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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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49:続 「破綻」を再定義してみます[2]

2010/01/16 (Sat) 13:35

[1] http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/23867535.html からの続きです。





羽柴藤吉郎による鳥取城包囲戦の話です。

とにかく、藤吉郎は鳥取城を攻めおとさなければならない

が、なにぶん山陰有数の堅城であり、力攻めすれば、損害ははかり知れぬであろう。

ということで、兵糧攻め、というわけです。

(敵に、飢饉(ききん)を与えることである)

それを主題とし、その主題をつらぬくためのあらゆる方法を考案し、用い、主題以外の方法はすてることにした。


↑国の借金大変だ教の「経済学者」様に決定的に足りないのは、このような主題でありますまいか?



いまは、雪で鳥取までゆけない。

しかしこの時期になすべき飢饉作戦の一方法がある。


米を買いしめることであった。

ということで、秀吉は商人上がりの小西行長らに命じ、若狭(福井県)あたりから船を差し回して鳥取あたりの米を買い占めさせました。

「北陸はたいそうな飢饉じゃ、米でもよい、麦でもよい、大豆でもよい、この土地の値段の二倍で買おう」
とさかんに吹聴したから、百姓どももあらそって売った。

籠城中の山名家の諸将も、

――兵糧を売って軍資金の足しにしよう。

とし、むやみに持ちだしては売った。


城内には金銀がつみあげられて行ったが、兵糧はとぼしくなった。


はい、

カネはあっても食糧が無い

というパターンのいっちょ上がりというわけです。


そんな中、

山名家諸将から請われて毛利家から派遣されて入城した

吉川経家

は、城の兵糧が空っぽになっていることに、驚きあきれてしまいましたが…

しかしあれほど景気よく買いに来た若狭船がじつは織田家の兵卒だったことは因幡(いなば。現在の鳥取県)人はおろか、経家も気づかなかった。

そのようなことが兵法であるとは、先人の経験にもなく、兵書軍書にも書かれていないのである。


雪解けを待って秀吉は二万の兵を引き連れ、

兵糧のほとんどない鳥取城の周囲に包囲のための堅固な城郭を築き

蟻の這い出る隙間も無いように厳重に包囲します。


さて、籠城四ヶ月

城内は地獄であった。

この地獄のなかで、かろうじて山名衆を統率できたのは吉川経家の徳望であったといえるであろう。



四月目には、紙や草など咀嚼できるものはすべて食いつくし、馬も、乗り替え馬や荷駄の馬はすべて食いつくし、

ついに一部のあいだで餓死者の肉を食う者が出てきた

古来、人肉を食った例は、残されている資料ではこの鳥取城の場合しかない。



さすがに士分のあいだではそれほどの事象はみられなかったが、

足軽以下には名誉心がとぼしく、容赦なく屍肉を食い、

死体をあさるために夜間柵のそばまで忍びよって味方の戦死者の足をひきずろうとする者も出、

それが羽柴方の哨兵に撃ちころされるや、その男を他の味方が食ってしまうというありさまになった。

さらには生きている者さえ殺され、仲間に食われた。



このような日本史上稀にみる悲惨な事態になるとは、
当の秀吉にとっても予想外の事態だったのですが、

城方のこのような状況を知るに至り、
殺生は好まないので、

・城さえ明け渡してくれれば、城兵の命は全て助ける

但し、
 「勝敗のあかしだけはせねばならぬ」ので、
 「城方の重だつ者、指名はせぬゆえだれでも、一、二人自殺してもらえばよい」

という非常に寛大な条件を出し、城方もこれを受けることにしました。


秀吉

落城の責任などまるで無い「被害者」としか思えない上、人物としても優れている吉川経家を本音では助けたかったのですが、

責任感の強い経家は自決してしまいます。




本当の意味での破綻というのは、これくらいの

そこかしこに死体が転がっている

というような事態です。

「破綻破綻」と騒いでいる破綻教の「経済学者」様には、よくよくこの事例について深く深く考えてみていただきたいと思います。


あなた方は、
あなた方が「国の借金が大変だ」と騒いでいるせいで備えが間に合わず、日本全体が鳥取城のような極度の食糧難の状況になったとして、

吉川経家公のように立派に振舞えるや否や、是非とも御自らの胸に聞いてみて頂きたい。

このように思う今日この頃であります。

「国民が100年後も1000年後も生存を続けること」、「それを主題とし、その主題をつらぬくためのあらゆる方法を考案し、用い、主題以外の方法はすてる」こと以外に一体何が重要なのか、破綻教の「経済学者」様には是非とも明確で現実的な代替案を出して欲しい!!!(たぶん、全くノーアイデアだろうけど) と思われた方は、↓下のリンクのクリックをお願いいたしますm(_ _)m

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50:続 「破綻」を再定義してみます[1]

2010/01/16 (Sat) 12:02

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いつも、ありがとうございますm(_ _)m





本日は、

国の借金大変だ教の教祖(である「経済学者」様)及びその信者の皆さんへの友愛メッセージとして

昨年7月に書いた

【「破綻」を再定義してみます 】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/19918596.html

続編を書いてみます。


※今回の記事は食事時やお食事直後は避け、空腹時にご覧になることをお薦め致します。
 阿鼻叫喚の地獄絵図的な描写が出てくる予定ですので…



おさらいですが、「財政破綻」とはなんでしょう?

もちろん、

・返済期限までに

・債務の一部または全部を返済できないこと

です。


平たく言えば

借金を踏み倒すこと

です。


で、前編でも書きましたが、

仮に政府の借金が返せなくなったからと言って、即「この世の終わり」と言うわけではありません

借金が返せなくなり、信用が失墜し、決済ができなくなり、物流が滞ることにより、

国民生活を維持するための物資の調達ができなくなること

これが問題でごわす。


別に借金が返せなくなっても、極端な話、食べ物さえあれば生きて行けます

しかし、

借金をバンバン返せるくらいカネが有り余っていても、食べ物がなければ人間、死にます。当たり前ですが。

(この単純明快な事実を破綻教の「経済学者」様はお分かりでしょうか?分かっておられないでしょうね、きっと。)


さて、このような問題は、別に「財政破綻」しなくても十分起こり得ます。


例えば、イランの核武装が成り(または成りかけ)、イスラエルが我慢できなくて先制核攻撃を仕掛けることで第5次中東戦争が勃発したとすれば、

最悪の場合、中東からの石油の供給が完全に止まってしまい、エネルギー自給率が原子力を入れても16%程度しかないこの国はどえりゃーことになります。

エネルギー供給が止まれば、トラックも電車も船も飛行機も動きませんので物流が止まります(備蓄が尽きるまでは大丈夫ですが)。

それに、トラクターも動きませんしビニールハウスの温度も保てませんから、食糧生産も滞ります


そんなことになれば、

カネがどうのこうの、国の借金がどうのこうのという、実に下らない議論をしているヒマなどありません。そんな下らない議論をしているうちに、餓死者が増える一方となりましょう。


その前に、

財政黒字が続き、かつ、破綻直前の公的債務GDP比が50%台でしかなかったアイスランドが破綻したのは外貨建て債務(しかも、民間の)が原因

ということに、そろそろ気づいたらんかいや破綻教の「経済学者」様よう、というべきでしょう。

それとも、

アイスランド政府の財政収支や公的債務GDP比を調べようにも英語が読めないのでデータベースにアクセスすることすら出来ないのでしょうか。

自国通貨建て債務と外貨建て債務の区別ができない、つまり、理解ができないような方が「経済学者」を名乗るべきではありません。本当に。

名乗るなら「経済無学者」でありましょう。


さて、

上記のような「第5次中東戦争」うんぬんという事態は全く起こりえないような絵空事ではありません。そう遠くない将来に十二分にあり得る話です。(もちろん、起こらないことを心底祈りますが…)


また、

このような最悪の事態に備えることこそ、政府の役割であり、財政出動の狙い目はここに重点を置くべきでありましょう。

これが兵略というものです。

無恃其不來、恃吾有以待也

その来たらざるを恃(たの)むことなく、われの以って待つあるを恃む

「孫子」九変篇

非常事態が起こらないという前提に立ってそれに依存するのでは無く
非常事態に能動的に備えておくことに依存すべきである

というような意味です。


ラテン(つまりローマ人)のことわざにも
賢者とは平時から有事に備える者のことである

というのがあります。


日本のことわざで言えば、「備えあれば憂いなし」というやつです。


ここで、

国の借金大変だ教の「経済学者」様に是非お聞きしたいのは、

上記のようなことに備えるための財政出動によって

現在の需要不足と将来の供給不足の解消を図る

という以外に、あなた方には将来にわたって国民を飢え死にさせないための代替プランがありますか?

という問いです。


国の借金(というか政府の負債)を含めたあらゆる負債とその相手方である金融資産というものは、国民に物資を効率的に行き渡らせるための手段でしかありません。

そして、
金融資産から負債を差し引くとゼロになります(日銀「資金循環統計」のように、株式を便宜上、時価で発行主体の負債とした場合ですが)。

昔は物々交換でも国民生活は成り立っていましたが、その場合、金融資産も負債もゼロであり、ゼロからゼロを引けばやはりゼロです。

つまり、

金融資産から負債を差し引けばゼロというのは、現代の貨幣価値経済でも昔の物々交換経済でも何ら変わりません。


カネ、金融資産、負債、国債…、こういったものは道具に過ぎません。

うまく使いこなすことだけ考えれば良いのです。

あくまでも主人は人間様であり、人間様はカネ、金融資産、負債、国債といったものの奴隷などでは決してありません。



さて、

カネがあっても食糧がない

という状況がどのようなものか端的に示す

日本史上でも悲惨極まりない状況に陥った籠城戦の話をします。


羽柴秀吉に包囲された鳥取城の話です。

以下、司馬遼太郎「新史 太閤記」文庫版下巻p.35あたりからの引用を交えながら書いてゆきます。


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