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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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199:年金問題、何が問題?【2】

2009/05/02 (Sat) 15:26


まず、

〈1〉現役世代4000万人だけで、引退世代4000万人に必要な「モノ・サービス」の供給が滞りなく行えるかどうか

を考えましょう。

問題は、お金が足りるかどうかではなく、モノ・サービスの供給が足りるかどうか、です!

別の言い方をすれば、「悪性インフレが発生する懸念が高まることに、どう対処するか」ということになります。


世の中では、年金のお金が足りるかどうか、という議論しかなされていないように感じますが、

お金なんてマネタリーベースの供給増加や信用創造でいくらでも創り出せる(例:ジンバブエ)
ので、

年金問題はお金の問題ではない

のです。

厚労相の諮問機関委員も務めた日本総研の西沢和彦さんの「年金制度は誰のものか」p.43のグラフによると、
2045年くらいに、「現役一人で引退世代一人を支える」状況になるようです(氏が国立社会保障・人口問題研究所のデータを基に予測されています)。

なお、
私、まだ途中までしか読んでいませんが、
この「年金制度は誰のものか 」のお陰で、複雑怪奇な年金システムについて、かなり頭の中で整理が付きました^^;


そして、一方で、

現在はデフレが問題


この10数年、日本は文字通り世界一のデフレ状態を続けています。

デフレのときは需要を伸ばす積極財政こそが必要ですが、

人口動態を考えれば、
あと30年くらいしたら、問題は逆にインフレになることが、火を見るより明らかと言えます。


ということで、課題設定はこうなります:

現在のデフレを解消し、かつ、将来のインフレ懸念を払拭するにはどうしたら良いか?

これまで繰り返し引用している、
オバマ米大統領の↓これがやはり分かりやすいと思いますので、もう一度引用しますと:
教育と科学技術とエネルギー的独立への投資
カギとなるでしょう。

政府の支出は増やし、需要を創出する。
しかしそれは、将来の生産性を高め、将来のインフレ懸念を払拭する形での支出に重点を置く。

つまり、

景気対策と将来投資を両立するハイブリッドな財政出動

という方向性です。

さて、
技術投資やエネルギー的独立について、もうちょっと具体的に書きますと


○エネルギーの自給率を高めるための技術投資

 ・太陽光発電、風力発電、地熱発電等の普及促進。

 ・メタンハイドレートなど日本のテリトリー内で採掘できそうな代替エネルギー源に関する研究開発促進

○食糧自給率を高める投資

○労働力不足を補うためのロボット技術の開発促進
   ⇒工場用ロボット、介護ロボット、農業用ロボットなど

○資源再利用技術の開発促進
  (現在のリサイクルでは、
   リサイクルに使うエネルギーの方が新規製造より大きい
   のでムダという説もありますが、

   たとえば、太陽光発電は、発電装置の製造に要したエネルギー
   「12~21倍」産総研
   のエネルギーを生み出せるそうですので、
   これを使えばリサイクルのエネルギーのムダを補える可能性があります。
   また、リサイクル自体で使うエネルギーを極力小さくする工夫
   研究開発することは、資源のない我が国には有用でしょう)

といったことです。

これらがうまく行けば、
一人で一人支える時代でも供給はスムーズになるし、
輸入増加を抑制し、輸出増加を促進できるので、経常収支もなんとか黒を維持できることになるでしょう。


〈2〉お金が海外に流出しても、大丈夫?

について




基本的に、
日本人が海外に投資するとしても、上図のように、
日本に投資したい外国人が円を買わない限り、外貨は手に入りません
(日本円で外銀に預金しておきたい需要もあるでしょうが、それは無視できるくらい小さいです)

そして、その外国人は日本に日本円で投資します。

ということで、
日本人が外国に投資しようと思ってドルに交換した1億円も、結局は巡り巡って日本国内に戻ってきます。

なので、日本国内の日本円預金の総額も、相手方の米国内の米ドル預金の総額も、これでは減らないのです。

この外国人投資家が、日本株を売って本国に資金を引き上げるときも、
手にした円の預金は何だかんだいって、他の日本に投資する外国人投資家または、外国からの投資を引き上げようとする日本人に渡り
結局は日本に戻ってきます

「損した、得した」があっても、預金の量は変わりません。

ただし、為替レートには影響があります。


ということで、
問題は為替レートの変動、特に行過ぎた円安
ということになります。

一つの安心材料は、日本の対外純資産が世界最大という点です。

円安になれば、外貨建ての対外資産が円ベースで大きくなり、
それに伴って所得収支の黒字も拡大しますので、過度の円安に対する強力なブレーキになります

また、
〈1〉の対策をしっかりやっておけば、
貿易収支もなんとか均衡は保てるでしょうから、
この意味でも〈1〉の投資は非常に重要です。

何だかんだいって、お金なんていくらでも創れるんだから、年金問題もお金の問題じゃないよね。現役一人で引退世代一人を支えるには、モノ・サービスの供給力強化が肝心なのねん、と思われた方は、こちらのリンクのクリックをお願い致します↓ m(_ _)m

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200:年金問題、何が問題?【1】

2009/05/02 (Sat) 15:24
今回は、メールでご要望のありました、年金について考えてみたいと思います。

現在、

公的年金(厚生年金、公務員の共済年金、国民年金など)
保険料収入は合計で大体26兆円

公的年金の給付額は合計で大体42.5兆円です。

不足分(42.5-26=16.5兆円)は、端的に言えば

税金、国債発行、年金積立金の運用収益または積立金の取り崩し

などにより賄われています

以下、
話を単純にするため、不足分は国債発行だけで補うとして説明します。

また、
とりあえずお金は国内だけで回っている状況で説明します(対外取引については後述

↓図はクリックで大きくなります(携帯の方は見にくくてスミマセンm(_ _)m)




↑図の上に書いたように、現在は現役2.5人が1人の引退世代を支えています。

それと、少々説明を加えます。

まず、このモデルについての、仮定と前提

引退世代は仕事は一切せず、現役だけが仕事(モノ・サービスの提供)をすると仮定。

・引退世代は受け取り年金のうち、7割を消費、3割を貯蓄に回すと仮定。

預金は全て国債で運用されると仮定
 (預金の運用が他に回ったとしても、結局は他の誰かの預金になるだけなので、
  この仮定は特に問題ありません)

現役世代は100%民間と仮定する(本当は約1割は公務員ですが、簡単のため)

・繰り返しになりますが、簡単のため、税金のことは考えません

・また、経済全体ではなく、年金のお金のやり取りだけを見ます。


それと、以下、お金の流れについての説明です:

1.国は引退世代に年金給付42.5兆円を支給する

2.引退世代の消費支出により現役世代に渡ったお金(30兆円)は、
 現役世代の「ビジネス・ワールド」の中でのみグルグル回ります
 (モノ・サービスの回転と逆方向に)

  ↑こうやってお金がグルグル回ってもお金の量が変わるわけではありません
 (誰かの預金が、他の誰かの預金、またその次の誰かの預金になる、というように
  預金の持ち主がクルクル変わるだけです)

3.「現役ワールド」に入ったお金のうち、年金保険料として、26兆円がお国に召し上げられるとします

4.現役ワールドに入ったお金全体の量は変わらないのですから、最終的には
 30兆円-26兆円=4兆円が、現役世代の預金として残ります。

5.国は26兆円の保険料収入、それから現役世代の預金4兆円が国債となることでの収入
  引退世代の年金給付のうち預金に回った12.5兆円が国債となることによる収入
  で、合計42.5兆円のキャッシュフローを得ることになります。

6.そして、そのキャッシュフロー42.5兆円を年金給付金として、引退世代に渡す

7.再び「1.」へ。


というループです。

このループを繰り返すと、

引退世代は毎年12.5兆円ずつ預金が増え

現役世代は毎年4兆円預金が増え

国の国債発行残高は、毎年16.5兆円増えることになります。

これ、「国債による信用創造で預金が増える」の構図です。


さて、次に、
現役1人で引退世代1人を支える状況を同じように考えて見ましょう

↓図はクリックで大きくなります(携帯の方は見にくくてスミマセンm(_ _)m)




さっきの現在は現役2.5人が1人の引退世代の図と基本的には全く同じです。

保険料は現役世代が減っている分、比例的に減らして書いてありますが、

現役世代の「ビジネス・ワールド」でグルグル回るお金の量(逆方向のモノ・サービスの回転を伴うお金の回転の量)
が大きければ、所得も大きくなり、
保険料も増えますので、

実は、保険料はもっと大きくなるかも知れません。

その場合は、
国債発行が減り、国が借金する必要が減りますが、現役世代の預金は小さくなります。

ただ、
その場合は景気が良いということになり、
民間での、借金⇔預金の応酬による信用創造が大きくなるので、
現役世代の預金が必ずしも減るわけでもないですが。


ということで、
国内でお金がグルグル回るだけであれば、お金の面での問題はありません。

お金の量は変わらず、というよりは、むしろ増える一方ですので、金詰りになることはありません


では、

問題は何か?

というと、

〈1〉現役世代4000万人だけで、引退世代4000万人に必要な「モノ・サービス」の供給が滞りなく行えるかどうか

と、もう一つは

〈2〉お金が海外に流出しても、大丈夫?

ということです。

【2】に続きます→ http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/16160690.html

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