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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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351:銀行はおカネを発行しています(信用創造の分かり易い説明)

2010/09/29 (Wed) 22:41




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↑これに関連しまして、
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FreeJapanPatoriots of Japan

【請願】尖閣問題に憤る全ての皆様への協力依頼
FreeJapan http://www.sns-freejapan.jp/2010/09/28/senkaku-3/
Patoriots of Japan http://www.poj-cobaltblue.com/data/seigan.html

を紹介されていましたので、本文でも紹介させていただきました。

少しでもご興味のある方は是非ご覧になって下さいませ。

ちなみに、
Patoriots of Japan
のページの方では、自衛隊のかっこいいプロモーションビデオのリンクも貼ってあります。




さて、本題です。


とある必要性がありまして、

銀行がおカネ(預金)を増やす様子
 (つまり、信用創造Money Creationの仕組み)を

今までよりも分かり易く説明できんもんやろか

と思い、

↓下のような説明を考えてみました。

(「いや、ここがちと分かりにくいでー」

  という部分がありましたら、コメントなど頂けますと幸いであります。)


↓ここからです。



銀行預金

「月光仮面のおじさん」
(どーこのだーれかは、知ーらないけれど♪
 …はやてのよーに現れて♪)

みたいにどこからともなく湧いてくる様子を説明するために、

下のようなグラフを使ってみたいと思います(出典:日銀「資金循環統計」)。



銀行預金の増え方(信用創造)




以下、このグラフを使って説明して行きます。


まず、銀行というのは何をやっているのかというと、

借金をして、金融資産に投資する

ということをやっています。


これは最近はやりのFXと同じようなものです。


FXの場合はFX業者にタネ銭である証拠金を10万円あずけると、
100万円とか1000万円の外貨を買えるわけです。


銀行の場合は、

例えば1兆円の証拠金を日本銀行に預ける(グラフの資産側の現金預金の一部)と、

100兆円の借金(グラフの負債側)をして

金融商品(グラフの資産側)買って良いことになります。


さて、

このときにできる銀行の借金というのは主に預金という形になっています。

預金というのはこれは銀行が発行する借用証書みたいなものです。


銀行が住宅ローンという形で皆さんにおカネを貸すときは、これは

皆さんが銀行に借金すると同時に、銀行も皆さんに借用証書を渡すことになります。


そして、

皆さんは銀行からもらった借用証書不動産屋に引き渡すことで新しい家を受け取るわけです。


それで、

不動産屋はその銀行の借用証書

自分とこの従業員に給料として渡したり、家を建てた大工さんに渡します。


さて、

結果として、銀行には
あなたに貸した住宅ローン(グラフの資産側の貸付金)という資産と、
預金(借用証書)という負債両方増えたことになります。

これが国全体でみると10年、20年くらいかかりますが、
何百兆円という規模で増えることになります。


そして、

この預金(借用証書)の持ち主は、

不動産屋からそこの従業員たちや大工さんに分散して行っています。

これが預金というものの特徴(=おカネとしての特徴)なのですが、

要はこの預金という銀行が発行する借用証書おカネそのものです。

逆に言えば、この借用証書世の中ではおカネとして通用しているということになります。


さて、

銀行というのは、

誰かにおカネを貸すのと同時その反対側で借用証書を発行し、
それはおカネを発行しているということと同じであるわけです。

80年→98年では預金という「おカネ」が360兆円くらい増えています。

98年→09年では、預金それほど増えていませんが、
資産側の「貸付」が減り「国債」が増えています。


銀行おカネを借りてくれる人がいて初めて預金というおカネの発行を増やせますが、

いま、全体としては民間の借り手は減っている状況です。
98年と09年を比較すると、貸出金等が減っています

こういうときは政府が頑張って国債の発行を増やさないと、預金というおカネは増えるどころか、減ってしまいかねません。

預金というおカネが減ってしまうことになると、
デフレはますます加速し、
景気はいつまで経っても良くならないという、

経済というのはこういう構造になっているわけです。

デフレ脱却のためには、
もっと国債を増やし、
預金というマネーをもっと増やす必要があります!




「国債をもっと刷れ!」(但し、使い方には要注意)

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<著書紹介>
さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信


【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
  こちら→ http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc
  
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350:北斗の拳の替え歌:尖閣諸島編

2010/09/27 (Mon) 22:36




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 内需拡大は外需をも拡大するということを
 複数の実例を挙げて解説
している
 私目の著書


 「さらば、デフレ不況」

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私、「政治ブログランキング」に参加していながら

普段はあまり純粋な政治ネタは書いていないのですが…

今回、さすが「謝罪と賠償を」とまで言われると…




ということで、

久しぶりに北斗の拳の歌の替え歌を作って見ました♪

ちなみに、前回は↓こちら

【「公共事業をとりもどせ」】
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-52.html



今回のタイトル

「友愛の海をとりもどせ」



YOUAIはSHOCK いきなり漁船が ぶつかってくーるー

YOUAIはSHOCK 友愛の海で ぶつかってくーるー


熱い心鎖でつないでも 今は無駄だよ

邪魔する奴は「圧力」一つで ダウンさー


俺との友愛を守るためー

お前は船長を釈放しぃ~

国民の支持を うーしーなぁ~ったああ~

微笑み忘れた菅など

見たくもないさあ~

友愛の海をとりもどせえぇ~





ここで唐突ですが、

私の妄想の中の
理想の日本国総理大臣発言集:




「何?わが国の領海内で海上保安庁の船にぶつかってきた漁船の船長を無条件で釈放しろだと?」


「何言ってんだてめー!?

 ロシア人みたいにいきなり発砲して漁船の乗組員に死者が出たりしなかっただけでも

 感謝しろっつーの!!!」


「は?

 謝罪と賠償しろだと?

 一体どこの国の話してんだこの野郎!!!!?

 そんなふざけたこと言うなら

 前にお前んとこの潜水艦がうちの領海侵犯したとき、

 撃沈せずにしておいてやった礼金と謝礼の言葉をたんまり寄越せ、この野郎!!」




ここで、新しいアンケートをお一つ、どうぞ↓








 友愛の海をとりもどせ!

 じゃなかった、

 日本の威信をとりもどせ!


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(2010/03/02)
廣宮 孝信


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 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

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 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
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 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



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349:自国通貨建て国債で破綻?~ロシア危機の場合

2010/09/26 (Sun) 01:57




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 ということを、豊富なデータに基づいて示し、かつ、
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 複数の実例を挙げて解説
している
 私目の著書


 「さらば、デフレ不況」

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さて、本題です。


半年ほど前でしたか、

当ブログMPJのコメント欄、さらには、私の著書のレビューにおいて


本の中
ロシア危機のとき、ロシア政府は外貨建て債務の不履行で破綻と書いているが、それは間違い。
ロシアでは自国通貨建て債務の不履行があった


とのように教えて下さった大変親切な方がいらっしゃいました。


まあ、

「廣宮氏はすぐに自説を撤回せよ」

とまで書かれていた(しかも、あちこちに!)ので、

親切というよりは、ほとんど嫌がらせに近いと言えそうですが…


さて、

「でも、外貨建て債務の問題も大いにあったんじゃないのかしら」

と思いつつ、選挙の手伝いやら何やらで忙しく、あまり詳しく調べる余裕が無かったのですが、

IMFのデータベースで↓詳細なレポートが落ちていました!



Russian Federation--Recent Economic Developments
(September 20, 1999)

http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/1999/cr99100.pdf


これがまた、画像データテキスト検索が利かず、かつ、
分量が多い上に難解な英単語のオンパレードで読むのが大変でしたが…


で、先に結論だけ書いておくと、

確かに、1998年

GKO(ルーブル建て短期割引政府債)
OFZ(ルーブル建て1~3年もの利付き政府債)

債務不履行がありました。

上記IMF資料p.108に
ロシア危機資料(1)



 (1998年)8月17日、ロシア当局全ての1999年12月までに満期となる
 GKO、OFZ(ロシア中央銀行と個人の保有分を除く)
 の構造改革(条件変更)を決定し、
 GKO、OFZの全ての市場での取引無期限に差し止めた


とあります。


確かに、ロシア危機において、

ロシア政府の自国通貨建て債務の不履行

があったのでした!!!


ということで、私は自説を撤回しなければならないかというと、


残念ながらその必要は無さそうです。

同資料のp.9を見てみると




ロシア危機資料(2)




はい。

政府の負債のうち、

大半が外貨建て負債(Foreign Currency-denominated)でした。

GKOやOFZなどのルーブル建ての負債(Ruble-denominated)は、
外貨建て負債に比べてずっと小さかったのです。

この、政府の負債のうち

圧倒的に小さな割合しか占めていない自国通貨建て債務の不履行よりは、

圧倒的に大きな割合の外貨建て債務の方を問題にすべきは火を見るよりも明らか、

と言えましょう。


同じページに↓その政府負債のGDP比のグラフもあるのですが、




ロシア危機資料(3)




98年GDPの50%くらいが外貨建ての負債です。


今の日本でいうと、GDPが500兆円くらいなので、

250兆円くらいが外貨建ての政府負債

というかなりの規模のものでした(これは結構深刻ですね。たぶん。)



さて、

この外貨建て債務の内訳が同p.122にあります。

98年

全体
158.2 billions of US$ (1582億ドル→1ドル=100円として、約15.8兆円

うち、ソ連時代から引き継いだものが、
102.8 billions of US$ (1028億ドル→1ドル=100円として、約10.3兆円


興味深いことに、

このソ連時代からの部分には、うちわけ部分に「滞納金(arrear)」という項目が設けてあって

それが合計で

6.9 billions of US$ (69億ドル→1ドル=100円として、約6900億円

となっています。

この「滞納金(arrear)」は、この表において
94年から存在しています。

「滞納金(arrear)」

ということは…

これは要するに、期限までに返済していないもの、とうことですから

債務不履行

ということになりますね。


ということは、98年の「ロシア危機」以前

ロシアは既に破綻していた!!!

(ケンシロウ風にいうと「お前はもう死んでいる!」

ということになります。

ま、債権者との合意の上でのことであれば、正式には「債務不履行」とは言えません

ということで、ここで「破綻」と書いたのは言葉のあやですが。


まあ一応、当初の約束を守っていないので、
債務の不履行と言えば不履行です。


ということなので、

ロシア危機については、

「自国通貨建て負債の債務不履行」が起こるよりもずっと以前から、

「外貨建て負債の債務不履行」が既に発生していたわけです。



さて、ここで、

ソ連時代から引き継いだ10兆円程度の外貨建て債務はさておき、

ロシア連邦になってからの外貨建て債務の増加の一因について。

同資料p.7

ロシア危機資料(4)


 限られた金融調節にも関わらず、1993年から95年にかけて獲得した経済的安定は、
 1998年半ばまで続いた

 その安定は、
 巨額の対外債務(主に短期債務)によって支えられた
 固定為替相場制
 によって維持された。

 しかしながら、

 政府の負債総額を増大させた、政府による外貨建て短期債務容認の決断は、
 政府の資金調達に関する脆弱性を増大させ、
 市場心理に変化をもたらした



つまり、

95年から98年半ばまでルーブルの下落圧力があった。

しかし、

・ロシア政府は外貨(基本的には米ドル)を借り入れて、それを売り

つまり、

ドル売りルーブル買いの為替介入することでルーブルの価値を維持することで、

経済安定を続けることが出来ていた。

そして、

その外貨建て借金の増大が政府の財政を圧迫、市場心理を悪化させたと。



それ以外にも、

市場心理を悪化させ、海外からの資金引き上げを促した要因として

97年半ばのアジア通貨危機

が挙げられています(p.10)。


・アジア通貨危機による、新興国の金利上昇

・アジア通貨危機後の原油価格の低下+それによる経常収支の悪化



ここで一応、この時期の

・ルーブルの対米ドルレート

・インフレ率

・金利

グラフを示しておきます。




ロシア危機前後のロシアルーブル対ドルレート、インフレ率、金利



※右軸は対数軸です。

  インフレ率がソ連崩壊直後は1000%とかになっていたり、
  金利も200%とかが平気でありましたので。

 ちなみに、
 このグラフでは、98年8月あたりのGKOの利回りはあくまでも月平均なので、
 90%ぐらいで、おとなし目になっていますが

 IMF資料上の記述では、

  8月半ばにはGKOの利回りは300%近くにまで上昇した(p.22)

 と書かれています。

 300%って、もの凄いですね!

 1年で元本が4倍になるという金利です。

 こんな金利の金融商品現在の日本で出てきたら、
 間違いなく詐欺でしょう(笑)

 まあ、当時のロシアは滅茶苦茶でしたね。
 



確かに、

97年7月のアジア通貨危機以降

それまで下落傾向であった金利急上昇していることが分かります。

ルーブルの価値を必死で保とうとしていた様子が伺えます。



しかし、外国人(というよりは非居住者)はというと、

ルーブル建ての国債を買うと同時に、

ドル買いルーブル売りの為替予約

を、ロシア国内の銀行でかけていたのでした。



為替予約というのは、

例えば円ドルで考えると、


いま、1ドル85円ですが、仮に読者の皆さんがこれから円安になると予想しているとしましょう。

例えば、3ヵ月後に1ドル100円になると。


今、為替予約で1ドル85円でドル買い円売り予約をしておくと、

3ヵ月後には1ドル何円になろうと、予約していた85円で1ドルを買うことが出来ます。


つまり、その当時のルーブル債を買っていた非居住者

債券が満期になったときにルーブルが対ドルでどんなに安くなっていても

為替差損をこうむらないように備えていたわけです。


これは、ロシアの銀行が、これら非居住者に対してドル建ての債務を負っていたことを意味します。



つまり、これは、ロシア政府にとってはルーブル建て債務であっても

ロシアの国全体としてはドル建て債務

つまり、

対外外貨建て債務

になるわけです。



ちなみに、このルーブル建て政府債のうち、98年の6月時点では

30%が非居住者保有でした(p.80)。



ロシア危機資料(6)




つまり、

この自国通貨建て債務のうち3割

実質的には外貨建て債務であったということです。


さて、ここで再びp.108に戻って、続きを読んでみたいと思います。


ロシア危機資料(5)


GKO、OFZなどルーブル建て国債の債権者は、タダでさえ債務不履行→条件変更
されていたということでしたが、

非居住者は…

 それに加えて、非居住投資家は、

 民間債務のモラトリアム(支払猶予)を課されるという

 新たなる規制に直面した。

 

 為替予約をすることで

 保有するGKO、OFZについてルーブルの減価に備えてヘッジ(保険)をかけていた

 非居住投資家は、

 その為替予約の清算、支払いについて制限をかけられたのである。


(ちょっと意訳でした^^;)


つまり、

為替予約で受取れたはずのドルの支払い

先延ばしにされてしまったのでした。


ちなみに、GKO、OFZの保有者(個人、ロシア中央銀行除く)の多くは政府との協議によって

保有していた債券の内容を、次のような内訳となる内容へ変更することを受け入れるに至ったようです:



保有債券のうち3.3%分
→ 現金 金利なし(「制限された」ルーブル口座に預けなければならない)

3.3%分
→ 3ヶ月物GKO 金利なし(「制限された」ルーブル口座に預けなければならない)
 
3.3%分
→ 6ヶ月物GKO 金利なし(「制限された」ルーブル口座に預けなければならない) 

20%分
→ 現金同等OFZ 金利なし
         (税金の支払い、ロシア国内銀行の新株購入に充当することが可能。
          但し、株式の売却代金「制限された」ルーブル口座に預けなければならない)

70%分
→ 4-5年物OFZ 金利:各年30%、25%、20%、15%、10%
         (「制限された」ルーブル口座に預けなければならない)




また、非居住者は、GKOやOFZのルーブルを外貨にして本国に送金することを相当厳しく制限され、

ある計算によれば、

1ドルの投資が5セントになってしまった(つまり、95%の損失)ということもあったようです。


このような内容からすると、

GKOやOFZの「債務不履行」の目的は、

ルーブルの外貨への両替や、ロシア国内の資金の海外流出を防ぐため

であったと考えられます。


実際、98年8月半ばの外貨準備は、ルーブルの価値を維持するための大規模なドル売りルーブル買い介入の結果、7月半ばから約35億ドルも減少(p.22)しました。

その直前の6月の通貨当局の

純外貨準備高
(外貨準備高からIMFや他国政府から借りている外貨準備高を引いたもの)

が、たったの95億ドルしかなかった(p.93)ので、この35億ドルは相当な痛手でした。


3割が実質外貨建て債務であったGKOやOFZの「債務不履行」は、

純外貨準備高がマイナスになるのが怖かったがゆえの措置であったという側面もあるでしょう。

ただし、

結局は9月にはマイナス1074億ドル(p.93)と、見事、大幅にマイナスになりましたが…



さて、

この8月17日のルーブル建て政府債の「債務不履行」というよりは「債務の条件変更」同時

ルーブルの為替相場変動幅の拡大(事実上のルーブル切り下げ)が行われました。


その後、当局は市場の圧力に抗することを諦め

9月2日には変動相場制に移行しました(p.23)。



その後もルーブルはどんどん切り下がっていったのですが、

結局はそのルーブルの切り下げによる生産の回復

99年半ばには危機の終焉の兆しをもたらしたのでした(p.25)。


ロシア危機資料(7)



さて、この

GKO、OFZの債務不履行&ルーブルの変動相場制移行に伴う危機は防げたか?

というとそれは難しかったかもしれません。


外貨建て債務の増加の一因となったルーブル固定相場制は、

ソ連崩壊の余韻であったインフレの防止には必要であったと思われますし、


そこに

・アジア通貨危機による新興国市場に対する市場心理の悪化

・ロシアの重要輸出資源である石油価格の大幅下落

が重なってしまったということでしたので。


※なお、
 危機後の回復(通貨安→経常収支の改善→ドル建てGDPの回復)ということについては、
 このロシア危機や、
 韓国、アルゼンチン、メキシコの事例を
 「さらば、デフレ不況」
p.213にて説明しております。



ところで、

この98年8月のロシア危機の直前である7月半ば

このような危機の発生をなんとか防ごうとして、

IMF、世界銀行とともにある国が資金援助することが発表されました

結果として危機は防げませんでしたが、

一時はロシアの金利上昇圧力と外貨準備の減少を緩和したとのことです。


そのお国の名は、

ガンダーラ


じゃなくて…



ロシア危機資料(8)



 「日本」




 たしか、日本は95年くらいから正式に『財政危機』と言われていたのに、

 こんなとこでもしっかり資金援助してたとは…。


 2009年のIMFへの1000億ドルの貸付といい 

 一体どれだけ金持ちなんだ日本!!!


と思われた方

(それと、ついでに、

 「ロシア危機は結局自国通貨建ての借金ではなくて

  外貨建て借金の問題じゃん」と

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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
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 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
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348:米国も為替介入してた!?

2010/09/23 (Thu) 22:01




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さて、本題です。


日経新聞2010年9月23日1面に面白い記事がありました:



 【新興国の外貨準備急増 通貨安競争映す】
  【上位10ヵ国・地域 6月末15%増】

中国など新興国・地域が保有する外貨準備
過去最大規模に膨らんでいることが分かった。

外貨準備の上位10カ国・地域で見ると、
6月末の保有高は1年前に比べて15.3%増の5兆8400億ドル(約500兆円)となった。

各国が通貨高を抑えるために自国通貨売り・ドル買い介入を繰り返す「通貨安競争」が背景になっている。


6月末時点の外貨準備保有高の上位10ヵ国・地域は、
ブラジル、ロシア、インド、中国(BRICs)、台湾、韓国、香港、シンガポールなど。

増加が目立つのは、今年前半に大規模な自国通貨売り介入を実施し、
6月末保有高が前年比2.4倍に急増したスイスを除けば新興国・地域だ。




いや、この記事には拙者、心底感服つかまつりました(冗談ではなく、本当に)。


感服仕ったのは、以下の2点です。

(1)外貨準備の増加と自国通貨売り為替介入を結び付けている点

(2)為替介入は中国や日本だけでなく、多数の国で当たり前のようにやっていることを指摘している点



まず、(1)についてですが、

外貨準備高というのは簡単に言えば、

国内部門の対外資産のうち、政府や中央銀行が持っている外貨建て資産

のことです。


そして、

政府や中央銀行の外貨建て資産というのは、

主に為替介入自国通貨を売って外国通貨を買うことによって増加します。

この辺りの詳細は、

【中国流「おカネの創り方」】

【中国外貨準備2兆ドル【1】】

【中国外貨準備2兆ドル【2】】

ご参照下さいませ。


で、今回の記事に感銘を覚えたのは、

よくよく考えれば、

ある国が為替介入やっているかどうかは、

外貨準備高の増減である程度目星が付く

というのを思い起こさせてもらえたということであります。

(ということで、あとで各国のグラフを見てみます




次に、

(2)為替介入は中国や日本だけでなく、多数の国で当たり前のようにやっていることを指摘している点

についでです。


はずかしながら私、
これだけ多くの国々が為替介入を普通にやっている

ということを知りませんでした。

この記事からは非常に勉強させていただきました(日経新聞さん、ありがとうございますm(_ _)m)


なお、

これまでにも何度か当ブログにて書いておりますが、

私の為替介入に対する考えというのは、

短期急変には断固介入

長期トレンド市場原理に任せる。

であります。


また、この記事で再確認できましたように、

どこの国でもやっている、ということになると、

実際のところ為替介入は、本質的にはやはり他力本願な施策ということになります。


ちなみに私、「さらば、デフレ不況」p.244に↓こんなことを書いております


 「
  円安介入の最大の弱点は、
  諸外国が日本と同じように自国通貨を安くする為替介入を行った場合には
  全く効果が出なくなってしまう

  …

  世界全体のGDPの足し算

   世界全体のGDP
    =世界全体の民間消費+世界全体の民間投資+世界全体の政府支出


  に基づき、

  世界全体のGDPを増やしながら自国のGDPを増やすという自力本願な政策
  を打ち出すことこそが、
  世界有数の経済大国たる日本の進むべき道筋と言うべきでありましょう

  積極財政により能動的に内需を増やし、輸入も増やし、
  世界全体のGDPも増やし、輸出も増やし、自国のGDPも増やす
  これこそが経済政策の王道であるのです。
 」
 (※正確には「積極財政+金融緩和」です。)

ちなみに、

本の中では80年代イタリアの超積極財政の時期に、

輸入がもの凄い勢いで増えるとともに、
輸出も輸入と軌を同じくして猛烈に増え
かつ、
GDPが名目・実質ともにしっかり拡大し、
実質平均可処分所得もしっかり増えていた

というデータを紹介しております。


為替介入抜本的な景気対策とはなり得ません

しかしながら、

為替レートの短期急変は経済活動が混乱し、
多数の国民が迷惑をこうむることになりますので、
それを防ぐためにはやるべきときは断固やるべきであると考えます。


実際のところ、
これだけ多数の国がやっています

しかも、
【円は高すぎ?安すぎ?為替介入考】 で見た
PPP(購買力平価)換算為替レートだと、
スイスを除けばほとんどの国の通貨は、円よりずっと割安です。

円よりも割安な通貨でもバンバン為替介入しているのですから、
やるときはスパッとやって良いし、
遠慮することは無かろうと言えそうです。
(もちろん、あまり好き勝手にしまくっても良くないとは思いますが…)




さて、ちょっと長くなりましたが、
ここからが面白い(と私が思っている)ところであります。

日経の記事は上位10ヵ国を取り上げていましたが、

私としましては米国も見てみたいと思っていた、というのと、ついでに英国もと思って
外貨準備高上位16ヶ国のグラフを作ってみました。


ちなみに、出典は、

IMF http://www.imf.org/external/np/sta/ir/IRProcessWeb/topic.aspx
「Official Reserve Assets」

です。

しかし、
このIMFデータにはなぜか中国のデータが無かった(香港はあるのに!)ので、
↓こちら

中国人民銀行 http://www.pbc.gov.cn/publish/diaochatongjisi/126/index.html

↑これの、各年の「统计数据」→「货币统计概览」→「黄金和外汇储备报表」です。


ということで↓グラフです。


外貨準備高推移



↑このグラフを見ながら、上記の日経記事の続き↓を読んでみてください




  新興国の外貨準備は08年9月のリーマン・ショック後
  通貨防衛のための自国通貨買い・ドル売り介入を迫られたため、
  一時的に減少していた。

  ところが、

  金融危機が一服すると、通貨安で輸出を拡大したいとの思惑に加え、
  投資資金の流入で自国通貨が想定以上に高くなる事態を回避する必要性が
  意識されるようになった。




実際、新興国の動きまさにこの記事に書いてある通りになっています。


次に、ここでスイス米国の動きを見やすくすべく、

対数目盛にしたグラフをば:



外貨準備高推移(対数)




日経の記事でも書いていましたが、

スイスの外貨準備高09年に入ってからガンガン増えている様子が分かります。



そして、今回、一番の発見は…

米国の外貨準備高が09年の7月から8月にかけて、ピョコっと急増している部分です。




さて、ここで、

この米国外貨準備高名目実効為替レートを並べて見てみましょう

米ドル名目実効レートと外貨準備



ちなみに、

Majorは、ユーロ、カナダドル、日本円、英ポンド、豪ドル、スウェーデン・クローナの対ドルレートの貿易量による加重平均

Broadは、より広範囲の通貨の対ドルレートの貿易量による加重平均

による指数で、

大きいほどドル高小さいほどドル安です。


で、

グラフ黒の←→で示した部分を見ると、

外貨準備が増えているのと同時に、米ドルが安くなっています。


もちろん、

米ドルが安くなる=アメリカにとっての外貨が高くなる

なので、

アメリカにとっての外貨建て資産であるはずの外貨準備高は自然に増えるはず

です。


が、しかし、
上記の期間において、

名目実効為替レートはMajorもBroadも
せいぜい12%前後しか動いていないにも関わらず、

外貨準備高は2倍にも増えているのです。

つまり、

為替レートの変動以上に外貨準備高が増えているということになります。

ちなみに、

赤い矢印の部分では

外貨準備高1ヶ月で436億ドル

1ドル=90円とすると、約3.9兆円増えています。


今般の日本政府・日銀による円売りドル買いの介入は、

1日で2兆円程度と言われています。

上記の1ヶ月で3.9兆円は、
実際には1ヶ月かけてゆっくり増えたのか、ある1日だけでそれだけ増えたのか、
それは分かりませんが、それほど小さな金額でも無いように思われます。


さて、

この「米国の外貨準備が1ヶ月で3.9兆円増えた」件は、

為替介入を意図していたのか、そうでないのかはよく分かりませんが、

金額としては、同時期のスイスを途中まで上回る規模で外貨準備高が増えていた言う感じです(上の対数グラフ参照)。


まあ、少なくとも、

為替介入に関して、
日本だけがああだこうだ言われる筋合いは本気で無さそう

な感じです。


「おいおい、アメリカの議会のお偉いさんが
 日本の為替介入にイチャモン付けてやがったけど、

 もしかしてそのアメリカさんも
 ちゃっかり為替介入してやがったのかい?」

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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信


【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
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347:日本国債、大人気

2010/09/22 (Wed) 00:17




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さて、本題です。

今回は日経の記事を2本、ご紹介いたしたく:


日経新聞2010年9月21日朝刊1面



  【住宅ローン獲得 激戦】
  【金利、1%前後に低下】

  …

  大手銀行は変動金利型の金利を過去最低水準の1%前後まで実質的に引き下げた。
 
  …

  三菱東京UFJ銀行などメガバンクの変動型の金利は店頭表示金利で2.475%
  ただ、最近は金利優遇を幅広く適用し、実際には1%前後まで下げている

  …

  東京スター銀行は、利用者限定で0%金利の住宅ローンを投入した。



なんと、日銀が「ゼロ金利政策」を打つ前に、

ゼロ金利の住宅ローンまで出てくるとは @o@



さて、

住宅ローン金利がこれだけ低く、過去最低であるにも関わらず…




  個人は住宅取得に慎重な姿勢を強めている。

  日銀調べでは新規住宅ローン実行額
  …四半期ベースで10年ぶりに3兆円を割り込んだ

  これが銀行の競争を加速している面もある。



前回ご紹介しました

2010年9月19日朝刊1面の記事では、

銀行が国債ばかり買っているので、

日銀金融機関に大量の資金を供給しても、
 (その資金が国債に回ってしまい)企業や個人に行き渡らず、
 金融緩和の効果が減殺
されるとの見方も出ている。」

のように書いていました。


しかしながら、
これだけ住宅ローン金利が下がっているので、

日銀の金融緩和の効果(=金利の押し下げ効果)がバッチリ出ていて、
「金融緩和の効果が減殺」なんて少しもされていないわけです。

それなのに

個人は住宅取得に慎重

というのはなぜでしょうか?


金利が下がるだけでは借りない、借りられない、ということです。


カネが借り易くなったとしても、

・この先、収入が安定する保証が無い

不動産価格の値上がり期待が無い  

のであれば、誰も借りませんよね^^。


となると、

個人の収入が目に見えて増えるようにするほかは無く、

そのためにはもちろん、財政拡大が必要となってきます。


blog_import_4c518eb910fee.jpg
【民間給与と政府支出の意外な関係】 参照


「金融緩和」するだけでは、
内需拡大は非常に難しい
でしょう(というか多分、不可能です)




さてさて、2本目の記事です:

前回国内銀行が日本国債を買いまくっていて保有残高過去最大
と言うお話でしたが、それに関連して今日は↓こんな記事が

個人の方でも空前(?)の国債ブームが起きつつあるようです:


日経新聞2010年9月21日朝刊5面より:




 【公募投信 国内運用型に資金流入】
 【1~8月 債券型4.4倍 円高リスクを敬遠】

  国内の債券や不動産投資信託(REIT)で運用する
  投資信託への資金流入が急拡大している。

  1~8月は新規購入から解約・償還を引いた資金流入額が、
  国内債券型は前年同期比4.4倍国内REIT型9.6倍に膨らんだ。

  円高による外貨建て資産の目減りを嫌った個人が、
  為替リスクがなく一定の利回りも見込める点に着目し、活発に購入している。

  …

  残高の伸びも目立ち、
  8月末時点で国内債券型は前年同月比71%増の約6000億円、
  国内REIT型は59%増の約4000億円になった。

  15%増の海外債券型、横ばいの海外株式型などと比べて伸び率が大きい

  ニッセイアセットマネジメントが主に国内の社債で運用する「日本インカムオープン」
  取り扱う銀行や証券会社が急増し、1年前は2000万円に満たなかった残高が1400億円を超えた

  投信の運用会社も新商品の設定を急ぐ。
  30日には国際投信投資顧問公社債
  三菱UFJ投信国債にそれぞれ投資する投信の運用を開始
 
  8月に国債で運用する投信を設定した野村アセットマネジメントも、
  10月には公社債の指数に連動する投信を投入する。




「財政が先進国最悪」の国の

 ・通貨が高くなる

 ・国債が大人気(銀行にも個人にも)

とは、びっくらこいた!

それに、ゼロ金利の住宅ローン

が出てきたことにもこれまた、びっくらこいた!!!

どんだけ金利低いんだー、日本!!!!!

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346:銀行の国債買越額最大

2010/09/20 (Mon) 18:07




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さて、本題です。


日経新聞2010年9月19日朝刊1面




 【銀行の国債買越額最大】
 【1~6月14.5兆円 貸し出し低迷で】

  国内銀行の1~6月期の国債買越額(買いから売りを差し引いた持ち高)が

  14兆5075億円

  となり、比較可能な2004年以降で半期ベースの過去最高を記録した。

  7月末時点の国債保有残高過去最高

  141兆1039億円

  に膨らんでいる。

  日本経済の先行きに不安を抱える企業や個人への貸し出しが伸びず
  銀行が余剰資金を国債で運用せざるを得ない状況が浮き彫りになった。





※記事に載っていたのと同じデータを見つけてグラフにしてみました↓


国内銀行の国債保有残高
http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html




な、な、な、なんと素晴らしい!!!!!


あまりにも的確に現在の状況を説明していて、あまりにも素晴らしいので、もう一回

「日本経済の先行きに不安を抱える企業や個人への貸し出しが伸びず
 銀行が余剰資金を国債で運用せざるを得ない状況
 浮き彫りになった。」



要するに、↓これのことを書いているのですね。


バランスシート不況

デフレとバランスシート不況の経済学



が、しかし。

喜びも束の間…


記事の締めくくり方が頂けません…



  …
  銀行が国債を安定的に購入すれば、
  長期金利の上昇を抑える効果が期待できる。

  ただ日銀金融機関に大量の資金を供給しても、
  企業や個人に行き渡らず、金融緩和の効果が減殺されるとの見方も出ている。

  財政不安から長期金利が上昇すれば、
  債券価格の低下で銀行に含み損が発生し、
  収益が大幅に悪化する恐れもある。





おいおい!これはいかんぜよ!


まず、

「ただ日銀金融機関に大量の資金を供給しても、
 企業や個人に行き渡らず、金融緩和の効果が減殺されるとの見方も出ている。」

ですが、

常連の皆さんはもはや見飽きたであろう、
いつもの↓これを…



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大体、小泉政権下

景気の良い、かつ、銀行の貸出態度も良いときですら

民間企業の借入が増えていないのですよ。

民間企業の資金需要がそもそも、好況期ですら非常に弱いのです。
(あくまでもマクロの話ですが!
 個別では「借りたくても借りられない」という中小企業や起業家も少なからずいます。念のため)


そして、

この不況で不確実性・リスクが高まっている時期

銀行が積極的に民間への貸し付けを増やすことは、

全くもって期待できないのであります。


この状況で国債の発行残高を減らすようなことをしたら、どえらいことになりまっせ~。

↓これもお馴染みのグラフですが、




日本国内部門負債




政府の支出が増えなくなった90年代後半以降

国内部門の負債合計(株式・出資を除く)は横ばい・微減を続けています。


横ばい・微減になっているのは、

政府の負債が増えるペース民間の負債が減るペースほぼ同じで拮抗しているからです。


この微妙なバランス下で、政府の負債を減らそうものなら、

負債全体が減少、経済規模は萎縮の一途をたどることになりましょう。


今は民間の負債が減る以上のペースで政府の負債を増やすべきときなのです!

負債総額が微減ということは、
これはつまりマネーの量が減っているということなのです。
だから、今はとにかく負債総額を増やすということをしなければなりません!


そして、

民間の負債が増加に転じ、負債総額の増加基調が安定したときにこそ、

政府は負債を減らす方向に舵を切るべきなのです!!!

(その見極め物価指数の増加基調、つまりデフレ脱却を確認すれば良い、ということになります)



そして、記事の結びの部分

財政不安から長期金利が上昇すれば、
 債券価格の低下で銀行に含み損が発生し、
 収益が大幅に悪化する恐れもある。」



↑これは全く頂けません!!!

だって、考えてもみてください

・この前、積極的にリスクをとって民間企業むけ債権を増やしていた
 日本振興銀行が破綻したばかりじゃないですか!!!
  これは、政府の借金ではなく、民間の借金が原因で破綻したのですよー!!!



それに、

90年前後のバブル崩壊は、
 政府の財政不安による国債の金利上昇・価格低下で起こったのでしょうか?

 いいえ。民間の過剰負債が弾けたからです。


・今回の不況の発端であった「サブプライムローン・ショック」
 政府の財政不安による国債の金利上昇・価格低下で起こったのでしょうか?

 いいえ。まさに民間の負債である「サブプライムローン」という住宅ローンが弾けたのです。


リーマンショック
 政府の財政不安による国債の金利上昇・価格低下で起こったのでしょうか?

 いいえ。
 リーマンショックは、
 リーマンブラザーズという民間の証券会社が借金を返せなくなったことで
 起きたものです。


アイスランドの「国家破綻」
 政府の財政不安による国債の金利上昇・価格低下で起こったのでしょうか?

 いいえ。

 アイスランド政府は直前まで財政黒字でした。
 破綻の引き金は国有化した民間銀行
 外貨建て借金(日本円建て)を返済期限までに返せなくなったことでした。



政府の借金が大きいことがダメ、というのなら、民間の借金は大きくてもちっとも大丈夫とでも言うのでしょうか?

そんなわけ、ありません。

民間の借金が弾けたことが引き金でこれだけの世界的な経済の大混乱が生じているのですから!!!



「こんなことは、

 経済の知識ゼロでも誰にでも分かる話のような気がするんですが…

 日経新聞はん、しっかりしておくんなはれやー」

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・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
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345:円は高すぎ?安すぎ?為替介入考

2010/09/18 (Sat) 16:22




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さて、本題です。

円は高すぎるのでしょうか?
   安すぎるのでしょうか?


まずは今般の為替介入国外からの評価をいくつかピックアップしてみます。



まずは、前向きの評価から。

とりあえず、為替介入の総本山(?)のお国は↓こんな感じです…


中国の国営メディアは15日、
日本政府・日銀による円売り・ドル買い介入大きな扱いで報道した。



中国国営の中央テレビもニュース番組で繰り返し報じ、
解説者が「あらゆる国にとって為替の安定化は重要だ」
日本の介入を“支持”するかのようなコメントもした。

(日経新聞10年9月16日朝刊3面「元の管理相場 中国が正当化?」)


そしてなんと、あのヘッジファンドの親玉も…



米著名投資家ジョージ・ソロス氏は「介入は妥当」と評価した。
「円は買われすぎており、(介入は)正しい」と述べて、
政府・日銀の判断は適切だったとの考えを示した。

(日経新聞10年9月16日夕刊1面 「グリーンスパン氏『介入機能せず』 ソロス氏は妥当と評価」)



一方、アメリカさんは大層ご立腹のようであらせられます。



16日の議会公聴会で上院ドッド銀行委員長
「日本であれ、中国であれ、単独介入は国際協調(という理想)との落差を象徴している」
と不快感を表明した。

下院歳入委レビン委員長
「利己的な政策は中国だけではない」



ということで、

ガンガン為替介入しまくっていることを
アメリカにぎゃあぎゃあ言われている中国では
今回の日本の為替介入は「大歓迎」

中国の為替介入にいちゃもんを付けたい米国では
「日本、何してくれよんねん」

という感じですね。


ところで、

中国日本と同じ立場なのでしょうか?

言い換えれば、

中国日本と同じように「通貨が高すぎる」ことで苦しんでいるのでしょうか?




購買力平価(PPP: purchasing-power parity)説

という考え方で高すぎるか、低すぎるか、評価してみることにしましょう。



さて、購買力平価(PPP)説とはなんぞやというと、


ひとことで言えば、

同じものは世界中で同じ価格で買えるはず(一物一価)

という考え方です。


簡単に言ってしまうと、

ある物が安く売られている国の通貨安すぎ

ある物が高く売られている国の通貨高すぎ

ということになります。


有名なのがイギリスのエコノミスト誌が毎年発表している
マクドナルドのビッグマックを使っての比較(ビッグマック指数:BigMac-Index)です。

これの最新版(10年7月21日)が↓こちら

When the chips are down
The latest Big Mac index suggests the euro is still overvalued



↑これを見ると、

米ドル換算ビッグマックの価格

アメリカ:3.73ドル
日本:3.67ドル
中国:1.95ドル


となっており、このデータだけだと

日本円はちょっとだけ安すぎ

中国元はかなり安すぎ

と言う話になります。


ちなみに、

このビッグマック指数から導きだされる日本円の適正な為替レート(Implied PPP of the dollar)は、上記記事の二つ目の表にて

1ドル=85.7円

となっており、現在のレートとほぼ同じになっています。


一方、中国元の適正レートはというと

1ドル=3.54元

となっています。

現在のレート1ドル=6.78元

なので、

元は倍近く割安

ということになります。


これだと、

アメリカさんから「中国と同じ、ケシカラン」と言われる筋合いは無いにしても、

「適正レートが85円くらいやったら、82円でも誤差やないかい!」

と言われると、

「いや、でも、ジョージ・ソロスさんが言っているように円は高過ぎるんすよ」とは言い返せない感じです。


でも、ちょっと待ってください!


ビッグマックだけで決めてしまって良いのでしょうか?


例えば、

同じマクドナルドのメニューでも、ビッグマック以外をみてみるとどうでしょうか?

日本では「100円マック」というメニューがあります。
http://www.mcdonalds.co.jp/menu/limited/valueup/index.html#100yen

これは、例えば

ハンバーガー(ハンバーグ一枚入り)が100円
Sサイズのドリンク100円

ハンバーガー一つとドリンク合計200円

というような組み合わせが可能です。


一方、アメリカでは…

1ドルメニュー(Dollar Menu)
http://www.mcdonalds.com/us/en/food/meal_bundles/dollar_menu.html
(↑これの「Rest of Day」)

というのがあって、

こっちだと

ハンバーグ2枚入りのハンバーガー(McDouble)1ドル

Smallサイズのドリンク(日本のLサイズくらい)が1ドル

合計2ドル×85円=170円

となり、

日本の200円よりも安くて、かつ、ハンバーガーもドリンクも量が多いのです!


ということで、

いろいろなものの価格を反映させた指数で比較しないことには簡単には割安・割高とは言えないということになります。


そのような指数がうまい具合にあるかいな、と思ったら

IMFのデータベースでうまい具合にありました。

色々なものの価格を反映させたPPP
反映させた為替レート(Implied PPP conversion rate)
(対米ドルレート。現地通貨÷米ドルで計算)です。

色んな国のデータをグラフ化してみると、

大抵、実際の為替レートがこのImplied PPP conversion rateに収斂(しゅうれん)するように推移している様子が分かります。

ちょっと多いですが面白いですので、

色んな国のグラフを↓掲示します

グラフでは
に行くほど通貨高
に行くほど通貨安です。

なお、実際の為替レートの出典は
OECD.Stat Extracts http://stats.oecd.org/index.aspx
です。(2010年は7月の月平均、それ以外は年平均のデータ)



PPPレートと実際レート(1)



日本円は、やはり95年の時が一番乖離が大きいですね。
つまりこのとき、日本円はかなり割高だったと言えそうです。

グラフでは見にくいですが今もやはりそこそこ割高(およそ23%くらい割高)です

以前、

実質実効為替レートのグラフを見たことがあり、
日本の実質実効為替レートは95年にくらべれば「円安」という話がありましたが、

これは、上のグラフでは実際のレートとImplied PPP conversion rateの差が、95年ほどではない

というところから読み取ることが出来ます。

なお、

上のグラフからは、現在では、日本円よりもスイスフランのほうが割高であると言えそうですね。

また、

ドイツ、イギリスを見ると、
実際のレートがImplied PPP conversion rateにまとわりつくように推移している様子がうかがえます。

それからイギリスポンドは、
リーマンショック後の経済の落ち込みで為替レートが下落しましたが、
Implied PPP conversion rateを参照すると、

危機前は割高

危機後は適正水準に戻る

というような格好になっています。



PPPレートと実際レート(2)



↑この中では、アイスランドと韓国が興味深い動きをしています。


アイスランド

08年の破たん前は割高、破綻後は適正水準


韓国97年の通貨危機で適正水準から大きく割安にシフト。

   その後00年代半ばの好景気下では、割高側に推移して適正水準に寄せ、

   リーマンショック後はまたもや割安側に大きくシフト

  そりゃあ、リーマンショック後の韓国は輸出絶好調になるはずですね^^


という感じです。



PPPレートと実際レート(3)



インドネシア、ロシアは、

 90年代後半の通貨危機、財政破綻大きく割安にシフト、

 その後、PPPレートが割安側へ実際のレートに追いつこうとしているような感じです。


 中国元は、為替介入を批判されてはいるものの、実際のレートがPPPレートに少しずつ近づいており
 一応、徐々に「安すぎる」状態を解消しつつある・・・と言えば言いすぎでしょうか。

 それでも、日本円に比べればかなりの割安水準といえそうです。


 しかし、ここで注目
 インドルピーが人民元以上に割安のまま推移していることですね。

 インドが継続的に為替介入しているとは聞いたことがありませんし、
 実際、人民元のような直線的な動きはしていません
 
 インド基本的に経常赤字が続いている(01年から04年除く)ので、
 割安感があるとは市場で受け止められず、
 自然にこのようになっているのかしら…

 それでも、

 少しずつとは言え、実際のレートとPPPレートは近づきつつあるようにも見えますが…



PPPレートと実際レート(4)



そして、

ブラジル、南アフリカ

2000年代前半はかなり割安に振れていましたが、

00年代後半になると、PPPレートに近づいているような感じですね。




さて、グラフだけでは分かりづらい部分もあるので、

数値表も作ってみました。

↑グラフはドルベースで、ドルに対する割安・割高を示すものでしたが、

↓数値表は円換算により、円に対する割安・割高を示しています。
 そして、
 ついでに各国通貨の割安ランキングにしてみました。



各国為替レート 割安ランキング



上記はあくまでも推計に過ぎませんが、

とりあえず、


・米ドルは日本円より23.3%割安(逆に言えば、日本円は米ドルに対して割高)。

 適正レート1ドル=114円

 →これを材料に「ちょっとばかし、為替介入させてちょ」というのはアリかも。
  また、このデータからは米ドルは割安と言えるので、

  いま為替介入し、米ドル建て資産を手に入れておくと、
  将来、為替差益が出る可能性が高い、かも。



・中国元米ドルよりもかなり割安
 
 日本円は米ドルより割高

 よって、中国元と日本円全く立場が違う

 だから、中国に仲間意識を持たれるのも、米国から中国と同一視されるのも筋違い

 中国元は、
 日本円に対して、いまの水準の2.3倍高くなってようやく日本と同じ立場!

 →こういう話日本政府や日銀はどんどん発信した方が良いでしょう!!



そして、驚くべきことに、
インドルピーが中国元以上に超割安!

 インドルピーはいまの3.7倍高くなってようやく日本円と同じくらいに @o@

 →この観点からは、インドは非常に有望な投資先、と言えるかもしれません。

※上記はあくまでも推計データからの類推です。念のため。


あと、ちなみに、
・ユーロ諸国で評価が異なるのは、物価水準の違いによるものです。
 (ポルトガルやギリシャは物価が安く、ドイツやフランス、アイルランドは物価が高い)



「ドルに対して、
 割安の中国元と割高の日本円とは全然ちがーう!!!」

と思われた方や、

「アメリカのマクドナルドのダブルバーガー85円、安すぎるー!!!@o@」

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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信


【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



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344:初のペイオフ発動

2010/09/11 (Sat) 19:27




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 ↑非常に興味深い内容ですので、是非ご一読のほどを^^



とりあえず、
日経新聞09年9月10日朝刊トップの記事
見出しです:


【ペイオフ 初の発動
 振興銀きょう破綻申請
 預金1000万円・利息保護】


 【債務超過1500億円】



ほうほう。

債務超過1500億円とな…

ということで、この日本振興銀行の貸借対照表(バランスシート)を見てみましょう

とりあえず、インターネットで見れる最新の分は、今年3月末の分でした:

平成21年度(2010年3月期)決算公告
http://www.shinkobank.co.jp/ir/pdf/report100607.pdf

ちなみに、↑この決算広告は、

同行HPによりますと、


  当社の決算公告につきましては、第5期(2007年3月期)中間期から、
  銀行法第20条の規定に基づき、本ウェブサイトに掲載しています。


とあります。

さて、

その銀行法第20条の規定に基づく決算広告の貸借対照表を見ると、

総資産 6469億円
純資産 275億円

ありゃ?全然「債務超過 」じゃないぞ…

えーと、銀行なので「自己資本比率」も見ておきましょう

平成21年度決算の概要
http://www.shinkobank.co.jp/info/pdf/press100517_4.pdf

自己資本額 367億円
(Tier I 270億円)
(Tier II 97億円)

リスクアセット 4726億円


自己資本比率=①÷②= 7.8%

ということで、

国際業務に必要な8%には届かないものの、
国内業務を行うために必要な4%はあったということでした。

が、
債務超過だったのだから、残念ながらこれもウソだったということですね…

そして、

どうやらこのウソを隠すため



 金融庁検査を巡る銀行法違反(検査忌避)容疑で、
 警視庁木村剛前会長、西野達也前社長らを逮捕
 (上記日経新聞記事より)



ということがあった模様です。


さて、

この日本振興銀行

 高めの預金金利の定期預金で資金を集め

 中小企業に積極的に貸し出す

というビジネスモデルだったとのことです。

ほうほう。

高めの預金金利というと、どんなものかというと…

現在の銀行のHPに掲示されている金利

10年物で0.25%なのでめちゃくちゃ低い(少なくとも国債の利回り1.16%と比べれば低い!)のですが

今年の5月時点では
10年物で2.0%と、
↓かなり高めだった模様です


振興銀行金利
http://www.yokinkinri.com/2010/05/shikouteiki1month.html



ということは、

粉飾決算で客を安心させつつ、高金利でおカネを集めていたということに…


ところで、

某経済学者の方がよく

日本の銀行は国債ばかり買ってリスクを取らない。だから日本の景気は悪いのだ!

という主張をされていたように記憶しておりますが、


日本振興銀行のように、

がっつりリスクを取って貸し付けを増やした結果、破綻初のペイオフ発動

のケースについてはどう思われ奉るのでしょうか…


そして、もう一つの注目

逮捕されてしまったという前会長の木村剛氏です。


実は私、「国債を刷れ!」p.42木村剛氏のブログ↓こんな記述を引用していたのでした。



  思い返せば、1990年代半ばのメキシコ、1997年のアジア、98年のロシア、
  そしてこのアルゼンチンと、非常時において国家が掟破りの反則技を繰り出すケース
  は少なくない。



ご自身

非常時に粉飾決算検査忌避などの「掟破りの反則技」を繰り出してしまった模様で…




  しかし、冷静に見つめてみると、掟破りのアルゼンチンにおいても、公的債務残高
  はGDPの60%程度
にすぎない。

  それに対して日本は160%。一体全体どうやって財政赤字問題を解決するのかという
  素朴な疑問が湧く。

  (中略)

  すでに1000兆円を超えたと推測される公的債務だが、今後ともに財政規律が埋
  め込まれなければ、さらなる膨張を続けて、いずれ破裂する運命にある。



残念ながら、政府よりもご自身の銀行の方が先に「破裂」してしまいました…



今回の振興銀行破綻では、

97%の口座は影響が無い模様です。

逆に言うと残り3%の口座の預金者の方は影響を受けることに…


今更ながらではありますが、

1000万円まで高金利につられて預金するのもアリだったと思うのですが、
1000万円を超える預金は国債にしておくべき、でありました。

なにせ、


国債は一応、

1000万円どころか何百兆円でも元本保証でありますので…

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・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
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343:インド洋を制する者、世界の経済を制す

2010/09/09 (Thu) 23:58




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 http://www.tek.co.jp/p/pdf/ajer_adv.pdf?tv_name=miraikosotv&program_id=1023

 ↑非常に興味深い内容ですので、是非ご一読のほどを^^



ところで、

冒頭の投票アンケートですが、

単なるおフランスジョークのつもりでおもむろに入れてみた3番目

「借金でなく宇宙人に滅ぼされる派に一票」

3割を超える得票となっており、

私としましては全く想定外でありました。


ついでに申しますと、
宇宙人は一般名詞のつもりで書いていたのですが、
どうも特定の人物を意識されている方が多かったようで、
それもまた全くの想定外でありました^^

それにしましても、
皆様のコメントがまた面白いですね!
それがまた一つのコンテンツを為している感があり、非常に興味深いです。
投票頂きました皆様、どうもありがとうございました!



ということで、本題です。

以下、ちょっと前に知人からもらった、
新幹線のグリーン車で無料で配布されている

WEDGE(ウェッジ)
2010年9月号

p.12に載っていた

谷口智彦 慶応義塾大学院特別招聘教授

寄稿記事の紹介です。


 このWEDGEという雑誌、初めて読んでみたのですが、非常に面白いです。
 思わず定期購読してみようかと考えてしまっています^^;



 【インド洋を制する者 
  世界の経済を制す
  日印は連携強化を】


  21世紀、最も重要な海はインド洋だ。

  世界経済の物流を決める。

  インドも空母3隻プランをもって、海の安保に大きく乗り出した。

  日本の自然なパートナーがインド、マラッカ海峡を挟む隣人。

  米海軍に加え、日印ネイビーの協力を深化させるのは、いまだ。




あえて「海軍」と言わずに「ネイビー」と書かれてるのは、政治的配慮なのでしょうね^^。

以下、本文の内容を要約してみます:


・日印関係は政治・軍事が先で経済はあと(中国とちょうど逆)。

・日印ネイビーは米、豪、シンガポール、インドネシアと協力しつつ、連携強化すべき。

・日印は実はマラッカ海峡を挟んで「隣の国」。
 マラッカ海峡は日印双方にとって生命線と言える物流路であり、その安全は共通の利益。

・インドは2001年、マラッカ海峡に近い南アンダマン島に
 陸海空各軍と沿岸警備隊を統合した司令部を設置。

・マラッカ海峡の安全はこれまで米海軍が一手に担当。
 しかし、近年中国海軍の伸張し、リスク要因に。

・インド洋はマラッカ海峡のみならず、
 ペルシャ湾の入り口ホルムズ海峡、
 スエズ運河への玄関口アデン湾
 につらなる世界経済の大動脈。
 (その自由と安全は日本の国益!)

・これに気付いたインドは陸主体から海軍力強化へシフト
 (過去15年で軍事予算に占める海軍予算の比率が倍増)。

・中国の資金による港湾建設が
 ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、パキスタンで行われた、または計画中。
 これらが全て中国海軍の寄港地になりかねない
 (いわゆる「真珠の首飾り」:谷口智彦氏著『国際情勢のレッスン』参照 )。

・これに最も敏感に反応したのがインド。

・2005年、インド海軍総参謀長が
 「強力な海軍が不可欠である。
  インド洋におけると同時に、より広く、
  アジア太平洋の海軍バランスを維持するためだ」
 と発言。

・これまでインド洋の米軍基地(ディエゴ・ガルシア)を疎ましく思っていたが、
 「中国海軍との将来における均衡を図るため、太平洋勢力に連携を求めたのである」。

・日本が米国以外に「安全保障を看板に掲げた関係を正式に打ち立てた」
 国はオーストラリアとインドのみ。

・2009年版のインド国防省防衛白書
 日本を「インドの戦略的グローバル・パートナーであり、利益と価値を共有する相手」と呼んだ。
 2010年版では、日本の記述の順序を欧州より前に入れ替えた。



ちなみに、

↑の記事の欄外に記述があったのですが、

インドはすでに↓空母を一隻持っているそうです。


インド空母(1)
インド空母(2)
インド海軍HPより)




ところで、

軍隊を持つ意義とは何でしょう?


それは、

国民生活の維持のために必要な物流を確保すること

にあると思うのです。


前回の当ブログ記事

欧米はリーマンショック後の景気悪化による財政難で軍事予算を削減

と言う話を紹介しました。


「軍隊はカネ食い虫」

というニュアンスです。


確かに、

過剰な軍備についての人材・資源の過剰配分は、

一国の供給能力を著しく低下させ、

過度のモノ不足、インフレ圧力と言う形で

国家経済を圧迫し、政府の財政を逼迫させ(というか経済政策の選択肢を狭め)ます。


しかし、

最低限の物流を確保するための軍事力というものは必要不可欠です。

上記で紹介しましたような
「民主主義政体諸国によるインド洋の自由と安全の確保」
は、
まさにそれに当たるのではないでしょうか?

物流の確保は通貨価値の維持をもたらします。

通貨の価値の裏づけとはモノの生産供給、すなわち物流に他ならないからです。

国民生活に必要な物流を確保し続けさえすれば、

政府がいくら通貨を発行しても、あるいは、
政府が国債を発行し、中央銀行が買いオペで通貨を増発しても、

国民生活を毀損する悪性インフレにはなりません。

なぜなら、

生活に必要な物資を国民全体に行き渡らせるための物流さえ確保できれば、

国民生活は、決して毀損することがないからです。

我々の生活に本質的に必要なのは、カネではなく、物流であります!


つまりは、

物流を確保するための適切な軍備は、

それ自体が通貨価値の維持に貢献し、つまり、

財源の確保をもたらす

のではなかろうか??

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国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
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「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
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・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
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342:欧米軍縮、アジア軍拡(日本除く)

2010/09/08 (Wed) 00:25




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 詳しくは日の丸おじさん様のブログをご参照ください。

「☆サルでもわかる!マスコミが隠したがる本当の日本経済」
http://www.youtube.com/watch?v=HKIwkzq-pO4&feature=PlayList&p=29228CDBABAF0DCF&index=0&playnext=1


特に、名目GDPと実質GDPの違いの説明のところが面白いです。

・名目GDP成長とは牛丼×価格が伸びること。

・実質GDP成長は牛丼の売れる杯数が伸びること。

・牛丼の売れる杯数が変わらず、価格だけ伸びてもそれはインフレで実質成長なし。

というのは、実にうまいです^^


ついでながら、

その日本経済復活の会
今年の6月に読売新聞に載せた全面意見広告のPDFが↓こちらです

[意見広告]積極財政で財政が健全化する シミュレーションで明らかになった驚くべき事実
http://www.tek.co.jp/p/pdf/ajer_adv.pdf?tv_name=miraikosotv&program_id=1023

非常に興味深い内容ですので、是非ご一読のほどを^^



さて、本題です。

今年の夏は、日本近海の海水温がやたら高くなっていたそうです
(昨日でも北海道の周りで30℃あったとか@@)が、

別の意味でアジアの海が熱くなりそうな感じです。

まずはアジアの前に欧米のお話おば。

日経新聞2010年9月7日朝刊7面


 【欧州、国防費削減を加速】
 今年、GDP比最低の1.5%台も 
 財政悪化 聖域にメス


  欧州各国が国防費の削減を本格化している。
  欧州危機を契機に財政赤字問題が浮上し、国防費にメスを入れざるを得なくなっている。
  冷戦終結から20年が経過し、軍の活動の中心が対テロ作戦に移り
  軍縮の流れが国際世論で大勢となっていることも背景にある。

  …

  北大西洋条約機構(NATO)によると、
  欧州加盟25カ国の09年の国防費の合計は2812億ドル(約23兆6200億円)と前年比10.5%減った。 
  減少するのは大半の中・東欧諸国が加盟した04年以降では初めて。

  …

  欧州の国防プロジェクトの一部に影響が出始めており、
  米国依存が高まることへの懸念が指摘され始めた。

  …

  ドイツは14年までに、ドイツ軍の人員25万人のうち約9万人を削減する計画。
  …
  英国では10~11年予算では国防費は減らさないが、
  11~12年以降の4年で国防費を15%
  人員を3万人それぞれ減らすとの見方が研究機関から出ている。

  一方、米オバマ政権も戦費を含め年間7000億ドルにのぼる国防費
  今後5年間で合計1000億ドル削減する方針をうち出している。
  …



ふむふむ。
ドイツは25万人の人員から9万人減らすとのこと。
これはなかなか大胆な軍縮のようですね。

なお、
引用すると長くなるので省略しましたが、
アメリカはアフガン戦争、イラン戦争で国防費が倍に膨らんでいたものを少し戻すというような削減となっています。

また、
アメリカの場合はこの10年くらいでかなり技術革新が進んでいる模様なので、
同じ国防機能を従来よりも低コストで行えるというようなこともあるやも知れません。


一方、

上記記事と同じ面正反対のお話が…


 【アジア各国は軍拡続く】
  パワーバランスに変調も


  アジアで軍備増強の中心となっているのは中国だ。

  2010年予算の国防費前年実績比7.5%増約5321億元(約6兆9千億円)となった。
  21年連続で2けたを示してきた伸び率は1けたに減ったが、10年前と比べても4倍以上の規模
  研究開発費などを含む実際の軍事費はさらに大きいとみられる。

  韓国東南アジア軍事費を増やしており、
  海空戦力の増強に動く

  スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、
  05~09年に東南アジア諸国の武器輸入04年までの5年間と比べてほぼ倍増した。

  最大の理由は安全保障問題
  北朝鮮は核開発を推進し中国台湾はにらみ合いを続ける。
  資源が絡む南シナ海などでは関係国のあつれきが増している。

  財政面の事情もある。
  アジアの途上国の今年の経済成長率は国際通貨基金(IMF)の見通しで9.2%。
  1990年代後半のアジア金融危機で各国は軍事費の削減を余技なくされたが、
  今回はダメージが少なく、欧米と攻守逆転した。

  SIPRIによると、
  09年の世界全体の軍事費のうち北米・欧州が占める割合は70%で、アジアは17%
  米国が全体の43%で圧倒的な優位に立つ構図は変わらないが、

  アジア各国が今後も装備ハイテク化を加速すれば、
  日本を含む世界のパワーバランスが変調をきたすことが予想される。

     

アジアが熱いですね!

とくに、↓このくだりなんてシビレちゃいます。

「(中国の国防費が)10年前と比べても4倍以上の規模」
「資源が絡む南シナ海などでは関係国のあつれきが増している。」

一方、アジアなのに熱くない国も…

防衛費の推移(21年度防衛白書)
↑平成21年版 防衛白書 より


日本国の防衛費は8年くらい前から絶賛減少中!



どこで聞いたか、どこで読んだのかは失念してしまったのですが、

↓こんな話があります(不正確な記憶です。あしからず)。



あるとき、日本の企業が経済産業省の音頭東シナ海で天然ガスの試掘に行きました。

すると、近年海軍を絶賛増強中の国の軍艦そのそばをウロチョロと…

(いや、そのそばで実弾演習をおっぱじめたとか、そんな話でしたっけか…)

それ以降、日本の企業は余りにも怖くて試掘には手を挙げなくなったとか…。



次回は、こんな状況のなか日本に熱烈なラブコールを送っている某アジアの国があるそうなので、そのお話を紹介してみようと思います。



日本は現在、欧米と同じく低成長で財政難なのだから、

防衛費はやはりガンガン削減すべし!

東シナ海や南シナ海の資源なんて全然いらねー!


いや、軍艦で無言の圧力を掛けて来る国がいたとしたら、

憲法9条の条文を読み上げて丁重にお引取り頂けば済む話だから、大丈夫だ!

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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信


【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
  こちら→ http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc

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341:円高株安は「買い」!?

2010/09/07 (Tue) 00:07




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まずは、コメント欄に書き込んで下さっていた

日の丸おじさん様

「☆サルでもわかる!マスコミが隠したがる本当の日本経済」
http://www.youtube.com/watch?v=HKIwkzq-pO4&feature=PlayList&p=29228CDBABAF0DCF&index=0&playnext=1

の宣伝です。


特に、名目GDPと実質GDPの違いの説明のところが面白いです。

・名目GDP成長とは牛丼×価格が伸びること。

・実質GDP成長は牛丼の売れる杯数が伸びること。

・牛丼の売れる杯数が変わらず、価格だけ伸びてもそれはインフレで実質成長なし。

というのは、実にうまいです^^




さて、本題です。

皆さん、

円高なので輸出企業は壊滅、日本終了です…

と思いきゃ

財務省

法人企業統計

で金融を除く全産業・全規模の企業の経常利益(合計)を見てみますと、

意外な状況になっています:



為替レートと経常利益(1980年3月~2010年6月)




リーマンショックのあと

円高とともに経常利益が急激に減り、その後も円高が進行する中、経常利益は急回復していたりします。

ちなみに、

最新の2010年4-6月期は、
すでに1ドル=90円とかなりの円高水準でしたが、
このときの経常利益が13.3兆円です。

これは、
07年1-3月期の過去最高16.6兆円には及びませんが

バブル絶頂期の89年1-3月期10.6兆円と比べれば30%増となっています。

ちなみに、89年と比べると消費者物価は8%くらいしか増えていませんので、

実は企業業績はバブル期を遥かに凌駕しているということになります。


ここで、
リーマンショック前後を抜き出し、拡大して見てみましょう。

↓この方が、今般の円高の中でも企業業績が回復しているさまが良く分かると思います。



為替レートと経常利益(リーマンショック前後)




だからと言って、現在の円高をほったらかしにしてても良いです、というわけではありません
念のため。

が、その観点は今回はちょっと脇においておきましょう。

(私の考え方は、
  為替レート長期の緩やかな変化は市場に任せ
        短期の急激な変化は断固介入
 です。
  というのは、短期の急激な変化はやはり様々な混乱を招くからであります)


さてさて、
95年の史上最高の円高のときですが、



為替レートと経常利益(90年代)



94年から95年年央にかけて、
急激な円高が進行する中、経常利益が回復しております。

また、98年だけを見てみますと、円安が進行する中、経常利益が減少しています。

円安だからと言って、企業利益が単純に回復するわけでもないようです。

更にいうと

最初のグラフで、

85年以降の急激な円高のなか製造業やその中の自動車産業は87年ごろまでは経常利益を落としています。

しかし、全産業(金融除く)はそのときも横ばい

87年から90年にかけては、円高振興の中で自動車産業、製造業も全産業も急激に経常利益が伸びています。


円高、ということは、輸入原材料の価格が安くなるということになります。

それゆえに円高であれば、内需産業は儲かり易い、ということになります。

製造業(自動車産業含む)も、国内向けの売上については非常に儲け易い状況になります。

だから、

円高であれば、政府は思い切り内需を振興する政策を打つべきと言えるのではないでしょうか。

つまりは、

円高のときこそガツンと財政出動して、企業が国内で儲けるための機会をしっかりと創り出すべきではないでしょうか。


さて、それはそれとして、

代表的な輸出企業である、
ソニー、トヨタ、キヤノンの株価と利益の関係を見てみましょう。

ちなみに、
EPSというのが利益のことです。(EPS:Earnings Per Share 一株利益)



ソニーの株価とEPS
ソニー http://bigcharts.marketwatch.com/advchart/frames/frames.asp?symb=JP:6758&sid=140902&time=


トヨタの株価とEPS
トヨタ http://bigcharts.marketwatch.com/advchart/frames/frames.asp?symb=JP:7203&sid=141420&time=


キヤノンの株価とEPS
キヤノン http://bigcharts.marketwatch.com/advchart/frames/frames.asp?symb=JP:7751&sid=138012&time=



とりあえず、

最高の円高になった95年あたりに注目してみますと、

ソニーは赤字(EPSがマイナス)になっています。

これは置いておきましょう。

一方で、
トヨタもキヤノンも、95年は94年よりもEPSが伸びています。
にも関わらず、トヨタもキヤノンも95年の年央は94年より株価が下がっております。
これはきっと「円高=輸出産業の業績悪化」という連想によるものと思われます。
そして、95年の後半は円安とともに株価も回復した、という格好になっています。

一貫して利益は伸びていたにも関わらず、株価はそう動いたわけですね。

利益が伸びている中、
円高を理由に株価が下がっていた95年の年央は絶好の買いチャンス
であった、
ということになります。


それから、09年の半ば以降の円高が進行している時期ですが、

ここは、ソニーもトヨタもキヤノンも利益が急回復しております。


利益が伸びているにも関わらず、株価は円高を理由に落ちている。

・上記で見てきたように、
 円高だからと言って必ずしも業績がおちるわけでは無い。
 むしろ業績が伸びることもある。

という現在、

実は絶好の買いのチャンスかも!?

(企業の業績回復に伴って給料もしっかり回復しないと本当の景気回復はままならない、というところでありますが…)


なにはともあれ、

「円高で日本終了…」

どころか、

「企業の経常利益が
 インフレを考慮しても
 バブル絶頂期を遥かに凌ぐ高水準」
とは

こりゃたまげたわい@0@

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【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
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「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
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340:インフレなので金融引締めます:インドネシア

2010/09/05 (Sun) 02:32




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「財政出動反対」の方への反論をご希望の内緒コメントの方へ:

 ・そもそも論をしてみてはいかがでしょうか?

  「政府や日銀の根本的な役割とは何か?」

  「それは、国民生活を100年後も1000年後も維持向上させ続けることではないのか?」
  「その観点で考えれば、カネではなく、モノ、
   特に食い物、食い物を作るためのエネルギー源の確保が重要では?」


   →参考記事:【続 「破綻」を再定義してみます[1]】
           【続 「破綻」を再定義してみます[2]】
         

 ・その上で、↓のような議論をされてみてはいかがでしょうか?

  「よその国では次世代エネルギー技術を手に入れ、
   磨きをかけ、国際競争力を着実に付けようとして政府がカネを出し
   都市を丸ごと一つ作っている(まさに財政出動!)が、
   こういうのをただ指をくわえて横目で見ているだけで良いのか?」


  「それで日本の競争力はこれからも維持できるのか?」

  「民間企業の努力に期待するだけで本当に遠い将来にわたって国家を維持できるのか?」

  「よその国がこのような動きをしている中で、
   あなたには、国民を千代に八千代に飢え死にさせないための確固たるプランがあるのか?」


   →参考記事:【子ども手当て1年分で作れる!?近未来環境都市】




私に言わせれば、

「財政出動は意味が無い」とかなんとかかんとか議論していられるのは、
日本が余りにも平和過ぎるからとしか思えないのです。

他の国では、政府がしっかり支出を増やして

国家の維持・繁栄のため

技術を磨き、

あるいは、軍備を増強しているというのに、です。


(中国のみならず、インドも空母を持つ計画だという話はまた後日)


↓他の国がどんどこ政府支出を増やす中、



blog_import_4c5188698b053.gif
OECDデータ、内閣府データから作成



日本はひたすら政府支出を増やすことなく、

100年後、1000年後も繁栄を続けるための準備を行うことが、果たして出来るのでしょうか?





さて、本日の本題です。

デフレで苦しむ日本尻目に、
インフレなので金融引締めをするという羨ましい国のお話です。



【記事1】インドネシア金融引締め 預金準備率引き上げ(日経新聞2010年9月4日朝刊7面)

  インドネシア中央銀行は3日の理事会で、
  商業銀行が中銀に預ける預金準備率を5%から8%に引き上げることを決めた。
  11月1日から実施する。
  政策金利は年6.5%で据え置いたものの、インフレの進行を懸念
  準備率の引き上げによる金融引き締めに動いた。





日本の預金準備率
1.2%とか1.3%
です。

この預金準備率というのは、

銀行預金に対して、銀行が中央銀行に預けなければならないおカネの割合のことです。

日本の1.2%だと、

100兆円の預金があれば、1.2兆円のおカネを中央銀行に差し入れておく必要があります。

これは逆に言えば1.2兆円の保証金を中央銀行に入れれば、100兆円の借金(=預金)をしても良い

つまり、

83.3倍のレバレッジを掛けても良いということになります。


これに対して、

インドネシアでは5%を8%に引き上げる

つまり、

これまでは20倍のレバレッジを掛けても良かったものが、

12.5倍までしか出来なくなる

ということを意味します。

かなり大幅な引き締めということになりそうです。

(このレバレッジの話は自己資本比率規制も考慮する必要があります。
 詳しくは「さらば、デフレ不況」のp.132辺りに書いております)



さて、
そのインドネシアのインフレ率はどんなものかと言いますと…



  8月の消費者物価上昇率前年同月比6.4%
  7月の6.2%を上回る水準が続く一方で、
  前月比では0.8%で7月の1.6%を下回った。

  ダルミン総裁は
  「年間インフレ目標の4~6%を超えそうになっているが、
   インフレをコントロールするよう努める」
  と述べた。




ちなみにこのインフレ、何ででしょう?

上記の日経記事と同じ面に↓こんな記事が




 【記事2】東南ア主要6ヵ国 7月新車販売34%増
         インドネシア・タイ好調
(日経新聞2010年9月4日朝刊7面)

  東南アジア主要6ヵ国の7月の新車販売台数は計21万9989台と前年同月に比べ34%増加した。
  7割増と依然好調のインドネシアがタイを抜き3ヵ月ぶり首位に立った。
  …
  インドネシアは72%増の7万2130台と2ヵ月連続で月間販売の過去最高を更新
  首都ジャカルタで開催されたインドネシア国際モーターショー販売を後押しした。
  …



景気が良すぎるのでインフレという、

なんともまあ羨ましい限りの状況の模様。


ところで、

このインドネシアのインフレについて、
たまたま興味深いIMFのレポートを見つけました。

なぜ、インドネシアは周辺の東南アジア諸国と比べてインフレ率が高くなるか?

というテーマです。

また近いうちにそれに基づいた話を書いてみようと思います。


さてさて、

テレビでよく
一旦インフレになったら火が付いて止まらなくなり、
ハイパーインフレになります!

といっている人(例:元読○テレビの辛某さん)
もいるけれど、

その理屈でいうとインドネシアは金融引き締めも空しく
このままハイパーインフレになるのかしら?



そんなわきゃないか(笑)

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【↓著者本人による解説】

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 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

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・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
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