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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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395:「ヘッジファンドで国債暴落→日本終了」のウソ

2011/07/20 (Wed) 00:37
 





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前回

最新「破綻本」事情:「外国人が見向きもしない日本国債」の大嘘!

の続きの話です。

 

 

最新の日本破綻教団の教義のトレンドとして、こんなのがあるようです。

 

 

「ヘッジファンドが日本国債の暴落を仕掛けてくるぅ~

 

 

今回はこの新しい信仰について、大陸間弾道ミサイル級の破壊力を以て完全に木っ端微塵に粉砕しておきたいと思います。


 

 

まず第一に、「ヘッジファンド」は全知全能の神でも何でもありません。

 

大和総研の下記のコラム

 

世界のヘッジファンド動向と期待される日本ファンドへの資金流入

http://www.dir.co.jp/publicity/column/110223.html

 

によれば、

 

 

順調に成長が続いてきた世界のヘッジファンドは、2008年のリーマン・ショックを契機とする世界的な金融危機の影響で、ファンド数が大幅に減少、運用資産額も急速に縮小した。Eurekahedge1)の推計では、金融危機前の086月には1.95兆ドルに達した運用資産額が、094月には1.29兆ドルにまで減少したのである。

 

 

 

2兆ドル近くあった運用残高が1.3兆ドルまで減少したのです。

 

もちろん、あくまでも一時的ですが、OECDの月平均為替レートで換算すると、

 

208.5兆円が127.6兆円に、つまり、運用資産額が円換算で4割近く減少したわけです。この流れで「巨額の損失を出して清算するヘッジファンド」も数多く出ましたgoogleで「ヘッジファンド 清算」で検索すると多数出てきます)。

 

 

この時点で、
ヘッジファンドを新たな教祖ないしご本尊として絶対的信仰の対象にしたこの新興破綻教団は、いかにも怪しい雰囲気で一杯ですね。

 

 

もちろん私、これだけで追求の手を緩めるつもりはありません。

 

 

前回書いていた「最近よく売れている破綻本」のうちの一冊によると、

 

 

国債先物では手持ち資金を100倍の資金を動かせる。100億円あれば1兆円の売りを仕掛ける事もできる。素人経済評論家はそのことを全く理解していない。

日本国債が国内保有95%だろうが100%だろうが関係ないのだ。

 

 

ということだそうです(上記はウロ覚えの記憶なので正確ではありません。念のため)。

 

私に言わせれば上記のようなことを言っている事自体が素人以下です。

 

というのは、日本国債の先物、例えば下のグラフの赤枠内のように

 


国債先物チャート(超短期)

出典:ゴールデンチャート社

http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=0435

 




たった二日で138.81から141.17まで、1.7%も上昇しています。

 

1.7%です!

 

もし、100倍のレバレッジをかけて、「売り」のポジションに保有資金を全額つぎ込んでいたヘッジファンドがいたら、そのヘッジファンドは即、終了です。

 

100ということは、1%の変動(賭けていた方向と逆方向の変動)で預けている証拠金をすべて失うということなのです。

 

だから、

 

「資金を100倍にして先物で暴落を仕掛ける」ヘッジファンドというのが存在したとしたら、そんなヘッジファンドのファンドマネージャーは余程のギャンブラーか、単なる詐欺師であり、顧客からの信用は資金を集める前から、日本国債が暴落する以前に暴落しています。

 

少なくとも、そんな素人以下のアホ過ぎるヘッジファンド・マネージャーがいたとして、誰がそんなアホな人の運用するヘッジファンドに資金を預けるでしょうか。そこまで底抜けに親切な人、いませんよね?

 

よって、

 

「ヘッジファンドが資金を100倍にして先物で暴落を仕掛けるので、とにかく日本終了」という説は残念ながら、「信じる者が全く救われない」という類のインチキ話以外の何ものでもない、ということになります。

 

 

 

…ここで終わっても良いのですが、さらに追い打ちを掛けておきます。

 

先物というのは簡単に言ってしまうと、

 

予約販売、あるいは、予約購入の取引です。

 

たとえば、日経平均の本日(719日)の「現物」の価格は9,889.72円ですが、先物(直近限月。一番期日の近いもの。ここでは98日に決済のもの)の価格は15:15現在で9,890.00円となっていました(ヤフーファイナンス)。

 

この場合、現物と先物(直近限月)の価格がほとんど同じですが、ここでミソなのは、ここで先物で買いを入れると、98日までに現物の価格がどれだけ変動しても、98日に、いまの先物の値段で買える、ということです。

 

例えば、98日に現物の日経平均が15千円になっていたとしても、いま、先物を買っておけば、9890円で買える、ということになります。

 

逆に、売る場合は、売る価格を先に確定することができます。

98日に現物の日経平均が9000円下落したとします。いま、9890円で売る契約をしておけば、98日に9000円で現物を買い、それを契約通り9890円で売れば890円分の儲けが出るわけです。

 

 

さて、この日経平均の現物と直近限月の先物の価格をグラフにしたものを見てみましょう…と、その前に。

 

ここで、本当は国債先物のグラフを作ってみたかったのですが、なかなかデータがそろいません。というのは、たとえば「10年物国債」についての先物が参照すべき現物の10年物国債というのは、実は存在しないからです。この場合の「10年物国債」というのは、「3ヶ月毎に期日が来るときに、その時点で表面利率6%の残存期間10年の国債があったとしたら、この利回りになる」という架空の10年物国債なのです。そして、そこで受け渡しがされる国債というのは残存期間が10年に近いものを、東京証券取引所が予めいくつか選んでいて、それぞれの残存期間から利回りが一致するように交換比率を定めて交換されるという仕組みになっています。

詳細は東証参照。

 

 

ということで
「現物と先物の値動きがどのようなものか」の事例として日経平均で見てみましょう。

 


日経平均の現物と先物の価格推移 
 

先物データ入手先:http://www.next-futures.com/data/



 

なお、先物は直近限月の価格をつないだものです(先物は3ヶ月ごとに新しいのが出てきます。逆に言えば、3ヶ月毎に直近限月のものが入れ替わっていくことになります)

 

 

 

さて、現物と直近限月先物の価格はかなり近いものになっています。

そして、先物価格は期限の日になると現物と一致することになります(厳密にはちょっとだけ異なることになりますが、基本的には価格の差がゼロになります)。

期日が来たら「先物」でなくなるので、それは当然といえば当然です。

 

しかし、ここで注目していただきたいのは現物と先物で価格が少しながらも微妙に開いていることです。

 

ここがポイントです。

 

ここで、国債先物に話を戻したいと思います。

 

仮にです。

仮にヘッジファンドが国債先物を売り込むことで、多少なりとも国債先物の価格が下がったとします。

 

すると、少なくともその瞬間、現物との価格差が開きます。

 

 

そうなると、いま、国債の現物の購入を検討している機関投資家(銀行や保険会社、投資信託運用会社あるいは、ほかのヘッジファンドなど)はどういう行動に出るでしょうか?

 


まず、第一に、国債は政府が破綻しない限り、最終的には価格は発行価格に戻ります。これが株や通貨やその他の商品と根本的に違うところです。

その前提においては、現物の国債を少しでも安い値段で買えば、確実に利益が増えます。先物の価格が下がったということは、いま、その先物を買えば、いま現物を買うよりも割安価格で現物を入手できることを意味します。そうなると先物の買いに走る人が少なからず出てくることになるでしょう。だって、いますぐ現物を買いたいと思っているひとには、市場の歪みよって割安価格になっている先物を買ったほうが絶対にお得なのですから!それによって先物の価格は持ち直すでしょう。


 

あるいは、こんなやり方も考えられます。

上で書いたように、現物と先物の価格は、先物の期日が来たときに基本的にはゼロになります。

ということは、価格差がいずれ必ずゼロになることが分かっているので、

先物を買い、現物を空売りする、というパターンも考えられます(世界最大の債券ファンド運用会社ピムコ参照)。

 

この場合、現物は売りが入るのですが、先物に買いが入ることになるので、先物の下落ペースが弱まります。現物は確かに売りが入りますが、ここで「空売り」であることに注目です。

 

空売りするからには、誰かから借りてきて売らないといけません。借りてくるからには、賃借料を払わないといけません。
この手法で空売りをする人が増えてくれば、需要と供給の関係で賃借料が高くなってしまいます。
そうなれば儲からなくなるため、空売りをする人もだんだんと減っていきます。つまり、儲かる人というのは最初に市場の歪みに気づいた一部の投資家だけ、ということになるのです。これが暴落にまでつながるかというとそれは考え難いというものです。



いや、そうは言っても、

 

①「やはり最初に勢いが付けば、ヘッジファンド達の売り込みをきっかけに暴落が起こることはあり得るのでは?」

 

と思われるかも知れません。

 

また、

 

②「日本の高齢化の進展に伴いより多くの人が定年を向かえることで貯蓄率が下がり、従来の投資家の買いが鈍り、ついには売り手にまわるのではないかとみる向きもある。」2010 1 4 ウォール・ストリート・ジャーナル

 

ので、「割安になったからと言って買いが入って価格が持ち直す」とは限らないのでは?

 

という向きもあるでしょう。

 

まず、①に関して日本国債市場の規模について確認しておきましょう。

 

日本証券業協会

 

のデータによると、20107月から20116月の1年間の日本国債現物の売買取引高は、聞いて驚くことなかれ

7,731兆円

 

です!(国債の発行残高がだいたい850兆円ですので、1年で9回転している計算になります)

 

そして、同期間の東証国債先物の売買高

 

1,102兆円

 

 

そして比較のために東証一部上場株式については、同じ期間で

現物の売買高358兆円

先物(TOPIX指数)の売買高126兆円

 

株式と比べてみると国債市場の厚みが非常に大きいことが分かるでしょう。


現物で
20倍、

先物で9倍の開きがあります。

 

 

こんな巨大な市場でヘッジファンドが思いのままに相場を操るなんで出来ると想像するほうが難しいでしょう。

 

ちなみに、米国債の売買高

Securities Industry and Financial Markets Association

から拾った1日あたり平均の売買高のデータに50週×5日を掛けて、それを1ドル=80円で円換算すると、2010年の1年でだいたい1京円程度という数字になります。

 

米国債の売買高が1年で1京円。

日本国債の売買高が1年で7,700兆円。

ほかにこれだけの市場規模をもつ金融商品があるとは思えません。
 

ということで、
日本国債は単一の経済主体が発行している証券としては、世界で2番目の売買高を誇る、圧倒的に巨大な金融商品であると言えます。

 

だから、
基本的に日本国債に関しては、ちょっとでも市場に「歪み」、つまり、儲けるチャンスがあれば、多額の資金をもつ多数の投資家がそのチャンスを目がけて殺到することになります。

 

だから
「日本売り」に賭けているヘッジファンドがあったとしても、彼らは別に自分たちで日本国債市場を操ってやろうという野望を抱いているわけではない
と見たほうが自然です。

 

実際、上記で出てきたウォール・ストリート・ジャーナルの記事でも

 

 

ヘイマン・アドバイザーズのカイル・バース氏は、「(日本の国債価格の暴落は)必ず起きる。問題はいつ起こるかだ」と語った。同氏は起こる方に賭けている。

 

 

と書いています。彼ら日本国債暴落に賭けているファンドマネージャー達は、主体的・能動的に国債暴落を仕掛けているのではなくて、「何らかの原因で国債暴落が起きること」に賭けているだけなのです。

 

 

そうそう、昔、ジョージ・ソロスが英ポンドの空売りを仕掛けてBank of Englandに勝った、という話がありましたが、これは、今回の日本国債とはかなり事情が異なります。

 

まず第一に、1992年当時、英ポンドは割高でした。当時の英国通貨当局は、高金利政策、つまり、金融引き締めによりポンド高を維持していました。

そして、非常に重要なことに、英国は経常赤字だったのです。

 

現在の香港や中国は、為替レートを対ドルで固定あるいは半固定に保っていますが、香港も中国も経常黒字です。

 

経常黒字であれば放っておいても国内部門に外貨が貯まります。そして、放っておくと自国通貨高に動きます。
また、通貨当局はどんどん自国通貨を増発することで自国通貨を安くする方向に誘導することが可能です。

安くする方向はいくらでもできるので、経常黒字国が固定レートを維持するのは簡単です。中国などは露骨に自国通貨を増発してそれを米ドルや日本円やユーロと交換することで元レートを本来よりも安めに誘導しています。

 

ところが、経常赤字国はそうは行きません。

 

赤字国は自然には国内に外貨は貯まりません(「純」のベースで)。

放っておくとどんどん自国通貨安になるので、外国から外貨を借りてきてそれを売って自国通貨を買わない限り固定レートの維持ができません(その極端な例がロシア危機直前のロシア

 

前にも書きましたが、「外貨準備高」というのは、国全体の対外資産のうち、通貨当局(政府や中央銀行)の持分のことです。

継続的な経常赤字国は対外純資産がマイナスですから、端的に言えば、そんな国の外貨準備というのは、外国からの「借金」です。

 

借りてきている外貨準備というのはもちろん有限です。自国通貨のように無限ではありません!
ですので、必ず打ち止めになります。

 

それゆえに、経常赤字国が割高な自国通貨の価値を維持するのは不可能です。

借りてきているドルを売って、ポンドを買う、なんてことが当時の英国銀行には当然、限度があったわけです。

 

ちなみに、小学館のニュースサイト「NEWSポストセブン」の記事によると、当時のジョージ・ソロスがポンド売りに投じた資金が100億ドルだったそうです。対して、91年末の英国の外貨準備高は485億ドル世界銀行)。もちろん、この外貨準備高を全部ポンドの維持のために売り払うなんて出来ません。そうなると、ソロスの資金規模は割高なポンド価値を是正するためには十分な資金量だったと考えて良いでしょう。

 

100億ドルとか485億ドルとかいうと、せいぜい1兆円とか5兆円程度の話です。

これと同じことが現物で7700兆円、先物で1100兆円の市場規模の日本国債で出来るか、っていう話です。

 

しかもその上、ポンド危機のときの英国のように外貨を用意しなければならなかったのとは全く状況が違い、日本国債の問題は日本円、自国通貨の問題です。そして、日本の通貨当局たる日銀は理論上、幾らでも円を増発することが可能です。

 

なので、
日本国債暴落に賭けるヘッジファンドたちが勝利を収めるには、やはり、素直に日本政府が破綻しなければなりません。

 

ということで

 

②「日本の高齢化の進展に伴いより多くの人が定年を向かえることで貯蓄率が下がり、従来の投資家の買いが鈍り、ついには売り手にまわるのではないかとみる向きもある。」

 

について検証してみましょう。

まあ、当ブログの常連の皆様には既に耳にたこが出来るくらい繰り返し書いていることですが、おさらいを兼ねて。

 

 

いやはや、「貯蓄率がー」というのは国内の日本破綻教団だけのローカルな教義かと思っていたのですが、このウォール・ストリート・ジャーナルの記事を読むと、どうやら国際的共通認識のようです。

 

これ、当ブログでも、あるいは私の著書の「さらば、デフレ不況」でもコテンパンに撃破しているので、ここではごく簡単に改めて書いておきますと…

 

 

・「貯蓄率」は家計部門だけの数字。貯蓄率が低下しているので国債を買う人が居なくなるという見方は、企業部門が大幅に貯蓄モードにシフトしている事実を完全に無視している。

 

・もし、「貯蓄率が低ければ政府が資金調達できない」、ということが正しいのであれば、貯蓄率が一時はマイナスになっていたオーストラリアや北欧諸国はとうの昔に破綻していないとつじつまが全く合わない。

 

 

ここで、日銀資金循環統計から国内各部門の資金フローを見ておきましょう。

 
国内部門資金過不足(国内各部門)



家計の黒字(つまりは貯蓄)は確かに2000年を境に落ち込んでいますが、代わりに非金融企業部門が、90年代前半までの大幅な赤字(借金モード)から一気に大幅黒字(貯蓄モード)にシフトしています。

 

 

次に、家計や企業を合わせた国内民間部門全体の黒字が、政府の赤字が膨らむ以上に膨らんでいる様子を見ましょう(下のグラフ)。



国内部門資金過不足(政府と民間合計)



ここで、
家計+NPOのグラフを破線で示していますが、家計の貯蓄が落ち込んだ分を補って余りあるほどに企業部門の貯蓄が増加している様子がよく分かります。

 

 

ダメ押しとして、政府の借金が増えている理由を別の角度から見ておきましょう。それは、
「民間が借金を減らしまくっているので、政府がその代わりに借金を増やしている」からです。
また、金利が低いのは「日本の金融機関が国債を買い支えているから」というよりは、民間の借金が減りまくるという資金需要がない状態だから、です。

 

 
1国内部門負債

 

 

 

民間部門の借金が減りまくっている、家計の貯蓄率が減っても企業部門がそれ以上に貯蓄を増やしている、という誰でも簡単に、かつ、即座に確認できるような事実に、なぜかプロの投機家も目が向かないようで、私としてはビックリです。

この原因は何かと言うと、下に引用するロイターの記事が参考になりそうです

 

 

為替こうみる:ヘッジファンドはIMFと日銀リポートで日本売り=草野GF 草野氏

2009 11 9 15:04 JST

 

<草野グローバル・フロンティア代表取締役 草野豊己氏>

 

 

 

 ヘッジファンドの間に日本売りの動きが出てきている。日本株売り、日本国債売り、そして円売りだ。この裏には、ヘッジファンドの間で広く読まれたIMFと日銀のレポートがある。

 

 IMFが7月に出したリポートは日本国債を主に買っているのは日本の個人マネーであることを明らかにしたうえで、2019年に政府債務残高が個人金融資産にほぼ匹敵する水準に増加、その後は個人金融資産を上回るとして、国債の国内消化ができなくなるリスクを示した。

 

 また、日銀が9月に出した金融システムリポートについては、GDP成長率を市場予想並みとした場合「向こう3年間の銀行部門の累積信用コストは3年分のコア業務純益を上回る可能性がある」、成長率をより厳しくみた場合「向こう3年間の累積信用コストがさらに4割程度増加する惧れがある」とした部分が注目を集めた。日本の金融機関の収益性や金融システムの健全性に疑問を持ったことが日本売り、とりわけ日本の銀行株売りにつながった。

 

 さらに、ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏が共著者と出したTHIS TIME IS DIFFERENT」という本がヘッジファンドの間で評判を呼んでいる。過去の金融危機を分析したもので、過去の多くの例では危機発生の2─3年後に政府債務残高が膨れ上がり、ソブリンデフォルト(政府の債務不履行)に襲われてきていることを考えると、今回も大不況はまだ終わっていない。

 

 これらがソブリンリスクを意識させ、財政悪化に苦しむ日本売りや米国売りが大きなテーマに浮上している。これまで円はキャリー・トレードのファンディング通貨として売られたが、今後はソブリンリスクというテーマのなかで日本のぜい弱さを手掛かりに売られることになるだろう。

 

 (東京 9日 ロイター)

 

 


つまり、
 

IMF「日銀」「ケネス・ロゴフ」

 

が原因の模様。



 

ケネス・ロゴフさんの著書、私はまだ読んでいませんが、

 

「過去の多くの例では危機発生の2─3年後に政府債務残高が膨れ上がり、ソブリンデフォルト(政府の債務不履行)に襲われてきている」

 

という件に関連して、内国債のデフォルトは過去300年で数十回起きている、みたいなことが書いてあるそうです。

 

 

そのなかには、ロシア危機のロシアや終戦直後の日本も含まれるとか。

 

 

ロシアについては、これは確かに内国債の債務不履行はあったけれども、その内国債も実質は外貨建て債務だったことは、以前にも書きました

また、日本の終戦直後の話も繰り返し書いています。はっきり言わせていただくと、ロゴフ氏の著書、詰めが甘すぎるようです。

とりあえず「内国債のデフォルト」という表面的な事象をたくさん集めてきているけれども詳細な実態についての検証がなされていないように思えます。

 

ロゴフ氏がどういう意図で書いたかは分かりませんが、多くの人々に誤解を与えていることは疑いようがありません。

 

例えば私の自宅、神戸の観光地・北野町の近くですが、このあたりでも戦時中は徹底的な空襲により、一面焼け野原で焼死体がごろごろ転がっていたと私の親族が証言しています。

あるいは、皆さんよくご存知の甲子園球場。あの甲子園球場も空襲があったときは防空壕となっていました。鉄筋コンクリートなので、焼夷弾にはよく耐えたからですが、母のいとこがこの甲子園球場に避難した帰り、やはり、そこかしこで焼死体が転がっていたと言います。

 

そして、終戦直後の日本の大都市は深刻な食糧難に襲われ、農林省から芋のつるやカイコの繭を食べることを指示する文書まで出されました(反ハイパーインフレ論 [神戸空襲編]参照)。

 

 

そんな物不足の時代の日本と現在の日本を同一視し、民間の借金が減りまくっていることを完全に無視し、

 

借金は悪、政府の借金が大きい、終戦直後みたいなハイパーインフレ(これもデフォルトの一種に入るとか)になる!

 

と言っているアホな連中

 

…いや失礼。言葉を慎重に選び直しまして…、

 

脳内ハイパーインフレの皆々様

 

に対しては、

 

(1)戦時中の空襲がいかに凄まじかったかを分からせるため、米軍がユーゴスラビアの中国大使館を「誤爆」したように、その皆様の自宅を「誤爆」して徹底的に破壊するか、もしくは今現在も銃弾飛び交う紛争地域に強制連行し、戦争というのがどういうものか体で分からせる。

 

(2)その上で、食べ物がない状態がどういうことかが骨の髄まで分かるように、アフリカのどこか難民キャンプに強制移住させ、現代日本と戦中戦後の日本との違いを理解するまで絶対に帰らせない。

 

という措置を取ることを提案したいと思います。

 

 

さて、

最後に過去22年ほどの10年物国債の先物の価格推移を見ておきましょう。

 

国債先物チャート  

 

 

 
少なくとも、上記で引用しましたロイターの記事(2009年11月)やウォール・ストリート・ジャーナルの記事(2010年1月)に出てくる「日本国債を売り始めた」ヘッジファンドが現れたあと、むしろ、国債価格は上昇傾向に見えるのは気のせいでしょうか?

しかも、
東日本大震災という日本売りが加速しそうな出来事が起きても、その上昇傾向が続いているのです。

そして、
 
暴落と呼べそうなのは、89年から90年にかけて2割近く下げたときくらいでしょうかね。これは土地バブル抑制のために金融が引き締められ、金利が暴騰したときです。

 

 

「ということは、国債が暴落して金利が暴騰したとして、800兆円の預金を持っている日本国民は利息収入が増えるということなんじゃないかしら?


 それだけじゃなく、円が暴落したら日本国民の対外純資産が円換算で暴騰して、これまた日本国民が海外から受け取る利息収入が増えすぎちゃって困るわねえ…

で、いつになったら日本国債が暴落、金利が高騰するのかにゃ?利息収入が増える日本国民としてはむしろ楽しみなんじゃけど。


 え?イタリアやスペインやアメリカが破綻したあとだって?そんじゃあ世界中が破綻しちまってるじゃん。日本の国債暴落とかいうてる場合とちゃうやろ!いい加減にしろ!!」

 

と思われた方は、

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クリック、ありがとうございましたm(_ _)m 
 




<著書紹介>
さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信


【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
  こちら→
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc



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394:最新「破綻本」事情:「外国人が見向きもしない日本国債」の大嘘!

2011/07/12 (Tue) 16:42
 






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最近、本屋さんに並んでいる、かつ、よく売れている、
つまり、
最近の流行の最先端をゆく「破綻本」
3(含、「伝説のトレーダー」の人の本)に共通している内容があります。

 

 

財政楽観論者「日本国債は95%が国内消化だから大丈夫」というがこれは全く事実無根

95%国内消化ということは、外国人が5%しか買っていないということ。

破綻リスクも高く、低すぎる金利の日本国債を外国人は見向きもしないのだ。

 

 

 

↑これがいかに嘘のサンパチ・嘘八百のトンデモ理論か、詳細な事実調査に基づいて徹底的にたたき斬っておきます。

 

まあ、こういう本の著者の皆々様方がいかに事実調査を怠っているかということがよく分かります

 

まず第一にこの方たち、異口同音に、かつ、壊れたレコードのように95%」と書いています。

この時点でいかに最新のデータをちっとも調べず、テキトーに本を書いていらっしゃるかがよく分かります。

 

国内部門の保有比率というのは常に変動しているのですから、「95%」あるいは、「外国人が5%しか持っていない」、と書くこと自体が怠慢以外の何者でもありません。

非常に申し訳ないのですが、
95%」と書いている時点で即、所詮その程度の調査能力しか持っておられないと自ら証明されているようなものです。ということに、そろそろお気づきになっておとなしくされていた方が賢明というものです。

 

では、データを示します。

 



日本国債の外国人保有状況


日本銀行「資金循環統計」から計算

 

 

以前にも当ブログで書きましたが、リーマンショック直後の20089月末には海外部門の保有比率は10%を超えました

 

また、最新のデータはちょうど東日本大震災直後の113月末ですが、震災で海外の保有比率が下がるかと思いきゃ、逆に上昇し、8.2%となっています。

 

 外国人は、日本国債を見向きもしないどころか、危機が起きるたびに日本国債を買いましているのです!

これが現実であり、まぎれもない客観的事実であります。


しかも、金額では
1012月と比べて5兆円も増加しています。

 

更には、絶対額にも注目してみましょう。

今年の3月時点で62兆円に達しています。これが実は非常に大きな金額です。

ちなみに、地方債、政府機関債まで足すと65兆円になります。

 

ここで、各国の2010年末時点の公的債務残高を円換算1ドル=81円で換算)したものを見てみましょう。

 

公的債務円換算ランキング

 

IMF    WEO  Apr.  2011 の公的債務GDP比と米ドル建てGDPから米ドル換算公的債務を算出し、1ドル=81円で円換算

 

 

 

 

日本国債の海外保有62兆円、地方債等を含めた65兆円という数字は、

世界11位のスペインの公的債務残高69兆円に匹敵し、12位のオランダ40兆円や、いま巷で話題沸騰のギリシャ35兆円をはるかに凌いでいます。

 

これだけの規模の金額の日本国債を外国人が保有しているのです。それだけで世界第12位の国家の公的債務の規模になる金額をです。

 

これでも「外国人は日本国債を見向きもせず、ちっとも買わない」などと言えるでしょうか?

 

もし、このデータを見たあとでもそう言える人がいるとすれば、その人物には今すぐお近くの精神科医の診療を受け、適切な助言を求められることを強力に推奨いたします。

 

 

 

それからついでに、前回の当ブログ記事に出てきました「日本国債の保有リスクがー」についてもう少し補足しておきます。

 

株式なんて比べ物にならないほど安定的で、しかも、株式よりも儲かっていた可能性が高い、というデータを示します。

 

 

日本国債と株式の運用比較

日本国債10年ラダー運用:NOMURA-BPI/Ladder

MSCI指数:MSCI Index Performance 世界株式指数はOECDの月平均為替レートを用いて円換算。日本株指数は円建てデータ使用。

 

 

 

日本国債の運用指数として、野村のNOMURA-BPI/Ladder10年物の分を使っています。これは当ブログで以前も紹介しましたが、10年物の国債を満期まで持っておき、満期が来たら新しい10年物国債を買う、という方式で計算される運用パフォーマンス指数です。

ただし、指数の最初では、期間が10年より短いものを均等に買っています。それで常に満期が来たら新発10年物を買い直す、というやり方です。それゆえに、保有銘柄の平均残存期間が常にほぼ10年の半分、5年になっています。まあ、非常に単純な運用方式です。

 

 

さて、このような国債運用と日本株運用成績を比べると、比べるまでもないですね95年の大蔵大臣による財政危機宣言以降で見てみても、余裕で国債のほうが上です。

 

さらには、世界株式と比べても、日本国債による運用パフォーマンスはちっとも見劣りしません。もちろん、投資を開始した時期によっては日本国債よりも世界株式のほうが上ですが、開始時期によっては逆に高値掴みして大損している場合もあります。

また、ウォーレン・バフェットなみにうまくやっていれば株の方が圧倒的に儲かっているはずですが、一般的にはインデックス運用が多数派です。つまり、日本国債だけで運用していた投資家は、株式運用投資家に対して、かなり高い確率で勝っているということがこのグラフで示されているわけです。

 

 

もしも株で大損こいている人が、「日本国債の保有リスクガー」と言っていたとしたら、それほど滑稽な話もないわけであります。

 

 

 

ところで、話を元に戻して、そもそも論をしておきます。

 

実は私、著書において「日本国債は国内の保有比率が高いから安心」、ということは書いていません「さらば、デフレ不況」では海外部門の保有比率のデータは出していましたが、これは海外部門よりも金融機関の保有比率に力点を置いています。金融機関の保有割合が7割を超えることを示し、「国債は銀行にとっての預金」とか「政府は実は巨大な金融機関」という話をするために出しただけでした。

また、海外部門の保有比率が低い方が安全性は高いと書いてはいましたが、それは、アメリカ国債を大量に持っている中国のアメリカに対する態度を見て「めんどくさい側面がある」という意味合いでしかありません。アメリカに対して中国が何かといちゃもんを付け、アメリカの要人も中国にずいぶんと気を使う場面が多く、海外保有比率が高いと「高度な政治的駆け引きが必要になる」ということです。

海外保有比率が高いだけで破綻するのならアメリカはとっくに破綻していますし、ドイツも相当にやばいです。でも、現実にはそうはなっていないのですから、海外保有比率は破綻とはそれほど関係がないでしょう。

 

ついでに書いておくと、対外純資産がマイナスかどうかもあまり関係がありません。それは「さらば、デフレ不況」で詳しく書いたとおり、リーマンショックのあと、対外純資産のマイナスのGDP比が小さい韓国で「このままウォン安が続くと民間の外貨建て債務が返せなくなる」としてさらなるウォン安に拍車がかかり、一時は危機的状況になったのに対し、韓国よりも対外純資産GDP比のマイナスが圧倒的に大きいオーストラリアはむしろ通貨安になったほうが景気回復につながる、と非常に安定的な評価だったことからも分かります。

国債の海外保有比率とか、公的債務GDP比、または対外純資産のマイナスの大小よりも、民間と政府をあわせた国全体で外貨建て債務が大きいかどうかのほうが問題です。

 この
20年ほどで通貨危機や政府の債務不履行を起こした国というのは私が知る限りは、例外なく国内向けの投資、つまり、自国通貨建ての資金需要に対して外貨建てで資金調達をしてしまっていたことが原因です。

 

ロシア危機当時のロシア政府債務の大半が外貨建てだったということは、もうだいぶ前に触れましたが、以下ではこれまで著書やブログにおいて取り上げていなかった国々について、資料を示した上で提示します。

 

例えば、2001年に通貨危機に陥ったトルコは、IMF資料

http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/2002/cr02136.pdf

p.49によりますと、公的債務のうち「FX linked net debt」つまり外貨建ての純負債GDP比は、危機前の0020.9%とかなり大きな規模です。これが危機発生で01年には61.5%に跳ね上がっています。それに関連して、p.19に次のような記述があります。

 

 

トルコ通貨危機-外貨建て債務の悲劇

 

2月に起きた(トルコリラの)減価は、外貨建て債務のトルコリラ換算値に直ちに多大な影響を与えた(ほとんどが対外債務であった)。それによって為替レートの更なる減価が引き起こされ、そのことが2月以降に発行された公的金融機関と国内民間部門の外貨建て債務に影響を与え、債務GDP比を更に増大させた。


 

次に、ウルグアイ。ウルグアイは2002年に政府が債務不履行になりましたが、04年に書かれたIMFの資料

http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/2004/cr04327.pdf

p.19

the public debt is still high (110 percent of GDP as of end-March) and mostly dollar-denominated, with a significant short-term component

公的債務はいまだ高水準3月末でGDP110%)であり、そのほとんどは、大半が短期物のドル建てである。

 

とあります。


 もう一つついでに、98年に通貨危機に陥ったインドネシアについてもIMF資料

http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/2000/cr00133.pdf

p.50を見ると、危機前の97年から危機後の99年にかけて、公的債務GDP比が24%から75%跳ね上がっていることが分かります。

 これはもちろん、外貨建て債務の自国通貨換算値が大幅に上昇したからです。同ページの一番下に、政府負債の約
4割が米ドル建て、さらに約4割が日本円建て、合計すると少なくとも8割ほどが外貨建てというデータが示されています。

 

なお、いま債務危機に陥っているユーロ諸国は、ユーロという自国には独自の発行権のない、いわば、準外貨建ての債務が問題になっている国々です。



 

私の知る唯一の例外は第二次世界大戦後の日本と言えそうです。

当時の日本にも外貨建て国債というのはあったのですが、非常に少額です(昭和国勢総覧 下巻p.3参照)。つまり、外貨建て債務の問題がなかったのですが、非常に高い率のインフレになりました。

が、しかし。

外貨建て債務があろうがなかろうが、原子力爆弾を二発も打ち込まれた上に全国的に徹底的に空爆されていながら、経済的に何ともならないほうが、極めて異常ですね。

 

 

ところで、この終戦直後の日本や、アジア通貨危機のタイや韓国、01年に破綻したアルゼンチンや上記の経済危機に陥った国々全てに共通する点があります。

 

それは

 

経常赤字

 

です。

 だから、日本が経常赤字に陥ったときは、それなりの警戒が必要になって来ます。ただし、経常赤字になれば直ちに破綻というわけでは全くありません。経常赤字で破綻するならば、アメリカもオーストラリアもとっくの昔に破綻しています。そもそも世界の半分はかならず経常赤字です。

 ある国の経常赤字は必ず他の国の経常黒字であるのですから、「経常赤字で即破綻」であれば、世界は常に破綻していなければ論理的におかしいのです。

 

 とは言え、経常赤字はやはり、危機の国に共通するキーワードですから警戒は必要です。

 

しかしながら、世界最大の対外純資産をもつ日本にはそれでもなお、余裕があります。なぜなら、対外純資産は経常黒字の累積を時価評価したものであるからです。これは、危機に対応するための財産であり貯蓄であり、最大の防御装置となります。

だから、日本はやり方さえ間違えなければ必ず危機に陥る前に適切な対応策を取ることが可能なのです。

経済の本質は政府の財政状態にあるのではなく、国としての生産供給能力の過不足にあります。


 やり方を間違い続ける政権(例:事業仕分けとやらで、再生可能エネルギーへの投資など、将来において必要不可欠なものを育むための予算までバンバン削っているどこかの政権)が続く限りにおいては保証の限りではありませんこれでは日本において、いずれ供給能力の著しい低下を引き起こし、物不足による高い率のインフレを生じることもあり得るでしょう。

 

現在のギリシャ危機の本質も、供給能力不足にあります。供給能力不足によって、経常赤字ならびに、国全体として外国からの借金の増加が生じ、かつ、それがユーロという準外貨建ての借金であるがゆえの現代版ギリシャ悲劇が繰り広げられているのです。

 

それはさておき。日本破綻教団の話に戻ります。

卑怯な日本破綻カルト教団は、「ロシアでは自国通貨建て国債の債務不履行があった」、とか、「日本も終戦直後は外貨建て債務の問題がなかったのに経済危機に陥った」とか言って、必死でいまの日本のように外貨建て債務の問題のない状況でも政府の財政破綻かハイパーインフレが起きると言います。

 彼らは、
現在、世界最低水準のインフレ率が全世界180カ国ほどを一気に追いぬいて、ジンバブエ並みになるという非科学的妄想をあたかも絶対的真理かのように語ります。

 

しかし、危機当時のロシア連邦政府の債務は大半が外貨建てであり、割合の小さい自国通貨建て国債も、海外投資家による国内銀行へのドルへの為替ヘッジによって実質的には3割が外貨建てでした。

また、徹底的に物理的にインフラが破壊された物不足の終戦直後の日本と、世界最高レベルのデフレでモノ余りの現代日本を同一視できるというのは、これは一体なんなのでしょうかね。何かしらのミスター・マリックもビックリの超魔術か何かでしょうか。それとも単なる戦後教育の大失敗の結果でしょうか。

 

それにしても、事実関係をほとんど確認せずに、テキトーに書かれた「日本は破綻する!!!」という本がいまだによく売れるという事実には驚愕を禁じえません。

 

私も、真面目に必死のパチキで調査して「日本は少なくとも財政的に破綻することはないですよ。ただ、このまま放っておくと物流上の破綻が将来おきるかもね。だから、デフレで幾らでもお金を創れるいま、しっかりと将来の供給能力を高め、将来の物不足の発生を防ぎ、将来の通貨価値を維持する投資をすることが政治の根源的役割ですよ」という真面目な本を書くよりも…、

「いや、本当は、日本ってもう破綻しちゃってるんですよー。インフレ率世界最低とか、対外純資産世界最大とか、他の破綻国はみんな経常赤字で巨大な外貨建てか準外貨建ての負債を背負っていたとか、そんなの全然関係ねえぜ! だから海外に投資ちまちょうねー。しっかり私にカネを払ってくれれば海外投資のアドバイスしちゃいますよー」みたいな本を、適当にオドロオドロしく書いたほうが、手っ取り早く金儲け出来るかしら…。

 

まあ、そんなことをすれば末代までの恥であり、御先祖様に全く顔向けが出来ないので、そんな不誠実なことは絶対にしませんが。

 

 

「日本政府が破綻するまえに、論理的に完全に破綻している【破綻本】がよく売れているとは、なんともまあ皮肉なことじゃのう」



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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信


【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



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393:銀行の国債保有、過去最大更新!

2011/07/05 (Tue) 15:57
 






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皆様、いつも応援ありがとうございます!!!



まず、地熱発電についてよくまとめられた、当ブログの常連読者、朝倉新哉さんのブログ記事のご紹介です。

 

  【禍転じて福となす ~地熱発電が日本を救う~】
 http://ameblo.jp/karate246/entry-10897507794.html

 

【地熱発電 その2】

 http://ameblo.jp/karate246/entry-10904618317.html#main

 

【地熱発電その3】

 http://ameblo.jp/karate246/entry-10910721781.html#main

 

いつか、地熱発電というか再生可能エネルギーについて書こうかと思っており、そのときにご紹介しようと思っていたのですが、なかなか出来そうになかったので、とりあえずご紹介しておきたいと思います。

 

 

↑朝倉さんが書かれていることは、私も新聞や雑誌等々で読んだいくつかの記事と矛盾点がなく、かつ、よくまとまっているので、オススメさせて頂いた次第です。

 

また、朝倉さんは被災地・福島県在住で、地元のために頑張りたいと仰っている方ですので、応援の意味も込めて、地熱発電に興味をお持ちの方は是非、お読み頂ければと思います。

 

 

 

さて、本題です。

 

 

3日前の記事ですが、

 

またもや、日本破綻教団(ちなみに、とある翻訳サービスで翻訳すると “Japan Bankruptcy Cult”。「カルト」と出てきました。カルトなのかな?まあ、私の著書8繰り返し書かれていることを平気で「書いていない」というレビューをアマゾンに載せるくらいなので、間違いなくカルトと言えるでしょう。事実をちっとも確認せずに勝手な結論を随所ででっち上げる習性こそが、この日本破綻カルトのカルトたるゆえんです。)

の教団員の皆様が顔面蒼白になりそうな記事が、日経新聞に出ていました

 

 

【銀行の国債保有 急増  

残高158兆円 4月末 総資産の2割に迫る】

(日経新聞201172日朝刊4面)

 

国内銀行が国債の保有を増やしている。4月末の保有残高は158兆円を超えて過去最大となり、総資産に占める割合も前年同期比で2ポイント高い19%に達した。20年前は3%台だった。リーマン・ショックが起きた2008年以降ほぼ一貫して上昇。銀行が集めたお金を貸し出し、企業の投資などにつながるという金融の機能が目詰まりする構図が続いている。

 

日銀の調べでは、国内民間銀行の国債保有残高は4月末に前年同月比16%増の約1587791億円だった。5年前(約1006700億円)と比べ58%の増加で、10年前(約793730億円)の2倍の水準だ。保有額を急速に増やしたのは三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGの3メガ銀行。保有残高(3月末参加銀行合算)は約100兆円で、1年前と比べ2割増えた。資産に対する割合も三菱UFJと三井住友がそれぞれ25%、22%で国内銀行平均(19%)を上回った。

 国債保有が増えているのは預金の振り向け先が見当たらないため。日銀の統計を基に預金をどれだけ貸出金に回したかを示す預貸率を計算すると、3月末は71%で過去最低だった。貸出金残高は約425兆円で、1年間の減少額25000億円は地銀1行分に相当する。

 

 

 

 

 

「銀行が集めたお金を貸し出し、企業の投資などにつながるという金融の機能が目詰まりする構図」

 

というのはどういう意図で書いているのか不明ですが…

でも、前回の景気のよかった時期2005年~2008年)の、

銀行の貸出態度が良好であった時期でも企業の借入が増えなかったことを考えると、これは銀行だけの問題とは言えないものと思われます。

 

そのあたりは↓をご参照下さい…って、10ヶ月まえも同じような日経の記事に対して、同じようなことを書いてしまう私でした。

銀行の国債買越額最大

http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-346.html

 

 

さて、今回の日経記事の続きです。

 

 

銀行に対する規制の強化も影響する。国際展開する大手銀行に、より強固な財務体質を求める新たな自己資本比率規制(バーゼル3)では、融資など回収できない恐れのあるリスク資産に対して普通株と内部留保で構成する「狭義の中核的自己資本」を7%まで引き上げることを課す。リスク資産とされる株式などの圧縮をすすめる一方で、リスクフリーの国債投資が進む傾向にある。

 

 

これ、皆さん、よくよく読んでみて下さい。

 

このバーゼル3の自己資本比率規制。これは国際ルールです。

 

国際ルールでは、

 

民間への融資は「リスク資産」

国債への投資は「リスクフリー」

 

となっているのです。

 

おーい、破綻カルト教団の教団員のみなさーん

 

このような「国債はリスクフリー」としている、トンデモな国際決済銀行(BISやその内部に組織されているバーゼル銀行監督委員会に、全身全霊、命がけで抗議してくださいねー!!!

 

「こら!なんで民間への融資がリスク資産で、国債がリスクフリーなんだ!おかしいだろ!!!」と。

 

まあ、私に言わせれば日本破綻カルトは昔世間を騒がせた「スーパーフリー」並みかそれ以上の変態集団…、いや、失礼、超能力者集団としか言いようがないのですが。

 

 

さて、更に日経記事の続きです。

 

 

 

 

ただ、保有残高の増加に伴って金利上昇による損失リスクは拡大している。3メガ銀行はが3月末時点の国債残高を基に長期金利が1%上昇した場合の含み損を試算したところ、約2兆円の損失となった。3メガ銀行が積む中核的自己資本(ティア1)総額(3月末、連結)は約22兆円で、その1割に相当する。

前年度は3メガとも利益の2割を国債売買益で稼ぎ出したが、金利上昇リスクをにらみ「今期はほぼゼロ」(三井住友)。リスク回避のため運用期間の短期化も続けており、三井住友は3月末に残存期間が10年超の国債残高をゼロにした。三井住友とみずほのデュレーション(平均残存期間)は3年前の2年超から1年超に短くなったものの、これ以上短くするのには限界があるとの見方もある。

「急激な金利上昇が起こった場合、残高が多いと対処が遅れる可能性もある」(フィッチ・レーティングス)。03年にはリスク回避のため銀行が国債を一斉に売却し、長期金利が1%上昇した。

 

 

なーんか「国債は危険→財政危機→増税」の流れを誘導したい気持ちが行間に溢れでているかのようなニュアンスですね。

 

この「金利上昇リスク」がふんたらかんたらという記事、一見最もらしいですが、まず、03年の10年もの国債の利回りの推移を確認しましょう。


長期金利02→110705-2 出典: http://www.dreamvisor.com/chart_news.cgi?code=0551& 


 

02年の2月の1.565%から、03年の6月の0.435%まで、利回りが1.1%以上急降下、つまり、債券価格が急上昇しています。この036月の0.435%が10年もの国債利回りの最低記録です。

 

これだけ利回りが小さく、そして、価格が急上昇したのですから、そりゃ、国債保有者は一斉に、かつ、盛大に売りまくるでしょう。これは上記日経記事にあるような「リスク回避」ではなく、当然のごとく、利益確保です。間違ってはいけませんよ、日経さん!!!

 

そして、上記記事には

 

「3メガ銀行はが3月末時点の国債残高を基に長期金利が1%上昇した場合の含み損を試算したところ約2兆円の損失」

 

とありますが、

 

その長期金利(=10年もの国債利回り)は、現実には1%上昇どころか、その3月末時点の1.266%から74日現在では1.162%と0.1%以上低下しています。

 

それに、短期化が進んでいるのですから、含み損が出てもすぐに解消されますね。満期まで持っていれば債券価格は元に戻るのですから。上記記事では

 

「三井住友とみずほのデュレーション(平均残存期間)は3年前の2年超から1年超に短くなった」

 

とあります。

 

なんと、平均残存期間1年超ですよ。1年経てば含み損もあっという間に解消するということじゃないですか。

 

この記事、ちょっと読み込んでみると、いかに無用に危機を煽っているかがよく分かります。

 

だいたい、そんなに国債が危険なのなら、国債を売り払って民間に貸し付けている方が安全だとでもいうのでしょうか?

 

繰り返し書いておりますが、サブプライムローンはアメリカの住宅ローン、つまり、民間向けの貸付でした。リーマン・ショックもリーマンブラザーズという民間企業への貸付が破綻したものです。

 

この日経の記事は、

「日本の銀行は国際ルールで『リスクフリー』とされている日本国債などさっさと売り払って、リーマンやサブプライムローンなどの危険な民間への貸付を増やせと、そう言いたいのかしら?そんなアホなことあるかーい!」

 

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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
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【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
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・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
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