francis Calls for 'Globalization of Hope' Throughout Latin American Tour
フランシス法王、南米歴訪で「希望の国際化」※を呼び掛け

by ABC News Videos
The papal leader spoke critically of the global economy for encouraging the destruction of natural resources.
カトリック指導者、天然資源の破壊を促進するとしてグローバル経済に批判的な演説



Pope Calls for ‘Globalization of Hope’
法王、「希望の国際化」※を呼び掛け
http://www.wsj.com/articles/pope-francis-asks-bolivians-to-remember-the-poor-1436465872
Pontiff warns against temptations of materialism during South American tour
教皇、南米歴訪において実利主義への誘惑を警告
The Wall Street Journal, July 9, 2015



※「今の世界に必要なのは経済の国際化ではなく、希望の国際化」ということですね。国際的な巨大組織であるカトリック教会の長らしいお言葉であるかと。




最後に勝つのは、グローバル経済の「新帝国」か。
それとも、反グローバル経済の「伝統的帝国」か。

欧州だけでなく、日本を含む世界全体がその岐路に立たされているようです。







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679:「これはクーデターだ!」:国民投票前のショイブレ独財相のちょいブレは、“NO”勝利を間接的に支援した上で「信頼性が」とチプラス政権にいちゃもんを付け、ギリシャ財政主権接収に持って行くための仕込みだった?

2015/07/13 (Mon) 12:28
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ギリシャ問題、昨日もまた大荒れな一日でしたね。
そして、大きな流れは、前回(昨日)書いたような、ドイツによるギリシャの財政自主権の接収の流れに向かっているようです。

(これが仮に失敗し、万一ギリシャのユーロ離脱となれば、シリザ内の「革マル派」や、ネオナチの「黄金の夜明け」が勢いづくことになろうかと思います。ゆえに、グレグジットの政治的リスクは非常に高いし、経済的コストは非常に高くつくことになるでしょう。その場合、ドイツはギリシャ政府に貸している約8兆円や、ドイツ企業がギリシャ国内に持っている権益の大半を失うんことにつながると思いますので、それは本当の狙いではないでしょう。ゆえに、最後には話がつくと見ますが、どうでしょうか)

というわけで、以下、私の関連ツイートを振り返りながら補足を加えます:


















※「信頼」という「通貨」が失われたので、現ナマという本物の「通貨」を寄越せ、という具合でしょうか。







※ギリシャが今回提出していた提案は、フランス官僚軍団の全面バックアップで作成されたものでした。オランド大統領にしたら、全面的に顔をつぶされたという塩梅ですね。


※ちなみに、ユーロ圏諸国につき、ギリシャに対する態度が融和的か、中立的か、敵対的かを色分けして示す地図をガーディアンが作成しています。パッと見では、カトリック教徒の割合が多い国ほどギリシャに対して融和的かな、という印象。
 ギリシャは東方正教会ですが、大雑把に言ってしまえば、カトリック教会(バチカン)は西ローマ帝国で、東方正教会は東ローマ帝国ですね。いや、関連性があるのか、ないのかは分かりません。偶然の一致か何かでしょうか。
 ちなみに、カトリック教徒の多いラテン系民族は、大きな政府志向である、というのはフランスのル・ボンが百年以上前に指摘していたことです。それとは関連性があるかも。










※ショイブレさんは、ギリシャの国民投票の発表後、非公開の会合において「結果がNOでもギリシャはユーロ圏を脱退しなくともよい」と発言していたことが、匿名のドイツ連邦議員3名からブルームバーグにリークされていました。その後も、投票直前において、ギリシャに厳しい発言をしたかと思えば、融和的な発言に転じるということもありました。この言動は、「NO」派に有利なものだったと言えます。平たく言ってしまえばギリシャの「NO派」有権者を後押しした、とも言えます。
その上で、「信頼性が」と言っているわけです。何かあるな、と思っていたら案の定、というべきでしょうか。

しかし、公平性のために言及しておくと、
ガーディアンが、このKfWの件につき、「スキャンダルではないと主張」しているアメリカの金融アナリストがいることを紹介しています。
ガーディアンは基本、リベラルですので、「スキャンダルではない」という主張があると紹介することで、逆に「スキャンダルかも」と匂わせているように思われますが、どうでしょう。









※チプラス首相も、さすがにそれは受けられなさそうですね。

この件を含め、クルーグマン教授がご立腹です↓。







シリザと緊密な関係を持つ、スペイン版シリザと言えるポデモスは、最近の世論調査では上位2政党と支持率でほぼ並んでいるそうですが、そのポデモスの党首も大層ご立腹↓







そして今の大きな流れがこれ↓






そして、チプラス首相は水曜日までに色々なことをやり切ることを迫られています↓。


ギリシャに72時間の猶予、欧州首脳が緊縮策の法制化を要求
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRDT9VSYF01T01.html
ブルームバーグ 2015/07/13




国民投票だ!とやってから得た成果物の数々を考えるとギリシャのシリザ政権は大した交渉上手だ、とはいまも思っていますが、二次大戦前からの生き残りであるショイブレ独財相らの老獪さも凄まじいものがあるようです。

何やら、タヌキとキツネの化かし合いに多くの諸国民(とりわけギリシャ国民)が巻き込まれている、という具合でしょうか。

日本の政治家や官僚の皆さんは、世界において、こんな海千山千な人達と互角以上にわたり合わなければならないのか、というのが私のいまの率直な感想です。



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678:ギリシャ瀬戸際外交の瀬戸際――瀬戸際なのはギリシャだけでなくドイツやEU全体も、だと思いますが!

2015/07/12 (Sun) 16:08
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ギリシャ問題、ギリシャの超緊縮案の国会での圧倒的多数による可決に加え、安全保障問題なども考えれば、もうちょっとすんなり行くかと思っていましたが、なんともすったもんだしている模様です:








フィンランド財相:これ以上ギリシャに資金を出すことを拒否。
ドイツ財相:ギリシャは少なくとも5年間ユーロ圏から外れるべき。

ドイツや東欧諸国は、とにかく信用ならん、という感じ。

一方、フランス、イタリアは「なんとかしないと」という感じ。








ドイツ人は、第一次大戦の巨額賠償金を課せられ、それが延滞したことでフランス軍とベルギー軍に占領され、それでハイパーインフレとなり、共産主義グループと資産家グループの対立激化で内乱・暴動が頻発、そしてヒトラー率いるナチスの登場&悲惨な第二次大戦となり、最後はギリシャ含む戦勝国から債権放棄してもらって立ち直った、ということを本気で忘れているのでしょうかね?

もしそうならば、一人の人間として私にはかなり本気で理解不能ですが、政治的駆け引きということなら、まあ、それはそれであり得るかとも思います。

政治的駆け引きとすれば、上記のツイートのように

ギリシャ信頼できん→カネの管理はEUの関係機関か何かでやらせるというなら信用してやろう→EUによるギリシャの財政自主権の全部または一部接収

を狙っているのかも知れません。


ショイブレさんは、少なくとも5年は出てってもらうと言いますが、その間にギリシャで共産主義者と極右勢力の内戦でも起きたら責任取れるのかしら。

ちなみに、金曜日の夜、というか土曜日の明け方(現地時間)に行われたギリシャ国会の緊縮案採決では、与党シリザから17議員の造反が出ました(ほとんどは欠席か白票という形の造反。反対票は2)
その中心だったのが、シリザ(急進左派連合)の中でも、最左翼と言える「Left Platform」というグループです(シリザは元々13の左派団体の連合体)。

シリザ最左翼の「Left Platform」の代表は生産復興・環境・エネルギー大臣であるラファザニス氏で、元は共産党出身。その「Left Platform」を構成する団体の一つである Internationalist Workers' Left (DEA)は、

革命マルクス主義

を標榜しています。


革命マルクス主義。略すと「革マル」。どこかで聞き覚えのある響きでありますが…。


彼ら「Left Platform」は、土曜日早朝の緊縮案採決の直前においても、ギリシャのユーロ脱退を主張しています。

つまり、ショイブレ独財相がいうような一時的にでもギリシャのユーロ脱退ということに万が一なったとき、この革命マルクス主義グループの皆さんが勢いづくということになろうかと思われます。ドイツあるいはEUはそれで本当にええのんか、という話です。

仮に交渉の決裂によってギリシャの銀行が全面的に破綻に追い込まれ、ギリシャ政府が自らの意志でユーロ脱退を余儀なくされた場合、勢いづくのは「革命マルクス主義」の皆さんだけでなく、ユーロ脱退を標榜していたネオナチの黄金の夜明けも勢いづくでしょう。

じゃあ、内戦か?

というとそれは恐らく、外国勢力がどのような形で、どこまで介入するかによるのではないかと思います。

1946-1949年の内戦では、共産勢力はユーゴスラビアとソ連の、右派・国軍勢力は米英の支援を受けていましたが、いまどき共産勢力を全力で後押しするような大国があるかな…と考えると、内戦の可能性は低いかも知れません(武器の供給が無い限り、戦争しようがない)。もちろん、ウクライナのような米露の代理戦争の場と化す可能性もなきにしもあらずですが。

仮にユーロ離脱(グレグジット)となった場合、ギリシャ軍が内部分裂しない限りは、タイのように一時的(?)に軍政を取ることでひとまず落ち着くかも知れませんが、どうでしょう。まあ、その場合はギリシャ軍事政権を自陣営に取り込もうとする大国間の外交的な「争い」があるかも知れません。


で、ドイツの政権が本当に↑こんなことになることを望んているか?というとやはりそこは疑わしいと感じる次第です。


↑のようなことになるのは、ドイツ、EU全体にとってもまさに瀬戸際と言えます。
「ユーロ圏拡大」のみならず、「EUの民主主義、人権主義拡大」も頓挫することになるからです。
じゃあ、EUって何なの?意味あるの?
という話になります。

ちなみにロシアのプーチン大統領は最近、「ギリシャ危機が拡大しているとき、EUはどこにいたのだ?」と突っ込みを入れています。要するに、EUって何か意味あんの?的な。
EUの盟主たるドイツにとって、まさにそういう意味での瀬戸際というわけです。



そして、対照的なのが先進国のすったもんだを尻目に勢力拡大を図るBRICSグループであります。














欧州は、まあ、憲法で財政赤字を禁じている、財政黒字原理主義とでもいうべきドイツ主導で緊縮

アメリカ
もこれ以上借金増やせない的な雰囲気(私は増やせると思っていますが、連邦議会、特に共和党はダメだと信じている)なので、どちらかというと緊縮

日本
は、先般の甘利大臣のように、緊縮では進歩はないと主張する閣僚がいらっしゃるとは言え、閣議決定で2020年までにプライマリーバランスの黒字化を目指すことになっているので、やはり、どちらかというと緊縮気味





一方、BRICSは南アの大臣のような

今の世界に必要なのは「一部先進国世界で大きな困難を引き起こしている思慮の無い緊縮財政(mindless austerity)ではない」、インフラ整備だ!投資だ!

という感じです。







緊縮の先進国世界。
投資拡大の途上国世界。

遠からずBRICSを中心とする途上国が世界の中心となって行かざるを得ない
(個人的には緊縮原理主義のドイツの経済規模が世界の中で相対的にどんどん縮小し、その発言力が徹底的に「緊縮」して小さくなり、その発言力が遂には雲散霧消して欲しい)と思う今日この頃です。



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676:ギリシャ、TV広告税導入へ(→国民投票実施の真の目的??日本では広告税導入検討で麻生内閣が倒れたとの噂も…) - ギリシャ、債権団にGDP比7%の緊縮財政案を提出(日本で言えば、自衛隊7個分消失の強烈な緊縮財政案)

2015/07/10 (Fri) 11:41
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まず、昨日のギリシャ危機関係の動きというか、私のツイートをまとめてどうぞ:















※目下、ギリシャ支援に積極的なのは、フランス、イタリア、そしてEU大統領のトゥスク氏(ポーランド前首相)と目されているようです。

フランス:左派政権としてのチプラス政権に対するシンパシーと、ドイツに対抗する政治力の向上を図ることが背景か?

イタリア:自国も財政はそれほど安泰というわけではないため、ギリシャが助けられなければ、明日は我が身という恐怖心?

トゥスクEU大統領:トゥスク氏自身が第二次大戦中にナチスに強制収容所に入れられた経験があり、ドイツに対しては多少なりとも含みがあるかも。そして、ポーランド人が一般に持つロシア恐怖症も背景か?但し、トゥスク氏自身はスラブ系(ちなみに、ロシアもスラブ系が多い)とのことですが。(トゥスク氏の経歴はwikipedia参照







※↑これは前回の話の関連ですが、今回の表題の話(TV広告税導入?)にも関連します。少なくとも、この国民投票をテコに「政権にとって、うるさいTVキャスターたち」を黙らせる効果はあったようです。善悪良否は別として。








※ガーディアンの当該ページにいくと、各地区のところにマウスオーバーする(マウスのポインタを合わせる)と、詳細なデータが表示されます(地区ごとの投票のNOとYESの結果と、平均所得が同時表示される仕組みになっている)。

※実は、投票結果が出る以前にギリシャ在住の「グリコーゲン」さんから、世論調査は拮抗でも実勢はNOが優勢であること、YESは富裕層が多く、NOは一般庶民が多いことは、内緒コメントで教えて頂いていたのですが、実際の結果がまさにその通りでした。グリコーゲンさんの観察眼の確かさには敬服するばかりです。

※そのグリコーゲンさんから新たに公開コメントを頂いています(
前回のエントリーのコメント)。ギリシャ産のバージン・オリーブオイルがイタリア産として、ギリシャ産のワインがフランス産として世界に輸出されている実態であるとか、食料自給率は低いが実態としては食糧生産は有り余るくらいであるとか、興味深い内容です。(グリコーゲンさんからは3年前にもギリシャの不法移民に関する興味深い話を頂いていました。グリコーゲンさん、ありがとうございます!)
























最後のはシャレですが、まあ、額面上のヘアカットがなくとも、利払いの減免&返済期限の延期で手打ちになりそうですね。

一方、ギリシャは結局、それと引き換えにするための、かなりの緊縮財政案を提出したようです。


ガーディアンの記事と、ガーディアンによる英FT記者、AP通信、イタリアの経済誌EASTの記者らが得たギリシャ提案のリーク情報のツイートまとめから、ギリシャ提案の中身をざっと書き出してみます:

○増税と歳出減の組み合わせで130億ユーロ(GDP比7%)の緊縮財政案になっている模様
ギリシャの2014年の名目GDPは1865億ユーロなので、GDP比7%の緊縮財政案となっています。日本で言えば、GDP500兆円とすれば、35兆円という超緊縮ですね。自衛隊7個分です。ただ、毎年130億ユーロの緊縮なのか、複数年の合計なのか、それは不明ですが。

○消費税(付加価値税VAT)をGDP比1%分増税
日本では消費税率1%で2.5兆円と概算されますから、日本の消費税率でいうと2%分程度=税収5兆円=GDP比1%の増税という感覚ですね。
消費税の詳細に関しては、
・23%という最高税率を適用する物品の範囲拡大
・観光客誘致のための島嶼部の税率低減案の撤回
という内容が含まれます。


○年金カット
以前のエントリーで、国民投票は債権団案の年金カットが許せん、ということで実施されたにもかかわらず、年金受給者は意外に「緊縮YES」が多数派というという世論調査結果を紹介しました。そして、それゆえに、チプラス政権は年金受給者は年金カットに「YES」であるとみなして、堂々と年金カットに踏み切りそうだとも書きました。実際、そうするようです。

具体的には、
・貧困層向けの基礎年金?(solidarity payments for the poorest pensioners)の2019年12月までの段階的廃止(以前の案より1年前倒し)
・2022年までに定年退職年齢を67歳に引き上げ


○法人増税
・IMFの望みどおり、法人税率を28%に引き上げ(以前の案では29%だった)


○海運会社に対する増税

○贅沢品税の増税
日本でも昔、物品税というのがありましたね。

○テレビ広告に対する課税
これが、最も注目すべき項目の一つかと。

※イタリアのEAST誌の記者のツイート:





「ギリシャ改革案:速やかな贅沢品税の増税とテレビ広告税の実施」


以上、リークなど基にしていましたが、正式な案は↓こちらで見れます(ギリシャ紙の記事)

The Greek reform proposals
ギリシャ改革案

http://www.naftemporiki.gr/finance/story/976680/the-greek-reform-proposals
naftemporiki.gr Παρασκευή, 10 Ιουλίου 2015 00:43

こちらでも

introduce tax on television advertisements
テレビ広告税の導入

とあります。

国民投票における民放テレビ各局のYESキャンペーン偏向が「選挙法違反」ということで締め上げ、黙らせ、テレビ広告税を導入という運びでしょうかね。




チプラス政権が国民投票実施で得たと思われることを列挙してみましょう:

・各国要人や国際機関からの債務減免の必要性への言及を引き出した。特に米国の圧力ともされるIMF報告書の絶妙なタイミングでの公表が大きかったと思われる。

・国民投票「NO」すなわち、債権団による要求を一旦拒否しても、ユーロ離脱はしなくても良いというドイツのショイブレ財務大臣の発言を引き出した。

・国民投票の結果、3大野党の交渉への協力を書面により取り付けることができた。

・国民投票の投票動向から、年金受給者が年金カット含む債権団案にYESであることが判明し、年金カットも堂々と言えるようになった。

・国民投票に対するTVキャスターの偏向姿勢があったことで、選挙法違反を盾に、圧力をかけることが可能となり、TV広告税導入を混ぜ込んだとみられる財政改革案を国会で通しやすくできた(かも)。
→この改革案、ギリシャ国会では現地時間の金曜日夜(つまり、日本時間の本日深夜から明日早朝)に採決されるそうです(ガーディアン記事参照)。



ギリシャ、TV広告税導入へ。

TV広告税といえば、
麻生内閣がそれを実施しようとして倒されたという噂もありますが…

どうやら、危機のギリシャにおいては、日本では不可能であったことが、可能になろうとしているようです。




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675:ギリシャ、国民投票の真の目的は「大手メディアつぶし」か?

2015/07/09 (Thu) 12:19
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ひとまず、昨日までのギリシャ危機関連の各国要人発言をまとめておきます(私の独断と偏見で選んだものだけ、ですが):



【無理のないリボルビングご返済プラン】





一週間前のエントリーでも触れたIMF WEOのデータを見ると、最近のギリシャの利払いはGDP比で4%で程度(一般政府財政収支から一般政府プライマリーバランスを差し引いて計算)です。

そして、公的債務GDP比は170%程度です。

元本の免除をしないとしても、金利のうちGDP比3%分を免除するとして、その分を元本返済に充てさせることとすれば、
170%÷3%=57
ということで、57年後には完済できます。

ギリシャ:57年目ぇ~の返済くらーい大目に見ろよ♪
ドイツ:キラキラオー、土下座したって、許してあーげーない♪

バロファキス前財相の「テロ」発言で怒り狂っている人々がいるようなので、その件でチプラス首相が土下座でもすれば、許してもらえるかも…。




【地政学上の重要性】












フランス首相の発言にある「インポテンス」ですが、元はフランス語なのか英語なのか分かりませんが、ガーディアンの記事では「impotence 」とありました。weblio英和辞典によると

impotence
【名詞】【不可算名詞】
1無力,無気力,虚弱.
2【医学】 (男性の)性交不能,陰萎(いんい).


です。仏首相の意図が、「1」の意味なのか「2」の意味なのかは私には分かりかねましたので、カタカナで「インポテンス」としておきました。

ついでながら、以前も紹介したエコノミスト記事にあった、地政学的重要性が分かる地図をもう一度:




ちなみに、↑このツイート主は、エコノミスト誌の記者さんです。





そしてもう一つ、ある意味「地政学的」な話:






↑日本も他人事ではありません。東シナ海や日本海の対岸の国々が崩壊なんてことになった日にゃ…。






そして、表題の件。






もう少し補足しておくと、国営のメディア監視組織やシリザ寄りのメンバーが多い「ジャーナリストとアテネ日刊紙の組合 the Union of Journalists and Athens daily newspapers (ESIEA) 」は、民放各局の報道姿勢が選挙法に違反していた、と非難しているとのことです。

そして、私がこのガーディアンの記事を見て思ったのが、これがチプラス首相の、国民投票を唐突に実施することにした真の狙いであったのではないかという仮説です。

ガーディアン記事では

Private channels (many owned by the oligarchal elite and other business interests)
民放の各テレビ局の多くは、oligarchal elite(少数のエリート)や business interests(企業関係者)に所有されている

とあります。

oligarchalとは少数独裁政治的という意味です。
ロシアの財閥はオりガルヒと呼ばれますが、その関連語ですね。


シリザ政権は、今回の国民投票の件を利用して、大手メディアを、極端な話、つぶそうとしているのかも知れません。

そして、もしかしたら、それを国民投票以前から計画していたのかも知れません。

もしそうだとしたら、善悪良否は別として、途方もない策士ということになります。そして、もしかすると、プーチン大統領ともこういったことを相談していたのかも(?)。

…などと色々考えてしまう今日この頃であります。




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674:甘利大臣の緊縮NO発言が、あまり日本で報じられていない(というか日本のメディアがあまりにも報じなさ過ぎる)件

2015/07/08 (Wed) 10:57
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まず、昨日のギリシャ危機関係の動きをまとめておきます:




遂に、最終期限が切られました。


トゥスクEU大統領はこれまで、ギリシャに対し融和的な発言をしてきていますので、恐らく本音としては、このグダグダを日曜日で終わらせ、ギリシャの破綻も、破綻後の可能性としてあり得るギリシャのユーロ離脱も回避したい、ということかと思います。


その他、ガーディアン記事を参考にして昨日の動きをごく簡単に:

・ドイツのメルケル首相との電話会談でチプラス首相が約束していた、昨日が期限のギリシャからの新提案の提出はなかった。

・ユーロ財相会合では、文書化した提案の代わりに、ギリシャのツァカロトス新財相が口頭でプレゼンを行った。新財相の人当たりの良さで、会合の雰囲気は悪くなかった模様。

・文書化された新提案の提出期限は金曜日の朝(現地時間)となった。

・ユンケル欧州委員会議長やオーストリア財相によると、グレグジット(ギリシャのユーロ離脱)のシナリオも策定中とのこと(破綻があった場合、弱者救済の人道支援を行うことも含む)。これに加えて12日の日曜には、ユーロ圏のみならず、EU28か国の全首脳がブリュッセルに集まるよう、トゥスクEU大統領が要請したことから、いよいよギリシャのユーロ離脱が決定されるか、との憶測も。

→多分、ギリシャに譲歩させるための駆け引きかと思いますが…。

→たった41年前の1974年まで、ギリシャは軍政でした(Wikipedia参照)。混乱がひどくなれば、軍事クーデターが起こった場合の対処シナリオも検討が必要と思われます(前回も書きましたが、軍事政権、独裁政権となれば、ギリシャは独裁政権にやさしい中国やロシア側の国になる可能性が高い)。そして、それは誰も望んでいないのではないかと思われます。そのような意識が、トゥスク大統領の声明にある「ギリシャ破綻は、欧州全体の敗北」ということでしょうね。


いずれにせよ、このドタバタ劇も次の日曜日(日本時間では月曜日の朝くらいかな)で決着となりそうです。







さて、翻って甘利経済再生大臣の「緊縮NO」発言の件です:










このブルームバーグの記事、おそらく、この「甘利大臣の緊縮NO発言報道」の唯一の日本語ソースなので、以下に引用しておきます:



緊縮では「のた打ち回る」とギリシャ証明、日本は成長重視-甘利氏 (1)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NR269D6K50Y101.html
ブルームバーグ 2015/07/07

 (ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)への債務返済が6月末に滞り事実上のデフォルト(債務不履行)に陥ったギリシャについて甘利明経済再生相は、増税と歳出減では財政再建ができない証しだとして経済成長による税収増の重要性を示した。

 付加価値税と軽減税率上げによる増税や歳出減をしたギリシャは結果として「税収はもっと減ってしまった」と甘利再生相はブルームバーグのインタビューで2日語った。その上で「増税と歳出カットだけでやろうとするとのた打ち回るようなことになる」と述べ、健全な経済を取り戻すことで税収を増やすことなしに財政再建はできないとした。

 アベノミクスを受けて日本の税収は2014年度で53兆9700億円と21年ぶりの高水準になった。安倍晋三政権が閣議決定した財政健全化計画では16年度から18年度までを集中改革期間と位置づけ、一般歳出の増加幅を1.6兆円程度にすることを盛り込んだ。甘利氏は一貫して歳出規模の固定化に反対の立場を取り続けてきた。

 甘利氏はインタビューで、これまでの財政再建は歳出カットの甘さによって失敗したとの一部の見方を否定。経済が失速して歳出減が続かなくなったとして「成長が確保されなくなって失敗している」と述べた。

 5日のギリシャの国民投票後も、甘利氏は自身の考え方に変わりがないことを確認した。国民投票では、金融支援を受ける条件として緊縮策の受け入れに反対の民意が示された。また日本については「安倍内閣においては経済再生なくして財政再建なし。一言で言えば、デフレ下では財政再建はできない。そのことに向かい合う必要がある」と話した。





グーグルで「甘利 ギリシャ」でニュース検索した結果、ブルームバーグの日本語版以外、全く見つかりませんでした。


英語(
「amari greece」でニュース検索)では、上記のツイートの英ガーディアン紙や、ギリシャの英語ニュースサイトなど。


あと、今回の分ではなく、先週6月30日付けの甘利大臣による同様の趣旨の発言に関するロイターを引用している
インドの経済紙記事が見つかりました。

で、そのロイター英語版記事のタイトルと要約が↓こちら



For Japan, lesson from Greek crisis is to keep on spending
ギリシャ危機の教訓は、日本が歳出を維持すること


* Austerity caused Greek economy to shrink - Japan economy min
* 緊縮財政はギリシャ経済を収縮させた - 日本の経済大臣

* Japan's debt-to-GDP ratio 230 pct vs Greece's 175 pct
* 日本の債務GDP比は230%で、それに対し、ギリシャは175%

* Some analysts say Greece shows Japan should cut debt now
* 一部の分析家は、ギリシャは日本がいま債務削減すべきことを示している、と言っている

* Japan avoided caps on spending in new fiscal blueprint
* 日本は新しい財政計画で支出上限を定めることを避けた

By Leika Kihara and Yuko Yoshikawa

http://www.reuters.com/article/2015/06/30/eurozone-greece-japan-idUSL3N0ZG2U320150630
Reuters, Tue Jun 30, 2015


で、これに対応する日本語記事をロイターの日本語版で見つけようとしましたが、6月30日前後の日付で、これに対応する記事は見当たりませんでした(英語版の記事を書いたのが、Kiharaさん、Yoshikawaさんという日本人記者と思われるのに、です)。





先般のロンドンの大規模反緊縮デモといい、日本のメディアは、「緊縮NO」に関して報道することを避ける傾向にあるようです。たとえそれが、地球の反対側の出来事ではなく、自分の国の閣僚の発言であったとしても。

“甘利大臣の「緊縮NO」発言が、日本であまり報じられない、というよりはあまりにも報じられなさ過ぎであることは、あまりにも問題だ!”




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673:ギリシャ新財相は反グローバリゼーション、反新自由主義の経済学者:冷静で物腰柔らかな、ギリシャ左派期待の星

2015/07/07 (Tue) 12:23
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何ともギリシャにどっぷりつかってしまっている今日この頃であります。

表題のギリシャの新しい財務大臣、ツァカロトス氏――祖父のいとこが、左派勢力と戦って勝った政府軍側の指揮官の一人だったのに対し、本人曰く「これ以上左に行きようのないくらいの左派」で、反グローバリゼーション・反新自由主義の、イギリスで生まれ育った紳士的な経済学者――に関する興味深い話はあとにして、昨日のギリシャ危機関連の動きをまとめておきます:




※バロファキス前財相は、正確には「欧州の要人らが、ギリシャ人に恐怖を煽っている。恐怖を煽ることはテロだ」という趣旨のことを言っていました。で、ツァカロトス新財相はイギリス育ちの紳士という塩梅。なお、両者に共通するのは左派経済学者であるという点。







※↑元々は英エコノミスト誌の記事に掲載されていたもので、前回紹介した駐米フランス大使がリツイートしていたので私の目に留まったという代物。
よくよく考えれば、ギリシャの隣はトルコです。その隣はシリアです。ISの支配地域です。また、地中海の対岸にもIS系勢力が蟠踞するリビアが控えています。ギリシャが万一崩壊してめちゃくちゃになると、IS系勢力のシンパの人々が自由に行き来できるような、欧州とIS支配地域とをつなぐ格好の交通路になってしまいかねません。
冷静に考えれば、ギリシャをどうこうしてしまうのは、ドイツにとっても明らかに損失のほうが大きいように思われます。ギリシャはドイツと陸続きであって、ドイツとギリシャの間には、地中海もボスポラス海峡もないのです。

債務免除しない→ギリシャ経済がめちゃくちゃになって結局カネは返ってこない(きっとギリシャ側が踏み倒す)上に、安全保障上もめちゃくちゃ。
つまり、
カネ×
治安×

債務免除→カネはカネは返ってこないが、安全保障上は安定しやすい。
つまり、
カネ×
治安○

⇒ドイツ人も最終的には「債務免除のほうがマシ」となるのが自然ではないかと思う今日この頃です。







※個人的には、シュワちゃんが知事だったときのカリフォルニアで発行したというIOU(I owe you。借用証書。日本で言えば、日銀券も日銀が発行しているIOUですが、イメージとしては幕府発行の小判に対する各藩独自発行の藩札という具合でしょうか)が、電子的に発行されていた(らしい)という点でした。電子マネーてなわけですね。
企業で経理に関わっている方なら、手形取引とか買掛、売掛による取引のイメージのほうがしっくり来るかも知れません。企業は、取引先との取引の際、いきなり現金払いするのではなく、手形や買掛でひとまず「支払う」ということはよくあることです(現金・預金は後から清算)。
でも、これをやってしまうとユーロから抜けるつもりか、と誤解されかねないので、チプラス首相は採用しないということなんでしょうかね。









※個人的には、チプラスさんがメルケルさんに電話するよりも先にプーチンさんに電話していたということは、非常に重要なポイントだと思います。
借金取り(ドイツ)に電話する前に、弁護士(ロシア)に電話したみたいな印象。法定金利を超えている過払いなので、むしろ返金してもらえませんやろか、みたいな。







※チプラスさんの「国民投票は、あります!」の宣言後、債務免除(debt relief。私は全部免除になることはなく、一部免除だと思うので債務減免と訳しています)という用語が脚光を浴び、各国の要人の発言やIMFの報告書などにおいて、繰り返し出て来るようになりました。
さらには、前に書いたように、バロファキス前財相が「ギリシャが自らの意志に反して強制的にユーロから脱退しなくてもよいという命令を欧州司法裁判所に出してもらうことを考えている」とテレグラフ紙に言った後、それに呼応するかのようにドイツのショイブレ財相が「ギリシャは“NO”でもユーロ脱退しないことが可能」と発言しています。そして、世論調査ではギリシャ人は圧倒的多数でユーロ離脱に反対です。つまり、法理論的にギリシャのユーロ離脱はいまのところあり得ない、ということが明確になっているわけです。
この2点は、ギリシャにとって、とてつもない前進と言えます。そして今般、国民投票にすら反対し、債権団の緊縮案「YES」キャンペーンをしていた主要3野党も、チプラス首相に協力を約束するという運びになっているわけです。





さて、ギリシャ左派期待の星、ツァカロトス新財相が何ものか、という話をガーディアンの記事から拾っていきましょう:


Euclid Tsakalotos: Greece's secret weapon in credit negotiations
ユークリッド・ツァカロトス:債権団との交渉における、ギリシャの秘密兵器

http://www.theguardian.com/world/2015/jun/18/euclid-tsakalotos-greeces-secret-weapon-in-credit-negotiations
The Guardian, Thursday 18 June 2015

Oxford-educated economist is well qualified as the point man in negotiations between Athens and international creditors
オックスフォードで教育を受けた経済学者は、ギリシャと国際債権団との交渉担当者としてうってつけ



※以下、↑この記事からいくつかの文章を抜き出して紹介します。


Phlegmatic, professorial, mild-mannered, Tsakalotos has spent the best part of 30 years in the ivory towers of Britain and Greece “engaging critically” with neoclassical economic thinking.
冷静な、学者らしい、物腰柔らかなツァカロトスは、英国やギリシャの象牙の塔で30年を過ごし、新古典派経済学の思想に対して批判的に取り組んできた。

“The fact that he also sounds like an aristocrat helps too,” said an insider in the Syriza party. “He speaks their language better than they do. At times it’s been quite amusing to watch.”
シリザの内部関係者は「事実、彼は特権階級からも助けてもらえそうな響きがある彼が貴族のような話し方をすることも、役に立つだろう。彼は、彼らの言葉を、彼ら以上にうまく話せる。たまに、そのような様子を見ることがあったが、愉快だった。」

“My grandfather’s cousin was general Thrasyvoulos Tsakalotos who led the other side, the wrong side, in the Greek civil war,” he said of the bloody conflict that pitted communists against rightists between 1946-49. “He expressed the fear that I might end up as a liberal, certainly not anything further to the left.”
「私の祖父のいとこはThrasyvoulos Tsakalotosで、彼は、ギリシャの内戦であちら側、間違った側を率いていた」と、彼は共産主義者と右派(国軍)との間に起きた、1946-49年の流血の衝突のことを話した。「彼は、私がリベラルになってしまうことを恐れていたが、確かに私はこれ以上左に行きようがないくらいの左派になった」

※新財相の祖父のいとこThrasyvoulos Tsakalotosはギリシャ軍の陸軍中将。内戦では、ナチスの占領軍に抵抗して戦い抜いた経歴をもつ左派武装勢力を、米英の支援を受けた国軍が打ち負かしたのですが、新財相のご親戚は、国軍で陸軍2個軍団を率いて、その左派勢力を打ち負かしたというわけです。そして、それにも関わらず、ご本人はガチ左翼になった、ということ。


新財相がなぜ、そこまで左派にシンパシーを感じるかというのは、以下のようなことのようです:

What goaded him more than anything else was the treatment of the Greek left – who had led the resistance movement against Nazi occupation – after the second world war.
他の何よりも彼を突き動かしたのは、ナチスによる占領への抵抗運動を主導したギリシャ左派に対する、第二次大戦後の扱いであった。

“Greeks have had a lot to resist, civil war, dictatorship, authoritarianism,” he said.
「ギリシャ人は内戦、独裁、権威主義など多くのことに抵抗してきた」と彼は言った。

“But perhaps the most terrible thing was the unfairness with which the left was treated in the postwar period. We were the only nation where people who had participated in what had been a very important resistance movement were treated like pariahs while those who had collaborated with the Germans had it good. It was just so wrong.”
「しかし、恐らくもっともひどいことは、戦後期における左派の扱われ方の不公平さだ。我々は、最も重要な抵抗運動に参加した人々が社会ののけ者のように扱われている唯一の国だ。その一方で、ドイツに協力してきた人々が良い思いをして来た。これは単純に、あまりにも間違っている。」

※「ドイツに協力してきた人々が良い思いをして来た」という新財相の発言に関して。コメント欄でギリシャ在住の方から教わったのですが、ギリシャの公益事業は大部分がドイツ資本なのだとか。ドイツに協力してきた人々というのはそういう含みなのかも知れません。一方で、戦時中にドイツに抵抗した人々がまったく報われていない。それが新財相が左派に傾倒した背景だ、ということのようです。
「ギリシャの公益事業は大部分がドイツ資本」とすると、ドイツはやはりギリシャをつぶせないでしょうね。ギリシャ人が怒って軍事政権とかになり、独裁者にやさしい(?)中国やロシアの支持を背景にドイツ資本の公益事業が独裁政権に接収されてしまうリスクもあるわけですから…。


When he moved to Greece, with his Scottish wife in the early 1990s, he signed up with Synaspismos, the party that would become the central plank of Syriza.
1990年代、彼がスコットランド人の夫人とギリシャに移り住んだとき、彼はSynaspismos、後のシリザの中心をなすことになる政党、に入党した。

The anti-globalisation movement convinced him that there was a large segment of society that felt it was not expressed by political elites – one of Syriza’s many mantras.
反グローバリゼーション運動について政治的エリートが表現することがない、と社会の大部分の人々が感じているということを、反グローバリゼーション運動は彼に納得させている。これは、シリザの多くの「教義」のうちの一つだ。

Like many on the Greek left, he believes Athens’ anti-austerity government speaks for the growing numbers across Europe who, subjected to the brutal vagaries of the market, feel excluded from decision-making.
多くのギリシャ左派と同様、彼はアテネの反緊縮財政の政府は、市場の残酷な気まぐれに従って、意思決定から疎外されていると感じている人々が増えつつある欧州と対話するのだと信じている。





政権与党シリザはユーロに留まることを公約しています。ユーロはある意味グローバリゼーションと言えますが、シリザ、そしてシリザに属する新財相の意図は、市場主義、新自由主義において自分たちの考えを表明できていない反緊縮・反グローバリゼーション派の意見を、EUで出来る限り広め、そしてそのような政策をEUで採択させてやろう、という腹積もりのようです。




追記:
ここから→


→ここまで




つまり、「超巨大企業群VS一般諸国民」という構図の、一般諸国民側に立っているというのが、いまのギリシャ政権の立場ということのようです。

この「超巨大企業群VS一般諸国民」という構図、どこかで見たような、見ていないような…



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672:ギリシャ、反緊縮が地すべり的勝利⇒今後の想定シナリオ:ドイツが「ギリシャをユーロから追い出せ」世論に押されて強硬路線→株価暴落(?)→ドイツ世論に揺らぎ→ギリシャがほど良く妥協し債権団譲歩引出してユーロ居座り

2015/07/06 (Mon) 12:20
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ギリシャ国民投票、直前の「接戦」の世論調査結果が見事に打ち破られ、「NO=反緊縮」が地すべり的勝利となりました。







ただ、NOが「地すべり的勝利」とは言え有権者数に占める割合は36%に過ぎず、実は最大派閥は「無投票+無効票+白票」(41%)でした。


                                     人                対有権者数比
有権者数                       9,858,508   100%
NO票                            3,558,450    36%
YES票                          2,245,537    23%
無投票+無効票+白票 4,054,521    41%

データ出典:ギリシャ内務省データより計算




前回の今年1月の総選挙(現政権が誕生した選挙)の投票率は65%だったと記憶しています。今回の投票率はそれより低い62%でした(有効票の割合は58%)。いや、意外と冷めてますね。
あるいは、生活が厳し過ぎて投票に行く余裕もない人々が多かったのか…






それにしても、前回紹介させて頂いた現地在住の方の話では、大手メディアの「YES」キャンペーンに対し、ネット世論は圧倒的に「NO」だった話を考え合わせると、実に興味深い話です。

というのは、これが本当であれば大手メディアがネット世論に完全に敗北したことになるからです。



前回も少し紹介したAVGI紙(大手新聞で唯一の与党シリザ寄り)に載っていた、事前の世論調査の内訳を見ておきましょう:

AVGI紙の当該ページ
英テレグラフ紙による英訳

Age  No (pc)  Yes (pc)  年齢別
18-25  71  20 
25-34  59  26 
35-44  34  53 
45-54  48  36 
55-64  44  47 
65 and over  26  56 

Job  No (pc)  Yes (pc)  職業別
Private sector  54   34 
Public sector  58   31 
Unemployed  51   26    →失業者
Students  83   13   →学生
Self-employed  39   50 
Pensioners  31  55  →年金受給者
Housewives  42  42 


若年層、学生は「NO」が圧倒的だったのに対し、高齢者、年金受給者が「YES」が優勢だったという興味深いデータになっています。


関連ツイート:




※今後、今回の結果を踏まえて若年層が自分たちの政治的影響力に自信を深め、ギリシャの政治に大きな影響を与えるのではないでしょうか。






次に、
今後の想定シナリオについて検討する前に、
今回の投票締め切り前の独仏要人の言動――締め切り前、ということは、投票行動に影響を及ぼし得る発言――を紹介しておきたいと思います:






※ついにフランスの閣僚、ナチスのネタを持ち出しましたね。しかも、あからさまに「NO」への投票を呼び掛けています。







※正確には、木曜日のインタビュー内容が、投票の真っ最中に公表されたのに対し、欧州議会議長がそれを打ち消すかのような発言をした、ということのようです。ただ、対ギリシャ強硬発言は国内向け、融和的な発言は海外向け(特に、ギリシャの有権者向け)というような、微妙なさじ加減をしているのでしょう。まさに政治的、と言えます。




もう一つ、フランスの駐米大使もツイッターでこんな発言:



※これも投票時間中のものです。訳すと:

「ギリシャの国民投票がどんな結果になろうと、フランスはギリシャがEUとユーロ圏に留めるために最大限度のことをする」






というわけで、

投票締め切り前までの独仏の政治家の姿勢はこんな感じ:

ドイツ
前回書いたショイブレ財相も、今回の欧州議会議長も、国内向けは強硬発言(ギリシャをユーロから少なくとも一時的に追い出す)、国外向け(これから投票に向かうギリシャ有権者含む)は融和的発言、という様相でした。

フランス
以前も書きましたがオランド大統領は国民投票を待たずに交渉を続けるべき、という感じで親チプラス政権的発言で一貫しています。そして今回の、経済大臣、駐米大使のいかにも「NO」に投票しましょうという踏み込んだ発言がフランス要人の特徴といえます。しかも、ナチスまでうまく持ち出してドイツをけん制しています。ただ、オランド大統領はあからさまに「NO」への投票呼びかけはしていないようです。それをやるとドイツと決定的にこじれる可能性を頭に入れて、周りの要人だけがそのような発言をするに留める、という微妙なさじ加減の駆け引き展開の様相です。




で、投票結果を受けた経済メディアの反応は、こんな感じ:






まずは、つい最近もチプラス首相の「ほぼ無条件降伏」報道で株価を上昇させた実績のある英フィナンシャル・タイムズ

No vote puts Greece’s euro future in doubt
「NO」でギリシャのユーロ残留不確かに

Berlin accuses Tsipras of ‘tearing down the last bridges’
ドイツはチプラスが「最後の架け橋を破壊した」と非難

http://www.ft.com/cms/s/0/ff37c3a0-22e7-11e5-9c4e-a775d2b173ca.html





ロイター

German calls for Grexit mount as EU stunned by 'No' vote
ドイツ、ギリシャの「NO」でEUがつまずいたのを受け、ギリシャのユーロ離脱求める

http://www.reuters.com/article/2015/07/05/us-eurozone-greece-eu-idUSKCN0PF11S20150705?mod=related&channelName=ousivMolt

※記事の概要は、ギリシャをユーロから追い出せというドイツ世論を背景に、ユーロから追い出せという与党政治家が増えており、これまで繰り返しギリシャをユーロに留めたいと言っていたメルケル首相も姿勢を転換するかもしれない、というようなものです。





ブルームバーグ

How Bad Is ‘No’ for Greek Banks? Analysts Split on ECB Lifeline
「NO」がいかにギリシャの銀行に悪影響を及ぼすか?ECBのつなぎ融資につき、専門家の意見は真っ二つ

http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-05/how-bad-is-no-for-greek-banks-analysts-split-on-ecb-lifeline


Even Greece’s German Allies Despair at ‘No’ Vote in Referendum
ギリシャのドイツにおける同盟者ですら、国民投票の「NO」に失望

http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-05/even-greece-s-german-allies-despair-at-no-vote-in-referendum



Surge in Europe Stock Options Volume Shows Race to Hedge Greece
欧州、株価急落に備えたオプション取引が急増

http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-05/surge-in-europe-stock-options-volume-shows-race-to-hedge-greece







ウォール・ストリート・ジャーナル



In Rebuke to Europe, Greeks Vote Resounding ‘No’ to Bailout Terms
欧州への厳しい非難のなか、ギリシャは救済案に大きな「NO」

Outcome sets Athens up for further clash with European creditors and uncertain future in eurozone
この結果はギリシャを欧州債権団との更なる衝突に向かわせ、ユーロ圏残留を不確かにした

http://www.wsj.com/articles/polls-close-in-greek-referendum-1436113280






と、とりあえず米英の主要な経済メディアは、ドイツがカンカン、ギリシャ激ヤバという雰囲気を醸し出し、当面の世界的な株価下落を思わせる論調となっています。








最後に、日本経済新聞。意外と冷静です。


ギリシャ国民投票、反対派上回る チプラス首相が勝利宣言
欧州に交渉呼びかけ

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK06H0P_W5A700C1000000/






というわけで今後の想定シナリオの検討です。


まあ、今回のエントリーのタイトルに書いていますように

今後の想定シナリオ:ドイツが「ギリシャをユーロから追い出せ」世論に押されて強硬路線→株価暴落(?)→ドイツ世論に揺らぎ→ギリシャがほど良く妥協し債権団譲歩引出してユーロ居座り

というのが最もあり得るのではないかと、現時点では考える次第です。


上のほうに紹介した世論調査の詳細を見ると、年金受給者は意外にも「YES」派が多くなっていました。

チプラス首相は1週間前、債権団による年金の更なるカット要求を蹴って、国民投票にかけたわけです。年金受給者を守ろう、てなものです。ところが、この調査に基づけば、肝心の年金受給者が「YES」、つまり、債権団による年金カット案を飲んでも良い、という人のほうが多いとみられるわけです。


それならば。

チプラス首相は今後、年金カットを飲んでもいいか、ということになるでしょう。

ただ、「NO」を突き付けた1週間前の債権団の提案通りでは、国民投票の「NO」は何だったのか、ということになりますから、債権団提案を多少なりとも弱めた年金カット、というのが落としどころでしょう。

今後、欧州全体の金融が不安定化すれば、ドイツの有権者や与党政治家らも、ギリシャが多少なりとも年金カットを飲むのならば、致しかたないのう、となるのではないかと想像する次第です。


この線で考えると、最近の中国、上海株の「暴落」の様相は、「一つの欧州」を維持したい人々にとっては、もっけの幸いとも言えます。これは、欧州の金融不安定化の要因ともなるわけですので。


そして、ああだこうだグダグダと言っているうちに

・クレタ島の米軍基地喪失リスク
・ギリシャのNATO脱退リスク
・中露のギリシャへの影響拡大リスク
・ギリシャを経由する難民・移民増大リスク
・ギリシャ経済崩壊によるギリシャ人自体の大量難民化リスク

といったことも、クローズアップされてくるでしょう。


というわけで、今後は

ドイツが「ギリシャをユーロから追い出せ」世論に押されて強硬路線→株価暴落(?)→ドイツ世論に揺らぎ→ギリシャがほど良く妥協し債権団譲歩引出してユーロ居座り

という具合に推移して行くのではなかろうか、と思う今日この頃であります。



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671:独、土壇場で「NO」を支持?:対ギリシャ強硬派の独財相が「NOはギリシャの一時的なユーロ離脱につながる」発言直後に「我々はギリシャを見殺しにしない」と姿勢急転換+ギリシャのNO支持は極左と極右であり日米の反TPPと同じ構造

2015/07/05 (Sun) 10:18
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いよいよ本日、ギリシャの国民投票ですね。


対ギリシャの強硬派最右翼として知られるドイツのショイブレ財務大臣が、ちょいブレている…いや、かなり揺れ動いているようです。

以下、ガーディアン記事を一部抜粋:





Greek referendum: Germany says it won’t leave Greece in the lurch
ギリシャ国民投票:ドイツが「ギリシャを見殺しにしない」と言っている

http://www.theguardian.com/world/2015/jul/04/greek-referendum-germany-no-vote
The Guardian, Saturday 4 July 2015

German finance minister, Wolfgang Schäuble, appears to bolster No vote in last-minute intervention on Saturday
ドイツのウォルフガング・ショイブレ財務大臣は土曜日、土壇場の介入でNOへの投票を支持したようだ




After more than five months of eyeball-to-eyeball confrontation between Alexis Tsipras’s radical left-led government and Greece’s creditors, and with only hours to go before voting began, one of the most hawkish of the lenders appeared to blink. Germany’s finance minister, Wolfgang Schäuble, until now even more of a hardliner than his chancellor Angela Merkel, suddenly turned a more conciliatory face towards Athens.
5か月にわたるチプラスの極左政権と債権団とのあいだの厳しい対立のあと、そして、数時間後に投票が始まるというときに、最強硬派指導者のうちの一人が戸惑いを見せているようだ。ドイツのショイブレ財務大臣は、今に至ってもメルケル首相以上の強硬派であるが、突如、ギリシャに対してより融和的な態度に転換した。

Having previously insisted that a No vote on the lenders’ last terms would see their country forced out of the euro, Schäuble told the Bild newspaper that the choice before them on Sunday was between holding on to the euro and being “temporarily without it”.
ショイブレがビルト紙に語ったところでは、日曜日の国民投票の選択肢は、ギリシャがユーロに留まるか、「一時的にユーロを離脱する」かの選択肢であり、債権団提案に対するNOへの投票は、ギリシャのユーロからの強制離脱につながるだろう、と彼は主張していた。

It was far from clear what Schäuble had in mind, but economists have mooted the notion of a period in which Greece might go back to its national currency, the drachma, while its economy recovered.
ショイブレの心中がどのようなものか、かなり不透明であるが、エコノミストらは、ギリシャは経済が回復するまで自国通貨ドラクマにある程度の期間は戻っているかも知れないということだと論じた。

With pharmacists in Athens reporting that the government had rationed the distribution of drugs, and fears being raised of food shortages within weeks, the finance minister of Europe’s biggest economy said: “It is clear that we will not leave the [Greek] people in the lurch.”
アテネの薬剤師らが政府が医薬品の配給制を始めたと報告し、数週間のうちに食料不足が起こる恐れが生じるさなか、欧州最大の経済国の財務大臣は、「我々が(ギリシャの)人々を見殺しにしたりしないことは、明らかだ」と述べた。

What effect Schäuble’s last-minute intervention may have on the vote is impossible to gauge. But it appears to favour the No camp.
ショイブレの土壇場での介入が、投票にどのような影響を及ぼすかを測定することは不可能だ。しかし、NO陣営を有利にするように思われる。

His remarks seemed to endorse the claims of the Greek government, which has called for a No vote, to the effect that a majority in favour of rejection would not lead to the country’s exit from the euro (“Grexit”).
彼の発言は、NOへの投票の呼びかけるギリシャ政府の、(債権団提案を)拒否することはギリシャのユーロ離脱(グレグジット)につながらないという趣旨の主張を、保証しているように見える。

The German minister’s tone was strikingly at odds with that of his charismatic but controversial Greek counterpart, Yanis Varoufakis, who turned up the heat before the ballot by accusing Greece’s creditors of terrorism.
このドイツの大臣の論調は、彼のカリスマ性にふさわしくないが、物議をかもす彼の交渉相手であるヤニス・バロファキス財務大臣は債権団のことを「テロだ」と難じ、投票を目前にしてヒートアップしている。

(後略)





ガーディアンの記事ではショイブレ財相の本音はちっとも分からん、ということですが、ショイブレさんは何日か前に非公開の場で国会議員らに対し「国民投票で“NO”でもギリシャはユーロ残留可」と発言していたわけですから、それが彼の「本音」であると思います。

政治家という職業というのは、いつでも「本音」を語るような職業ではなく、「政治的に正しい」台本に沿って、「政治的に正しい」役割を演じることにあるものだと私は認識しています。

ショイブレ氏は、特にドイツの有権者向けに、ギリシャに対する厳しい取り立て屋の役を演じる必要があるでしょう。本音が「安全保障や難民移民問題を考えれば、どこかで妥協しないといけない」であったとしても、です。


いや、「本音を語れない」職業というのは何も政治家だけでもないですね。どんな職業でも、あるいは、私生活においてすら、多かれ少なかれ、本音は制限される、というのが現実の生活とも言えます。

例えば、服屋の店員が本音ばかり語っていたとしたら、そんな服屋はあっというまに倒産するか、その前にそんな店員がクビにされるかのいずれかでしょう。





【ギリシャ国民投票にみるネットとテレビ新聞のネジレ】







※例えば、仮に、日本のとあるA新聞が「日本軍が従軍慰安婦という性奴隷を強制連行した」という情報をねつ造したとします。仮に、ですが。仮に、それを大多数の日本の新聞が書き立てたとします。海外メディアは、恐らく、日本のことを知るために、少なくともそのような日本の新聞を参考にし、場合によっては直接引用した上で、そのような事柄を報道することになるでしょう。

 ひるがえって今回のギリシャの国民投票。
 多くの世論調査でYESとNOが拮抗していますが、一方で、テレビや新聞はそれぞれ一社を除いてほぼ反シリザであり、YESへの投票を呼び掛けています。
 ということは、ギリシャのテレビや新聞は必ずしも世論を反映するものではない、ということですね。
 だから、もしもギリシャの諸問題につき、海外メディアがギリシャのテレビや新聞に引きずられた形で報道していることがあったとしたら、ギリシャの実状というのは、かなり歪んだ形で海外に伝わっている可能性があります。すなわち、日本に、日本のメディアを通じて伝わっているギリシャ像は、実状とはかなり違っている可能性もある、というわけです。まあ、可能性でありますが。




※ところで、メディアの情報のあり方について、ロシア在住の評論家、北野幸伯さんが、発行する「ロシア政治経済ジャーナル」というメールマガジンで昨年の4月、以下のようなことを書いています



RPE(北野氏発行のロシア政治経済ジャーナル)は、「すべての情報ピラミッドを超越している」媒体です。


普通、日本のメディアは、「米英情報ピラミッド」内にある。


あるいは、「中共情報ピラミッド」内にある。


しかし、世界には、その他にも「欧州情報ピラミッド」「クレムリ
ン(ロシア)情報ピラミッド」「イスラム情報ピラミッド」などがある。



そして、そのピラミッド内部にいる人は、たいてい洗脳されて
いる。



たとえば、日本人のほとんどは「米英情報ピラミッド」に洗脳
されている。


「クレムリン情報ピラミッド」、つまりロシア人たちは、「クレム
リン」に洗脳されている。



だから「欧米メディア」では、「プーチンは、ヒトラーのようだ!」
といわれているのに、


ロシア人のほとんどは、「クリミア併合」を大歓迎している。


そして、プーチンの支持率は、年初の60%から、いまでは83
%まで上がっている。


そういう、日欧米からは理解不可能な現象が起こる。




私はこのギリシャ危機に関して、北野氏がいうような「情報ピラミッド」を多少は意識して、できるだけ多くのメディア、特に、海外メディアから情報を収集してツイッターやブログを書いています。

ただ、基本的には「英米ピラミッド」と言えます(たまに、ロシアRTも入れたかな?)。とはいうものの、例えば前回紹介したAP通信(アメリカのメディア)の記事のように、ギリシャが過去にドイツに対して債権放棄していた、なんて話も拾えるわけです。


北野さんの書いていることは、言い換えれば、多角的な視点を持ってものごとを見ていれば、洗脳されるリスクを軽減できる、ということもできるでしょう。
⇒忙しくて多様な情報を収集する時間がない、あるいは、考える時間すらない、という場合は、「自分は常に多少なりとも洗脳される可能性がある」ということを頭の片隅で意識しておくだけでもかなり違うでしょう。ユングの「意識化」の応用です。たいていの問題は無意識下で起こりますので、それを「意識化」によって意識にほどよく上らせることで無毒化、中和を図るわけです。これもまた「多角的視点で考える」の一環です

もしも、「多角的視点で考えることは愚かだ」と言っている人がいたとすれば、上記の観点からすると、「私は洗脳されやすい人です」と宣言してしまっているに等しことになります。

私が言っている、
「多角的な視点で考える」ということは、このような観点からも極めて有用なのではないかと思う次第です。





【ギリシャ国民投票にみるTPPとの類似点】

昨夜、ギリシャ在住の方からコメント(内緒コメント)を頂いたのですが、その方は、国民投票で「NO」を支持しているのは、「超極左と超極右」なのだそうです。

確かに、これまでガーディアンの記事を読んでいて私が得た情報としては、NOを呼び掛けている政党

シリザ(極左)

ギリシャ共産党(いわずもがな極左)

黄金の夜明け(ネオナチの極右)

となっています。


米国のTPP反対派も似たようなもので

労働組合(まあ、民主党支持層の中でも一番左の部類)

ティーパーティー(ロン・ポール元下院議員を始めとする“過激保守”)

です。TPP反対派については日本でも似た傾向と言えます。






極右と極左が「共闘」できるような問題が増えている、というのがいまの世界的な傾向と言えそうです。

「過度のグローバリゼーションと過度の新自由主義が、極右と極左を不可抗力的に連帯させている」、というべきでしょうか。





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670:ギリシャ、ドイツに債務免除していた!――1953年、第二次大戦戦勝国の一員として

2015/07/04 (Sat) 12:36
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表題の件はあとにして、まず、昨日のギリシャ危機関係の動きのまとめです:







※世論調査に関しては英語のブルームバーグが自社依頼分の国民投票YES/NOとユーロ残留YES/NOの世論調査結果につき、時系列のグラフを載せています。

傾向をざっくり書くと

・国民投票
 NO↓
 YES↑
 ⇒現在はほぼ拮抗(差は誤差範囲内なので本当に拮抗)
 一方で、
 未決定↑+NOとYESともに微減↓
 という興味深い状況です。投票が迫るにつれて迷っている人が増えているというわけですね。
 最終結果は本当にどうなるか分かりません。

・ユーロ残留
 YES↑
 NO↓
 ⇒一週間でYESがどんどん増えています。目下、EUの法理論的にギリシャ人自身が望まない限りユーロ離脱はないので、基本的に国民投票の結果を問わずユーロ離脱はないと言えます。
 まあ、ギリシャが混乱すれば安全保障やギリシャ人自体が難民化することで難民・移民問題が悪化することでドイツもただでは済まないでしょうから、最終的には妥協に向かわざるを得ないのではないかと。








※私がブログや書籍で繰り返し書いていますように、経済の根本はカネではなくモノです。ギリシャ財相は羽柴藤吉郎に包囲された鳥取城(小判ザクザクでカネだけあって兵糧などのモノがない状態であっけなく落城)の轍は踏まなさそうですね。

※ちなみに、AP通信(英語)が「(銀行閉鎖、資本規制、年金削減から身を守るための)ギリシャ農村の秘密兵器:食糧を自ら育てよ」という記事を書いています。








国際政治情勢はどちらかというとチプラス首相の思惑通りに動いていると言えます。あとは、国民が支持してくれるかどうか、天下分け目の関ヶ原――ギリシャ版小早川秀秋は現れるか?――という塩梅。






というわけで本題です。これもAP通信の記事。簡単に紹介しておきます:






The case for Greece: when it forgave Germany's debt
ギリシャの真実:ギリシャがドイツの借金を免除したとき

http://finance.yahoo.com/news/case-greece-forgave-germanys-debt-154706236--finance.html
AP, July 2, 2015


LONDON (AP) — Forgiving debt, if done right, can get an economy back on its feet.
借金を免除すること、それが正しく行われれば、経済的な自立が可能となる。

The International Monetary Fund certainly thinks so, according to a new report in which it argues Greece should get help.
ギリシャは支援を与えられるべきことを論じている新しい報告書によれば、IMFは確かにそう考えている。

But Germany, another major creditor to Greece, is resisting, even though it knows better than most what debt relief can achieve. After the hell of World War II, the Federal Republic of Germany — commonly known as West Germany — got massive help with its debt from former foes.
しかしドイツなど主なギリシャに対する債権者らは、債務減免が達成できれば状況はもっと改善されると知りつつも、抵抗している。第二次世界大戦の地獄のあと、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)は、かつての帝国敵国からの大規模な債務支援を受けている。


Among its creditors then? Greece.
そのときの債権団の中には、ギリシャがあった。


The 1953 agreement, in which Greece and about 20 other countries effectively wrote off a large chunk of Germany's loans and restructured the rest, is a landmark case that shows how effective debt relief can be. It helped spark what became known as the German economic miracle.
1953年ギリシャは他の20か国と共に、ドイツに対する大規模な貸付の免除や債務再編を行う協定を発効させた。この協定は、債務減免がいかに効果的かを示す画期的な事例である。それは、奇蹟的なドイツの経済発展をもたらした。


So it's perhaps ironic that Germany is now among the countries resisting Greece's requests for debt relief.
ゆえに、ドイツが他の国々とともにギリシャからの債務減免の要求に抵抗し続けているのは恐らく、皮肉であると言えるだろう。


Greek Finance Minister Yanis Varoufakis claims debt relief is the key issue that held up a deal with creditors last week and says he'd rather cut off his arm than sign anything that doesn't tackle the country's borrowings.
ギリシャのヤニス・バロファキス財務大臣は、債務減免こそが先週の債権団との交渉における鍵となる項目であったと主張し、彼は債務減免のない協定に署名するくらいなら腕を切り落としたいとまで言っている。

The IMF backed the call to make Greece's debt manageable with a wide-ranging report on Thursday that also blames the Greek government for being slow with reforms.
IMFは木曜日の広範囲な報告書でギリシャ債務を維持可能な水準にすることを支持しつつ、ギリシャ政府が改革を遅らせようとしていることを非難している。

Despite years of budget cuts, Greece's debt burden is higher than when its bailout began in 2010 — over 300 billion euros ($332 billion), or 180 percent of annual GDP — because the economy has shrunk by a quarter.
四半期ごとに経済が収縮したことにより、何年にもわたる予算削減にも関わらず、ギリシャの債務負担は、3千億ユーロ(約40.5兆円、GDP比で180%)を超え、支援が始まった2010年よりも高くなっている。

Here's a look at when Germany got debt relief, and if such action might help Greece.
もしかしたらギリシャを助けることにつながるであろう、ドイツが債務減免を受けたときのことを以下に示す。


FORGIVE US OUR DEBTS
我々の借金を免除して下さい


1953's London Agreement, hammered out over months, was generous to West Germany. It cut the amount owed, extended the repayment schedule and granted low interest rates.
数か月にわたる激しい議論の末に合意に至った、1953年のロンドン協定は、西ドイツに寛容であった。その協定により、債務の一部が免除され、返済スケジュールが延期され、低金利が与えられた。

And crucially, it linked West Germany's debt repayment schedule to its ability to pay — tying repayments to the trade surplus it was running and expected to run. That created an incentive for trading partners to buy German goods.
そして決定的なこととして、返済スケジュールはドイツの支払い能力に適合するように調整――貿易黒字の実績値あるいは予測値に連動――された。このことは、貿易相手国らに、ドイツ製品購入の動機づけを与えた。

The deal effectively blocked claims for reparations for the destruction the Nazis inflicted on others.
この協定においては、ナチスによる破壊に対する賠償権も放棄された。

But it wasn't a one-way street.
しかし、これは一方通行のものではなかった。

"The London Agreement gave Germany sweeping debt forgiveness and protection from creditors, in exchange for pro-market reforms," said Professor Albrecht Ritschl of the London School of Economics.
「ロンドン協定はドイツに債務免除と債権団からの保護を与える替わりに、親市場の改革(要するに新自由主義的な改革?)を実行させるものであった」とロンドン大学経済学校のAlbrecht Ritschlはいう。

West Germany was able to borrow on international markets again, and, free of onerous debt payments, saw its economy grow strongly.
西ドイツは再び国際市場での借入れが可能となり、そして、やっかいな債務支払いから自由になり、経済は力強く成長した。

Development activists cite that case when arguing for easier terms for troubled countries today.
開発発展活動家らは、今日の困難に陥った国に寛容な手段を用いる主張をする際、このケースを引き合いに出す。

"The same opportunity should be given to Greece that was given to Germany in 1953," said Eric LeCompte, executive director of debt relief organization Jubilee USA.
「1953年にドイツに与えられたような機会が、ギリシャに与えられるべきだ」と、(社会的弱者の)債務減免を手助けする団体であるJubilee USAの執行役員であるEric LeCompteはいう。

Greece has had some relief. Private sector bondholders lost 53 percent of face value in a 2012 restructuring, and remaining debts have been stretched out.
ギリシャはいくらかの債務免除をすでに受けている。民間の債券保有者は2012年の債務再編において額面価額の53%を失っているし、残っている部分も返済が延期されている。

Now most of Greece's debt is owed to bailout creditors. While they, notably the IMF, have indicated that the debt load should be made more manageable, little has been done of late.
いまや、ギリシャの債務の大半は救済債権団によって保有されている。債権団ら、特にIMFは、債務が維持可能な水準となるべき(債務減免をすべき)ことを示唆しているが、最近はほどんどなされていない。

___

NOT CHARITY
チャリティーではない


The German debt forgiveness was driven by the United States, which pressed others to get a deal — British creditors gave up two-thirds of what they were owed.
ドイツの債務減免は、米国主導でなされた。米国は他の国々に圧力をかけ、英国は3分の2の債権を放棄した。

It wasn't charity. The U.S needed a strong West Germany as an ally against the perceived threat of the Soviet Union.
これはチャリティーではない。米国は、ソ連の目に見える脅威に対抗するため、同盟国としての力強い西ドイツを必要としていた。

(後略)






国民投票がYESとなろうと、NOになろうと、

・クレタ島の米軍基地喪失リスク
・ギリシャのNATO脱退リスク
・中露のギリシャへの影響拡大リスク・
・ギリシャを経由する難民・移民増大リスク・
・ギリシャ経済崩壊によるギリシャ人自体の大量難民化リスク

がそこにあります。

欧州や米国の政治家や、あるいは諸国民が、これらのリスクをどのように評価した上で、どのような判断を下すか、それが鍵になりそうですね。

いや、一番重要なのは、ドイツの政治家と国民が1953年のことを思い出せるかどうか、でしょうか。


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669:ギリシャ不法入国者数、上半期でEU首位に――日本にとって他人事でないのは、借金問題よりは難民・移民問題かと+今朝までのギリシャ危機関連の動きのまとめ

2015/07/03 (Fri) 11:30
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まず、
昨夜から今朝にかけてツイートした
前回エントリー質疑応答
ギリシャ危機関係の動きをまとめておきます(不法入国者問題の話はのちほど):
























※「報道機関による情報操作か?」と書きましたが、ちなみに、よくよく調べるとこのGPOという調査機関に調査を依頼したのはフランスのBNPバリパだそうです。誰が、どのような過程で部分的データの分析結果公表に至ったか、ということはまだよく分からない状況のようです。











※何だかんだといっても、IMFによる「状況次第では債務削減(debt relief / haircut)も必要」と取れる内容の発表を導いたのは、チプラス首相の主張通り、国民投票の唐突な発表ではなかったかと。





というわけで、「ギリシャ不法入国者数、上半期でEU首位」の件について。





なお、「不法入国者」と言ってしまうと多少の語弊があるように思われます。

正確には海からの「難民 refugee」と「移民 migrant」です。

とは言え、あの船の定員を大幅に超えて乗せられている「難民」の映像を見ると、正式な手続きを踏んでの入国ではあり得ませんから、法的には「不法入国」で間違いないとは思いますが…。



国連、正確には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)報告書(2015年7月1日)に基づく、英テレグラフの記事を以下に翻訳しておきます:

Greece overtakes Italy as first port of call for migrants
ギリシャ、「移民」の最初の寄港地としてイタリアに取って代わる


In the first six months of this year, Greece has received more migrants crossing the Mediterranean than Italy, according to a new UN report. Italy had previously been seen the rise in migrant arrivals.
国連の報告書によると、今年の前半6ヵ月において、ギリシャに地中海を渡って流入した移民の数はイタリア以上となった。イタリアは従前、移民の到着の増加の象徴と見られていた。

※国連報告書の画像で、今年上半期の海からの「難民と移民」の流入数は、ギリシャが68,000人、イタリアが67,500人と示されています。








• The number of refugees and migrants entering the western Balkans from Greece has already dramatically increased since the beginning of June, with more than 1,000 people entering every day, as opposed to 200 just a few weeks ago.
・ギリシャから西バルカン半島に流入した難民と移民は、6月の初め以来、劇的に増加している(2、3週間前には1日あたり200人だったのに対し、1000人以上となっている)。

• There has been a major increase in refugees and migrants taking the ‘eastern Mediterranean route’ from Turkey to Greece.
・トルコからギリシャに入る「東地中海ルート」を取る難民と移民に大きな増加が見られる。

• More than 85 pc of those arriving in Greece are from countries experiencing war and conflict, principally Syria, Afghanistan, Iraq and Somalia. From Greece, most move onwards across the Balkans to western and northern Europe. Italy remains the primary destination for Eritreans, Somalis and other people from sub-Saharan Africa.
・ギリシャに流入したうちの85パーセントは主にシリア、アフガニスタン、イラク、ソマリアといった戦争や紛争を経験している国からのものである。ほとんどはギリシャからバルカン半島を通って西ヨーロッパや北ヨーロッパに移動している。イタリアはいまもエリトリア人やソマリア人その他、サハラ砂漠以南のアフリカの人々の主たる目的地となっている。

※まるでフン族に追い立てられて「民族大移動」を起こしたゲルマン民族の様相です。それでローマ帝国が崩壊したように、やがては「EU帝国」も…

• 90pc of Syrian refugees interviewed in Greece said they wanted to find asylum somewhere else in the EU, mostly in Germany and Sweden, for better assistance and employment opportunities
・ギリシャにいるシリア人難民の90%は、よりよい援助や雇用機会を求めて他のEU国(ほとんどはドイツやスウェーデン)への亡命を望んでいると回答している。

※とにかくまずはギリシャに逃げ込み、シェンゲン協定で国境検査がないことを利用して、より豊かな地への移動を望むのは、ある意味、自然なことかと…

※スウェーデンはユーロには加盟していませんが、シェンゲン協定には加盟しています。シェンゲン圏内は国境検査がありません(一時、検討していましたが、その後どうなったかな??)。






現状、ギリシャを危機のまま放っておくとギリシャに入った難民はギリシャにはいたくない(ギリシャ自身が経済危機で助けられない)ので、ドイツやスウェーデンなどの豊かで福祉の整っている国は、大量の難民・移民を抱えることになりそうです。

ギリシャを助けず、その替わり「不法入国者」を助ける、ということになるわけです。

さらには、仮にギリシャが崩壊したら、ギリシャ人自体が難民化してドイツやスウェーデンに大量に押し寄せるかも知れませんね。

まさに、民族大移動、帝国崩壊の危機かと。



日本では、「ギリシャ政府の借金問題は、政府が多額の借金を抱える日本も他人事ではありません」とテレビなどで言われていますが、

はっきり言って借金問題自体はほぼ完全に他人事かと個人的には思います。

ギリシャ政府が抱えているのは通貨発行権の権能の及ばない債務であるのに対し、日本政府が抱えているのはほぼ完全に通貨発行権の権能の及ぶ債務のみなので、まるで別世界であります。


ただ、他人事で全くない問題もあります。

上記の「難民・移民」問題です。

仮に東シナ海の向こうで北アフリカや中東のような混乱が生じた場合、日本は、ギリシャ、イタリア、ドイツ、スウェーデンと同等以上の混乱に見舞われる可能性があります。

万が一にも日本が「ゲルマン民族大移動」で滅びたローマ帝国のようにならないためにはどうしたら良いかについて考えましょう、ということであれば、ギリシャ危機は全く他人事ではない問題であると言えそうです。



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668:ギリシャ、波乱の一日終え、首相と財相は「反緊縮&ユーロ居座り路線」を強化

2015/07/02 (Thu) 12:11
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昨日のギリシャは、チプラス首相が「ユーロ債権団に「降伏」してほぼ全面的に条件受け入れ」、と取れる英フィナンシャル・タイムズ(FT)の記事が出たあと、さらにチプラス首相が債権団との取引成立と引き換えに国民投票を中止するという噂がまことしやかに流れ、最後はチプラス首相のテレビ演説での国民投票実施の名言で幕を引くというような慌ただしい一日でした。













早速ですが一つ訂正を。
↑上記の私のツイートで「株乱高下」というのは半分間違いです。FTの記事が出て、「ギリシャが債権団の条件に応じて引き下がる」という思惑で欧米の株式が上昇した(ガーディアン記事1記事2)あと、チプラス首相が「国民投票実施、NOとなれば今後の交渉しやすくなるのでNOに投票よろしく」とTV演説しても株価が下がることはありませんでした(ガーディアン記事3)。

→これは有力メディアの情報の伝え方の違い(ギリシャ譲歩の情報の報道に力を入れ、ギリシャ強硬の情報の報道はあまり力を入れない)なのか、あるいは、また別の理由があるからなのか??


それはそれとしまして、チプラス首相のテレビ演説はまさに当ブログで月曜日(資本規制導入直後)に書いていた方向で動いていると言えます:

「チプラス政権はおそらく3番のシナリオ(国民投票でNo→瀬戸際外交で債権団の譲歩引き出しユーロ居座りのシナリオ)の路線でユーロ離脱恐怖派の国民を惹きつけつつ、債権団から大幅な譲歩(特に、大幅な債務免除)を引き出す作戦を強化するのではないかと想像する次第です」


加えて、その首相テレビ演説のあと、バルファキス財務大臣がブログで「我々がNOへの投票を推奨する6つの理由」を書いています:

Why we recommend a NO in the referendum – in 6 short bullet points
なぜ我々は国民投票でNOを推奨するのか――6つの要点
Posted on July 1, 2015 by yanisv

1. Negotiations have stalled because Greece’s creditors (a) refused to reduce our un-payable public debt and (b) insisted that it should be repaid ‘parametrically’ by the weakest members of our society, their children and their grandchildren
1.交渉が先延ばしになったのは、債権団が(a)我々の支払い不能な公的債務の削減を拒否し、(b)我々の社会のもっとも弱い人々、その子供たち、その孫たちによって「数学的に」返済しなければならないと主張しているからです。

2. The IMF, the United States’ government, many other governments around the globe, and most independent economists believe — along with us — that the debt must be restructured.
2.IMF、米国政府、その他世界中の多くの政府、そして多くの個別の経済学者ら(※)は我々とともにあり、債務は再編されなければならないと信じています。

※その経済学者にはノーベル賞を取ったスティグリッツ氏も含まれます。ちなみに、バロファキス財相は、ガーディアンに載っていたスティグリッツ氏の見解記事のリンクをツイートしています。
 なお、米国政府(オバマ大統領やルー財務長官)の姿勢は、以前のブログで書いた通りです。
 米国にはクレタ島の米軍基地やNATOなど安全保障の背景もあります。


3. The Eurogroup had previously (November 2012) conceded that the debt ought to be restructured but is refusing to commit to a debt restructure
3.ユーログループ(ユーロ財相会合)は以前(2012年11月)、債務は再編されるべきであることにつき妥協していましたが、債務再編の確約を拒み続けています。


4. Since the announcement of the referendum, official Europe has sent signals that they are ready to discuss debt restructuring. These signals show that official Europe too would vote NO on its own ‘final’ offer.
4.国民投票の発表以降、欧州の政府や公的機関は債務再編を議論する準備があるというシグナルを発しています。このシグナルは、欧州の政府や公的機関が彼らの最終提案(ギリシャ政権が拒否し、国民投票で賛否を問おうとしている債権団の提案)に対し、自ら「NO」に投票しているようなものです。

※確かに、理屈としてはそうか、と。うまいことを言いますね。


5. Greece will stay in the euro. Deposits in Greece’s banks are safe. Creditors have chosen the strategy of blackmail based on bank closures. The current impasse is due to this choice by the creditors and not by the Greek government discontinuing the negotiations or any Greek thoughts of Grexit and devaluation. Greece’s place in the Eurozone and in the European Union is non-negotiable.
5.ギリシャはユーロに残ります。ギリシャの銀行にある預金は安全です。債権団は銀行閉鎖に基づく脅迫の戦略を選んでいます。現在の袋小路は債権団のそのような選択によるものであり、ギリシャ政府の交渉打ち切りのせいでもないし、ギリシャでグレグジット(ギリシャのユーロ離脱)と平価切下げを考えている人達のせいでもありません。ギリシャのユーロ圏およびEUにおける居場所は、交渉できるものではありません。


6. The future demands a proud Greece within the Eurozone and at the heart of Europe. This future demands that Greeks say a big NO on Sunday, that we stay in the Euro Area, and that, with the power vested upon us by that NO, we renegotiate Greece’s public debt as well as the distribution of burdens between the haves and the have nots.
6.未来は、ユーロ圏と欧州の中心に存在する、誇りあるギリシャを求めています。この未来は、ギリシャ人が日曜日に大きな「NO」を表明すること、我々がユーロ圏に残ること、そのNOによって与えられた力を用いてギリシャの公的債務を我々が交渉し、持てるものと持たざるものが負担を分かち合うようにすること、を求めています。




さて、ギリシャの債務危機の発端は、直接的には2009年に不正会計が発覚したことでした(根本的にはユーロに参加したことが原因とも言えます)が、よくよく考えてみれば、それは現政権の責任とは言えません。(①)

さらには、IMFのWEOデータを見ると、近年、ギリシャは利払いだけでGDP比約4%の負担を強いられています(中央+地方+年金基金の一般政府ベース。金利収支を除いた財政収支であるプライマリーバランスと全部ひっくるめた財政収支の差額から金利収支を算定)。2009年からの6年間の累計を単純に考えるとGDP比4%×6=24%。日本で言えば、GDP500兆円の24%といえば120兆円。この6年間の累計でギリシャは、おそらく大半は海外(とくにIMF、ECB、EUかな?)に日本の感覚なら累計で120兆円程度の金利を支払っていることになります。(②)

まあ、①と②を考えると、そりゃ、そろそろ勘弁してくれや、というのも一理あるかも知れませんね。

普通、破綻国はかなり大幅な債務再編(借金の一部棒引き)が認められますが、ギリシャは危機後6年もの間、それを許されていないというわけです(一部、免除はあったみたいですが)。

というのが、バルファキスさんの気持ちなのかも知れません。






一方、目下、ドイツは「国民投票終わるまで一切交渉しない」ユーログループ(ユーロ財相会合)も同様フランスは「すぐにでも交渉を再開すべき」という感じで、債権者側も足並みがそろっていない感じです。








また、世論調査では、NOが優勢という結果と、YESが優勢という結果が錯綜しています。

↓これはProrataという調査機関の調査結果。調査は6月28日から30日にかけて行われ(英語のロイター記事参照)、28日の資本規制発表後だけの標本を見ても一応はNOが46%で優勢、となっています。








↓こちらは、GPOという調査機関のもの。EURO2DAYといういかにも親ユーロな名前(?)の新聞向けの調査ですが、EURO2DAYの記事(ギリシャ語)を日本語訳(Google翻訳。あまり意味を成す日本語になっていませんが単語レベルは辛うじて分かる)を見ると、6月30日に実施されたもので、YESが47%、NOが43%と若干優勢となっています。また、当該記事には、ユーロに残留すべきかどうかの結果グラフも示されています(これは英語)。ユーロ残留賛成が74%、反対が24%となっています。親ユーロ新聞と思われるとはいえ、このユーロ残留賛成74%は圧倒的ですね。




まあ、調査実施者が右派か左派か、親ユーロ派か反ユーロ派かによって揺らぎがあるかも知れません。
また、上記の調査はいずれも、昨日(7月1日)のチプラス首相の演説よりは前のタイミングのものです。
ユーロ残留の世論が強く、NOへの投票はユーロ離脱と思っている人もまだまだ多いようですから、日曜日までに政権がどこまで「NOで譲歩引出しつつユーロ居座り」ということを浸透できるかにかかっていると言えます。





あと、小ネタですが、↓こんなのも









バロファキス財相の関与否定コメントは↓こちら








なお、私は何年も前から「財務省悪玉論」は完全に放棄しています。

それは中国の古典、周書・泰誓上にある以下の言葉の概念を支持しているからです:

「天、民をあわれむ。民の欲するところは、天、必ずこれに従う」

財務省がどう考えようが、政治家がどう考えようが、大多数の国民が「国の借金大丈夫だ」ということを確信していたならば、2020年までにプライマリーバランス黒字化というような財政再建目標が取られることはないでしょう。
逆に言えば、大多数の国民が「国の借金大変だ」と確信しているからこそ、このような財政目標が掲げられて粛々と緊縮気味な財政政策が取られることになると考えるのが自然であり、天の成すところと思う次第です。
国民全般の意識が変わらない限り、財政政策のあり様は変わらない、ということであります。

どれほどの権力者、どれほどの独裁者、どれほどの強大な政権であっても、民に見放されれば天からも見放されるということは歴史が教えるところのものと言えます。
例えば、他の6か国をことごとくうち滅ぼして強大な中央集権体制を築いた秦王朝も、始皇帝の死後たった10年で滅び去ってしてしまいましたし、それだけでなく、かの国では何度も権力者・政権が民衆の不満の鬱積で生じた革命によって倒されてきました。これは古今東西で繰り返されているようなありふれた事象と言えるでしょう。

ギリシャ問題も、ユーロ問題も、民の欲するところに天が従う、ということではないかと思う次第です。



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667:ギリシャ、ユーロ離脱なさそう:独財相の「国民投票で“NO”でもギリシャはユーロ残留可」発言で+その他今朝のIMF返済「延滞」までの動きのまとめ

2015/07/01 (Wed) 10:38
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国民投票の結果がどうであれ、暴力革命や軍事クーデターなどがなければ、ギリシャのユーロ残留(居座り?)はかなり確実と言えるようになりました。




というのは、

これまで一貫してギリシャに対して強硬な姿勢を示してきたドイツのショイブレ財務大臣が「国民投票で“NO”でもギリシャはユーロ残留可」とドイツの国会議員らに表明したからです。



とりあえず、日本語のロイター記事のタイトルとリンク:

-----
国民投票否決でもグリジット不要、独財務相が認識=議員
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA20S20150630
2015年 07月 1日 00:29 JST ロイター
-----

↑ショイブレさんがこんなことを言うに至る経緯が非常に興味深いのですが、それは↓以下の私のツイートを見ながら追い追い説明します。なお、このショイブレ発言の報道はブルームバーグのスクープです。















※バルファキス財相もチプラス首相も「ユーロ離脱はない。あり得ない」と繰り返しているのですが、国民にはなかなか伝わっていないようです。「国民にはなかなか伝わっていない」という話の関連はまた下のほうで出て来ます。








このメルケルさんの発言について、私はかなり誤認がありました。
 「
欧州はギリシャのような危機において過去よりもより良く取り組むことが出来る」というのは、「ギリシャがどうなろうと欧州はその準備ができているからOK牧場」ということのようです。
 ただ、これまでショイブレ財相が「とにかくカネ返せ」の強硬派、メルケル首相は外交や安全保障を見据えた柔軟派という全般的な印象に違いはないものと思われます。本当にギリシャがユーロ離脱してロシアや中国に走ったとしたら、前回のエントリーの内容も考え合わせると顔面蒼白だと思われますので…。






















※ちなみに、NOはギリシャ語で「OXI」、YESは「NAI」です。デモで「OXI」のプラカード持っていたら反緊縮派、「NAI」なら緊縮やむなし派となります。








※国民投票、まだまだ不透明ながら、何だかんだと言って最終的にはNO(OXI、反緊縮)になるのかな、と個人的には感じています。一方で、ショイブレ発言もあったのでユーロ離脱確率は10%以下かな、と今のところは思っています。















※このバルファキス財相の「裁判所命令取るぞ、この野郎!」という脅しが効いて、ショイブレ独財相の発言につながったのではないかと、個人的には想像しています。
 この件、かなり重要な話だと思いますが、日本語ソースではいまのところ東京新聞だけしか報じていない模様です(グーグルで「欧州司法裁判所」をニュース検索した結果)。















※ギリシャ政権のユーロ居座りへの並々ならぬ決意が現れています。







※ちなみに、ユーロ残るかどうか以外にも、国民投票の結果がNOかYESかとかも賭けの対象。








※ギリシャ国内のメディアがあまり伝えないので、「国民投票でNO(反緊縮)でも法理論的にユーロ残留はOK牧場なのでユーロ残留です」ということが広く共有されていないようです。ギリシャのメディアがこぞってユーロ債権団にYES、チプラス左派政権のNOを呼び掛けているのは、目下、日本でも話題沸騰中の「マスコミのスポンサー」の問題があるからなのか、どうなのか。
このギリシャメディアの報道姿勢の件は、国民投票の結果の見通しをいささか不透明にさせている大きな要因と言えそうです。












※↑この件のツイート、あまりリツイートなどの反応がなかったのでありますが、私の個人的見立てでは国民投票発表以後でもっとも重要な鍵となる出来事です。
 先ほども書きましたがこれはブルームバーグのスクープ記事で、ブルームバーグの記事には珍しく、動画付きの記事となっています:




※このブルームバーグ記事によると、ショイブレ独財相はベルリンでドイツの国会議員ら相手の非公開会議で「国民投票NOでもギリシャはユーロ離脱しなくても可」と話し、その会議の参加者のうちの3人が匿名を条件にブルームバーグに語ったとのことです。
 この3人とは恐らく国会議員の皆さんだと思われますが、外交や安全保障の観点からギリシャのユーロ離脱を望まない派の方々なのでしょうかね。






































































いや、それにしてもこのギリシャの件、つぶさに追っていくとギリシャ政権の「駆け引き上手」が目につきます。

例えば、独財相の「国民投票NOでもギリシャはユーロ残留可」発言を引き出したり、いままでなかなか出て来なかった「債務減免(debt relief)」の言及を引き出したり。

この点、日本外交も見習うべきところがあるかも知れませんね。

ただ、ギリシャのような「口出すな、カネだけ寄越せ、この野郎!」的な方式をやり過ぎると、日本人的ではなくなってしまいそうと思う、今日この頃であります…



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666:ギリシャには米軍基地があるため、ギリシャ危機は米露「冷戦」と無関係でいられなさそう

2015/06/30 (Tue) 17:11
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英語のブルームバーグ記事で知ったのですが、ギリシャのクレタ島、ソウダ・ベイ(Souda Bay)には米海軍基地があります。



米海軍の当該ページの↓リンク
http://www.cnic.navy.mil/regions/cnreurafswa/installations/nsa_souda_bay.html


このソウダ・ベイ基地の「歴史」のところを見ると、地中海に展開する第6艦隊の活動を支援するために、「戦略的な位置」にあるクレタ島のソウダ・ベイに1958年、戦車揚陸艦USS TALLAHATCHIE COUNTY(タラハッシー・カウンティ)が配備されたのが最初のようです。そして、現在は800人の要員がいて、3分の1が米軍人、3分の1が米政府職員(文民)、残りの3分の1が現地人(文民)という態勢だそうです。




以下、上記ブルームバーグ記事関連のツイート+記事の内容紹介の追加:




https://twitter.com/YNHiromiya/status/615766604396101632





https://twitter.com/YNHiromiya/status/615774008278016000





https://twitter.com/YNHiromiya/status/615775032019554304





上記ブルームバーグ記事の内容からもう少し:

ワシントンにある Atlantic Council(シンクタンク?)のAndrea Montanino氏によると、ギリシャ国民の多くは親ヨーロッパでると思われるので可能性は低いけれども
・ギリシャがデフォルトすれば中国を含む他地域からの資金獲得を模索するだろうし、
中国も海外での投資先を求めている
中国はギリシャを拠点にヨーロッパでの出来事の一部をコントロールすることも考えることができる

とのこと。

ランド研究所(元は米軍が戦略立案を研究するために設立。現在はNPO)の Dobbins氏によれば、
・第二次大戦後にギリシャで内戦があった際、米国は西ヨーロッパ再建のための大規模な経済支援であるトルーマン・ドクトリンによって対処した
・現在ではそのような支援が行われる可能性は低いが、ギリシャの経済崩壊では、ほぼどんなことでも考えられる
・いまや我々はまさしく未知の水域に入り込んでおり、ギリシャのユーロ離脱のような事態はまったくの前代未聞の出来事だ

とのこと。







ギリシャ危機の先行き予測を困難にしているのは、このような安全保障上の問題、米ロ対立、米中対立の情勢が密接に絡んでいることも大きいようです。

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665:ギリシャ銀行閉鎖:国民投票終了後まで+先行き不透明ながらギリシャ瀬戸際外交はさっそくEU、独、仏のみならず米の首脳らから「債務減免」の言及引き出す「成果」も

2015/06/29 (Mon) 11:58
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前回に続きギリシャです。

銀行閉鎖の件に入る前に、前回のエントリーの後につぶやいていた

「第3のシナリオ」

の話をしておきたいと思います。



前回、今後の想定シナリオとして

①【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】

②【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】


という感じで書いていましたが、その後、ガーディアン記事に出ていたギリシャのバルファキス財務大臣のラジオインタビューの様子を見て、以下のような第3の想定シナリオを追加したいと思った次第です:



https://twitter.com/YNHiromiya/status/615150270750658560







https://twitter.com/YNHiromiya/status/615162065800466432





↑この「第3のシナリオ」は、本来的には、「資本規制はあるか?」と聞かれたバルファキス財相が、「民主主義において重大な案件に対する投票が銀行閉鎖なしで行われるように、通貨同盟における中央銀行は何でもすべき(In a monetary union, a central bank should do “whatever it takes”, and in a democracy the people should be able to vote on momentous issues without seeing their banks shut.)と言っていたことと、

Varoufakis also insisted that Greece needn’t be forced out of the eurozone. Indeed, there’s no mechanism to exit the single currency.
バルファキスはギリシャが強制的にユーロ圏から退出させられる必要はないと強調した。実際、ユーロから退出する仕組みは存在しない。

The euro was never designed to solve a problem such as Greek insolvency, and we’ve had a comedy of errors since, he adds.
ユーロはギリシャのような債務超過の問題を解決するようには全く設計されていない。我々はしばしば「間違いの喜劇(シェークスピアの作品名)」を演じてきた、と彼は付け加えた。





という記事の記述から、少々想像を膨らませたものであります。



というわけでいまのところ、

①【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】

②【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】

③【国民投票でNo→瀬戸際外交で債権団の譲歩引き出しユーロ居座りのシナリオ】

の三つを上げておきたいと思います。




以上で前回の補足は終わりです。







で、今回のテーマです。

上記のガーディアン記事において引用されていたのですが、バルファキス財相は「ギリシャ政府は銀行閉鎖などの資本規制には反対!」とツイートしていました:



https://twitter.com/yanisvaroufakis/status/615127339102531584

訳すと、

「通貨同盟内での資本規制は矛盾した手法。ギリシャ政府はこのような概念に反対します」




ところが、
それから半日も経たないうちに、今般のチプラス政権による銀行閉鎖と預金引き出し制限、すなわち資本規制(capital control)の発表です。


こういうことをやるときは、「ラブストーリーは突然に」以上に突然にやらな、そりゃあかんか。

以下、その件のガーディアン記事を抄訳:






Greece crisis deepens as banks close for a week after weekend that shook euro
週末から一週間の銀行閉鎖でギリシャ危機深まり、ユーロを揺さぶる

http://www.theguardian.com/world/2015/jun/28/greece-crisis-deepens-banks-close-a-week-weekend-shook-euro
Sunday 28 June 2015, The Guardian

Greece’s government says banks will stay closed until after snap referendum, while stock exchange shut on Monday and cash machine withdrawals limited
ギリシャ政府は、国民投票直後までの銀行閉鎖を宣言。月曜日は株式市場を閉鎖。ATM預金引出しは制限された



On Monday morning Greeks will find their savings blocked and their banks closed for a week following a fateful weekend that has shaken Europe’s single currency.
単一通貨のヨーロッパを震撼させた運命の週末に続き、月曜の朝、ギリシャ国民は彼らの銀行が閉鎖され、預金が封鎖されたことに気づくだろう。

The Greek government decided on Sunday night it had no option but to close the nation’s banks the following day after the European Central Bank (ECB) raised the stakes by freezing the liquidity lifeline that has kept them afloat during a six-month run on deposits.
ギリシャ政府は、ECBがこの6ヵ月間、預金の流れを支えた流動性支援を凍結することでリスクを高めたことを受け、土曜夜に止む終えずギリシャの銀行を閉鎖することと決めた。

The Athens Stock Exchange will not reopen on Monday either. The dramatic move, after 48 hours of sensational developments in Greece’s long-running battles with creditors, was sparked by the country’s prime minister, Alexis Tsipras’s Friday night call for a referendum on its creditors’ demands. That prompted finance ministers of the eurozone to effectively put an end to his country’s five-year bailout by the International Monetary Fund, the ECB and the European commission.
アテネ証取は月曜は開かない。金曜日の夜にチプラス首相が債権団の要求に対する国民投票実施を提起し、劇的な動きが生じた。それは、実質的にギリシャへの5年に及ぶ支援を打ち切るようにユーロ圏財相らを刺激した。

In a brief, televised address to the nation, Tsipras threw the blame onto the leaders of the eurozone. But he did not say how long the banks would remain shut, nor did he give details of how much individuals and companies would be allowed to withdraw once they reopened.
同国でテレビ中継された演説において、チプラス首相はユーロ圏指導者らを非難した。しかし、彼は銀行がどれくらいの期間閉鎖されるか、銀行が再開したときに個人や企業がどれくらいの金額を引き出せるのか、言及しなかった。

It later emerged that the banks would be kept shut until after the referendum on 5 July and there were reports that the withdrawals from cash machines would be limited to €60 – about £40.
その後、銀行は7月5日の国民投票後まで閉鎖されることが明らかとなった。また、ATMの引き出しは60ユーロ(約8,000円)に制限されたという報告が入っている※。

※引出し制限は、一日あたりなのか、閉鎖期間中の合計額なのかは不明


The prime minister said that Saturday’s move by the eurozone’s finance ministers to halt Greece’s bailout programme was unprecedented. He called it “a denial of the Greek public’s right to reach a democratic decision”.
首相は、ユーロ圏財相らによるギリシャ救済プログラムの停止の動きは、前代未聞の奇怪事であると言った。彼は、それは「民主的決定に到達するためのギリシャ国民の権利の否定だ」と言っている。

Tsipras added that the finance ministers’ initiative had prompted the ECB to curb its assistance, forcing the government to take the steps that it had. He said he had once again appealed for an extension of the bailout until after the referendum, on 5 July, sending his proposal to the president of the European council, Donald Tusk, the leaders of the 18 member states of the single currency, the commission and the ECB.
チプラスは、ユーロ圏財相らが、ECBの支援を抑制させることを主導し、ギリシャ政府が踏み込んだ措置(資本規制)と取ることを強制した、と付け加えた。彼は、7月5日国民投票後までの支援延長を再度訴え、ドナルド・トゥスク欧州連合大統領、ユーロ圏18か国首脳、欧州委員会、ECB宛てに提案書を送った。


As fears spread through Sunday that capital controls would need to be put in place, growing numbers of depositors lined up at ATMs, even in affluent city areas, to withdraw what cash they could.
日曜日、資本規制がなされるだろうと動揺が広まるにつれ、富裕地区ですらATMに並ぶ人々が増えていった。


The country’s plight deteriorated sharply on Friday night when Tsipras put his country’s future in the balance by suddenly calling a referendum and arguing robustly for a rejection of the price set by his creditors for saving Greece, at least for a few more months. This Sunday’s vote will ask Greeks whether they approve or disapprove of the last offer tabled by the creditors before the negotiations broke down.
同国の苦境は、チプラスによる国民投票呼びかけと、債権団提案に対する強い拒否によって急速に悪化した。次の日曜の投票では、交渉決裂前の債権団の提案を受け入れるかどうかが問われる。


But during a marathon parliamentary debate that ended in the early hours of Sunday morning, opposition leaders argued that it was, in fact, a vote on whether Greeks wished any longer to be part of the eurozone. It will be Greece’s first referendum since the country voted to abolish its monarchy in 1974.
しかし、日曜早朝まで続いた国会の討論では、野党党首らが、それは実際にはギリシャがユーロ圏に留まるかどうかの投票だと異議を唱えられた。この国民投票は、1974年に君主制と放棄した投票以来のものである。

The European commission said on Sunday for the first time in the crisis that it wanted to offer Greece debt relief, Tsipras’s central demand during the five months of stalemated talks. Reports from Berlin said that Angela Merkel and François Hollande shared that view.
欧州委員会は日曜、この危機において初めて、ギリシャに債務減免を提示する意思があると表明した。それはこの5か月間の膠着した交渉における、チプラスの中心的要求である。ベルリンからの報告によると、メルケル独首相とオランド仏大統領はその意見を共有している。


But the potential concession appeared to come too late to prevent growing chaos in Greece – and sparked concerns across the Atlantic. Barack Obama was said to have called Merkel to urge her to take action. Jack Lew, the US Treasury secretary, urged creditors to offer debt relief to Greece.
しかし、このような容認の可能性は、増大するギリシャの混乱を防ぐには、出て来るのが遅すぎた――そして、大西洋の向こう側で懸念を生じさせている。オバマ米大統領は、メルケル独首相に行動を急ぐように促したと言っている。ルー米財務長官は、債権団にギリシャへの債務減免を促した※。

※アメリカとしては、ギリシャがロシアに一気に傾倒するのを恐れる側面もあるかと思われます。


Financial analysts will be watching the impact on the markets, which have not yet had the chance to react to the events of the last 48 hours. Mario Draghi, the president of the ECB, tightened the screws somewhat on the country.
金融アナリストらは、市場への影響を見ようとしているが、この48時間の出来事に対して反応する機会をまだ得ていない。ドラギECB総裁は、ギリシャに対していくぶん圧迫を強めた。


The governing council of the ECB decided to freeze emergency liquidity assistance to the Greek banks, the lifeline that is keeping the national financial system functioning. The ELA was capped at last Friday’s level of €89bn. It meant that the banks could continue to function, but the draining of money as people flocked to the ATMs to retrieve their savings also meant they would run out of money that could not be replenished by the central bank.
ECBはギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA。同国の金融システムを機能させる命綱)を凍結することを決めた。ELAは先週金曜日に890億ユーロ(12兆円)が上限とされた。それは、ギリシャの銀行が機能し続け得ることを意味するが、人々がATMに群がって預金を引き出すにつれて資金が尽きても、ECBが補充できないことをも意味する。


“We continue to work closely with the Bank of Greece,” Draghi said.
「我々はギリシャ銀行(ギリシャの中銀)と密接に作業を続ける」とドラギECB総裁は言った。

Greece’s financial stability committee, which includes the finance minister, Yanis Varoufakis, and the central bank governor, Yannis Stournaras, met on Sunday evening to discuss Greece’s rapidly shrinking options. The high-level political confrontations on Friday and Saturday produced the greatest uncertainty over Greece and in the eurozone in the five-year debt saga.
ギリシャの金融安定委員会(バルファキス財相、Stournaras中銀総裁含む含む)は、日曜夜に会合を開き、急速に狭まるギリシャの採るべき選択肢について議論した。金曜と土曜の高度な政治的対立によって、ギリシャと5年に及ぶ債務大河ドラマの渦中にあるユーロ圏に、最大級の不確実性が生じた。


The fall-out from the collapse of negotiations and the calling of the referendum brought recrimination on all sides and predictions of gloom.
交渉の決裂と国民投票の提起は、すべての陣営における非難の応酬と悲観的な予測をもたらしている。

The German finance minister, Wolfgang Schäuble, said he was “perplexed and depressed” by developments. Jeroen Dijsselbloem, the Dutch finance minister who heads the committee of eurozone finance ministers, said that with his referendum call, Tsipras was thrusting the country into a mess from which it would struggle to recover.
ドイツのショイブレ財相は、事態の進展によって「途方に暮れ、憂鬱になっている」と述べた。オランダのダイセルブルーム財相(ユーロ財相委員会議長)は、国民投票呼びかけによってチプラス首相は回復へともがいていたギリシャを台無しにしたと言った。


“We are millimetres away from the total collapse of the Greek financial system,” warned Herman Van Rompuy, until last year the president of the European Council and heavily involved in years of Greek rescue negotiations. “It’s actually suicide that’s taking place in Greece right now.”
昨年まで欧州連合大統領としてギリシャ救済交渉に関与していたファン・ロンパイ「我々はギリシャ金融システムの全面的崩壊までミリメートル単位のところまで来ている」、「いまギリシャで起こっていることは実際のところ自殺行為だ」と言った。

The restrictions being imposed are anathema to Tsipras’s radical left-led government – all the more so since it desperately needs to keep public opinion on its side ahead of the referendum.
いま課されている規制は、チプラスの過激左派政権が忌み嫌うものである――だからこそより一層、政権は国民投票に向けて世論の支持を、死にもの狂いで必要としている。


Varoufakis told the BBC in a Sunday interview: “Capital controls within a monetary union are a contradiction in terms.” But he was party to Sunday night’s decision.
バルファキスは日曜のインタビューでBBCに「通貨同盟における資本規制は矛盾した手法だ」と述べた。しかし、日曜の夜、彼の所属政党は資本規制を決定した。

In the early hours of Sunday, parliament voted 178 to 120 in favour of holding the referendum. Embarrassingly for the government, the neo-Nazi Golden Dawn movement joined Tsipras’s Syriza party and its populist right-wing coalition partner, ANEL, in backing the proposal.
日曜の早朝、国会において178対120で国民投票は可決された。政府を当惑させているのは、ネオナチの黄金の夜明けがチプラスの与党シリザに賛同する動きを見せ、シリザの連立相手である大衆的右派政党ANEL(独立ギリシャ人)が債権団提案に賛成していることだ。

By Sunday evening, however, it had not received the necessary endorsement of Greece’s president, Prokopis Pavlopoulos.
しかしながら日曜の夜、政権は必要なパブロウプロス大統領の承認をまだ受け取っていない。

According to two polls published on Sunday, Tsipras faces an uphill battle to secure the rejection he has indicated that he favours. One in the right-leaning tabloid Proto Thema found 57% of those interviewed favoured acceptance of the creditors’ latest offer. Another in the centre-left To Vima put support at 47%.
日曜に発表された二つの世論調査によると、チプラスは、彼が望む債権団提案拒否を確保するための、困難な闘いに直面している。右寄りのタブロイド紙Proto Thema の調査では債権団提案の容認が57%。中道左派のTo Vima では47%が支持(債権団提案の容認を?)となっている。





国民投票でチプラス首相が望む結果が出るかどうかは不透明です。

しかしながら、このギリシャ国民のみならずユーロ圏全体を人質に取った格好の瀬戸際外交によって、欧州連合、メルケル独首相、オランド仏大統領、オバマ米大統領、ルー米財務長官らから、危機以来初めて「債務減免  debt relief」の言及を引き出した、という「成果」がさっそく挙がったことも事実です。

世論調査の結果は、EU離脱を恐怖する国民が多いことを示しているようですから、
①【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】
②【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】
③【国民投票でNo→瀬戸際外交で債権団の譲歩引き出しユーロ居座りのシナリオ】

のうち、

チプラス政権はおそらく3番のシナリオの路線でユーロ離脱恐怖派の国民を惹きつけつつ、債権団から大幅な譲歩(特に、大幅な債務免除)を引き出す作戦を強化するのではないかと想像する次第です。


「瀬戸際外交」というと日本でも、「お隣」というか、「お隣のお隣」のお国を思い出してしまいそうな今日この頃でもありますね…。



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664:現代版ギリシャ悲劇、いよいよ第二幕か?――ギリシャ債務危機:直近2週間の流れのまとめ&今後の想定シナリオの検討

2015/06/28 (Sun) 10:46
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現地時間の金曜日の夜、ギリシャのチプラス首相が突如、国民投票を呼び掛けたことにより、ギリシャ債務危機問題が急速に不安定化しています。

なお、債権団(EU、ECB、IMF)からの支援案(年金カットと更なる増税と引き換えに5か月間の支援延長)につき可否を決める国民投票の実施はつい先ほど、ギリシャ国会で可決されました(現地時間では土曜の深夜から日曜にかけての真夜中に採決があった)。

「チェックアウトできても、離れられない」、ホテル・カリフォルニアならぬホテル・ユーロから、ギリシャはいよいよ「チェックアウト、かつ、離れたくないけれど離れざるを得ない」状況に追い込まれつつあるようです。
もちろん、国民投票の結果次第では中途半端といえる「チェックアウトできても、離れられない」ホテル・カリフォルニア状態が今後も延々と続くかもしれませんが…。

以下、直近2週間ほどの流れをまとめておき、その後、今後の想定シナリオを検討します:




https://twitter.com/YNHiromiya/status/611105920706220032






https://twitter.com/YNHiromiya/status/611886087347179521

※チプラス首相の「もしダメならロシアに頼ります」と取れる発言で揺さぶり、というその発言は以下のようなものです(上記ガーディアン記事より):

Tsipras said:
"As all of you are aware, we are at the moment at the centre of a storm of a whirlpool, but we live near the sea so we’re not scared of the sea. We are ready to go to new seas to reach new safe ports."
チプラスは言った:
「皆さんがご存じのように我々は今、嵐の渦巻の真っただ中にいます。しかし、我々は海の近くに住んでいますので、海(の嵐、荒波)を恐れません。我々は新しい海に行き、新しい安全な港にたどり着く準備ができています」

まるで「新世界」に向けて漕ぎ出した、「海賊王に、俺は、なる!」(ワンピースのルフィー)的なご発言。

「新しい安全な港」というのは、クリミアのセバストポリとかサンクトペテルブルク辺りにあるのでしょうか?







https://twitter.com/YNHiromiya/status/612435214493560832






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612981816241172481






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612981890492952576






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612995834704101377






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612996164560908289

※↑のロイター記事ではいまのギリシャと似た状況だったキプロスの当時の財相が「ECBが支援を止めた場合に何が起きるかほぼ確信しており、ロイターに対し『基本的に(ギリシャの銀行は)30分で閉鎖を余儀なくされる』と指摘」しています






https://twitter.com/YNHiromiya/status/613133783122903040






https://twitter.com/YNHiromiya/status/613602829798735872

※↑欧州全体における不法移民問題、深刻です。ギリシャに関しては3年前に書いたエントリーもどうぞ:

EUも「移民お断り」:世界的不況による不法移民大量流入で+ギリシャの不法”残虐”移民問題の惨状、現地生レポート付き。「国を開け」が招いたEUの悲劇

不法移民VSネオナチ:「開国は壊国だ!」仁義なき戦い in ギリシャ ― 今回も抱腹絶倒間違いなし、のギリシャ在住読者からのご投稿…いや、本当は笑えないのですが

ギリシャ:ネオナチ得票、前回と変わらず―テレビで共産党議員を平手打ちしたにもかかわらず!







https://twitter.com/YNHiromiya/status/613689493594378241






https://twitter.com/YNHiromiya/status/613943754546790400






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614311628574580736






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614398515406442496






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614747034759729153

※チプラス首相は、年金カットだけはどうしても応じられない、ということだったようですね。





https://twitter.com/YNHiromiya/status/614587271451271169






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614602831975157760






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614748846321577984

※預金封鎖に備え、現金確保!






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614765615182561280






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614767532784783360






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614814609782935553

※ギリシャは国民投票の実施とその後の処理を円滑にするため、1ヵ月の無条件支援を債権団にお願いしたのですが、速攻で却下された、という具合です。だから、7月5日の国民投票実施までにデフォルト、ということがあり得ることに現状はなっています。







https://twitter.com/YNHiromiya/status/614912750859370496






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614913812395786241






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614946946961125377




というわけで、国民投票実施は、深夜にまで及んだ怒号飛び交う激しい議論の末、採決、可決されました。





では今後の想定シナリオを簡単に検討してみましょう。

※今月末で債権団(EU、IMF、ECB)の支援が打ち切られ、IMFへの返済どうするの?というのはちょっと脇に置きます。


【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】
国民投票で債権団の支援案(年金カットや増税と引き換えに5か月支援延長)に対し、Yesであれば、今までと同じ。そして5か月後にまたもやすったもんだ、という塩梅でしょうか。いや、その前に、まずは解散総選挙ですったもんだか…。


【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】
今までの流れで行くと、チプラス政権はユーロ離脱となった場合、ロシア(=「新しい安全な港」)に支援を仰ぎそうな気配ですね。
が、その前にまずユーロ離脱の処理ですが、やはりまずは
 預金封鎖
 預金(ユーロ)の新ドラクマへの強制転換

となるでしょうか(キプロス流なら国民投票の結果が出て30分以内に預金封鎖?)。これは、終戦直後の日本の新円切り替えと同様のプロセスであります。

 為替レートはひとまず分かりやすく1ユーロ=1ドラクマが妥当かと思われます。

 で、当然のように、ドラクマを持っていたいという人は少ないでしょうから、猛烈なドラクマ売りユーロ買いが起こることが想定されます。
 ここで、無理に為替レートを維持しようとしても恐らくうまく行かないと思いますので、一応は一日の変動幅の上限を設定しつつ、ドラクマの価値を落ちるところまで落とすのが妥当かと思われます。過去のアイスランドとかアルゼンチンなどの破綻事例を考えると7割減から8割減といったところが落ち着きどころではないかと思われます。すると、1ドラクマ=0.2~0.3ユーロ程度の水準です。
 そして、ロシアであれ他の国であれ、仮に支援を受けるとしても為替レートの安定に関して直接の支援を受けるのは避けたほうが良いでしょう。多分、失敗しますし、失敗すると支援国の権威が落ちてしまい、また、ギリシャ国民がいらざることで支援国を逆恨みすることになると思われるからです。支援を受ける場合、例えば、原油や天然ガスの無償提供あるいは割引価格による提供、経常黒字になるまでその支払を免除してもらうとか、そういったことに留めるのが良いかと思われます。 
 ただ、ロシアから支援を受けた場合、シリアで軍港を借りているように、ギリシャでも軍港を租借するというような話も出て来るように思われます。ユーロ債権団の目下の反応はそれをなかば是認しているかのようにも見えますが、どうでしょうか。そうなると、欧州における力の均衡状況がだいぶ変わってしまいそうですが…。
 
 さて、為替レートの話に戻りますが、「1ドラクマ=0.2~0.3ユーロ程度の水準」になったとき、その瞬間はギリシャ国民の生活にとって、かなり厳しいものとなると思われます。しかし、多くの破綻国において、そこから数年でかなりの度合いまで経済が回復しています。
 ギリシャもユーロ参加前は、経常収支は±0近傍、対外純資産も±0近傍でした。その当時の購買力平価の他国に対する相対的な水準よりも平価を落としてやれば、経常黒字に持って行くことは可能ではないかと思われます。すると、対外債務の返済も可能となってきます。
 そのような段階になったあと、為替政策は安定重視でユーロに対して固定にするか、変動幅を持たせるかですが、拙著「日本経済のミステリーは心理学で解ける」に挙げた、アルゼンチンとブラジルの比較を考えますと、変動幅をある程度持たせたほうが良いかも知れません。アルゼンチンもブラジルも1980年代に外貨建て債務不履行をお越し、その後は為替レートの急落でハイパーインフレに近い状態となっていました。そして90年代に入ってからは、アルゼンチンは対ドルで固定レートを貫き、割高のレートを続けたためにもう一度01年に破綻。一方、ブラジルは対ドルで為替レートを徐々に切り下げて行き、一時は経常黒字にもなり、再度の債務不履行を起こすことなく経済は比較的安定的に推移しました(2010年以降は少々調子が悪いですが)。
 ということを考えると、ギリシャもブラジル型でゆくのが良いかも知れませんね。


日本は通貨発行権の権能が及ばないようなタイプの債務の問題を抱えていません。
よって、いまのところギリシャや80年代~90年代の中南米諸国のような状況に陥ることはまずないはず、ですが、「国の借金は大変だ!」ということになっています
(但し、日本は量的緩和のやり過ぎにより日銀の債務超過リスクが一応はあります。ただそれは経済リスク、金融リスクというよりは、政治リスクの要素が大きいと思われますが)
ギリシャ国民からしたら何とぜいたくな悩みをお抱えのお金持ち国家なんだろう、と羨望の的だと思いますが…


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660:日本のメディアがなぜか一切報じない「大規模 反緊縮財政デモ in ロンドン」の話――補足(これまでのツイートのまとめetc)

2015/06/23 (Tue) 19:10
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前回のエントリーでは、「大規模 反緊縮財政デモ in ロンドン」(2015年6月20日)の主催者団体の主張を中心に紹介しましたが、前提条件的な話が抜けていましたので、今回は、補足的にこれまでのツイートをまとめておきたいと思います:






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612237251154546691






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612240743759937536




ついでに補足しておくと、
2018年までに30億 300億ポンド(約5.7兆円)の予算削減する政策案は、ブルームバーグ記事によると「英国(政府)の黒字回復に資するため(to help return Britain to a surplus)」とのこと。

日本の安倍内閣による閣議決定に基づく「2020年までにプライマリーバランス黒字化」と似ていますね…






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612237912839589889





https://twitter.com/YNHiromiya/status/612250295746179072






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612419880554360832



前回のエントリーで紹介しました主催団体People's Assemblyの主張――例えば、「国の借金のGDP比が100%超えていようが何だというんだ、むしろ今より成長しとったがな」的な主張など――や、上記のデモの参加者の声など並べてみますと、私が小野盛司さんや丹羽春樹さん、あるいは、河村たかしさんといった方々の影響・刺激を受けて6年前に本を書いて以来主張して来たことと重なる部分が非常に多く、ああ、海の向こうでも同じことを問題視している人達が確かにいるんだな、と感じ入ってしまう今日この頃であります。


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659:【拡散希望】「大規模反緊縮デモ in ロンドン」:主催団体の経済的主張が非常に興味深い――日本のメディアが一切報じないのはなぜ??

2015/06/21 (Sun) 18:49
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ツイッターで何度かにわたって紹介していました、なぜか日本のメディアが報じないロンドンでの大規模反緊縮財政デモの件です。

主催団体の経済的主張が、積極財政派にとって非常に興味深いものとなっています(詳細は後程)。



Saturday 20 June 2015 17.40 BST, The Guardian



・目下、日本のメディアでは一切報じられていないようです。
googleで「ロンドン」、「イギリス」、「英国」でニュース検索しても、日本語ソースで出て来るのはロシアのsputnik日本語版(以前の「ロシアの声」)の記事のみでした。


・日本メディアが報じないのは、日本のメディア自身がイギリスの反緊縮運動にまったく興味がないから、なのでしょうか。あるいは大半の日本国民が興味が持てないと考えてニュース価値がないと日本のメディアが判断したから、なのでしょうか…。


・デモ参加者数は、主催者発表では「最大で25万人」ですが、英ガーディアン紙によるとそれは確認不能(it’s impossible to be sure)であり、実数は7万から15万人と見積もられるとのことです。

・その主催者とはThe People's Assemblyという団体です。Assemblyは集会という意味もありますが、議会、立法府という意味もありますので、日本語で訳すとさしずめ「人民会議」という具合でしょうか。

この響きに「ん?」と感じた方もいらっしゃるでしょう。

「国民会議 National Assembly」ではなく、「人民会議 People's Assembly」…

例えば、この団体の「about」を読むと

7. Vehemently opposes all proposals to “solve” the crisis by discrimination or scapegoating on grounds of disability, race, religion, ethnic origin, nationality, gender, age, sexual orientation or identity.
7.危機の「解決」が、障害、人種、宗教、民族、国籍、性別、年齢、性的傾向や性アイデンティティに基づく差別や貶めによってなされることに、強く反対する

とあります。

うーん・・・。
でも、まあ、例えば日本では外国人にだけ実質認められていた海外にいる(ことになっている)扶養者を対象にした扶養控除による「優遇」などがあったことは、日本人が「差別」される「国籍に基づく差別」と言えますから、このような差別をなくそうという解釈をすれば、まあ許容範囲かな、と。
※外国人の扶養控除問題については、小坪さんのブログをご参照下さい


あと、これ↓

3. Is based on affiliation by individual supporters, unions nationally and locally, anti-cuts campaigns, and other student, pensioner, unemployed, disabled people’s, women’s, Black people’s, youth and LGBT campaigning organisations.

訳は省略しますが、要するにLGBT(レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)も大歓迎というわけです。
私は個人的にはLGBTについてその存在を否定するものではありませんが、積極的に肯定というわけでもない、という具合です。まあ、この問題は深入りは避けます。


…と、上記のような主張をもつ団体ですよ、という点を踏まえつつ、彼らPeople's Assemblyの資料のなかで、積極財政派として非常に興味深い記述を以下、紹介していきたいと思います:

まず、彼らの立ち位置を紹介しているWebページより。

1. A fairer economy for a fairer Britain
1.より公正な英国のための、より公正な経済


Consolidate all current banking institutions into a new publicly owned banking system.
現在あるすべての銀行を新しい公的銀行システムに統合する

(※廣宮は↑日本ではここまでする必要があるとまでは思っていませんが、まあ、こういう考え方もあるか、という感じです)

Makes long term investment in future technology and green production.
将来技術や持続可能な生産のための長期投資を行う

(※これ↑は全面的に賛成です。ヒト、モノ、カネのうち経済で必要不可欠なのはヒトとモノであって、カネは添え物に過ぎない。であるからこそ、自国通貨建ての政府債務は主要問題ではなく従属的問題に過ぎない。ヒトが生きるのに必要なのはモノであってカネではない。モノを充実させるためには将来技術、持続可能な生産のための長期投資は必要不可欠です。モノを充実させることさえできていれば、カネはあとからどうとでもできます)


Repudiate all the US and EU agreements that force open public services to private gain.
民間利益のための公的部門開放を強いる、米国やEUとの協定の拒否

(※これ↑も個人的には基本的に反対する理由のない箇所かと)


Close tax loopholes and tax havens.
租税回避やタックスヘイブンの閉鎖

(※いや、悪くないですね。反テロの意味でも。)


Target the £120 billion of evaded and avoided tax by the super-rich.
超富裕層によって回避された1200億ポンドの税金を標的にする

(※これ↑も個人的には基本的に反対する理由のない箇所かと)


Increase tax on the super-rich and city of London.
超富裕層とシティー(ロンドンの金融街。一説ではこのシティー・オブ・ロンドンこそ世界最大のタックスヘイブンともされています)への増税

(※これ↑も個人的には基本的に反対する理由のない箇所かと。もちろん、イギリスの皆さんが決めることですが!)


Take back control of interest rates and monetary policy from the Bank of England.
バンク・オブ・イングランド(中央銀行)からの、金利と通貨政策の支配権の奪還

(※日本の場合、日銀法で中央銀行は実質的に政府支配・国会支配が担保されているため、英国とは事情が異なると思われます)




次に、
The People's Charater (訳せば「人民憲章」でしょうか)という資料より:

Britain was on its knees after WW2 when the people built the NHS and turned the great industries back to peacetime work – despite a “deficit” much larger than that now. Debt was dealt with through much fairer taxes and the drive to full employment - building hospitals, schools and new homes... boosting the economy.
第二次世界大戦後、人々が国民保健制度(National Health Service)を創設し、多くの事業者が平時の仕事に戻ろうとしていたとき、英国は崩壊寸前であったが、現在よりもずっと大きな「赤字」を抱えていた。借金は、より公正な税制と、経済を活性化させる病院や学校、住宅の建設による完全雇用の達成によって、うまく対処されていた。


As the PCS – the civil servants’ union – points out, “From 1918 to 1961 the UK national debt was over 100% of GDP. During that period the government introduced the welfare state, the NHS, state pensions, comprehensive education, built millions of council houses, and nationalised a range of industries. The public sector grew and there was economic growth.”
PCS(公務員の組合)の指摘によれば、「1918年から1961年の英国の国の借金(national debt)は、GDP比100%を超えていた。この間、政府は福祉国家、国民保健制度、国民年金制度、包括的な教育制度を導入し、多くの公営住宅の建設、広範囲な産業の国有化を行った。公的部門は拡大し、そこには経済成長があった※」。


※ちなみに、1950年から1980年の英国の一人あたり実質GDPの平均成長率は2.47%、新自由主義のサッチャー政権以降の1980年から2010年は1.96%です(データ出典:measuringworth.com)。
 つまり、サッチャー前30年のほうが、サッチャー後30年より成長率は若干高かったというわけです。
 ただし、資本ストック(生産財ストック)の水準が低いほど成長率が高い、という点は意識しておいたほうが良いでしょう(ソローによる成長モデル)。発展途上国、新興国のほうが先進国よりも成長率が高くなりやすい、ということを考えれば、資本ストックがあまり整備されていない終戦直後の英国のほうが、1980年以降の資本ストックがかなり整備された英国よりも成長率の点で有利になると想像すべきと思われます。
 とは言え、サッチャー以前が成長率の点でサッチャー後に劣っていなかったというのは紛れもない事実である、とも思う次第です。


Many politicians, media people and economic pundits say there is now no alternative to spending cuts and job losses, and we have to be scared of what the wealthy might do if we resist their “austerity measures”.
多くの政治家、報道関係者、経済専門家は、歳出削減と失業の増大以外の選択肢は今や存在しないと言い、我々は、我々が「緊縮財政」に反対すれば、この豊かさがどうなるのかと脅される。


It was not true at the end of WW2 and it is not true now. There is an alternative. Our economy could work for the people. We need the courage, determination and organisation to get the message out – and we need a real mass movement of people to do this. No-one will do this for us – the media are largely controlled by millionaires too. We need you, and people like you, to play your part. The Charter shows the way. Please get involved.
第二次第戦後においてそれは真実ではなかったし、今においてもそれは真実ではない。選択肢は他にも存在する。我々の経済は、人々のために機能するのだ。我々には勇気と決断とメッセージを発信する組織が必要なのである。そして我々には、これを為すための、本当の大衆運動が必要だ。誰もこれを我々のためにはしてくれない。メディアもまた、大金持ちに支配されているからだ。我々には各自の役割を果たそうとするようなあなたが、あなた方のような人々が必要である。この憲章が進むべき道を示している。運動への参加を願いたい。






確かに、日本においても英国同様、終戦直後の財政赤字(GDP比)や政府債務GDP比は現在と比べものにならないほど大きかったにもかかわらず、現在よりも圧倒的に高い成長率を達成していたわけです。

ギリシャのように、自らの通貨発行権の権能が及ばない借金を返せと国際機関から迫られているわけでもなんでもない日本も、英国と同様、現在の国の借金よりは将来への技術投資のほうがはるかに重要と言えるでしょう。

羽柴秀吉率いる軍勢に取り囲まれた鳥取城を思えば分かりやすい話です。
当時の鳥取城は、事前に秀吉の命を受けた配下らが商人に扮して相場の倍以上の高値で兵糧を買いあさったため、城中の兵糧がすっかり売り払われ、食い物がなく、小判だけが積み上がった状態でした。カネだけあってモノがない、という状態です。
それで、鳥取城はあっけなく落城という顛末です。

国の借金を減らして政府を黒字化し、そのために将来においてモノを確保し続けるための投資が損なわれるとすれば、国の借金がゼロになろうと、政府が大幅黒字を達成しようと、日本全体がまるで秀吉勢に包囲された鳥取城の如く、いとも簡単に干上がることに相成るでしょう。

とにかく、このような考え方を少しずつ地道に広めるしかないかな、と思う今日この頃であります。


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639:ムーディーズ、日本国債格下げしつつ「民間部門の黒字が依然として財政赤字を十分に賄える水準」で国債金利急上昇のリスクは低い、とお墨付き

2014/12/02 (Tue) 12:05
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私は、格差拡大、それによる社会の不安定化の根本的原因は、

①国の借金に対する恐怖

②富を失うことに対する恐怖(=強欲)

という二つの恐怖だと考えています。

①の恐怖によって、各国は格差拡大による社会不安の増大を防ぎ、将来の生産能力不足を防ぐための投資を行うことができなくなってしまいます。また、この恐怖により、財政政策よりも金融政策に依存しがちになり、それは
国連開発計画の報告書によれば、金融の不安定化とさらなる格差拡大につながってしまいます。つまり、国の借金に対する恐怖(過剰な恐怖)を克服しない限り、これからも格差拡大は止まらず、各国の社会の不安定、世界全体の不安定はますます拡大してしまうでしょう。

②の恐怖によって、富裕層がますます富裕層により有利なルールを作ろうとして、資金を投じて政治家を支援し、それによってますます格差が拡大し、不安定化してしまう可能性があります。そうなると本来はその富裕層の皆さんの身を危険にされすことになるのですが・・・(それを身をもって示してくれたのが故カダフィ大佐と言えます)

恐怖とは本来、危険を回避するための生物が備えている防衛本能であり、生命の保存、種の保存のための機能であり基本的機能です。
しかし、上記の私の説明のとおりであるとするならば、その危険回避のための本能である恐怖によって、人類社会の危険がどんどんと高まっていると考えることができるでしょう。

よって、
これからの世界の安定、日本の安定のために、極めて重要と思えるのが、
「恐怖とは何か?どのようなメカニズムのものなのか?」、
「恐怖とうまく付き合い、この厄介な本能的機能を使いこなすにはどうしたらよいか?」
という問題と言えるでしょう。


詳細は、拙著「日本経済のミステリーは心理学で解ける」をご覧下さい!

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↑この本の目次項目一覧はこちら

↑この本の一部を
無料公開中(「経済にそれほど関心はないが、スポーツや自己啓発などに関心がある」というような方に本書をPRするための資料です。周囲の方に本書をお勧めする際など、ご活用下さい)

↑この本についてゆるーく語り合う
フェイスブックのグループ
 「日本経済のミステリーは心理学でトロピカル」
 https://www.facebook.com/groups/1472415033007299/
 フェイスブックにアカウントをお持ちの方はふるって上記のグループにご参加して頂ければ、と思います(いまのところ、参加要請があれば「来る者拒まず」の方針でメンバーになって頂いております。※いまのところ、週一回ほど何か書いています^^

↑この本の「書評」を書いて下さっているブログの一覧はこちら










2か月ぶりくらいの更新です。

最近は情勢的にどうもブログ記事を書きにくくてあまり更新していませんでした…。

今後、治世に向かうか乱世に向かうか、と問われれば迷わず「乱世に向かう」と答えたくなる状況というのが当ブログで何度か書いている私の現状認識です。

それゆえに心理学的なものが致命的に重要になると思って上に紹介しました著書を執筆して出版に至った次第でありますので、私としてできる最低限のことはもうしてある、という状況であるとも認識しているところであります。


まあ、それはそれとして、本題です↓



ムーディーズの日本国債格下げが報じられ、世界中の株価が下落しているようですね。

それでメディア各社がこの国債格下げを報じていますが、そのなかで一番バランスの取れていると思われるのが意外にもNHKだったので、ご紹介:

-----
日本国債の格付け 1段階引き下げ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141201/k10013634691000.html
NHK NewsWeb 2014年12月1日

アメリカの大手格付け会社の「ムーディーズ」は、日本国債の信用度を示す格付けについて、財政赤字の削減目標の達成に不確実性が高まったことなどを理由に、「Aa3」としてきたこれまでの格付けを1段階引き下げ、上から5番目の「A1」とすると発表しました。

 発表によりますと、「ムーディーズ」は、日本国債の格付けについて、「Aa3」としてきたこれまでの格付けを1段階引き下げ、上から5番目の「A1」としました。
格下げの理由について、日本の財政赤字の削減目標の達成可能性や経済の成長戦略の有効性に不確実性が高まったことなどを挙げています。
 声明の中で「消費税率の引き上げ延期を発表したことで来年度予算案の編成が遅れ、財政目標を達成するための具体案が明らかになるのは来年の下半期になるとみられる」などとしています。
 ムーディーズが日本国債の格付けを引き下げるのは3年前の平成23年8月以来で、今後の格付けの見通しについては「安定的」だとしています。
 この格付け会社は、国内の投資家の国債に対する投資意欲は強く、民間部門の黒字が依然として財政赤字を十分に賄える水準にあるなどとして、国債の利回りが急上昇するようなリスクは「低いと考えている」としています。

消費増税延期がポイント
 日本国債の格付けを1段階引き下げたことについて、「ムーディーズ」で、日本国債を担当するトーマス・バーンシニア・ヴァイス・プレジデントは、記者会見し「消費増税が2020年度の基礎的財政収支の均衡を図るための主要な政策手段で、それが延期されたことがポイントとなっている」と述べました。
 そのうえでトーマス・バーン氏は日本国債の格付けについて「高い格付けだと考えており、日本国債は依然として大きな信用力がある。不安定な事態に遭遇するリスクは低いか、中程度に収まっていると考える」と述べました。

-----


ほうほう。

国内の投資家の国債に対する投資意欲は強く、民間部門の黒字が依然として財政赤字を十分に賄える水準にあるなどとして、国債の利回りが急上昇するようなリスクは「低いと考えている」

とは、なかなかよく分かっているじゃないですか、ムーディーズさん!


で、NHK記事で担当者のトーマス・バーンズ氏が今回の格下げは「消費増税延期がポイント」と記者会見で言ったことになっており、この記事では消費増税延期で財政再建が遅れるから格下げになったようなニュアンスが感じられますが、その当のバーンズ氏が責任者として書いたムーディーズの声明では、それよりも景気が悪くなって名目GDPが思ったほど伸びなかったことが格下げ要因としているように読めます。
 というのは消費増税が「少なくとも短期的に…経済再生を揺るがしている」とムーディーズの声明文にあるからです。

というわけで、ムーディーズの声明を見てみましょう。

「もっと構造改革だ!」とか「公的GDP比ガ~」というお約束な箇所もありつつ、「民間が強固なので当面は大丈夫じゃ」という感じで政府だけを見ず、民間の債務状況も評価した上で国全体を総合的に評価しているという意外な側面も見受けられます。民間もちゃんと見ている箇所は非常に興味深いところです。


以下、声明を全文引用しつつ、重要と思える箇所だけ部分訳します:

・・・と思ったら日本語訳のプレスリリースもPDFでありました:

https://www.moodys.com/researchdocumentcontentpage.aspx?docid=PBC_177743

そしたらこの日本語訳をコピペしたろか、と思ったらPDFがコピペできんようになっているので、
英文の下にPDFにある日本語訳を書き写してみます↓

-----

Rating Action: Moody's downgrades Japan to A1 from Aa3; outlook stable The document has been translated in other languages
日本の政府債務格付をAa3からA1に格下げ、格付け見通しは安定的
Global Credit Research - 01 Dec 2014
https://www.moodys.com/research/Moodys-downgrades-Japan-to-A1-from-Aa3-outlook-stable--PR_313476

Singapore, December 01, 2014 -- Moody's Investors Service today downgraded the Government of Japan's debt rating by one notch to A1 from Aa3. The outlook is stable.

The key drivers for the downgrade are the following:
格下げおよび安定的の見通しの主な要因は以下のとおりである。

1. Heightened uncertainty over the achievability of fiscal deficit reduction goals;
1.財政赤字削減目標の達成可能性に関する不確実性の高まり

2. Uncertainty over the timing and effectiveness of growth enhancing policy measures, against a background of deflationary pressures; and
2.デフレ圧力の下での成長促進策のタイミングと有効性に関する不確実性

3. In consequence, increased risk of rising JGB yields and reduced debt affordability over the medium term.
3.それに伴う中期的な日本国債の利回り上昇リスクの高まりと債務負担能力の低下

The A1 rating reflects the government's significant credit strengths, including a large, diverse economy with a strong external position, very high institutional strength and a very strong domestic funding base.
A1の格付は、規模が大きく多様な経済、強固な対外支払いポジション、非常に強い制度の頑健性、非常に強固な国内資金調達基盤を含む、極めて高い政府の信用力を反映している。

The stable outlook reflects the broad balance between upside risks including significant fiscal consolidation and a resumption of economic growth, and downside risks including intensification of deflationary pressures and loss in economic momentum.
安定的の見通しは、大幅な財政再建、経済成長の回復といった上方リスクと、デフレ圧力の上昇、景気モメンタムの喪失といった下方のリスクの双方を反映している。

The rating action does not affect Japan's Aaa foreign currency, local currency country and bank deposit ceilings. Those ceilings act as a cap on ratings that can be assigned to the obligations of other entities domiciled in the country.
今回の格付アクションは、日本の外貨建て・自国通貨建てカントリーシーリングおよび銀行預金シーリングAaaには影響を与えない。シーリングは国内の他の発行体の債務に付与される格付の上限となる。


RATINGS RATIONALE
格付理由

RATIONALE FOR DOWNGRADE

DRIVER 1: HEIGHTENED UNCERTAINTY OVER REACHING FISCAL TARGETS AND CONTAINING DEBT
理由1:財政赤字削減目標の達成可能性に関する不確実性の高まり

The first driver for the downgrade of the Japan government's debt rating to A1 is the rising uncertainty over whether the government's medium-term deficit reduction goal is achievable, and whether policy makers can overcome the tensions inherent in promoting growth while simultaneously stabilizing and reversing the rising debt trajectory.
日本の政府債務格付をA1に引き下げた第1の理由は、政府が中期的な財政赤字の削減目標を達成できるか否か、および政務の増大傾向を安定化ないしは反転させると同時に、成長を促進することに内在する緊張を克服できるか否かに関する不確実性の高まりである。

The Bank of Japan remains committed to monetary expansion, with some positive impact on core CPI inflation. However, while monetary expansion has boosted domestic aggregate demand to some extent, the consumption tax increase on April 1 2014 has exerted even more powerful downward pressure. At least in the short term, deficit reduction is undermining the growth revitalization objective of Prime Minister Shinzo Abe's economic policy strategy.
日銀は引き続き金融緩和を継続する意向であり、コアCPI上昇率にプラスの影響を与えている。金融緩和により国内の総需要は幾分高まったが、2014年4月1日の消費増税はそれを上回る下方圧力を与えるものとなった。少なくとも短期的には、財政赤字削減のための主要な政策が安倍首相の経済戦略である経済再生を揺るがしている。

The government's response, to announce a delay in the second step in the consumption tax increase, appears to represent a shift in policy towards stemming re-emerging deflationary pressures on economic growth and away from near-term fiscal deficit reduction. This strategy could have merits. In our view, the government's target of halving the primary deficit balance, excluding budgetary interest payments, by fiscal 2015 from its fiscal 2010 level will be difficult to achieve without more robust nominal GDP growth and hence improved buoyancy in tax revenues. In their absence, reaching the long-term target of a primary balance surplus by 2020 will be even more challenging.
政府の消費再増税延期の決定は、短期的な財政赤字削減から、経済成長に対するデフレ圧力の再発を阻む政策へのシフトを模索しており、その戦略には利点があると考えられる。利払い費を除く基礎的財政収支の赤字を2010年度の水準から2015年までに半減するという政府の目標は、税収の改善および名目GDP成長率の上昇なくしては実現が困難であろう。2020年までに基礎的財政収支を均衡させるという長期目標の達成はさらに厳しくなるだろう。

However, the strategy also poses risks to fiscal consolidation and, over the longer-term, to debt affordability and sustainability. Japan's deficits and debt remain very high, and fiscal consolidation will become increasingly difficult to achieve as time passes given rising government spending, particularly for social programs associated with a rapidly ageing population.
この戦略は、財政再建と、長期的には債務の負担能力および持続可能性にリスクをもたらすと考えられる。日本の財政赤字および債務は依然として極めて高水準にあり、政府支出、とりわけ急速な高齢化に伴う社会保障費が増大する中で、財政再建は時間の経過とともにさらに困難となる。

The government acknowledges that additional but as yet unidentified economic and fiscal reforms will be needed for Japan to achieve its primary balance target in the second half of this decade. But the postponement of the second stage of the increase in the consumption tax has resulted in the delay of the 2015 budget, and a concrete plan to meet fiscal targets is not likely to emerge until the second half of 2015. The trajectory of government debt, projected at 245% of GDP in 2014 according to the IMF, will only start to decline under the most favorable combination of economic and fiscal reforms, including tax and social security system reforms and total factor productivity improvements, an end to deflation and achievement of annual nominal GDP growth of more than 3.5%. Given current domestic circumstances and lackluster external demand for Japan's exports, achieving these conditions will be challenging.
日本が2015年度から2020年度にかけての基礎的財政収支の目標を達成するには、追加的な経済・財政改革が必要となることを政府は認識している。消費再増税延期により2015年度予算案の編成が遅れることとなり、財政目標達成のための具体案が明らかになるのは2015年下半期になるとみられる。IMFによれば、2014年の政府債務残高はGDP比で245%に達しており、税制・社会保障改革、生産性改善、デフレ終息、名目GDP成長率約3.5%以上を含む、経済・財政改革のベストな組み合わせの下でのみ、安定化ないし低下に向かうであろう。現在の国内環境、および日本からの輸出に対する海外需要の弱さから、これらを達成することは容易ではないだろう。


DRIVER 2: ECONOMIC GROWTH POLICY UNCERTAINTIES AND CHALLENGES IN ENDING DEFLATION
理由2:デフレ圧力の下での成長促進策のタイミングと有効性に関する不確実性

The second driver for the downgrade is the rising uncertainty over the government's ability to enhance medium term growth through structural economic reform -- the third 'arrow' of Abenomics -- success in which will be crucial to achieve fiscal consolidation. While some indicators suggest a pick-up in economic activity over the past year, potential economic growth remains low.
格下げの第2の理由は、経済構造改革を通じた中期的な成長促進(アベノミクスの「第三の矢」)を達成する政府の能力に関する不確実性の高まりである。政府が財政再建目標を達成するにはその成功は不可欠である。一部の経済指標は過去1年間で経済活動が改善したことを示しているが、潜在成長率は依然として低い。

GDP growth sharply contracted in the second quarter of this year following the introduction on 1 April of the first step of the consumption tax increase, to 8% from 5%. Output was also affected by adverse weather in the summer to some extent. And both real and nominal GDP contracted again in the third quarter of the year, putting Japan's economy in recession for the third time since global financial crisis.
4月1日に実施された消費税率の5%から8%への引き上げの後、今年第2四半期のGDP成長率は大幅に低下した。景気の悪化は夏の悪天候にもある程度の影響を受けている。また、今年第3四半期のGDPは実質、名目とも縮小し、日本経済は世界金融危機後3度目の景気後退に陥った。

Moreover the relapse of the GDP deflator, the broadest measure of price movements, into negative territory in the third quarter of this year highlights the difficult nature of ending more than a decade of deflation. Although the ratcheting up by the Bank of Japan of its quantitative easing policies in October may once again move the deflator back onto positive ground in the fourth quarter of 2014, the task ahead for economic revitalization and price reflation is looking more challenging than envisaged by Prime Minister Abe when he introduced his three-arrow economic policy package in March 2013.
また、物価変動を示す総合指数であるGDPデフレーターが今年第3四半期にマイナスとなったことは、10年以上に及んだデフレを終息させることが困難であることを示している。日銀が10月に量的緩和を拡大したことで、2014年第4四半期にデフレーターが再びプラスに転じる可能性はあるが、経済再生およびリフレに向けた課題は、安倍首相が2013年3月に三本の矢の経済政策を導入した当時より厳しいものとみられる

Looking further ahead, the most notable structural reform measure to be implemented to date is a reduction in corporate taxation beginning in fiscal 2015. The details have yet to be announced, and the implications for business investment are therefore still unclear. It is not yet clear what further measures the government will choose, or be able, to take to address the deep-rooted structural problems of Japan's economy, including broadening labor force participation, enhancing corporate governance and dealing with the challenges posed by demographic trends.
政府がこれまでに発表した今後の主な構造改革策として、2015年度の法人減税は詳細が不透明で、事業投資への影響は依然として不明である。労働参加率の向上、コーポレートガバナンスの向上、人口動態から生じる課題への対処の必要性など、日本経済の根底にある構造的な問題に対処するために、政府がどのような追加施策を選択・実行し得るかも依然として明らかではない。


DRIVER 3: EROSION OF POLICY EFFECTIVENESS AND CREDIBILITY COULD UNDERMINE DEBT AFFORDABILITY
理由3:政策の有効性および信頼性の低下が債務負担能力を低下させる可能性

The third driver for the downgrade is the potential implications of the first two drivers for the affordability and sustainability of Japan's huge debt load. Debt sustainability will rest on the continued willingness of domestic investors to provide funding at affordable rates for the government. This looks likely to remain the case as long as investor confidence is not undermined. The JGB market has been characterized by low and stable interest rates despite the exceptional rise in debt since the 1990s. And JGB interest rates have remained low and stable through a number of crisis episodes, including Japan's 1997-1998 financial crisis, the 2008 global financial crisis and the 2011 tsunami and Fukushima nuclear power plant disaster.
格下げの第3の理由は、日本の多額の債務残高の負担能力および持続可能性に対する最初の2つの懸念の影響である。債務の持続可能性は、国内投資家が政府に低コストで資金を提供する継続的な意思に依拠している。投資家の信認が損なわれない限りは、この状態は維持されるとみられる。日本国債市場は金利が長期にわたって低位安定を保ってきたという特徴をもつ。国債市場はまた、日本の1997-1998の金融危機、2008年の世界金融危機、2011年3月の東日本大震災および原発事故を含む数々の危機を経てもなお低位安定を維持してきた。

Nonetheless, the Bank of Japan's efforts to raise inflation to 2% may eventually put pressure on government bond yields and thereby raise government borrowing costs. Rising interest rates would increase expenditure and offset gains from revenue buoyancy. Rising uncertainty regarding the government's capacity to deliver on its policy objectives could raise yields without any commensurate rise in revenues. Either outcome would further undermine the government's ability to meet its fiscal deficit targets and reduce its debt burden over the medium term, and eventually start to undermine debt sustainability.
しかし、2%のインフレ目標に向けた日銀の政策により、いずれ国債利回りが上昇し、政府の借入コストが上昇する可能性がある。金利が上昇すれば歳出が増大し、税収増が相殺されることになる。さらに、政府の政策目標を達成する能力に関する不確実性が高まれば、利回りが上昇し、歳入増によって補うことが困難となる。こうした帰結はいずれも、政府が中期的に財政赤字の削減目標を達成し債務負担を削減する能力を損ない、最終的に債務の持続可能性が低下し始める。


RATIONALE FOR A1 RATING AND STABLE OUTLOOK
A1の格付けと安定的の見通しの根拠

JAPAN'S CREDIT STRENGTHS SUPPORTED BY A DEEP DOMESTIC BOND MARKET, STRONG INSTITUTIONS, LOW VULNERABILITY TO EXTERNAL SHOCKS
日本のA1の格付と安定的の見通しは、厚みのある国内債券市場、高い制度の頑健性、外生的ショックへの脆弱性の低さによって支えられている

Whatever the challenges facing the government, Japan retains very significant credit strengths. Its A1 rating and stable outlook are supported by its large, diverse economy, which we characterize as having 'High' economic strength. And even with the very significant debt burden, we believe that Japan exhibits only 'Low' susceptibility to event risk. A marked home bias on the part of resident investors provides a strong funding base —domestic investors retain a marked preference for government bonds, which has allowed fiscal deficits to be funded at the lowest nominal rates globally over the past two decades. Private sector fiscal surpluses remain more than adequate to fund government deficits, without the government resorting to external funding. We believe that very high institutional and structural strengths, including a decisive and powerful central bank, currently sustain this funding advantage and are very unlikely to diminish over the rating horizon.
日本政府がどのような課題に直面している状況であれ、日本は極めて高い信用力を維持している。A1の格付と安定的の見通しは経済の規模と多様性に支えられており、ムーディーズは日本の経済力を「強い」としている。債務負担は極めて大きいものの、イベント・リスクに対する感応性は「低い」とムーディーズは考えている。国内投資家の国内投資志向が強固な資金基盤を提供しており、特に国債に対する投資志向が強いため、過去20年間にわたり、世界的にも極めて低い名目金利で財政赤字が賄われている。また、政府が外部資金に依存しなくとも、民間部門の黒字は依然として財政赤字を十分に賄える水準にある。さらに、果断で実行力のある中央銀行の存在を含む制度・構造の頑健性が、資金調達上の優位性を支えており、格付の見通し期間においてそれが損なわれるとは極めて考えにくい。

Although Japan's government gross financing requirements are far larger than other advanced country governments', contingent risks which could elevate further such financing needs are low and remote. Japan's banking and corporate sectors have restored their health in recent years in terms of capitalization and deleveraging. Household debt is at a moderate level and has remained stable over the past decade. And despite low economic growth, Japan's labor market is relatively sound in regard to key features, such as low unemployment level, the recent pick-up in employment and nominal wages and a labor force participation rate broadly comparable with other advanced economies.
日本政府の総財政必要額は他の先進国政府に比べてはるかに大きいが、さらに増加させる偶発リスクは低い。日本の銀行・事業会社セクターは最近、資本増強および負債削減の点で健全性を回復している。家計債務は低水準で、過去10年の間安定的に推移してきた。経済成長率は低いものの、日本の労働市場は、非常に低い失業率、最近における雇用および名目賃金の改善、他の先進諸国とおおむね同水準の労働参加率といった主要な特徴において、比較的良好である。

Related to Japan's home bias is its strong external payments position, which reflects the accumulated system-wide savings. At more than 60% of GDP in 2013, Japan's net international investment position is much larger than any advanced industrial G-20 economy, insulating its economy and capital market from global shocks. Income earned from Japan's sizable external assets has helped to sustain the current account surpluses, although this has diminished owing to a shift into a trade deficit which is in large part driven by the demand for energy imports following the shutdown in the nuclear power industry after the 2011 tsunami and Fukushima nuclear power plant disaster.
日本の国内投資家の強さは、システム全体に蓄積された貯蓄を反映した強固な対外支払ポジションを支えている。2013年においてGDP比で60%以上にのぼる対外純資産残高は、他のG20諸国よりはるかに大きく、経済および資本市場をグローバルなショックから隔離している。また、多額の対外資産からの収入は経常黒字の維持に寄与している。しかし、2011年3月の東日本大震災および原発事故後の原発の稼働停止に伴うエネルギー輸入増加を主因として貿易収支が赤字に転じたことにより、経常黒字は縮小した。


WHAT COULD MOVE THE RATING DOWN / UP
将来の格下げおあるいは格上げにつながる要因

While the stable outlook indicates that we believe the rating is well positioned for the next twelve to eighteen months, factors that could prompt a negative rating action include significant divergence from the path toward achieving fiscal targets; an intensification of deflationary pressures; a severe loss in economic momentum; or a shift in the external current account surplus into persistent deficit.
安定的の見通しは、格付が向こう12-18ヵ月にわたって安定した位置付けにあるとムーディーズが考えていることを反映しているが、ネガティブな格付アクションにつながり得る状況としては、財政目標達成に向けての軌道を大きく外れた場合、デフレ圧力が高まった場合、景気モメンタムが深刻に悪化した場合、経常黒字が恒常的な赤字に転じた場合などが考えられる。
Moody's would consider a positive rating action if Japan were to implement policies that we concluded were likely to restore economic momentum and improve prospects for significant fiscal consolidation and debt reduction.
一方、景気モメンタムを回復させ、大幅な債務削減の見通しを強める政策が実行された場合には、ポジティブな格付アクションを検討する。
(以下省略)


Thomas J Byrne
Senior Vice President
Sovereign Risk Group
Moody's Investors Service Singapore Pte. Ltd.
トーマス・バーン
シニア・ヴァイス・プレジデント
ソブリン・リスク・グループ
ムーディーズ・シンガポール

Alastair Wilson
MD-Global Sovereign Risk
Sovereign Risk Group
Moody's Investors Service Singapore Pte. Ltd.
アラステア・ウィルソン
マネージング・ディレクター
ソブリン・リスク・グループ
ムーディーズ・インベスターズ・サービス
-----


日本は政府が大幅な累積赤字であるが企業部門と家計部門という民間部門が大幅な累積黒字で、その結果(とまでは行ってないにしても)、対外純資産が先進国最大であるので当面は大丈夫、としっかり書いてありますね。この点は高く評価したいと思います。

しかし、民間黒字が拡大するなら、政府赤字の拡大(累積)である公的債務GDP比は気にする必要あるのかしら、とも思いますが、公的債務GDP比は経済学の教科書でもどこまでも大きくすることはできない云々と書いてあるので、まあ、しゃあないか…

財政再建と経済成長の両立のためにはもっと構造改革を!という趣旨の文面が見受けられる点は、まあアレですが、このムーディーズの声明文では消費増税延期と解散総選挙で法人減税等の具体案や実施スケジュールが不明確になったことを問題にしているようです。

「政府がこれまでに発表した今後の主な構造改革策として、2015年度の法人減税は詳細が不透明で、事業投資への影響は依然として不明である」

というのは、「日本の事業者は、これじゃあ当面、長期的な事業計画が立てられんやないかい」ということを指摘しているのでしょう。それはそれで仰せごもっともな面もあるように思われます。

私は法人減税には個人的には賛成です。
世界的に法人税率は減税合戦が起こっており、日本だけ実効法人税率、実質税負担率が高い状態だと、せっかくの円安でも日本に工場を作ろうとする企業は増えにくいものと思われます。

実効法人税率、実質税負担率の国際比較は経産省資料
http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2015/pdf/02_2.pdf
のp.5参照

それは、長期的な日本の生産供給能力を損ない、すなわち、日本政府の真の財政余裕度を毀損することになります。

今回のムーディーズの声明文では、「構造改革」について「移民を増やせ!」とか「TPPなどグローバリゼーションを推進しろ!」という文言は少なくとも出て来ておらず、「主な構造改革策として、2015年度の法人減税」と法人減税主体で書いてあったので、その点、私は個人的には好意的に評価している次第であります。


今回のムーディーズの格下げ声明文、公的債務GDP比が云々意外は、実は、あまり違和感がありません。
日本の民間の黒字にも触れていた点は大きいと感じています。

ただ、今後経常赤字が恒常的になれば格下げする、としている点は少し厳し過ぎるんじゃないかと思います。
恒常的に経常赤字な英米豪NZは安定してまんがな、ムーディーズさん!

ただ、経常赤字化は、民間の黒字が政府の赤字を補えないほどに減少してしまうということを意味しており、それは日本の生産供給能力の衰えと捉えれば、経常赤字を日本政府の格付下げ要因と考えることは、完全な的外れとは言えないでしょう。

結局、いまの日本の課題は、少子高齢化が進行するなかで、生産供給能力をどのように維持するか、ということには違いはありません。

ならば、今は公的債務GDP比が245%だろうが1000%だろうが、政府の歳出増や法人減税などを駆使して国全体の生産供給能力を高める投資を積極果敢に行うことで、格付けの見通しが「安定的」から「ポジティブ」に転換するように持って行くのが最善かと思われます。

今回の格下げ声明文でもう一つだけ気に入らないのは、日銀が2%のインフレを達成すると金利が上昇して、政府の債務負担が増加すると言っている点ですが、まあ、それは民間の黒字が増えるだけですし、民間の黒字のことをちゃんと言及しているので許容範囲かな、とも思う次第です。






日本を『格下げ』したムーディーズが、

・民間部門の黒字が依然として財政赤字を十分に賄える水準にある

・日本政府がどのような課題に直面している状況であれ、日本は極めて高い信用力を維持している。

・債務負担は極めて大きいものの、イベント・リスクに対する感応性は『低い』

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634:憲法で禁じられた“民間の貯金”…ドイツ基本法は政府財政赤字を厳しく禁じていますが、世界全体でこれをやると民間部門は財政黒字=貯金を禁じられることになります

2014/10/04 (Sat) 18:03
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社会は多数の人間からなる組織・集団であり、一人の人間もまた70兆個もの細胞からなる巨大な組織・集団です。
それゆえ、マクロ経済や政治や軍事などの人間集団の仕組みと、一人の人間という「組織・集団」の仕組みのあいだには、多くの共通点や相似性があるはずです。

・「国の借金だけでなく民間の借金や金融資産も見るべき、国の借金だけでなく国の金融資産も見るべき」というようなマクロ経済におけるバランスシート思考が、実は一人の個人にも適用できる――例えば、「イライラしているときは必ずその正反対のイライラしたくない願望が同時に存在している」、「病気に対する恐怖があるときは必ずその正反対の病気が治って欲しいという願望が同時に存在している」といった具合に――というような、国レベルの大規模な人間集団からたった一人の個人にまで幅広く共通する基本原理について、学問領域の垣根を越えた幅広い、多角的な視点から提示しています。

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本題です↓


ユーロ圏諸国民、特にPIIGSと言われた諸国の国民は、もっと十分に貧乏になるまで、より一層貧乏になることを強制されそうです。

-----

独首相:ユーロ圏は財政規律の順守を、信頼が揺らいでいる
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NCVHEG6JTSET01.html

10月3日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相は欧州への信頼が揺らいでいるとして、ユーロ圏各国政府に対し、債務・財政赤字の規制順守を引き続き強く求めていくと述べた。

 メルケル首相は3日、ハノーバーで行われた1990年のドイツ再統一の記念式典で、「何度も同じことを要求すると、いくらか陳腐に聞こえることは分かっている」と述べた上で、「それでも私はひるまない。なぜなら、ドイツの行動はどれほど真剣に規律を考えているかを物語っているからだ。この姿勢を他国も経済的、政治的に深刻に受け止めることを望む」と続けた。

 フランスの今年の財政赤字は5年ぶりに膨らむと予想されており、イタリアは今年の成長見通しを下方修正した。同国はリセッション(景気後退)に陥っており、構造的財政均衡の達成時期を1年先延ばしした。

 メルケル首相はEUの安定成長協定を含め、「欧州は自国に課した原則や合意を順守する必要がある」と述べた。

原題:Merkel Says She Won’t Let Up on Fiscal Discipline for EuroArea(抜粋)





ちなみに、

日本では憲法で「戦力の保持」を禁じられていますが、

ドイツでは基本法(憲法みたいなもの)で政府の財政赤字が原則禁じられております。

財務省「財政制度等審議会 財政制度分科会 海外調査出張報告(ドイツ)」平成26年4月28日によれば、

ドイツでは「連邦及び州の予算は、原則として公債収入なしに均衡させなければならない」ことが基本法第109条で規定されています。
一応、例外として「連邦予算においては、構造的な要因として、毎年、GDPの0.35%を超過しない範囲で公債発行が認められる」のですが毎年、GDPの0.35%を超過しない範囲というとてつもなく小さい財政赤字しか認められず、州政府に至っては「州予算においては、公債収入が認められない」というどえりゃー厳しいルールとなっています。



もし、これが全世界に及ぶとどうなるでしょう?

全世界で連結決算すれば

世界全体の政府の財政赤字=世界全体の政府以外(つまり民間)の財政黒字

あるいは、

世界全体の政府の借金=世界全体の政府以外(つまり民間)の貯金

になります。


誰かの支出は必ず他の誰かの収入になるし、誰かの負債は必ず他の誰かの資産になるからです。

(ちなみに、「誰かの負債は必ず他の誰かの資産」の私の原典は『国債を刷れ!』に書いた通り、ロバート・キヨサキ著『金持ち父さん、貧乏父さん』です)


つまり、

ドイツの基本法のようなルールが全世界で適用されれば、世界中の民間部門は貯金を禁じられることになります。

ということは、ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏や、ついでに孫正義氏のような大金持ちは、金融純資産ベースでの貯金は憲法で原則的に禁止されるというような話になります(もちろん、マクロベースなので、政府以外の誰か奇特な人や企業がバンバン政府に成り代わって借金し続けてくれるなら、ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏や、ついでに孫正義氏はこのまま貯金持ちであり続けられますが…)

まあ、全世界とまでは行かないまでも、EU圏の経常赤字国、PIIGS諸国(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)のような債務危機となったような国の国民は、大変でしょうね…。

このままドイツ政府が基本法を厳密に守って借金を増やさない、財政出動しないで、かつ、ドイツが経常黒字を続けるのなら、PIIGS諸国はこれからも経常赤字が続くでしょう。

ユーロ建ての借金は本来、経常黒字にして返さなければいけませんが、ドイツ政府が赤字を増やさず、経常黒字を続けるなら、PIIGS諸国はいつまでたっても経常赤字が続きかねません。

PIIGS諸国は通貨発行権がないので、その借金は、全部外貨建てか実質外貨のようなものである共通通貨建てとなるため、本来は経常黒字に持って行って返してしまう必要があります。しかし、ドイツが経常黒字なので、それもできません。経常赤字が続く間、PIIGS諸国の政府は赤字を減らさないといけないので、PIIGS諸国の民間はまったく貯金を増やせません。


 そして、PIIGS諸国が経常黒字になるためには、昔のような独自通貨のときなら、アジア通貨危機のときの韓国みたいに思いっきり通貨安に持って行って経常黒字を稼いで、それで借金を返して自由になれました。一時、かなり痛い目に遭いますが、短期間で回復することも可能でした。
 しかし、共通通貨の枠組みの中にいるので、一気に通貨安にして経常黒字化→借金返済、という道を選ぶことができません。
 共通通貨諸国における経常赤字国は、デフレが進んで人件費が他国と比べて相対的に十分に低くなり、競争力を回復し、そして経常黒字になって借金返済にこぎつけなければなりません。
 しかし、ドイツは政府が赤字を禁じられており、多分、民間も赤字は許容できない(ふつう、民間の赤字は長続きしないのは、日本のバブル崩壊やアメリカの大恐慌などで証明済み)ので黒字を維持するでしょうから、経常収支は黒字か最悪0で赤字にはなりません。

ということは、ユーロ圏以外の諸国に対して黒字になるまで、十分なデフレ進行=人件費の相対的な低下が必要です。

つまり、

PIIGS諸国民や最近はフランス人(ちなみに、フランスも経常赤字国)も、もっと十分に貧乏にならない限り、この借金地獄、経常赤字地獄から抜け出すことができない

という寸法です。


ロス・プリモス 『ラブユー貧乏』






あしたーからはー、おカネーなしでー、

生きてーゆくーのーねー


びんぼー、びんぼー

なみだーのびーんぼお~









 ドイツ人の皆さんは、

 世界全体の政府が

 憲法で財政赤字を禁じたとしたら、

 自分たちも

 『あしたーからはー、おカネーなしでー

  生きてーゆくーのーねー』

 になることを、分かっているのかしらん?



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633:「国の借金」ゼロにして滅亡したカダフィ大佐に学ぶワンポイント・レッスンその2:「国の借金ゼロにしたら、あら不思議。国民生活が破綻しちゃったかも…」

2014/10/03 (Fri) 09:50
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本題です↓



前回の続きです

前回は、「国の借金をゼロにしたら『為政者』が『犠牲者』になった」という空恐ろしいお話でしたが、

今回は、「国の借金をゼロにしたら国民生活も破綻した」というこれまた空恐ろしいお話です。


前回、リビアの「国の借金」(というか一般政府の負債、公的債務GDP比)が2007年にゼロになっていたというグラフをお見せしました:





そして、今回お見せしたいのは実質GDPのグラフです↓

リビア実質GDP


内戦→カダフィ政権崩壊のあった2011年の実質GDPは、2010年比でなんと40%も落ち込みました(IMF推計値で、ですが)。

アメリカの大恐慌は、1929年から1933年の4年間累計でマイナス26%(US Bureau of Economic Analysisデータから計算)ですから、リビア内戦では凄まじい国民経済、国民生活の「破綻」があったと言って良いでしょう。


ちなみに、アメリカの大恐慌もそれまでの10年間連続で連邦政府の財政収支が黒字で、連邦政府の借金も減り続けていた最中で起きていますし、1997年アジア通貨危機のときの韓国も財政黒字(というか韓国はその前後40年くらいほぼ連続して政府が黒字)、2008年破綻したアイスランドも直前まで4年連続で政府が黒字でした(拙著「『国の借金』アッと驚く新常識」参照)。


政府が黒字だからといって国民が幸せになるわけではありません。
というかむしろ不幸になる前触れですらあるかも知れません。その最も鮮烈な事例の一つとして、

国の借金ゼロ&政府による蓄財
→国民の不満増大
→内戦
→政権崩壊&実質成長率年間マイナス40%となったリビア

を加えたいと思います。



最近のリビアの情勢は…

―――――

「カダフィ政権崩壊時より悪い」、国外脱出のリビア在留外国人
http://www.afpbb.com/articles/-/3022160
AFPBB 2014年08月03日

【8月3日 AFP】リビアは内戦の悪循環に陥ろうとしており、状況はムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の独裁政権が崩壊した2011年よりはるかに悪い──国外に退避したリビア在留外国人が2日、AFPに語った。

 ギリシャ人のパラスケビ・アシネウ(Paraskevi Athineou)さんは「カダフィ政権時代に(内戦を)経験したが、今の状況の方がずっと悪い」と述べた。「混乱が支配している無政府状態で、食料や燃料、水、電気の供給が長時間途絶えている」

 アシネウさんを含む186人はリビアの首都トリポリ(Tripoli)を脱出し、ギリシャ海軍のフリゲート艦サラミス(Salamis)で2日未明にギリシャのピレウス(Piraeus)港に到着。国籍別の内訳はギリシャ人77人、中国人78人、英国人10人、キプロス人12人、ベルギー人7人、アルバニア人1人、ロシア人1人だった。この中には中国の駐リビア大使を含む数人の外交官も含まれていた。

カダフィ政権の崩壊後、リビアの治安には一向に改善の兆しがみえない。新政権はカダフィ政権打倒に協力した民兵組織を抑える力がなく、増大するイスラム武装勢力の脅威に直面している。

(c)AFP

-----

この記事、個人的にはギリシャの軍艦が外国に派遣されて人助けしていたことに驚いてしまいましたが(日本には諸般の事情により、kがなかなか出来んかも)・・・


リビア国民が置かれている状況は、カダフィの弾圧があったときのほうが、まだマシだった」という惨状のようです。





以上、

カダフィ“大佐”に学ぶ、『国の借金』ワンポイント・レッスンその2

「国の借金をゼロにしても、国民は幸せになれない」


でした。








 国の借金をゼロにしても、

 誰も幸せになれないんじゃなかろうか?



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632:「国の借金」ゼロにして滅亡したカダフィ大佐に学ぶワンポイント・レッスンその1:「下水道管に隠れていたところを捕まり流れ玉に当たって死ぬ前に、もっと財政出動しておけば…」

2014/10/02 (Thu) 11:30
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社会は多数の人間からなる組織・集団であり、一人の人間もまた70兆個もの細胞からなる巨大な組織・集団です。
それゆえ、マクロ経済や政治や軍事などの人間集団の仕組みと、一人の人間という「組織・集団」の仕組みのあいだには、多くの共通点や相似性があるはずです。

・「国の借金だけでなく民間の借金や金融資産も見るべき、国の借金だけでなく国の金融資産も見るべき」というようなマクロ経済におけるバランスシート思考が、実は一人の個人にも適用できる――例えば、「イライラしているときは必ずその正反対のイライラしたくない願望が同時に存在している」、「病気に対する恐怖があるときは必ずその正反対の病気が治って欲しいという願望が同時に存在している」といった具合に――というような、国レベルの大規模な人間集団からたった一人の個人にまで幅広く共通する基本原理について、学問領域の垣根を越えた幅広い、多角的な視点から提示しています。

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本題です↓




2011年リビア。

内戦が起き、それまで40年以上君臨していたカダフィ政権が崩壊しました。

その直前におけるリビアの国の借金のデータが非常に興味深いものとなっています。

なんと、2007年にリビアの「国の借金」(一般政府総負債)が文字通りゼロになっていたのです!

リビア公的債務等

※グラフ中に「©廣宮孝信 2014」と書いているのは、最近、私の創作したグラフのアイデアをマネしているのかどうか、数週間か数か月くらいたってからそっくり同じようなグラフを、さも自分が創作したかのごとく発表しているようなブログが見受けられたので、ちょっとした諧謔で書いています。
 こういうグラフ、作るのが簡単に見えて、相当な時間とエネルギーをかけて「データマイニング」つまり、「発掘」しているわけですから、ご自身のブログで書くときは「ここのブログを参考にしました」くらいのことを書いてリンクしておくくらいして頂けると幸いです。
 まあ、もちろん、どこかで見たものを自分で考え付いたと錯覚したりすることは誰にでもありますし(私にも、たぶんあります。もしそういうことをしていて指摘をお受けしたら率直に謝罪させて頂きたいと思います)、アイデアというものは世の中で 広く共有されてこそ社会の進歩のために役立つという面もあることは間違いありません。
 しかし、勝手にアイデアをパクられてばかりだと、せっかくの努力を無にさせられたような気もします。本や論文で発表してからでないと危なっかしくて公表できなくなりますし、それだけでなく、著しくやる気が喪失するようなこともあるため、せっかくのアイデアの世の中に出るのタイミングが著しく遅れてしまうかも知れません。私の名前を出すのが、諸般の事情から、ためらわれるということもあるのかも知れません(私が安倍政権や財務省について、批判も擁護もしないことが原因かも知れません)が、ギリギリの線としてリンクぐらいは貼って頂ければと思います。



しかも、公的純債務(=借金-金融資産)がなんと、カダフィ政権崩壊直前にGDP比でマイナス96%!

公的純債務がマイナスということは、リビア政府(カダフィ政権)が、GDPと肩を並べるくらいの金融純資産(=純ベースの貯金)を持っていたということです。借金がゼロなので、金融資産がGDP比96%!

このときのリビアのGDPが740億ドルで、その96%で710億ドル、ざっくり7兆円が「崩壊直前のカダフィ政権の純貯金」だったということになりますが、本当はもっとため込んでいたようです:


-----
カダフィ大佐、国外資産は15兆円規模か 米紙
http://www.afpbb.com/articles/-/2836842?pid=7974229
AFPBB 2011年10月23日

【10月23日 AFP】米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)は21日夜、リビアの最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が国外に移していた資産の総額が、これまで欧米政府が推測していた額の倍に上る、2000億ドル(約15兆3000億円)以上だったと報じた。



-----

つまり、「国の貯金」がIMFのデータの倍以上だったというわけですね。


政権崩壊直前まで、国の借金がゼロだった。
しかも、経常収支も政府の財政収支も、たぶん民間の財政収支も10年くらい連続ですべて黒字となっていたと考えられます(IMFデータより。民間収支は「経常収支-政府収支」で簡易計算)。

だから、カネの面では「政府が破綻」とかそういう可能性はゼロに近かったわけです。


しかし、両隣のエジプト、チュニジアで「アラブの春」が起きた余波やその他もろもろでリビアでもカダフィ政権打倒の動きが盛り上がり、それをカダフィ政権が「弾圧」したことで、欧米による軍事介入を招く事態となりました。
 カダフィ政権側の「弾圧」が凄まじかったからなのか、この時、親密な関係にあった中露も「かばい切れない」と判断し、カダフィ側が見捨てられてしまったのが致命的だったようです。

-----
安保理、リビア決議を採択 カダフィ軍への空爆も認める
http://www.afpbb.com/articles/-/2791020?pid=6970107
AFPBB 2011年03月18日


15理事国のうち、常任理事国のロシアと中国は棄権したが、拒否権は行使しなかった。ドイツも棄権した。

-----


なぜ、ここまでのことになったのか?

恐らくは、「格差問題」があったからと推定されます。残念ながらリビアに関する格差の指標はまったく見当たらなかった(世界銀行やILOなどのデータベースを見ましたが皆無)ので、あくまでも推定ですが、ここまで反体制運動が盛り上がるには、それだけ多くの国民が凄まじい不満――政治参加の不平等か、経済的地位の不平等か、その両方の不平等――を日ごろから抱えていたからと考えるのが自然でありましょう。なにせ、カダフィ政権はリビア一国のGDPを圧倒的に上回る金融資産をガッポリため込んでいたので!


で、以上をまとめると、

「国の借金がゼロでも、格差とか貧困が許容範囲を超えていると、その国の政権は滅びるときはあっけなく滅びる」

ということになるでしょう。

いや、カダフィ“大佐”から学ぶべきは、もっと踏み込んで、

「国の借金を無くせば、為政者の命も無くなる」

ということになるでしょうか。


仮に、ある国の政府が「政府の支出も増やさず、増税だけ行い、国の借金ゼロを目指す」ということをやり続けると…


-----
Captured: the last moments of Colonel Gaddafi
捕らわれた:カダフィ大佐、最後の瞬間
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/africaandindianocean/libya/8843066/Captured-the-last-moments-of-Colonel-Gaddafi.html
The Telegraph 12:51PM BST 22 Oct 2011



-----


もちろん、
「国の借金(=中央政府の借金。国は国会の国と同じく中央政府の意味)」というか、政府と民間を合わせた国全体の借金が、主に通貨発行権で対処できない外貨建て債務や共通通貨建て債務なら、「支出減と増税」によって無理矢理でもデフレに持って行き、人件費を諸外国に対して相対的に低めて国際競争力を回復させ、経常収支を赤字から大幅な黒字に転換させないといけません。そうでないと、借金返せません!

しかし、政府と民間を合わせた国全体の借金が、主に通貨発行権で対処できる独自通貨建て債務なら、「カネを印刷する」だけで借金を返せます!(本当は「カネを印刷する」必要すらなく、通貨当局が会計帳簿上の数字をいじるだけで終わり!)

もちろん、カネの刷り過ぎは過度のインフレを招くリスクがあります。でも、例えば、日本の場合はアベノミクスで若干インフレになったあとでも、世界の中で相当にインフレ率が低い状態です。
 また、将来のインフレリスクを減らすためには、インフレ率の低い今こそ、カネを刷って、前回書いたように、インフラや生産設備などの資本ストック(生産財)を増やしたり、あるいは、教育に資金を投入して国民の能力を高め、生産能力を高める必要がありのであります。

本来余裕があるはず(カダフィ大佐以上に!)なのに国の借金を減らすことに勤しんでいると…
最悪の場合、そのようなことをしていた為政者は、下水管に逃げ込んだところを捕まり、流れ弾に当たって「あえなくご最期を遂げられる」ことになります:

-----
カダフィ大佐、最後は下水管の中 死亡状況めぐり証言交錯
http://www.afpbb.com/articles/-/2836317?pid=7963314
AFPBB 2011年10月21日

【10月21日 AFP】かつて「アフリカの王たちの王」とも称されたリビアの元最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐は、8か月にわたる抵抗の末、出身地のシルト(Sirte)の下水管の中に隠れているところを拘束され、その後死亡した。

-----





以上、

カダフィ“大佐”に学ぶ、『国の借金』ワンポイント・レッスンその1

「『為政者』が『犠牲者』になる前に、もっと財政出動したほうが良いでしょう」


でした。


(その2はまた後日。カダフィ政権が「国の借金」をゼロにした4年後に国民を待ち構えていた経済的悲劇について、です)






 国の借金をゼロにして、

 文字通り地上から消滅した『政権』が

 あったとは! 



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630:「ハゲタカ」VSアルゼンチン…新たな「冷戦構造」の様相も垣間見える13年越しのドル建て債務問題から得られる教訓:「本当に怖い外貨建て債務」⇔日本の「国の借金」は「本当は怖くない自国通貨建て債務」

2014/09/29 (Mon) 11:27
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さて、本題です:


「ハゲタカファンド」初の非難決議=影響を実態調査へ―国連人権理
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140927-00000018-jij-int&pos=2
時事通信 9月27日(土)6時46分配信

 【ジュネーブ時事】国連人権理事会は26日、安値で買いたたいた資産で巨額の利益を追求する「ハゲタカファンド」に関する初めての非難決議を賛成多数で採択した。こうしたファンドは「経済、社会、文化に悪影響を及ぼす」と指摘。ファンドの活動が人権に及ぼす影響について実態調査することも決めた。
 決議案は、債務返済を迫る米ファンドに訴えられたアルゼンチンなどが提案。「(ハゲタカファンドは)国家による人権向上の取り組みに負の影響を与える」と明記した上で、「自国の債務再編をめぐり、いかなる権利も他国側に妨害されてはならない」と非難した。
 採決では47理事国のうち、日本、米国、英国、ドイツ、チェコの5カ国が「(ハゲタカファンド問題は)人権理での議論の対象外」(米国)などと反対。フランスなど9カ国は棄権し、アルゼンチンや中国、ロシアを含む33カ国が賛成した。





13年越しの「ハゲタカ」VSアルゼンチン政府のドル建て債務問題、上記の記事によると、何やら西側と東側の冷戦構造まで垣間見える事態となっている模様ですね…。

で、債務再編に応じないファンドを「ハゲタカファンド」と呼び始めたのは、以下で紹介する複数の記事によると、アルゼンチン政府のようです。


さてさて、上記の「人権理事会」の決議に先立って、国連総会で↓のような決議が…





アルゼンチン、債務再編の国連決議は自国の正当性を裏付けと主張
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140911-00000086-reut-n_ame&pos=4
ロイター 9月11日(木)16時47分配信

[ブエノスアイレス 10日 ロイター] - アルゼンチン政府は10日、債務再編関連の国連総会決議について、債務問題で大幅な利益を上げようとする米ヘッジファンドへの支払いを拒否するアルゼンチンの立場を擁護するものだとの見方を示した。

アルゼンチンは債務問題をめぐり、米裁判所が示した利払いを禁じる判断の効力が及ばないよう、国債の準拠する法律を自国に切り替える方針を示しており、下院は同日、関連法案を審議した。

下院は11日の早い段階で法案を可決する見通し。適法性が問題視されて投資家の懐疑的な見方が広がり、計画実施が阻まれた場合、政府の思惑外れに終わる可能性もある。

フェルナンデス大統領は、アルゼンチンが「ハゲタカ・ファンド」の犠牲になっていると指摘。債務再編の取り組みを妨害する少数の投資家を規制する国際的な枠組みを求めている。

カピタニチ内閣官房長官は「124カ国がアルゼンチンを支持したのであれば、われわれの主張が正しいということになる」と述べた。





ハフィントン・ポストが上記の時事通信の「人権理事会決議」の記事を引用しながら、この問題の解説記事を書いています。以下に、その「解説」部分を抜粋




「ハゲタカファンド」国連人権理が初めて非難決議 日本は反対
http://www.huffingtonpost.jp/2014/09/27/un-human-rights-council-vulture-funds_n_5891998.html
The Huffington Post
投稿日: 2014年09月27日 15時10分 JST


(人権理事会の決議について)
イギリスのBBCによると、この決議案の提案には、アルゼンチンの他、ロシア、ブラジル、ベネズエラ、アルジェリアが参加。アルゼンチンのティメルマン外相は議決の前に、「ハゲタカファンドは、我々自身が止めない限り止まらない。ハゲタカファンドによる南半球の国々での莫大な資産の強奪は、学校閉鎖や、医薬品不足、政治不安などを引き起こす原因となる」と述べたという。



■アルゼンチン政府とハゲタカファンドの争い 背景は?

アルゼンチン政府は2001年、1千億ドル(約10兆円)を超える借金が返せず財政破綻した。その後、返済額を減らすことに応じてくれた9割の投資家に対し、新たに国債を発行し利払いを続けてきた。

しかし、アメリカの一部のファンドが全額返済を求めて提訴。2014年6月、アメリカの最高裁はファンド側の訴えを認め、アルゼンチンがファンドへ債務全額、約15億ドル(約1500億円)を返済しない限り、減額に応じた投資家への利払いも認めないとする判決が決定した。




■経済学者100人以上もハゲタカファンドを批判

これらの一連の行為を受け、アルゼンチン政府は8月7日、投資ファンドの訴えをアメリカ裁判所が認めたことを巡り「アメリカは国の主権を尊重する国際的義務に違反している」として、国際司法裁判所(ICJ)に提訴。フェルナンデス大統領もアメリカ裁判所の担当判事について「(アルゼンチンの)国家主権を踏みにじりたがっている」と非難した。

フェルナンデス大統領は、ファンドを「ハゲタカ」と呼び、自らの利益のためにアルゼンチン経済を麻痺(まひ)させようとしていると指摘する。

ファンドへの批判はアルゼンチン国内からだけには留まらない。ノーベル賞を受賞した経済学者のロバート・ソロー氏や、世界銀行のブランコ・ミラノヴィッチ氏ら100名以上のエコノミストは7月31日、アメリカ裁判所の判決は「モラル・ハザードを招く」とする連名書簡をアメリカ議会に送付。イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙も9月3日、アルゼンチン債権の対応について投資ファンドに再考を促す記事を掲載している。

9月9日には国連総会において、債務不履行に陥った国が進める債務再編過程に、投資ファンドなどが妨害を加えることを規制する国際協定を策定することが決まった。議案を提出したボリビアのジョレンティ国連大使は、「法的枠組みは新自由主義、投機市場に打撃を与える」と指摘した。





そして、ブルームバーグが8月に書いていた、この問題に関連するかなり興味深い記事です:




CDS業界の複雑な構造が浮き彫りに-アルゼンチン債務問題
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140801-00000033-bloom_st-bus_all&pos=1
Bloomberg 8月1日(金)12時51分配信

  8月1日(ブルームバーグ):金融危機でクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の複雑に絡み合った世界が注目を集める度に陰謀説が浮上してきた。今回のアルゼンチン債務問題も例外ではない。

アルゼンチンのキシロフ経済財務相は7月30日の債務協議決裂後、ホールドアウト(債務再編を受け入れなかった債権者)側を「ハゲタカファンド」と呼んだ。さらにCDSをやり玉に挙げ、「存在する最も卑劣な投機的資本主義」へと導く一方で、債権者の動機を覆い隠す市場だと非難した。

ホールドアウトの1社、ヘッジファンドのエリオット・マネジメントは、実はCDSの決済を行うかどうかを決定する判定委員会のメンバーでもある。

しかし資産家ポール・シンガー氏が率いる248億ドル(約2兆5500億円)規模のエリオット・マネジメントは昨年、アルゼンチン政府が支払いを停止した場合に利益を得るようなCDSを保有していないと米裁判所で明らかにしている。エリオットの広報担当、スティーブン・スプリエル氏は7月31日、コメントを控えた。

シティグループとJPモルガン・チェースも国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の判定委員会のメンバー。同委は15のディーラーと投資家で構成される。アルゼンチン紙アンビトの報道と銀行関係者によれば、シティとJPモルガンはエリオットなどの債権者が保有する2001年にデフォルト(債務不履行)となったアルゼンチン債の買い取りで交渉中。

この買い取りが合意に達すれば、アルゼンチンの利払い再開が可能になる。同国はエリオットやアウレリアス・キャピタル・マネジメントなどとの債務協議が不調に終わった後、5億3900万ドルの利払い期限を守れなかった。

ISDAはニューヨーク時間8月1日午前11時(日本時間2日午前0時)から判定委員会を開催、アルゼンチン国債のCDS決済につながる支払い不履行の信用事由が発生したかどうかを判断する。

原題:Argentina Debt Dilemma Spotlights Knotted World of DefaultSwaps(抜粋)





2001年の「破綻」から13年も経っており、9割の債権者が債務再編(ようするに借金の棒引き)に応じているにも関わらず、アルゼンチン政府のドル建て債券の全額返済を頑なにこだわっているファンドの一つ「エリオット」が、CDS(特定の債券が破綻したときに儲かるような金融商品で、債券の保険のようなもの)の判定委員会のメンバーであるものの、アルゼンチン政府債のCDSを購入していなかったと。

 そこで、アルゼンチン政府債のCDSを購入しているほかのCDS判定委員会メンバーであるシティとJPモルガンに「エリオット」が保有しているアルゼンチン政府債を買い取ってもらってから、めでたく「デフォルト」判定して、シティとJPモルガンがCDSの「保険金」をせしめ、「エリオット」も損失を軽減する、という、何というか「三方一両損」みたいなものでしょうかね?


 まあ、色々と大人の事情がおありなのではないかと、拝察つかまつります。






アルゼンチンなど新興国が「債務再編に応じない連中はハゲタカだ!」という主張はハフィントン・ポストの記事にあるように

「ハゲタカファンドは、我々自身が止めない限り止まらない。ハゲタカファンドによる南半球の国々での莫大な資産の強奪は、学校閉鎖や、医薬品不足、政治不安などを引き起こす原因となる」(アルゼンチンのティメルマン外相)

でしょうし、

「債務不履行に陥った国が進める債務再編過程に、投資ファンドなどが妨害を加える」(国連総会の決議理由)

ということになるだろう、という点で一理あるように思われます。



一方、若干強引な気もしますが、あくまでも「全額、カネ返せ。借りたカネ返すのが人間の道理やろ!」とする(?)、「ホールドアウト」(アルゼンチン風にいうと「ハゲタカ」)側の主張も、一理あるようにも思います。






しかし、アルゼンチンなど新興国で外貨建て(主に米ドル)でカネ借りている人たち(というか政府や企業たち)は、リスクプレミアムという形で、返済に対する信用度が低い分、高い利息を支払っていたわけです。
 つまり、高い利回りの不利な条件で債券を発行していたわけで、買い手側は、信用度の低いことと見合う利回りに納得して買っていたはずです。
 ハイリスク・ハイリターンは承知の上で買うのが投資家であるし、その上でリスクを分散して他の債券も幅広く買うのが投資家のあるべき行動パターンではなかろうかとも思います。
 例えば、野村アセットマネジメントの運用する「米国ハイ・イールド債券投信」という米国の高利回り社債に分散投資するファンドの
商品説明書のp.11に、1996年12月~2014年5月の平均デフォルト率3.2%、p.12にほぼ同じ期間におけるデフォルトした債券の「回収率」が4割程度というデータが載っています。デフォルトのリスクの高い債券であっても分散投資していれば、1年あたりで貸し倒れする金額の割合は、3.2%×40%=1.28%とかなり低くなるわけです。それを上回る利回りがあれば、利益はプラスになる、という算段です。
【訂正】
デフォルト債券の「回収率」が4割なら、デフォルト債券の「貸し倒れ率」は6割ということになります。デフォルトのリスクの高い債券であっても分散投資していれば、1年あたりで貸し倒れする金額の割合は、3.2%×60%=1.92%とかなり低くなるわけです。それを上回る利回りがあれば、利益はプラスになる、という算段です。

 アルゼンチン政府ならびに国民は、カネをある程度踏み倒したという点で「モラルハザード」があったかもしれませんが、2001年のデフォルトで経済が急激に悪化し、痛い目に遭っているわけで、その点において代償は支払っているとも言えます。
 そして、高リスク・ハイリターン狙いでアルゼンチン国債(ドル建て)を買っていた投資家(投機家)は、分散投資でかなり確実に利益を挙げていたはずですし、分散投資していなかったとしたら、それは新自由主義のルール=「自己責任」という面もあるでしょう。
 それに、もし一民間企業に貸していたのなら、基本的に民間企業などの「法人」は有限責任で、破綻したときにその「法人」が所有している財産以上の支払いは免除されます。この「有限責任」も資本主義のルールであります。このような「敗者復活」のルールがあるからこそ、皆がリスクを取って起業し、それによって資本主義の活力が生まれるわけですから。


と考えると、
「ホールドアウト」投機家側の「貸したカネは返せ」という気持ちも分からないわけではありませんが、資本主義のルール=「自己責任&有限責任」を踏まえると、ある程度は損を受け入れなはれ、とも思う次第であります。で、アルゼンチン政府ならびに国民と投資家(投機家)のあいだで「三方一両損」が成立して、しゃんしゃん、という運びになると良いのですが。






さて、それはそれとして、

アルゼンチンのように外貨建て、またはギリシャのように共通通貨建てで借りてしまうと、「借りたカネは返すのが人間の道理やろが!」という取り立て屋さんが来ますが、日本のような通貨発行権のある自国通貨建ての借金しかない場合はそんな取り立て屋さんは来ません。(尖閣辺りに地上げ屋さんは来るかも知れませんが…)

という視点で「国の借金」論を書いている面白いブログ記事があるのでご紹介(私がツイッターでお世話になっている剣kennさんのブログ「剣kenn諤々」の記事)



「第69回 国の借金とサラ金の違いについて」 
2012-01/28
http://hskenncutter.blog109.fc2.com/blog-entry-69.html


江頭2:50氏、岸部四郎氏の借金の話と「国の借金」との対比が実に分かり易く、また、借金という言葉のもつ恐怖の実感についても身近な方に対する「サラ金」の取り立てについて実地に見てきた経験からの話があり、大変興味深い内容となっています。




なお、「恐怖」について補足しておきます。

私の新しい本で書いていますが、恐怖は生物学的には危険を回避するための必要不可欠な機能であり、恐怖体験は一度だけで学習する必要があるので、恐怖体験の記憶は生涯消えることがありません(脳科学者、ジョセフ・ルドゥーの説)。

 よって、上記のような「サラ金の取り立て」の恐怖が、借金に対する恐怖、そして借金という言葉に対する恐怖、そして、「国の借金」に対する恐怖とつながってしまうということがあるものと考えられます。

 借金という言葉と恐怖の感情が上記のような生物学的なシステムによって「連合学習」されており、借金と聞くと恐怖の感情が沸き起こってしまう(自動的に連想してしまう)というのは、生物学的には残念ながら、かなり自然なことと考えられます。

 このような恐怖とどう向き合うか、そしてこのような恐怖を人類がどう「飼い慣らす」か、ということは日本経済の将来だけでなく、世界全体の将来も左右する重要なテーマだと考える次第であります
(詳細は拙著「日本経済のミステリーは心理学で解ける」をお読み頂ければ、と思います)






 日本の場合、

 『地上げ屋さん』は来るかも知れんが、

 『サラ金の取り立て屋さん』は来ないわな
 


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625:韓国:財政黒字でも通貨危機:過去40年近くほぼ一貫して財政黒字で「国の借金ガー!」と一切無縁な韓国は「良い見本」?それとも「悪い見本」?

2014/09/17 (Wed) 21:22
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まあ、今回は小ネタです。

いままでグラフにしたことがあったようななかったような…

韓国が、過去40年近く、ほぼ一貫して政府が財政黒字だったということを改めて、どうぞ:


韓国政府財政収支GDP比75-11
データ出典:OECD.Stat の一般政府財政収支を名目GDPで割って計算


1975年から2011年までの37年間において、韓国政府(一般政府=中央政府+地方政府+社会保障基金)の財政収支は、1975年(第一次オイルショック?)、1980年(第二次オイルショック?)、そして、2009年(リーマンショック翌年)のたったの三回赤字になった以外、一貫して黒字を続けています。


恐らく韓国では、

「国の借金ガー!」 (注:「国の借金」の「国」は国会とか国立大学の「国」と同様、中央政府を意味しますので、「国の借金」とは中央政府の借金の意味となります。念のため)

ということが一切ないのではないかと思われます。

その点、何ともうらやましい限りですが…。


97年、その韓国は、国家破綻をすんでのところで、とあるお隣の政府が財政赤字続きの「国の借金ガー」で大変なお国に助けてもらったというのは、何とも皮肉な話であります。

そのお国の名は…

「日本」


というようなお話は、以前にも当ブログで書いたかもしれませんが、今回の新しい本でも紹介させて頂きました次第であります。

なお、97年の韓国などアジア諸国では
①民間が、
②短期の外貨建て債務を、
③長期の投資(設備投資など)のために借り入れた
ということが問題でありました。

↓こんな感じです

-----
アジアの債券市場育成とアジア・ボンド・ファンド
https://www.boj.or.jp/intl_finance/outline/expabf.htm/
2005年10月
日本銀行国際局 

1997年のタイ・バーツ危機に端を発したアジア通貨危機は、瞬く間にアジア全域に広がり、アジア諸国の金融経済は、大きな痛手を被りました。

こうしたアジア通貨危機の原因の一つに、アジア諸国の企業が設備投資のような長期間に亘る支出を行う際、資金調達の面で、海外の金融機関が貸出す外貨建ての短期資金に傾斜していた点が指摘されています(「期間と通貨のダブル・ミスマッチ」と呼ばれる問題です)。



------

つまり、「国の借金」の大小それ自体や、政府だけの財政収支というのは、国家経済の安定にはほとんど関係がないというわけであります。
民間も見ないといけないし、外貨建てかどうかも見ないといけません!



※なお、韓国では一切必要ないかも知れませんが、日本では残念ながら必要な「国の借金」に対する過剰な恐怖についての心理学的な分析については↓こちらをどうぞ:



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 『国の財政黒字』のほうが怖い!

 『民間の財政赤字』のほうがもっと怖い!

 『民間の外貨建て借金』のほうが

 さらに輪をかけて、もっと怖い!



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593:「国の借金1000兆円」(笑)

2013/08/10 (Sat) 14:43
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表題の件、日本のメディアの伝え方を見てもあまり面白くないので、海外メディアを見てみましょう。

といってもそれほど日本のと趣旨は変わりませんが。


とりえあえず、CNNの日本語版から


-----

国の借金1000兆円を突破 6月末時点
http://www.cnn.co.jp/business/35035799.html
2013.08.09 Fri posted at 18:26 JST

香港(CNNMoney) 財務省は9日、国債や借入金などを合わせた国の借金が今年6月末時点で1008兆6281億円になったと発表した。1000兆円を突破したのは初めて。

債務残高の対国内総生産(GDP)比率は先進国中最も高い水準で、2014年には230%に達するとみられている。国債残高は830兆円に達した。

政府は10年以上続いたデフレからの脱却を目指し公共投資などの景気刺激策を拡大しているが、これらの財政出動は債務増加をもたらす結果となる。増え続ける政府債務に対して、国際社会からは懸念の声が高まっている。

経済開発協力機構(OECD)は、債務削減に向けた一層の努力が必要だと主張。「債務残高の対GDP比率の上昇を止め、下げるようにすることが重要だ」と説く。
国際通貨基金(IMF)も「経済成長を促進する構造改革とともに、債務削減に向けたより大胆な計画が必要だ」との見方を示す。

政府も財政再建に向けて動き出している。政府は消費税の税率を2014年4月に8%、15年に10%へと引き上げる方向で検討を進める。増税は経済成長を妨げる可能性もあるだけに、安倍政権は増税を実施できるか、正念場を迎えることになる。

-----

上記記事では、

「債務残高の対国内総生産(GDP)比率は先進国中最も高い水準」
とありますが、IMFのデータベースを見ると、データがある中では、一般政府(中央+地方+社会保障基金)の債務GDP比は先進国中どころか世界最高です。

「だから何だ? So what?」という話なのですが。



国の借金のGDP比がたとえ0%であったとしても、破綻するときゃ破綻しますがな。

アジア通貨危機のときの韓国なんて8%か9%で破綻しかけました。


それは政府の借金ではなくて、民間の外貨建て債務によってです。

たいていの場合、本当に怖いのは民間部門の借金であって政府の借金ではありません。

もちろん、政府が多額の外貨建て債務を持っている場合は別です。

つまり、「政府+民間の外貨建て債務」が問題なのであります。

そして本質的には、物が足りるかどうかの問題です。
外貨建ての借金が返せなくなると、信用が失墜してその国はモノを買いにくくなり、国民は飢え苦しむことになります。

それは「カネ」の側面からみるとインフレです。通貨の価値が大幅に下落し、物を手に入れることができない状態であり、その本質はモノ不足です。

国の借金の大きさよりも、インフレ率を見る方が大事ですが、日本のインフレ率は目下のところ世界最低水準です。

それゆえに「デフレ脱却だー」と国ぐるみで言っているのに、何で国の借金の大きさを気にする必要があるのでしょうか?国の借金がどうなろうと、インフレ率が低ければ何らの問題もないのであります。

インフレが問題になってから国の借金を減らしても遅くはありません。

といっても、本当はインフレだろうが何だろうが、物不足を起こさない対策を取らなければなりません。
終戦直後はそのようにしてインフレの中でも国の借金を増やして生産のための投資をし、物不足地獄から脱却することで物価は落ち着きを取り戻したのです。
朝鮮戦争特需で景気が高揚したのは、物不足がひと通り解消するくらいに物作りができるようになっていた何よりの証拠。そうでなければ、特需があろうが何だろうがモノ作りできず、物が足りないために売るものもなく、よってカネも稼げなかったはずですから。



あとはまあ、湾岸戦争のクウェートみたいな金持ちでも隣の国の強力な軍隊に占領されるなどした場合は、外貨建て借金とかなくてもあっさり“破綻”しますが。



それと念のために再び書いておきますが、「国の借金」という言い方自体は何ら問題はありません。

この場合の「国」は中央政府です。辞書にもそうあります。

例えば「国政に参与する」という言い方をする場合、それは中央政府の政治に参加し、関与する、という意味です。それと同じです。
あるいは「国を相手取って訴訟を起こす」という場合も、それは中央政府を相手に訴訟を起こす意味です。

私は、昔、破綻論を信じていたときも、「国債を刷れ」を執筆したときも特に「国の借金」という言い方に違和感を覚えたことは一切なく、今に至ってもまったく覚えません。未来永劫、ないでしょう。
なぜなら「国」とは、「中央政府」だからです。

マスコミの報道で「国の借金」を「政府の借金」と言い方が仮に変わったところで、何かが変わるとは私にはまったく思えません。
それで消費税の増税問題が沙汰やみになるのでしょうか?
災害対策のための公共工事を可及的速やかにもっと大幅に増額することとなるでしょうか?
まず間違いなく、そんなことにはならないでしょう。
問題の根本はそこにはありません。

「国の借金1000兆円、大変だ!もう終わりだ!」が、
「政府の借金1000兆円、大変だ!もう終わりだ!」に変わるだけです。



というような当ブログにおける「ありきたり過ぎる話」はほどほどにして、NYタイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ブルームバーグの英語記事をさわりだけ紹介します。


まずはNYタイムズ

1000兆= Quadrillion

という数字、桁数に随分とこだわっていらっしゃるようです。

-----

Japan’s Debt Looks Like This: 1,000,000,000,000,000 Yen
日本の借金はこんな感じ:1,000,000,000,000,000円

http://www.nytimes.com/2013/08/10/world/asia/japans-debt-reaches-new-milestone.html?_r=0
By JOHN SCHWARTZ (New York Times)
Published: August 9, 2013

Japan’s soaring national debt, already more than twice the size of its economy, has reached a new milestone, surpassing one quadrillion yen.
日本の莫大な国の借金(national debt)は、すでに経済規模の2倍以上となっているが、新たな歴史的水準に到達し、1000兆円(one quadrillion yen)を超えた。

Let the word quadrillion roll around in your brain for a moment or two, because it is not something you hear every day. Quadrillion. 1,000,000,000,000,000. Really.
少しの間、1000兆という言葉をあなたの脳の中でめぐらせてみよう。それはあなたが日常生活で聞くようなものではないからだ。1000兆(Quadrillion)。 1,000,000,000,000,000。いや、まったく。

A paltry million is the numeral one followed by six zeros. A billion? Nine zeros. A trillion is getting up there: 12 zeros. But the mighty quadrillion has 15 of them.
100万というわずかな数はゼロが6つ。10億(billion)?ゼロが9個。1兆(trillion)はだいぶ近づいてゼロが12個。しかし、1000兆(quadrillion)となるとゼロが15個にもなる。

The mind boggles.
頭がクラクラする。



Compared with Japan, the United States national debt is a mere $16 trillion or so. But if you convert that number into yen, it comes to about 1.5 quadrillion. So it’s good to have a currency that conserves its zeros. Of course, that also means the total American debt is even larger than Japan’s (though not, it should be noted, as a percentage of gross domestic product).
日本に比べて、アメリカの国の借金(national debt)はたったの16兆ドルかそこらだ。しかし、これを円に換算すると、およそ1500兆円(1.5 quadrillion)。というわけで、ゼロをあまり使わない通貨を持っているのは実に良い。もちろん、これはアメリカの総負債が日本よりも多いことを意味する(とは言え、GDP比で言えばそんなことは無いのだが)。

Hmm. Let’s not talk about that.
はああ。この問題を話すのはやめにしましょう。


-----


ははは。
ということは、明治の昔、円を導入する際に決めた1ドル=1円のレートに戻す、「新円」を作れば、多少はマシになるかもしれませんね!

するとあら不思議、日本の「国の借金」はたった10兆円になってしまいます。

これなら、いかにも少ない感じがしますねえ。

まあ、GDPも5兆円になりますが!


このNYタイムズの記者、「少しの間、1000兆という言葉をあなたの脳の中をめぐらしてみよう。それはあなたが日常生活で聞くようなものではないからだ。」と言っています。でも、そんなもんどうでも良い話じゃないですか。

明治18年の日本のGNPは8億円程度でした。
だから一般庶民には「兆」どころか「億」という単位もなじみがなかったでしょう。まあ、本当にその程度の問題なら、通貨制度を変えてしまえば解決します。1円=1銭にするデノミです。


次に、ウォール・ストリート・ジャーナル


-----

Japan Debt in the ‘Quadrillion’ Zone
日本の借金、「1000兆円」圏に

http://stream.wsj.com/story/markets/SS-2-5/SS-2-297796/?mod=wsj_streaming_markets

By Takashi Nakamichi

Japan’s central-government debt topped the quadrillion-yen mark for the first time ever in the second quarter, passing the unwelcome milestone just as a national debate heats up on whether the government should follow through with a controversial a plan to raise the sales tax.
物議をかもしている消費税引き上げ計画を政府が実行すべきかどうかという議論が過熱するなか、日本の中央政府の借金は、今年の第2四半期、初めて1000兆円(quadrillion-yen)という歓迎されざる大台を超えた。


-----

記者は日本人のようですが、まあ、消費税うんぬんということですね。


最後に、ブルームバーグ。

-----

Japan’s Debt Exceeds 1 Quadrillion Yen as Abe Mulls Tax Rise
安倍首相が増税に慎重となるなか、日本の借金が1000兆円を超えた

http://www.bloomberg.com/news/2013-08-09/japan-s-debt-surpasses-1-quadrillion-yen-as-abe-weighs-tax-rise.html
By Mayumi Otsuma - Aug 9, 2013 2:51 PM GMT+0900

Japan’s national debt exceeded 1,000 trillion yen for the first time, underscoring the case for Prime Minister Shinzo Abe to proceed with a sales-tax increase to shore up government finances.
日本の国の借金(national debt)が1000兆円(1,000 trillion yen)を初めて超え、安倍晋三首相が政府の財政を支えるための消費税増税を進めるかどうかが注目されている。



“Tax reform and containment of social security expenditure would further reduce the government’s budget deficit and enhance its debt-servicing capacity,” Thomas Byrne, senior vice president at Moody’s, wrote in a report yesterday.
「税制改革や社会保障費抑制は政府財政赤字を削減させ、財政許容度を高めるだろう」とムーディーズのトーマス・バーン上級副社長は昨日、報告書に書いた。



-----

いやいや、消費税で財政再建なんぞできませんけどね。
そんなもん、1%あたり2兆円ポッチ。3%でせいぜい6兆円やがな。5%で10兆円あるかないか。それに対して財政赤字は数十兆円。
焼け石に水でっせー!!

そもそも政府の財政を黒字にしたってアカンで、あんた。
お宅の国(アメリカ)は、10年も政府が黒字を続けたのに1929年に大恐慌起こしましたがな。
それで二度目の世界大戦やがな。





とまあ、各メディアの記事をひと言でまとめると「1000兆円大変だ!増税だ!歳出削減だ!」という感じですね。


さて、

関東大震災とか東南海大地震が起こっても、「1000兆円大変だ!増税だ!歳出削減だ!」と言い続けるんでしょうかね、ムーディーズの上級副社長さん?

(まあ、次善のケースとして、消費増税して国土強靭化のための公共工事を増やすのならまだマシですが…。最悪なのは消費増税だけして国土強靭無しというパターン)




というわけで、



 国の借金が

  『1億円突破!』

  『10億円突破!』

   …

  『1兆円突破!』

   …

  『1000兆円突破!』

  『1京円突破!』

  『1垓円突破!』

   …

 って、いつまで続ける気やねん!!!

 そんなもん、いつかは突破するやろ!!!!



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590:「財政赤字を拡大せよ!」という奇特な米ヘッジファンド・マネージャーの物語:NYタイムズ記事より

2013/07/18 (Thu) 17:00
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「国債を刷れ!新装版-これがアベノミクスの核心だ」







ヘッジファンド、国の借金、と来れば、

「日本の国の借金は大きすぎるのでもうすぐ破綻!」

と言って、日本国債が暴落するほうに賭けまくっているカイル・バス氏を思い出してしまいます。

一方で、「国の借金はもっと増やせ!」と主張し、「アメリカの連邦債務は増え続けているが、まったく問題なし」というほうに賭けまくってひと財産もふた財産も築き上げたヘッジファンド・マネジャーの物語をNYタイムズが記事にしています。


(この記事については、日本経済復活の会の小野誠司会長から教えて頂きました)

ということで、そのNYタイムズの記事を全訳してみました(8時間くらいかけてかなり丁寧に翻訳しました^^)ので、以下、掲載しておきます。







Warren Mosler, a Deficit Lover With a Following
ウォーレン・モスラー ―― 一定の支持層を持つ、財政赤字愛好家
By ANNIE LOWREY, New York Times
Published: July 4, 2013
ニューヨークタイムズ 2013年7月4日

〔日本語訳:廣宮孝信 ひろみや よしのぶ (経済評論家) 2013年7月18日〕

CHRISTIANSTED, V.I. — Warren Mosler is a card-carrying member of the 1 percent. A deeply tanned, tennis-lean hedge fund executive, Mr. Mosler lives on this run-down but jewel-toned Caribbean island for tax reasons. Transitioning into an active retirement, he recently designed and had built an $850,000 catamaran called Knot My Problem. He whizzes around St. Croix in a white, low-slung sports car he created himself, too.
ヴァージン諸島、クリスチャンステッド ― ウォーレン・モスラー(注1) は「1%」に属する一人だ。よく日焼けした、テニス好きのヘッジファンドの重役であるモスラー氏は、税務上の理由からこのひなびた、しかし美しいカリブ海に浮かぶ島に暮らしている。活動的な引退生活への移行のため、彼は最近、Knot My Problem と名付けた85万ドルの双胴船を設計し、建造した。彼はまた、セント・クロイ島(アメリカ領ヴァージン諸島)で自身が創り出した車高の低いスポーツカーをびゅんびゅん飛ばし回ってもいる。

(注1)英語版Wikipediaによれば、モスラー氏はヘッジファンドを経営する債券トレーダーであり、1985年にはスーパーカー専門の自動車会社モスラー・オートモーティブを設立している(ただし、モスラー・オートモーティブは2013年6月に突如廃業)。


“There would have been no recession,” Mr. Mosler, 63, said over a salad at a hole-in-the-wall seaside cafe called Rum Runners.
「景気後退など、なかった」。63歳のモスラー氏は、Rum Runnersという海辺のみすぼらしいカフェで、サラダの向こうからそう語った。

Washington’s debts would have soared, of course. But Mr. Mosler sees no problem with that. A failed Senate candidate in Connecticut with unorthodox but attention-grabbing economic theories, he says he believes the United States should be running much bigger deficits and that the last thing the government needs to worry about is balancing its budget.
ワシントンの負債(連邦政府の負債)はこれまで、急激に増加してきた。しかし、モスラー氏はそれには何の問題もないと見ている。異端ながら人の注意を引く経済理論をひっさげたコネティカット州上院議員選の落選候補である彼(注2) は、合衆国はもっと赤字を拡大すべきであると信じており、政府が最も心配しなくてよいことがその予算の均衡であると信じている。

(注2)英語版Wikipediaによれば、モスラー氏は2009年には大統領選に独立系候補として出馬を表明。2010年には大統領選から撤退し、コネティカット州で一時は民主党候補として、その後は独立系候補として上院議員選に出馬した。結果、0.98%の得票率で敗退した。


Mr. Mosler’s ideas, which go under the label of “modern monetary theory,” or M.M.T., are clearly on the fringe, drawing skeptical reactions even from many liberal Keynesian economists who agree with some of his arguments. But they have attracted a growing following, flourishing on the Internet and in a handful of academic outposts, as he and others who share his thinking have made the case that austerity budgeting in the United States and in Europe is doing irreparable harm.
「現代的金融理論(MMT)」と名付けられたモスラー氏の理論は明らかに非主流派であり、彼の議論に部分的に賛成する多くのリベラルなケインズ派経済学者からですら、懐疑的な反応を引き出している。

Like many Keynesian economists, Mr. Mosler and other modern monetary theorists are particularly disturbed by the longstanding campaign articulated and financed by Peter G. Peterson, a former commerce secretary who co-founded the Blackstone Group private equity fund, to reduce the deficit or else.
特に元商務長官にしてブラックストーン・グループのプライベート・エクイティ・ファンドの共同設立者であるピーター・ピーターターソンによって推進され、かつ、資金提供されている赤字削減等を目的とする政治運動によって、多くのケインズ派経済学者と同様、モスラー氏ら「現代的金融理論(MMT)」論者は、かく乱されている。

“There’s a whole deficit lobby of Peterson-funded groups arguing we’re turning into Greece,” said James K. Galbraith, an economist at the University of Texas at Austin. “They’re blowing smoke and the M.M.T. group has patiently explained why.”
「我々(合衆国)がギリシャになろうとしていると主張するピーターソンに資金提供されているグループの“財政赤字”ロビー活動が存在している」。オースティン(テキサス州都)のテキサス大学の経済学者、ジェームズ・ガルブレイスは語った。「彼ら(ピーターソンのグループ)は嘘八百をまき散らしているが、MMTグループはこれまで辛抱強くその理由を説明してきた」

Still, even for those with some knowledge of economics, the tenets of the modern monetary theory can make your head spin. The government does not tax its citizens to pay for federal spending. It taxes them to ensure they use the dollar and to help to regulate demand. Since the government prints the dollar, it can never run out of money and it need never balance its budget, not even to prevent the crowding out of private investment when the economy is humming along.
しかし、多少の経済学の知識を持つ人々にとってすら、MMTの理論には目まいがするかもしれない。政府は連邦支出をまかなうために市民に税を課すのではない。政府は、市民がドルを使うことを保証し、需要を抑制するために課税するのである(訳者注:政府はいくらでもおカネを刷れるからカネに困らない、というのに税金が存在する意義は、インフレを抑制するということにある、という意味と思われる)。政府はドルを印刷するのであるから、カネが尽きることは決してありえず、政府は予算を均衡させる必要は決してないし、経済がうまくいっているときに民間投資を締め出すこと(クラウディング・アウト)を防ぐ必要すらないのである。

What about inflation? “What about it?” Mr. Mosler replied. “How can the United States have $16 trillion in debt and still be on the verge of deflation, even when Chairman Bernanke’s using every alphabet-soup trick in his book?”
インフレーションについてはどうか?「インフレについてかい?」モスラー氏は答えた。「どうして合衆国は16兆ドルの負債を抱えることができているのか、どうしていまだにデフレの瀬戸際に立っているんだというんだい?しかも、バーナンキ議長が彼の知り得るあらゆる芸当を繰り出しているというのにだ(訳者注:巨額の財政赤字拡大とかつてない大規模な金融緩和をやっているのにいまだデフレの危機にある。そんな時にインフレの心配をしてどうするんだ、ということ)

To mainstream economists, Mr. Mosler and his adherents represent something of a counterpoint to the handful of academics on the right who believe the United States should return to the gold standard because the government is supposedly going bankrupt and the Federal Reserve under Ben S. Bernanke is debasing the currency.
主流派の経済学者にとって、モスラー氏とその支持者らは、「政府は恐らく破産し、ベン・バーナンキは通貨価値を下落させることとなるので、金本位制に回帰すべき」と主張する一握りの右派の学者らとの興味深い比較対象(counterpoint)となっている。

“They deny the fact that the government use of real resources can drive the real interest rate up,” said Mark Thoma, an economics professor and widely followed blogger who teaches at the University of Oregon. After delving into the technical details of modern monetary theory for a few minutes, he paused, then added, “I think it’s just nuts.”
「彼らは、政府の実物資源の使用が、実質金利の上昇につながる事実を否定している」と、多数の読者を抱えるブロガーであり、オレゴン大学の経済学部教授でもあるマーク・ソーマは語った(訳者注:このオレゴン大学の教授の発言の趣旨は「政府が供給力を使用することが民間が利用できる供給力を制限することになること=クラウディングアウトを無視しているから、MMTはダメだ」ということ)。2、3分ほどMMTの専門的な詳細に立ち入ったあと、すこし間を置いて彼はこう付け加えた。「思うに、MMTは頭がいかれているね」

But just as a return to the gold standard has attracted a popular following — including many supporters of Ron Paul, the charismatic former Texas congressman — so has modern monetary theory, which has been spread on the great stage of the Web. A thriving academic blogosphere brings ideas up and knocks them down, and popular sites like Business Insider and Naked Capitalism have given modern monetary theorists a platform to join in.
しかし、金本位制への回帰が多くの人々――カリスマ的な元下院議員、ロン・ポールの支持者を含む――を惹きつけるなか、MMTもまた、ネット上で大いに広まった。にぎわっている学者らのブログ界において、さまざまな考えが取り上げられ、また打ちのめされもする。そして、ビジネス・インサイダーやネイキッド・キャピタリズムといった人気サイトがMMT論者らに、議論に参入する場を提供している。

“These ideas definitely aren’t disseminated through published academic journals,” said Stephanie Kelton, an economist at University of Missouri-Kansas City, who coined the term “deficit owls” to distinguish modern monetary theorists from “deficit hawks.” “It’s all on the Internet.”
「これらの考え方は、出版された学術論文誌によって広まったものでは、明らかに、ない」と、カンザス・シティーのミズーリ大学の経済学者、ステファニー・ケルトンは言う。彼女は、「財政タカ派」と区別するため、MMT論者を「財政フクロウ派」と呼ぶ新語を作った。「全部、ネット上のものだから」。(訳者注:ケルトン女史が「タカ派(hawks)」に対して「ハト派(doves)」と言わずに「フクロウ派owls」としているのは、フクロウ→夜更かしの象徴→ネット民ということを言いたいのではないかと推測される)

(Page 2 of 2)
Mr. Mosler has played a pivotal role in promoting the theory, and unlike many economists he has the resources to do so. He runs a popular blog called the Center of the Universe, a sly joke, perhaps, given that tiny, tropical St. Croix, which is about 1,200 miles from Miami, is the easternmost point in the United States. He eagerly appears on radio programs and on television. Recently, he went on a tour of Italy to promote his anti-austerity ideas.
モスラー氏はMMTの普及拡大に重要な役割を果たしてきた。彼は多くの他の経済学者らと違い、そのための手段を持っている。彼はthe Center of the Universe(世界の中心)――マイアミからおよそ1200マイル離れたアメリカの最東端、熱帯のセント・クロイという小島を、恐らくは茶目っ気のあるジョークとしてそう呼んでいる――と名付けた人気ブログを運営している。彼は意欲的にラジオやテレビに出演している。最近、彼は彼の反緊縮財政論の普及のため、イタリアにまで出かけて行った。

There were also a few self-financed political campaigns, including some fruitless races in the Virgin Islands. In his 2012 run, Mr. Mosler said he believed the voting was rigged. He made a vanity run for Senate in Connecticut in 2010 as an independent, making waves by offering to use $100 million of his own money to pay down the deficit if any member of Congress could prove that government spending was actually constrained by tax revenue. He came in third, with about 1 percent of the vote. “It was a mistake,” Mr. Mosler said of running in Connecticut. “It did get the ideas out there, though.”
(モスラー氏が)自己資金で行っている政治運動はほかにも2、3ある。例えば、ヴァージン諸島におけるいくつかの成果の出なかった選挙だ。2012年の選挙についてモスラー氏が言うには、準備不足であったとのこと。2010年のコネティカット州上院議員選はむなしい結果に終わったが、彼は、もしも連邦議員の誰かが、政府の支出が実際に税収に制限されているということを証明できたなら、彼の持ち金から1億ドル、財政赤字を埋めるために即金で支払うと申し出たことで、物議をかもした。彼はおよそ1%の得票率を得て、第三位となった。「あれは間違いだった」とモスラー氏はコネティカットでの出馬について語った。「でも、あそこでアイデアを得た」。

Mr. Mosler started his career at a small bank in Connecticut, and eventually became a Wall Street trader. It was there, he said, that he developed an intuitive understanding of how the economy works — one very different from that of policy makers in Washington and the vast bulk of academics.
モスラー氏はコネティカットの小さな銀行で彼のキャリアを開始した。そして遂にはウォール街のトレーダーの一人となった。彼が言うには、彼はそこで経済がいかに動いているか、直感的な理解――ワシントンの政策立案者や大勢の学者らとかなり違う理解――を構築することとなった。

“All debt management is, is debiting and crediting different accounts,” Mr. Mosler said, recalling seeing numbers appear and disappear from his computer at Bankers Trust in New York in the 1970s. “Can the federal government run out of dollars? No, because the Fed could pipe in a bigger number. That number doesn’t come from anywhere. It’s like when a player scores a field goal at a stadium. Three points just appear. The government is just the scorekeeper for the dollar.”
1970年代、ニューヨークのバンカーズ・トラスト(訳者注:アメリカの投資銀行)で、彼のコンピューター画面に現れては消える数字たちを見ていたことを思い出しながら、「すべての負債管理では、借り方と貸し方の異なる帳簿に記入してる 」(注3)と、モスラー氏は語った。「連邦政府がドルを使い果たすことなんてあり得るか?あり得ない。なぜなら、FRBがより多くのドルを送り込むことができるからだ。そのドルは他のどこかから来たものではない。まるでスタジアムで(アメフトの)選手がフィールドゴールを決めたときのようなものだ。それで3点が入る(訳者注:フィールドゴールとはアメフトでキックにより得られる3点ゴールのこと)。政府はドルの得点記録係ってわけだ。」

(注3)「すべての負債管理では、借り方と貸し方の異なる帳簿に記入している」というのは、借金をしたとき、貸し方creditor項目として負債勘定帳に帳簿記載されるのみならず、費用もしくは資産(現金や設備や不動産など)という借り方debtor項目の勘定帳にも必ず帳簿記載が行われる、つまり、負債が発生したときは必ず貸し方creditorと借り方debtorの両建てで帳簿記載がなされるということを意味するのであろう。
 なお、企業が借りて来たカネを何に使ったとしても、そのカネは必ず他の誰かの資産項目(借り方項目)として存在することになる。
 国全体を連結決算、あるいは世界全体を連結決算してやれば、誰かの負債(貸し方に記載)は必ずそれと同じ金額だけ他の誰かの資産(借り方に記載)となるため、金融資産から負債を差し引いて相殺すれば必ずゼロになる。
 だから借金とは、マクロでみれば必ず負債と資産の両面を併せ持つ両性具有体である。
 よって、マクロ経済の管理運営者である政府は、外国から多額の外貨建て借金でもしていない限り、基本的に借金を気にする必要がない、ということとなる(気にすべきはインフレ率のみ)。モスラー氏はこのような簿記の発想を基礎としてマクロ経済を考えているように思われる。


In the early 1980s, he left Wall Street and along with a partner, Clifford Viner, who is now the owner of the Florida Panthers hockey team, founded a hedge fund in Boca Raton, Fla. The fund made relatively few, relatively complicated financial bets, said Michael Reger, a partner of Mr. Mosler’s for the last 20 years. “He’s an urban myth,” Mr. Reger said of the affable, talkative and bookish Mr. Mosler.
1980年代前半、彼はパートナーであるクリフォード・バイナー ――現在、フロリダ・パンサーズというホッケーチームのオーナー ――とともにウォール街を去り、ボカ・ラタン(フロリダ州パームビーチ郡の都市)でヘッジファンドを設立した。そのファンドはどちらかというと珍しい、どちらかというと複雑な、金融上の賭けをしてきた、とモスラー氏の20年来のパートナー、マイケル・レーガーは言う。「彼は、一つの都市伝説だ」と、レーガー氏は、親しみやすく、おしゃべり好きであり、かつ、堅苦しいモスラー氏について語った。

Mr. Mosler’s fund has made a number of bets informed by his theory. For instance, Mr. Reger said, when the Treasury was paying down the United States debt during the Clinton years, many bond traders thought that prices would spike because of increasing scarcity. But Mr. Mosler predicted that no such scarcity would ever materialize, and shorted the bonds.
モスラー氏のファンドは、彼の理論に励まされる形で数々の賭けを行ってきた。レーガー氏が言うには、例えば、クリントン政権で財務省が連邦債務を減らそうとしていたとき、多くの債券トレーダーは国債の不足が進むことで価格が急上昇すると考えた。しかし、モスラー氏はそのような不足が実現することはないと予見し、債券をショートした(値下がりすれば儲かるほうに賭けた)。

That trade panned out, though others have not. The business lost hundreds of millions of dollars betting that Russia would not default on its debts. That country’s fixed exchange rate spurred it to go belly up, Mr. Mosler said.
そのトレードはうまく行ったが、ほかはダメだった。(モスラー氏は)ロシアが債務不履行しないほうに賭け、何億ドルという損失を出した。ロシアの固定為替レートが、ロシアの破綻に拍車をかけた(注4) 、とモスラー氏は語った。

(注4)IMF資料”Russian Federation--Recent Economic Developments (September 20, 1999)”(p.7)に、「限られた金融調節にも関わらず、1993年から95年にかけて獲得した経済的安定は、1998年半ばまで続いた。その安定は、巨額の対外債務(主に短期債務)によって支えられた固定為替相場制によって維持された。しかしながら、政府の負債総額を増大させた、政府による外貨建て短期債務容認の決断は、政府の資金調達に関する脆弱性を増大させ、市場心理に変化をもたらした」という記述がある。
 端的に言えば、当時のロシアはドルを借りて来てそれを売り、ルーブルを買うことで固定相場を維持(ルーブルの価値を維持)していたが、それはドルによる短期債務を急増させた。モスラー氏はこのことがロシアの破綻を決定的にしたと言っているのであろう。
 なお、上記IMF資料によれば98年の破綻直前のロシアの連邦債務は外貨建て債務が大半であった。また、ルーブル建ての国内向け国債の約3割は外国人投資家が保有していたが、外国人投資家はロシア国内の銀行で為替予約をしてルーブルとドルのレートを固定していたため、外国人保有のルーブル建て国債も、ロシア国家にとって実質的には外貨建て債務であったと言える。
 なお、このIMF資料についての解説は訳者のブログ(「自国通貨建て国債で破綻?~ロシア危機の場合(2010/09/26)」)参照。

On the side, he ran Mosler Automotive, which created several dozen low-slung, lightweight, superfast sports cars over its nearly 30 years in business. That passion project never quite worked out, he said, and he is now in the process of selling it off. “The Consulier got named one of the 50 worst cars ever made by Time magazine,” he said with a laugh. “Look it up!”
副業として、彼はモスラー・オートモーティブという、いくつかの低車高、軽量、超高速のスポーツカーを世に送り出した自動車会社を、30年近く経営していた。彼曰くは、その情熱的なプロジェクトも決してうまくいったわけではなく、彼はいまその会社を売りに出している。「Consulier(という車種)はタイム誌で史上最低の車50選に選ばれてしまったよ。」

But entering retirement, Mr. Mosler has more than enough work to do promoting his monetary theories, he said.
しかし、引退生活に入るとなると、モスラー氏は、彼の金融理論を普及拡大するためにやるべき仕事がまだまだある、と語った。

“Economics is about the allocation of scarce resources,” Mr. Mosler said. “If there’s a food shortage, you have a real problem in divvying up the food. Right now, we have a dollar shortage because of mistaken notions about how the monetary system works. How does that make any sense?”
「経済学というものは、不足した資源の配分に関するものなんだ。もし、食糧の不足があれば、君は食い物の山分けをするにあたって実際上の問題に直面することとなる。現在我々は、金融システムがどう動いているかということについての間違った考えによって、ドル不足の問題を抱えている。ね、そうだろ? (注5)」

(注5)つまり、モスラー氏の考えは、カネであれ、食べ物であれ、不足しているものを補ってやれば経済はうまくいくのだ、という発想と思われる。訳者もこれまで、そのような観点でブログを書き、本を出版してきた。簿記を入口にマクロ経済論に立ち入るに至った点においても、訳者はモスラー氏に親近感を覚えずにはいられない。





モスラー氏のMMTのような、「国の借金大丈夫だ」論は、米国において、ネットでは支持を拡大しつつあるようです。しかし、彼のこれまでの選挙戦の結果をみるにつけ、リアルではあまり支持が広がっていないように思われます。
この点、アメリカは日本とかなり似た状況であるようです。


最近、NHKで参院選に向けた各党の参議院代表者の討論会を見ましたが、すべての党の代表者が「国の借金大変だ!」という前提で、どうやって借金を減らすか――やれ、増税だ、やれ、歳出削減だ――ということばかり語っていました。
リアル世界では、まだまだ「国の借金大変だ」教の勢力が極めて強大であるということの反映なのでしょう。
このような各党代表者の発言は、こう言わないと票が取れないという大前提に基づいているのでしょう。

そんな中、モスラー氏のような1%側に属する大金持ちである「国の借金大丈夫だ」教の指導者に関するNYタイムズの今回の記事は、この史上空前の猛暑の真っただ中で、私には清涼飲料水のようなさわやかさを与えてくれました。

まあ、私も私なりに、地道に布教活動を続けて行きたいと思う、今日この頃であります。





というわけで、



アメリカよりもインフレ率が圧倒的に低い

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アメリカよりももっと大丈夫。

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583:ロゴフ教授が謝罪!ユーロ債務危機の緊縮政策の参考となった「国の借金が大きいと成長しない」という結論はエクセルの操作ミスだった、と。

2013/04/19 (Fri) 10:33
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「国債を刷れ!新装版-これがアベノミクスの核心だ」







今回の表題の件、

第二次大戦直後、アメリカや日本の政府債務がGDP比で100%とか200%になったあと、両国とも人類史上空前の急成長を遂げたことを踏まえれば、当たり前と言えば当たり前ですが…


まずはコメント欄で教えて頂いた(ありがとうございます!)、日本語の記事のご紹介。


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「ごめんなさい」では済まされない! 財政切り詰め策の根拠となった論文に誤り 欧州連合の方針に疑問
http://markethack.net/archives/51871682.html
Market Hack 2013年04月18日

2009年にギリシャ問題が発覚し、それが欧州財政危機問題へと拡大した際、欧州委員会は危機を回避する政策を策定するにあたってひとつの論文を参考にしました。

それはハーバード大学のケネス・ロゴフ教授とハーバード・ケネディ・スクールのカーメン・ラインハート教授による「Growth in a Time of Debt(国家債務時代の経済成長)」という論文です。

ロゴフ教授とラインハート教授は『国家は破綻する』という本の著者でもあり、日本でも知られています。

ところがマサチューセッツ大学アマースト校の博士課程に学ぶトーマス・ハーンドンがこの論文に書かれている結果を再現しようとしたところ、ロゴフ教授とラインハート教授が主張するような、「国家負債が90%を超えるとGDP成長が著しく鈍化する」という結果が得られませんでした。そこで彼の指導教授であるマイケル・アッシュ教授ならびにロバート・ポーリン教授とともに「結果がそうならなかった」という指摘をしました。

これが両者の間で論争を巻き起こしましたが、結局、ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした為、一部のデータが演算に反映されていなかったことが判明しました。

ロゴフ教授とラインハート教授がエクセル操作上の凡ミスを全面的に認め、謝罪の声明を出すということで論争には終止符が打たれました。

しかし切り詰め政策を強要されているギリシャやスペインの国民からすれば「間違いでした、ごめんなさい」ですまされることではありません。

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ちなみに、ロイターでも

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「国家は破綻する」著者らが誤り認める、米研究者らの指摘受け
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE93H04720130418
ロイター 2013年 04月 18日

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また、Forbes誌でも記事が掲載されています。

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That Reinhart and Rogoff Committed a Spreadsheet Error Completely Misses the Point
ラインハートとロゴフ、スプレッドシートのエラーが完全なるミスであったと認めた

http://www.forbes.com/sites/realspin/2013/04/18/that-reinhart-and-rogoff-committed-a-spreadsheet-error-completely-misses-the-point/
Forbes 4/18/2013


Their 2010 paper in the American Economic Review, “Growth in a Time of Debt,” is perhaps the most quoted but least read economic publication of recent years. The paper concluded that advanced economies with debt in excess of 90% of their Gross Domestic Product suffer a diminution of economic growth.
彼らの2010年のAmerican Economic Reviewに掲載された「Growth in a Time of Debt」という論文は恐らく近年で、ほとんど読まれていないが最も頻繁に引用された経済出版物であろう。その論文では、GDP比で90%を超えた債務をもつ先進経済国では、経済成長の低減に苦しむことになると結論付けていた。

The professors (we’ll call them R&R) acknowledged yesterday that there were “Excel coding errors” in the analysis of the data which impacted their conclusions about the relationship between debt and growth.
教授ら(以後、彼らをR&Rと呼ぶことにする)は昨日、債務と成長の間の関係についての結論を決定づけたデータの分析において「エクセルのコーディングエラー」があったと認めた。


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これで、緊縮財政の流れが積極財政の流れに変わるかも知れませんね。

世界中で(日本含む)。


ということで、



 結論。 

 『もっと、もっと、国債を刷れ!』
 
 で、OK牧場 \(^o^)/



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579:「国債を刷れ!新装版-これがアベノミクスの核心だ」先行発売のお知らせ:国土強靭化万歳!国債を刷って刷って刷りまくれ!!!

2013/03/07 (Thu) 14:24


【「国債を刷れ!新装版

 -これがアベノミクスの核心だ」】間もなく発売です!



4年前、「国全体のバランスシート(=政府+民間の国家全体のバランスシート)を世に送り出し、日本の「国の借金」論争に大きな一石を投じたと自負させて頂いております、拙著「国債を刷れ!」の新装改訂版が間もなく発売の運びとなりました。



国債を刷れ新装版表紙

「国債を刷れ!新装版-これがアベノミクスの核心だ」





旧版との大きな違い
は以下のとおり:



①「はじめに」:国会議員たるもの、国土強靭化を推進すべし!
国連報告書の潘基文国連事務総長、テオ・ベン・グリラブ元ナミビア共和国首相による
・「国土強靭化」乗数効果と格差緩和効果がある
・国会議員たるもの、国土強靭化を推進すべし
という言葉を全面に打ち出して、国土強靭化がいかに重要で素晴らしいかを謳い上げています。


②「安倍総理でハイパーインフレのウソ」(p.127)
現代日本の「財政拡大」がいかにショボいか、そして、終戦直後のハイパーインフレ(笑)が、政府の財政拡大と日銀の国債直接引受けの中でものの見事に収束していった、という例の話を入れ込みました。
こんな話がグラフとともに書籍化されたのは本邦初、あるいは、世界初かもしれません。


③「とにもかくにも『国債を刷れ!』」+「『国土強靭化計画』200兆円は取るに足らない金額である」(p.260)

一番最後。今回の改訂本で最も爽快にして痛快なところ。

・「歳出削減」のイメージが強い「新自由主義」のサッチャーが在任中に歳出規模を倍以上にし、レーガン、ブッシュも倍近くにしていたという、世界中の「新自由主義者」顔面蒼白必至のあのグラフを掲載。

・小渕政権と小泉政権の歳出拡大(縮小)、名目GDP成長率、インフレ率を世界全体の中でどういう位置づけになるか評価(これは完全に新しい箇所)。「無駄遣い」の権化のように忌み嫌われる小渕政権の歳出拡大が世界に比していかにショボいものだったか、そして、小泉政権の歳出削減が世界の中でいかに…

・政府総支出と名目GDPがいかに深い関係にあるか、3000近いデータセットで検証。世界の中位国の歳出拡大ペースでいけば、10年間で200兆円の国土強靭化計画など取るに足らない金額であり、この程度でギャースカ騒ぐのがいかにバカバカしいかということを、データに基づいてズドンと示します。


④その他、旧版に掲載していたグラフや表のデータを出来る限り新しくしています
このデータ更新した箇所の中で、もっとも特筆すべきが、2000年を基準にしたジンバブエのドル建て・一人当たりGDPの伸び率です。なんと、日本はこのハイパーインフレ破綻国に負けてしまっています!
歳出削減なるものがいかにアホらしく、バカバカしく、とてつもなく国民を愚弄するものであるか、よく分かるというものです。産業の生産性がガタガタ→外貨建て借金であっぷあっぷ→ハイパーインフレを起こした国」に負けてどないすんねん、責任者出て来んかい!!!という話です(本の中ではここまでは書いていませんが!)。




※この「国債を刷れ!新装版」の発売とともに、旧版の「国債を刷れ!」は廃版となります。

※ユングの集合的無意識とかヒッグス粒子とかが出て来る本については、また別の案件であります。お楽しみに!






【先行発売のお知らせ】

明日8日の18時ごろから、以下の東京と横浜の書店で先行発売となります:



(東京駅)八重洲ブックセンター 本店(東京駅 八重洲南口)

(新宿駅)紀伊國屋書店 新宿本店(JR新宿駅東口 徒歩3分)


(池袋駅)明和書店 池袋店(西武池袋駅改札内)


(上野駅)ブックエキスプレス エキュート上野店(JR上野駅3F)


(神保町駅)三省堂書店 神保町本店(神保町駅徒歩5分)


(人形町駅)文教堂書店 人形町店(人形町駅 徒歩3分)


(日本橋駅)丸善日本橋店(日本橋駅B3出口直結)


(横浜駅)有隣堂書店 横浜駅西口ザ・ダイヤモンド店(横浜駅西口地下街内)


(桜木町駅)紀伊國屋書店 横浜みなとみらい店(桜木町駅前Colette・Mare みなとみらい5F)


(半蔵門駅)山下書店半蔵門店(地下鉄半蔵門駅出口すぐ)










 
 国土強靭化、万歳!

 国債を刷って刷って刷りまくれ!!!



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574:NHKスペシャル「日本国債」→財務省が「海外で日本国債の安全性を訴え、長期保有を呼びかけています」とナレーション

2012/12/25 (Tue) 13:04
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1.“章別の内容紹介”→こちら
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一昨日、日曜日の夜9時に放送された

NHKスペシャル「日本国債」 について。


まずはNHKサイトの紹介文を引っ張りながら、私の所感をつれづれなるままに:


http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1223/index.html




年々膨れ上がる“日本の借金”、日本国債の発行残高が、ついに700兆円を超える。その額は、対GDP比でみると先進国では最も大きい。



なお、番組本編のナレーションでは「日本の財政は先進国で最悪」と言っていました。



さて、

明治維新以来、日本政府の借金がゼロになったことなどありません。

政府債務が年々増えるのは当たり前。



成熟した先進経済国では、通常、国民は貯金を増やします。
マネーは資産・負債の両面の性質をもつ、いわば、「両性具有対」です。
誰かがマネーを貯金すれば、他の誰かが必ず借金としてのマネーを背負い込むことになるのです。

後進国ならば、いまだ貯金する余裕もないですから、国民は日本でも江戸時代にあったような「宵越しの銭は持たねえ」的な生活をすることになり、貯金もなく借金もない、という仕組みも可能です。

先進国ならば、北欧型の高福祉政策によって安心感を持たせ、貯蓄の必要性をなくさない限り、国民は貯金を増やし、政府の借金が増えるのが当然の理屈です。


よって、日本政府の借金が大きいのは、先進国のなかで「財政が最悪」なのではなく、先進国のなかで最も安定している、ということを意味するのです。安定しているから政府の負債も民間の貯蓄も安定して両建てで増えているのです。



日本対外純資産



マネーのこの「両性具有対」としての性質を、ユング風に言うと、心の中の思考機能を用いた論理的理解だけでなく、感情機能を用いた情緒的理解を、国民全体に広める必要があります。

それをやるべきなのがNHKのような公共放送だと思うのですが、いかがでしょうか?








莫大な国の借金は、ヨーロッパでは信用不安の原因となり、混乱が続いている。その額の大きさから“薄氷の上にある”とも例えられる日本国債は「安全な資産」として資金が集まって連日高値を記録し、長期金利は10年ぶりの低水準で盤石にみえる。



「日本国債は『安全な資産』」って、その通りじゃないですか。

えーと、番組中で「薄氷」といっているのは、作家の幸田真音さんですが、「日本は薄氷薄氷」と言っている間に、「先進国で財政が最悪」なはずの日本より健全なはずのアイスランドやギリシャが破綻してましたね。

日本の「薄氷」は薄くて丈夫な最新鋭のカーボンファイバーか何かで出来てるってことでしょうか?




これに対し、人々の預金を元手に国債を大量に保有する金融機関では、国債価格の下落に警戒を強めている。



そりゃまあ、銀行さんは価格変動リスクがある長期国債はあまり買いたくないでしょう。
だって、今、金利は歴史上最低水準です。つまり、長期国債の価格は歴史上最高水準です。いま、長期国債を買うのことは高値掴みになること間違いなし、というのは小学生でも分かる理屈です。
誰が好き好んで買いまんねん。

でもそういう時は、日銀が「金融調節」目的で買うし、それに、長期国債が不人気になるのと入れ替わりに短期国債の人気がうなぎのぼりになりますね。それは実際、近年において、日本でもドイツでも起こった現象です。




デフレ対策のため、事実上、国債を買い支えている形になっている中央銀行「日銀」は、購入による副作用を意識しながらも、かつてない額の買い入れを行っている。



副作用。
確かに、金融緩和だけやって財政出動しないと、副作用が起きるでしょう。
財政出動のような国内での投資計画、国内での具体的な使途が準備されない限り、かつてケインズが予言したようにキャリートレードが盛んになって、例えば原油や穀物の先物価格を押し上げ、輸入物価の上昇を招き、下手をすると物価だけ上昇して景気はよくならない「スタグフレーション」になります。

だから、国土強靭化などの財政出動、まさしく「国内での具体的な使途の準備」が必要なんですよ!


え?幸田さん、規制緩和も必要っておっしゃるのですか?

ならばここは思い切って、「原発の発電停止」という規制の緩和をしてみるのはいかがですか?




そして海外のヘッジファンドの中には、人口が減少し低成長が続く日本は、やがて苦境に陥ると予測し「次なるターゲットは日本国債」と公言しはばからないところまで出てきている。



ああ、これはこれは、なつかしのカイル・バス氏ではないですか。番組本編にご出演されていました。

2010年 1月 4日 ウォール・ストリート・ジャーナル の記事でもこんな記述がありました:

―――
ヘイマン・アドバイザーズのカイル・バース氏は、「(日本の国債価格の暴落は)必ず起きる。問題はいつ起こるかだ」と語った。同氏は起こる方に賭けている。
―――

えーと、もう、それから3年近く経ってるんですけど…

日本国債の暴落が必ず起きるかどうか分からないなかで、ヘイマン・アドバイザーズのお客さんは皆、極めて我慢強い人種であるということだけは確定的事実として分かります。


日本国債にまつわるヘッジファンド云々については

「ヘッジファンドで国債暴落→日本終了」のウソ

↑このエントリーで大量のデータ付きで解説していますので、ご参照ください。




欧州の信用不安。アメリカの景気の先行き不安。こうした状況から、豊富な個人金融資産と対外資産を持つ日本の国債は、今のところ“安全”と見なされて買われている。しかし、ひとたびその安定が崩れれば、財政が悪化し、暮らしに直結する公共サービスが滞り、企業経営、個人の家計にも大きな影響が出るとの懸念もある。



「ひとたびその安定が崩れれば」って、どないやねん。

番組本編では「IMFが日本の政府債務が大きすぎると言っている」ということを紹介していましたが、こないだ発表された別のIMFのレポートも紹介してみればいかがですか?

そのIMFレポートでは、日本は「その安定」が先進諸国の中でももっとも崩れにくいと評価しています。




日本国債に今何が起きているのか。番組では、安泰に見える現状の背景で進む大きな変化を、ドキュメンタリーとドラマで多角的に描く。



よその国はもっと大変やがな。

というか、終戦直後の、広島や長崎に原爆を落とされ、全国の大都市がことごとくB-29で爆撃されまくった状態とくらべて、どれくらい大変でどれくらい安泰か、という多角的な視点も必要ではないかしら。




ちなみに、番組の中で、以下の二冊の本が紹介されました:

三橋貴明氏
日本は「国債破綻」しない!





朝倉慶氏
2012年、日本経済は大崩壊する!




うーん、2012年はあと6日。
ということは、日本経済はそろそろ「大崩壊」するんすかね?







では次に、番組本編の最後の方の内容をご紹介。

ジョージ・ソロスと一緒にガッポリ儲けていまはシンガポールご在住の有名な投資家(というか投機家?)ジム・ロジャーズ氏が登場しました:

―――

私は日本を愛しています。
東京は大好きな都市です。
しかし、日本には驚くほど借金があり、
毎年積み上がっています。

解決策は3つ。
まず“子供を増やすこと”。出来ていません
“移民の受け入れ”も拒否しています。
あとは“生活水準を下げる”しかありません。

日本国債は厳しい事態に陥るでしょう。


(以上、シンガポールでの講演の映像。字幕付き)


多くの人が日本国債の下落で儲けようとしましたが、
この15年間誰もが失敗し続けてきました。
しかし、日本国債を売るタイミングは近づいてきていると思います。


(以上、単独インタビューの映像。字幕付き)





ロジャースさん、申し訳ないですが、余計なお世話です。

移民の受け入れって、あんた、シンガポールがつい最近制限し始めたやないですか。

「移民お断り」に転換 ― シンガポール:格差差拡大&中国人若手投資家フェラーリ暴走死亡事故で国民がたいそうご立腹


大体、移民受け入れで財政再建って、何ですかそれ?

移民受け入れます。
移民の皆さん、年金に入ります。
移民の皆さん、高齢化します。
それでもって
「ワタシ、年金モライマス。
 デモ、
日本ノ物価、高イネ。
 自分ノ国ニ、帰リマス。
 アディオス、ツァイチェン、アンニョンヒケセヨ~」
ということになったらどうしまんねん?



それから、

「多くの人が日本国債の下落で儲けようとしましたが、
この15年間誰もが失敗し続けてきました。」


とおっしゃるなら、この15年間で実際に財政破綻した国々、

例えば、
ロシア(98年)
ナイジェリア(01年)
インドネシア(00年、02年)
ドミニカ共和国(05年)
アルゼンチン(01年)
エクアドル(08年)
パラグアイ(03年)
ウルグアイ(03年)
アイスランド(08年)
ギリシャ(12年)
と、日本の違いについて、少しは調査しはったらどうですか???


これら破綻国と日本の違いについては私の↓この本を是非お読みくださいませ。



「国の借金」アッと驚く新常識 ~"年金絶望世代"も元気が出る




もっと書いておくと、破綻した国はたいてい、破綻前と比べて物凄い勢いで成長してます。念のため。


成功した投資家。成功した経営者。
皆さんが陥りやすいのは、国家財政を企業会計と同一視してしまうことです。

だから、「借金が増えると大変だ」という考えと「政府の借金が増えると大変だ」という考えが「同一化」してしまうのであります。

このような考えから「脱同一化」すること、仏教で言うところの「解脱(げだつ)」をすることこそが重要なのであります。






さて、番組の内容紹介を続けます。


財務省の国債投資情報官の方が登場し、シンガポールの政府系投資機関「GIC」を訪問している様子を映しながら、以下のようなナレーション:

「アジア、中東各国を回り、日本国債の安全性を訴え、長期の保有を呼びかけています」



つまり、日本国債は安全なんですね!

そりゃあもう、上記のIMFレポートを見せりゃ、イチコロでしょう。


最後、財務省の国債業務課の様子を映しながら、こんなナレーション:

「国家の財政を支える日本国債。この日も順調に発行されました。
 国際の信用を保って行くには何が必要か。
 発行残高709兆円。
 日本の大きな課題です。」



日本の大きな課題はマスコミの皆さんのこのような報道姿勢だと思いますが…。


経済をカネで考えるからこのようなことになってしまいます。


カネで考えても様々な指標を「多角的に」見てやれば日本は大丈夫ですが、
経済の根本はモノです。モノが足りるかどうか。

だから、明治維新政府が行ったように、国(中央政府)が借金を増やしてでもモノを充足させるための投資をしっかり行うことこそが、国家の永続的繁栄につながるのです。




 NHKの番組、

 財務省の国債投資情報官について、
 
 
『アジア、中東各国を回り、

  日本国債の安全性を訴え、
 
  長期の保有を呼びかけています』


 とナレーションしていたところにこそ

 日本国債の本質が出ていましたな




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