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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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403:「破綻でハイパーインフレ」のウソ:アイスランド編

2011/09/30 (Fri) 14:26
 





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まずはお詫びと訂正です。

【世界は破綻国だらけ!】

のエントリーで示しました一般政府の負債と個人の金融純資産の表で、

オーストラリアとオーストリアの一般政府の負債のデータに誤りがありました。

結論としてはオーストラリアとオーストリアは家計の金融純資産を一般政府の負債が上回っているということはありませんでした。

ただ、他の国については結論に変化はないので、大筋の話は変わらないです。

なお、誤りの原因はエクセルで書式のコピーと貼付けをする際に誤って、全て貼り付けにしてしまったからでありました。

謹んでお詫び申し上げ、訂正させて頂きます。

なお、修正した生データのエクセル表をアップロードし、上記の当該エントリーの本文中にリンクを貼りつけておきましたので、どうぞご自由にご利用下さいませ。





国が破綻すると、どうなるか?

ハイパーインフレになる。

国民生活が破綻する。

とにかく終了


そんなイメージでしょうか?



今回は2008年12月中央政府の実質的な財政破綻があった

アイスランドのその後
を観察してみましょう。




ここでクイズです。

下にいくつかの国の失業率のグラフを示します。


最新のデータで失業率が高い順にA~Eとしています。


さて、破綻したアイスランドはどれでしょうか?






調整失業率




さて、正解を申し上げる前に、

「調整失業率」
という用語について。


私、このグラフを作る段になって初めて知ったのですが、

各国で出している失業率は定義がバラバラのため、
そのままでは国際比較ができないのです。

定義は↓例えばこんな感じで、国によってかなり違っています。



日本:
15歳以上の者であって, 調査週において仕事がなく, すぐ
に就業が可能で, 過去1週間以内に求職活動を行った者。過去の求職
活動の結果を待っている者を含む。

アメリカ:
16歳以上の者であって, 調査週において仕事が
なく, すぐに就業が可能(一時的な病気の場合は除く)で, 過去4週間以
内に求職活動を行った者
。レイオフされた労働者で前職に復帰するため
に待機中の者を含む

ロシア:
調査期間において, 働く意思及び能力を有するにもかかわらず, 職業に
ついておらず, 職業安定所において求職登録(年齢条件なし)を行っており, 現に求職
中である者




そこで、ILOが基準を定めて国際比較できるようにしたのが

調整失業率(Harmonised unemployment rates,  HUR)というわけです。

上のグラフの出典はOECD

各国の失業率の定義、調整失業率の概略定義は、独立行政法人 労働政策研究・研修機構です。



で、クイズの正解は・・・























E
 の、最新の調整失業率が最も低い国がアイスランドです!







調整失業率(国名入り)







既に破綻している国の失業率が、まだ破綻していない国より低い。


信じ難いようですが、これが現実です。


政府が破綻したからと言って、その国の国民の生活が、まだ破綻していない国と比べて、必ず苦しくなるとは限らない。


そういう仮説の成立を伺わせる、衝撃のデータではないでしょうか?


破綻=終わり

破綻=全ての国民が不幸になる

というのは完全に間違い
です。



先進国の中で、第二次世界大戦において、最も深刻な打撃を受け、まさに国家が「破綻」したと言えるのは、日本とドイツであると言えます。


その日本とドイツこそが、その後の50年で世界でトップクラスの発展を遂げることになりました。


一番悔しかったのはイギリス人ではなかったでしょうか?


「俺たち戦争に勝ったのに、なんで今、経済ではドイツにこんなに負けてんだ????」







さて、次に

破綻前後のアイスランドの政府の借金と物価

の状況について見てみましょう。







アイスランド政府負債、GDP






07年から08年にかけて、

アイスランド一般政府負債は、GDP 0.6年分増加しました。


GDPが約500兆円の日本で言えば、

1年でなんと300兆円も「国の借金」が増えたことになります!


破綻論者の皆さんが日頃言っている説では、

間違いなくハイパーインフレ直行便ですね!


ところが、まことに残念なお知らせですが、

消費者物価でみたインフレ率はたったの21%

生産者物価でもせいぜい50%台で打ち止めです。


その後も「国の借金」は増え続けていますが、

一向にハイパーインフレの兆しは見えません。



「これ以上国の借金を増やせば、ハイパーインフレになる!!!」

→ 一体、どこの国の話なのでしょうか???


という具合であります。




破綻論者の皆さんは何かにつけて少々心配なさり過ぎでは無いかと思います。

これからの人生も死ぬまでそんな心配をしながら生きるのだとしたら精神衛生上、決して好ましいとは言えず、生産性の低い、ちっとも楽しくない人生になりはしないかと、私は心から心配です。

そもそも世界で最もインフレ率の低い、つまり、最も通貨増発枠の大きい日本

しかも、国債金利が世界一低く、対外純資産も世界最大の日本財政破綻なんて

言うこと自体が可能性が極めて低い(世界で最も低い)わけです。



97年のアジア通貨危機
では、

韓国やタイは、政府負債のGDP比がたったの10%前後でも債務不履行寸前
まで追い詰められ、IMF等の支援がなければ破綻していたわけです。

だから、
政府負債のGDP比というのは本気で全く意味のない数字です。

単なる数字、記号であって、実際的な意味は本当に全くありません!


これに関連してドーマーの定理というのがありますが、何か意味があるのでしょうか?
ドーマーに関してはこちら→http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-158.html

いざというときに必要なのは食料やその生産及び運搬・配送に必要なエネルギー源の確保
であって、そもそも実効的な意味があるのかどうかさっぱり分からない、このような「定理」は少しの役にも立ちそうに思えません。

終戦直後の混乱期、ドーマーの定理など誰が気にしたでしょうか?
誰もが食糧確保に血眼になっていた時代です。

それでも1944年に260%を超えていた中央政府負債のGNP比は、翌々年にはあっさり60%を切っています(「昭和国勢総覧」、「長期経済統計」参照)。




しかも、「破綻=国民が世界で最も不幸になる」というのも全く成り立たないことは、アイスランドの失業率を、まだ破綻していない他国と比べれば一目瞭然で証明されます。


むしろさっさと破綻したほうが、第二次世界大戦後の日本やドイツのように

その後50年における、世界で最も繁栄した国になれる可能性すらありますね。





むしろ、破綻論者の皆さんのお望み通り、

日本を無理矢理ギリシャよりも先にとっとと破綻させたほうが

再び世界一繁栄する国、ジャパン・アズ・ナンバーワン

の再来が早まったりして\(^o^)/。

むしろ日本がとっとと破綻するのが楽しみになっちまった~。

さっさとどうにかして頑張って日本を破綻させてくれ―、

破綻論者のみなさーん



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<著書紹介>
さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信



【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
こちら→
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402:国の借金53,138京円!!!(明治18年GNI換算)

2011/09/28 (Wed) 16:30
 





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前回もコメント欄やツイッターなどで多くの反響を頂きました。

ありがとうございます。


前回のコメント欄でベーシックインカム(つまりは定期定額給付金みたいなものですね)についてのご質問がありました。
また後日取り上げてみたいと思います。

少しだけさわりを書いてみますと、

「ベーシックインカムは、1000年後もこの国が繁栄を続けるための有効な手段となるだろうか?」




今日はちょっとした数字のお遊びです。

ただし、明治、昭和、平成をまたぐ、時空を超えた若干スケールの大きい数字遊びです。




国民総所得VS中央政府負債



明治19年18年(訂正)、昭和21年すなわち終戦の翌年、平成22の

国民総所得

(GNI=GNE国民総支出
 =GDP国内総生産+国外からの純所得=GDP-純輸出+経常収支)



中央政府の負債

推移です。


一番古い数字が
明治19年18年(訂正)なのは、私の手元にあるデータで最古のものが明治19年だからです。念のため。


あ、2010年の中央政府の負債には
この前の例の財融債約120兆円は含んでいません。
まあ、特に本質的な話とは関係ないのでそのままにしておきます。


さて、これをグラフにしてみます。



国民総所得VS中央政府負債グラフ





1885年、1946年は、2010年に比べて

数字があまりにも小さく、表示されません!



ということで、特に意味はありませんが、縦軸を対数軸にしたグラフも一応。





国民総所得VS中央政府負債グラフ(対数) 



さて、ここからが数字遊びです。




国民総所得VS中央政府負債2-3



実はそれぞれの年のデータは数値の出し方が異なる統計なので、本来は一概に比較できないのです。
とは言え、桁まで違ってることはないので、それは抜きにして気楽に考えていきましょう。


2010年の中央政府負債は、明治19年18年(訂正)のGNI(国民総所得)の100万倍に達しています。


明治19年18年(訂正)(1885年)というのは2010年の125年前、ということです。


つまり、この倍数は

今から125年後に中央政府の負債が、今のGNIの100万倍になっていても不思議はないですよね

ということを意味しています。

だって、過去にしっかり実績があるわけですから!


そして、
明治19年18年(訂正)のGNIを基準に、今のGNIで換算すると

531,382,961兆円 = 53,138京円 = 
5.3垓円

ということになります。

明治19年18年(訂正)と平成22年を比較すると、今から125年後に5.3垓円になっていても一向におかしくないわけです。

これでも、

国の借金に絶対的な限度額があると言えるでしょうか?


あるわけがないですね。そもそも最初から限度額などありません。

お金なんていうものは実体のあるものではそもそも無いのですから!


3000年前のことは「さらば、デフレ不況」でも取り上げ、当ブログでもよく書いていますが
中国の当時の王様(商の紂王)があるとき突然

「今日から子安貝の貝殻をお金にするぞ、このやろう!」

命令しただけで、タダの貝殻がお金になりました。

それだけの話しです。

現代でもお札などというものは政府

「この日を境にこの紙きれをお金と思え!」と法律で決めれば、その紙きれがお札に、逆に

「この日を境にこの紙きれはお金じゃ無くなるよん!」と法律を決めればその紙きれはお札で無くなります。(→詳細は
【借金、国債、預金、朝銀券、台銀券、政府紙幣】参照)


最近、「たかじんのそこまで言って委員会」に2回ほど立て続けに出ていた評論家のジェームズ・スキナー
さんが

お金は情報です

と本で書いていますが、これは実に的確な言い方だと思います。


そうです。お金は単なる紙きれ、金属片または、情報、記号、コンピューターサーバー上の磁気データでしかありません。



え?日本が終戦直後「ハイパーインフレ(?)」になったのは国が借金を増やしすぎたから、ですって?

完全に違います。

単純に戦争で負けたからです。戦争に負けて国土をボコボコに壊されたからです。

一方、戦争に勝ったアメリカは、戦時中バカスカ国の借金を増やしたにもかかわらず10%台のインフレにしかなっていません。

なぜか?

アメリカ資源が豊富で戦時中でも国民がヤカンや鍋を政府に取り上げられたり木炭バスが走ることもなかったからであり、本土に原爆を落とされることもなかったからです。


「ハイパーインフレ」、といっても終戦直後の日本は最大でも年500%程度で年13000%の正真正銘のハイパーインフレにはなっていませんが、これを【お金の問題】と考えると本質を見誤ります。というか直感的に理解することは難しいでしょう。

経済の本質は物流です。

物流を基準に考えればすぐにすっきり実感を持って理解できます

ハイパーインフレというのは単純に物不足と考えたほうが良いのです。

その意味では、江戸時代に局所的ながらも各地で何度も起きている「飢饉」というのは、本質においてハイパーインフレと言えます。

それが私が提唱するところの


「物流中心主義」であります。



ちなみに、125年で100万倍というのは

複利ベースで年+11.76%

単利ベースで年+869,778%(87万%)

となります。

単利だとちょっとあれですが、複利だとそれほど大した倍率ではないですね。

GNIが486兆円なので、とりあえず最初の年は国の借金がたった57兆円増くらいのペースです。





過去125年の実績を見れば、

125年後に国の借金が5.3垓円になっていても

ちっとも不思議はない。

要するに【国の借金の限度は5000兆円】とか

【家計の金融純資産1100兆円まで】とかいう

チンケなものじゃ、全くないね


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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信



【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
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401:超簡単TPP概論2 :「自由化」の罠+信長の野望

2011/09/26 (Mon) 15:24
 





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前回もコメント欄やツイッターなどで大変多くの反響を頂きました。

ありがとうございます。


ちなみに、前回の表のデータの単位は全て「100万現地通貨」となっています。


あと、この記事の目的は竹中さんを批判することではありません。


その目的は、多くの破綻論的な立場の方々がおっしゃっている

「国の借金の限界は家計の金融純資産」

という
木っ端微塵に破壊し尽くすための中性子爆弾的な事実を提示することです。

この説そのものを破壊することが目的であって、この説を唱えている人たちを攻撃することが目的ではありません。


超簡単TPP概論】の最後のほうで宣言しました通り、私の新たなる目標

「全ての日本国民をいまよりも裕福にすること。
 その達成を通じて世界中の人々をいまよりも裕福にすること。
 それと同時に自分自身を裕福にすること。」


であります。その「破綻説」を唱えている人々も「裕福にする」対象であるわけです。


また【超簡単TPP概論】で「TPPは大金持ちに有利。ゆえに圧倒的多数の大金持ちを抱えるアメリカに有利」というようなことを書きましたが、

私の目的は大金持ちを不利にすることではありません。


共産主義的発想だと、打倒ブルジョワで大金持ちを倒すことが正義ですが、そんな発想は持ち合わせていません。

結局は革命を指導した一部の層が新たなブルジョワ、新たな特権階級になるだけで旧来の状況と何ら変わらないことは、旧ソ連や旧東欧、中国や北朝鮮を見れば一目瞭然です。


また私は、極端な言い方をすると「大金持ちにだけ有利」となるような新自由主義も当然支持しません。

つまり、
共産主義だろうが新自由主義だろうが特定の人だけ有利、となりそうな説は一切支持しません。



私の目標は、


そのような不毛な対立を

これ以降の人類の歴史から完全に消し去ってしまうこと


です。


カネ持ちはよりカネ持ちに。
あるいは少なくともカネ持ちであることを維持できる状況

貧乏人も今よりも裕福に。

あらゆる人々が今よりも裕福になること。



それが私の目指すべき方向性であります。



ところで、「より裕福な状態」とは何でしょうか?


より多くのお金がある状態でしょうか?

それは違います。

より裕福な状態とは、より多くのモノが手に入る状態です。


では、全ての人を今より裕福にするためにはどうすれば良いでしょうか?

つまり、全ての人が今よりも多くのモノを手に入れることが出来る状態にするにはどうしたら良いでしょうか?


・・・さて、今回はその問いに対する私の答えは敢えて書かずにおきます。

ただし、そのようなことが出来るかどうか、その可能性を探るための別の質問だけ書いておきたいと思います。

現代を生きる人々は、100年前、1000年前と比べて、より裕福であり、より多くのモノを手に入れることが出来る状態になっているだろうか?

出来ているとすれば、それを可能にしているのは何であろうか?



ちなみに私の用意している答えは漢字2文字の言葉です。

それはもちろん「現金」とか「預金」ではありません!



ではでは、本題に入ります。

前に予告したように、竹中さんのTPPに関する発言をネタにします。

しかし、くどいようですが、これもまた個人攻撃が目的ではないことを先に宣言させて頂きたいと思います。


先般、9月17日にテレビ大阪で放送された「たかじんNOマネー」で、
竹中さんは↓こんな感じの発言をされていました


TPPを推進するべきなのは自由であることが大切だからです


それで、↓これを繰り返し連呼されていました。

「自由!」「自由!」「自由!」

私、これを見ていて一昔、一世を風靡…じゃなかった、世間を騒がせた「スーパーフリー」をついつい思い出してしまいました(笑)。

でも、少なからぬ人々は「自由が大事。だからTPPが大事」と言われると、自由という言葉の持つ心地良い語感によって、TPPに良い印象を持ってしまうのではないかと思います。

さてここで質問です。「自由」って何でしょう?

小学館の大辞泉によると

1 自分の意のままに振る舞うことができること。また、そのさま。

2 勝手気ままなこと。わがまま。

となります。

上記の

「(TPPを推進するべきなのは)自由であることが大切だからです」


「自由」の辞書的定義に従って言い換えると↓こうなります:


「(TPPを推進するべきなのは)勝手気まま、わがままであることが大切だからです」



辞書的には全く同じ意味
であるのですが、↑こんな言い方をすれば誰も賛成しなくなるでしょう。



ところで、これをもっと切れ味の良い、分かりやすい日本語で言い換えれば

「(TPPを推進するべきなのは)弱肉強食であることが大切だからです」

となります。

もし誰かが「自由!」「自由!」「自由!」と連呼していたら、

頭の中でこのように変換
しましょう。

「弱肉強食!」「弱肉強食!」「弱肉強食!」





さて、「竹中さん」、「自由化」と聞けば、思い出すのはスーパーフリーよりは

「小泉さん」と「構造改革」

ではないでしょうか。


小泉さんが首相になられたときは、小泉さんが信長を尊敬されていることもあり、

よく信長による楽市楽座などの自由化・規制緩和が引き合いに出されたものです。

ちなみに楽市楽座信長ではなくて、信長の舅、つまり正室の父親であるところの斎藤道三が始めたもののようです。

で、その楽市楽座

私、最近ようやく気づいたのですが楽市楽座、これは実は単純に「自由化・規制緩和」とは言い切れないのです。

楽市楽座というのは、
それまで大商人に独占されていた市場を、誰にでも参加できる状態にするような制度です。

これは、それまで市場に参加できなかった個人や零細事業者にとっては自由化・規制緩和ですが、それまで市場を独占していた大商人にとっては、規制強化です。


つまり、これは一種の独占禁止法であり、一種の規制です。


そして、信長と言えば忘れてはならないのが

一銭斬り

です。


信長の軍隊は、少しでも盗みを働けば即斬首、死刑という厳しい規律が課せられていました。

当時、他の大名の軍隊は敵地において略奪放火し放題というのが常識です。

あの秩序を重んじ、朝廷や室町幕府を重んじた上杉謙信の軍隊ですら
敵地での略奪放火は普通に行っていたという話です。

信長が新たに自分の軍隊に課した規制というのは、
文字通り死ぬほどキツイ規制ですね。

この規制強化によって信長は一般庶民に幅広く支持されたために、急速に勢力を拡大できたのです。

信長の真骨頂は「自由化」や「規制緩和」という言葉では無かったのです。
その真骨頂は

秩序

です。適切な秩序をもたらすことで、民力を最大限に引き出し、それによって富国強兵を実現したわけですね。


さきほどの楽市楽座もこれは「適切な秩序」です。
一部の大商人だけが市場を独占している状態というのは「不適切な秩序」であったわけです。

信長道三は楽市楽座によって「適切な秩序」をもたらし、社会全体の生産性を高めるための適切な競争の原理が働くようにし向けた、と言うことが出来るでしょう。



ということで、TPPに戻りましょう。

TPPの問題は、それをやることによって今よりも適切な秩序をもたらすかどうかの問題です。

労働市場の外国人労働者への抜本的開放は、今よりも適切な秩序をもたらすか?

公共事業の外国企業への抜本的開放は、今よりも適切な秩序をもたらすか?

金融や保険部門の更なる外国企業への開放は、今よりも適切な秩序をもたらすか?




さてさて、
TPP推進派の皆さんには以下の(1)から(3)の命題を考えて頂きたいと思います。

(1)全ての国民を今よりも裕福にするための適切な秩序が今現在、より良く整っているのは日本でしょうか?アメリカでしょうか?

(2)アメリカには、全てのアメリカ国民を今よりも裕福にするための適切な秩序が存在しているのでしょうか?

(3)TPPは本質的にはアメリカと日本との経済統合ですが、アメリカ流の先進国で最も進んだ自由主義社会・競争社会の中に、全ての日本国民を今よりも裕福にするための適切な秩序が存在していますか?




過度な自由化は、独占禁止法とは反対の方向、つまり、富の寡占化を生みます。

それは「不適切な秩序」です。


ただし、問題の根底は「富の寡占化」ではありません。


一部の人だけがカネ持ちになることが問題なのではなく、

問題は、貧困にある人々がさらに貧困の度合いを増すこと、あるいは貧困が改善しないことによって生じます。


自身の富や権力を維持するには、必ず自分以外の人々の貧困を改善する必要があるということについて、

サウジアラビアの王様


よく分かっていらっしゃるようです。


サウジアラビア国王が帰国、経済対策発表
    2011年02月24日 10:35 発信地:リヤド/サウジアラビア  AFP

サウジが追加懐柔策 今度は8兆円超
    2011.3.19 09:47  産経


自国民の貧困を改善せず、または悪化させるだけで、自身は大金持ちのまま
それではルイ16世やマリー・アントワネットと同じ運命をたどるのは火を見るより明らかです。

そうならないために、サウジのアブドラ国王は「適切な秩序」を保つためのあらゆる手段を講じているわけですね。

それは結果として、
自分を含めた全ての国民を今よりも裕福にする、

という方向を志向しています。


方向性としては完全に正しい
と思いますが、いかがでしょうか?



実際問題として、動乱が続く中東・北アフリカにおいて、チュニジア、リビア、エジプト、シリア、イエメンといった混迷が続く国々と比べると、サウジを始めとする王制諸国は今のところかなり安定しています。



野放図な自由化、弱肉強食化は結果として
不適切な秩序を生み、不適切な富の寡占状態をもたらすことを通じて、多くの一般市民を不幸にし、最終的にはそれによって大金持ちを不幸にしかねません。


TPPで気をつける必要があるのはまさにその部分です。



我々に必要なのは

自由化=弱肉強食化

ではなく

全ての国民が今よりも裕福になるための、

適切な秩序の回復です。





俺は【弱肉強食】よりも

【焼肉定食】が好きだ!




と思われた方は、


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<著書紹介>
さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信



【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
こちら→
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc





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400:世界は破綻国だらけ!

2011/09/24 (Sat) 12:34
 





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前回もたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました!!!


前回の続きです。




竹中(平蔵)さんが繰り返しテレビ等でおっしゃっている

家計の金融資産から負債を差し引いた純資産が1100兆円です。これが政府の借金の限界です。



という説明に従えば、

日本は3年前の2008年12月を以って終了していた(笑)

という話を書きました。

今回は他国の状況を見てみましょう。


下の表で赤塗りしている部分が

政府の負債が家計の金融純資産を超えている状態の年

を示しています。つまり、竹中説では破綻している状態です。

多少見にくいかも知れませんが、とにかく赤になっている部分が少なからずあるという点だけ
注目
下さい!

まあ、以下しばらくは、おフランスジョークを書いているという認識でお楽しみ下さい!


※追加

下記の表のデータ(エクセルファイル)をアップしました

エクセル97-03形式(xls)

エクセル07以降形式(xlsx)

破綻国リスト1


上のデータ、

オーストラリアオーストリア

間違って
おりました!

大変申し訳ありませんm(_ _)m

修正版は↓こちらです


破綻国リスト1修正版




破綻国リスト2


破綻国リスト3

破綻国リスト4

出典:OECD.StatExtracts  ただし、米国家計の金融純資産のみFRB




えー、すみません、ルクセンブルクLuxembourgの次の国の国名が抜けていますが、メキシコです。あしからずご了承下さいませm(_ _)m

(メキシコの皆さん、まったく他意はありませんので!)


いかがでしょうか?

オーストラリア、オーストリア、(訂正) ハンガリー、ノルウェー、

ポーランドは95年以降ほとんど破綻状態
が続いています。

もはや世界中で玉音放送が鳴りっぱなしですね。


オーストリア、(訂正) ノルウェー、スロバキアなんて、最新のデータでは政府負債が家計純資産の3倍から4倍に達しています。もはや、再起不能でしょう!

ああ無情。レ・ミゼラブル。YouはShock!


逆に、ギリシャはまだマシなほうですし、
他に騒がれているポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインなんて政府の負債が家計純資産より小さいですから、まだまだそう簡単には破綻しません!


さて、
ノルウェー以外の北欧諸国、デンマーク、フィンランド、スウェーデンは破綻からゾンビのごとく復活しているという感じです。

ということは、やはり日本も「高福祉高負担国家」を目指すべきなのかしら???

いえいえ、とんでもない!

アメリカを見て下さい!

2010年なんて家計の金融純資産がなんと、政府負債の2.5倍もあります!

アメリカは永遠に不滅ですね!


一方で日本は既に破綻。
それなのに、
なんで円高ドル安になるのか、さっぱりわかりませーん!!!


まあ、家計と政府だけみて、企業を見ていない時点でこの説はとっくの昔に終わっている(その辺りは当ブログや著書でしつこく繰り返し書いている通りです)のですが・・・





要するに、竹中さんは

おフランスジョークがお好き

ってなわけなのですよね?



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<著書紹介>
さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信



【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
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399:日本は既に破綻しています(笑)

2011/09/22 (Thu) 18:40
 





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昨日は東京を始め全国的に大変な状況でしたが、皆様いかがお過ごしでしょうか・・・


さてさて、

前回のエントリー、またもや多数のコメントを頂きありがとうございました!


えーと、その前回のエントリー

増税しながら景気を良くする方法

で多少分かりにくいところがあったようですので補足をば。



「増税しながらそれ以上の財政出動をすれば良い」

という箇所で、これだと復興財源を増税で賄うことになりませんか?というご指摘です。


いえいえ、それとは全く異なります。


前回のエントリーでは

増税しても良いから、財政赤字を拡大せよ

と書いています。

つまり、とにかくもっと政府の借金を増やせ!と書いているのであります。

「増税」ではなく、「借金を増やす」ということに力点を置いています。


例えばこういうことです。


「復興事業10兆円のために10兆円
増税した。
それに上乗せで20兆円の景気対策や災害対策を行った。」


これなら、政府の負債は20兆円余分に増えます。
このことが重要なのであって、増税することが重要なのではありません。

増税するかどうかはどうでも良い話であって、政府の負債を少なくとも余分に20兆円増やすことが肝心です。


そして、その部分が我が母校・大阪大学の教授で菅さんに増税のアドバイスをされたという小野善康さんの考えとは全く違います

小野教授の考え
ブルームバーグの記事によりますと、

---
増税してでも雇用創出を



同教授は、デフレを、物を消費するよりも現金を保有したいという志向の表れとみて、政府が内需の源泉となる新たな雇用を創出することで、消費や資金の流れを良くする好循環を作り出すべきだと主張する。

そのため、政府が、不況期には増税してでも新しい仕事を創設し、逆に景気が良くなれば、減税し政府事業を減らすと約束することで、消費が活発化し、デフレの脱却につながると説く。
---

ですが、これを分かりやすい日本語に翻訳すると、恐らくこういうことだと思います。


「政府ねずみ小僧化」理論


要するに、デフレ不況のときは、カネ持ちからお金を頂戴して、それを困っている一般庶民にばら撒く

で、ねずみ小僧との違いは、

1.カネ持ちからもらいっぱなしではなく、景気が良くなったら、そのカネ持ちから頂戴したカネをカネ持ちに返す

2.ねずみ小僧は非合法だが、政府がやるのは合法


つまり、カネ持ちのところで死蔵されているお金を不況のときに使わせてもらい、好況になれば、そのお金をカネ持ちに返す


こういう理論ですね。


まあ、ある意味間違っていないかも知れません。

というのは、

あくまでも理論上は、長期的には誰も損をしない方法になる可能性があるからです。


でも、これって本質的には

不況期にはカネ持ちにカネを貸してもらう、つまり国債を買ってもらい、
あとで好況期にその国債を償還することでカネを返す


私の理論と何も変わりません

ということは、一応、結果としては同じことを目的としていますが、


小野教授の手法は常に財政均衡であることが前提

の手法は不況時は財政拡大、好況時は財政縮小というやり方

という手段の違いということになります。

この小野教授の不況時増税、好況時減税という理論、当初出てきたときは意味がさっぱり分からなかったので
「何を訳の分からんこと言うてはるんやろ」と思っていたのですが、意外とまともだったのかも知れません。
大変失礼致しましたm(_ _)m

でもやはり、
「好況になれば減税で返す」というのはあやふや過ぎるので、ちゃんと国債という形で債権債務の契約をキチンと締結するのが法治国家の基本ではないかと思います。

「好況になれば減税で返す」では、下手をすると「法治国家」ではなく「放置国家」と言われかねないのではないかと、勘考致します。




さて次に、

「増税するとして、どのような増税が良いですか?」

というご質問がありましたので、それについて。

その辺りは財務省の皆さんに、「国民に反発を食らわないような形でよろしくよしなにやって下さい。とにかく財務省の省益と国民全体の利益を一致させる方法であれば何でもありです」というので良いような気がしていますが

私の考えでは、一番良いのは

現金・預金の税率を高く設定し、不動産や株は軽減税率または免税とするような形の
相続税

です。現在毎年たったの1兆円しかない相続税の税収を少なくとも数兆円レベルで増やせるのではないかと思われます。

家計の保有する現金・預金は2011年6月で820兆円
毎年人口の1%が亡くなられているとして、相続に係る現金・預金は8.2兆円
でもこの計算は生まれたての赤ん坊まで含んだ平均値になります。
高齢者の方のほうが一人あたりの保有高が高いはずですので、相続に係る現金・預金は
実際には20から30兆円くらいにはなるでしょう。

これに50%の税率をかければ

税収は一気に10兆円から15兆円程度に増えるということになります。

恐らく、現金・預金に対する課税だと、支払にはそれほど苦労することは無いものと考えられます。借金があれば、もちろんその分は課税の対象外となります。また、現行の制度では相続財産のうち現金・預金よりも不動産のほうが多い場合、納税には本当に苦労します。

逆に、現金預金にのみ課税、不動産・株式は免税または軽減税率というようにすれば、

大金持ちの皆さんは現金・預金で持っていたら相続税で持ってかれるので、不動産や株を買わないと損

ということになりますので、

・歯止めのかからない地価や株価の下落を止め、むしろ反転上昇させることも可能

となります。

特に不動産に関しては、相続税の支払いのために自宅を売却、ということをする必要がなくなるので、残された家族も安心でしょう。

これだと大金持ちでなくても持ち家をお持ちの皆さんにとっては非常に安心感が出てくると思います。もちろん、相続のために不動産を競売にかけるようなことが必要なくなるので、これによっても不動産価格の下落に歯止めを掛けることになります。

そして、

・不動産価格が上がれば、特に中小企業は不動産を担保にしてお金を借りやすくなります。とにかく、資金需要が大きいのは信用力の小さい中小企業なのですから、地価の上昇は中小企業対策に非常に効果が上がるように思われます。

また、

・中小企業の事業承継も円滑に進みやすいでしょう。

なにせ、株の相続税が掛からなくなりますので。

なお、
・債権や貸付金は、
現金・預金と同じか、軽減税率にするにしてもほんの少しにするくらいで良いのではないかと思います。

というのは貸付金に課税しない、となると、貸してもいないのに貸しているという形にする不正が横行するからです。

で、このような形の増税が財務省の省益につながるか、というと、まあ、つながると思います。これだと不動産業界証券業界が・・・いやいや。あまり書きすぎるとイヤラシいので、これ以上は控えます。その辺りはご想像にお任せということで^^;。




あと、

消費税


ですが、まあ、消費税を増税するとすれば、やはり食品などの日用品の税率は現行と同じかそれ以下にすべきでしょう。ようするにヨーロッパ方式です。

でも、そうする場合でも敢えて「消費税」と言わないほうが良いかも知れません。昔懐かしの物品税を復活させれば良いかも知れません。つまり、贅沢品税です。



念のために書いておきますと、私は別に積極的に増税に賛成しているわけでも何でもありません

だって、景気が良くなれば所得税や法人税の累進課税システムが勝手に貧富の差の縮小の機能を作動させるからです。

でもそれだとどうも財務省の省益に合わないのでなかなか実現しそうにありません。よって、より短期的に実現可能性が高くなりそうな提案をしているまでです。


これ、要は戦争なんです。

実際に銃弾やミサイルは飛び交っていませんが、これは戦争です。我が国は少なくとも10数年以上、内戦状態にあると言って良いような状態にあります。

毎年3万を超える自殺者。まさしく内戦状態です。これが10年続けば死者は30万人。20年続けば60万人にもなります。

これに昨今の「予算が足りないから対策できなかった」というような形による災害の犠牲者を加えればどうなるでしょうか?

福島原発だって「国の借金大変だ教」のアホな教義がなければ、いくらでも津波への対策は出来ていたはずです。

繰り返しますが、これは戦争です。

戦争というものは出来るだけ早期に決着を付けなければなりません。長引けば多くの国民が疲弊するばかりです。

今の状態がこのまま続けば、20年後、30年後、リビアのようにならないと誰が言い切れるでしょうか?その時は実弾飛び交う正真正銘の内戦です。


そして、この戦争の決着は全ての国民が勝者になるようでなければなりません

それが私が書いております「私益と公益を一致させる」という概念です。

つまり、

財務官僚の皆さんの選択肢はたった2つです。

カダフィのように国を追われるか、それとも、全国民とともに一緒に勝利者の一員となって繁栄を続けるか。


2つに一つ。非常に単純明快な問題であります。




さて、本日の本題に入って参りたいと思います。


本日の日経朝刊3面に

外国人の国債保有急増 欧州不安で円に逃避
過去最高67兆円に迫る(6月末)

という題の記事が載っていました。

ちゃんと「67兆円」という金額が載っている。これは良いですね。

67兆円といえばGDP世界第9位のスペイン一国分の公的債務とほぼ同じ規模の金額です。

日経にこんな記事が出たので、さすがに破綻論者の皆さんも「外国人は誰も日本国債を買わない」というのは全く言えなくなります。


ところで、この記事の結びがまた↓こんなオチなのが、日経さんらしいところです。

「一方で、リーマン・ショック後に海外投資家の国債保有残高が急減したように、海外マネーは逃げ足が速い面もある。」

大いに結構です。円安になって万々歳ではないですか!

円高で企業が次々に海外へ拠点を移すなんてことになっているのをお忘れでありましょうか?


まあ、このような話自体はあまり目新しい話ではありません。以前、

最新「破綻本」事情:「外国人が見向きもしない日本国債」の大嘘!


というエントリーで書いたような話です。



さて、ここからが今日の本番です。

今日の日経の記事の外国人の保有比率の数字を見ると、上記エントリーで私が出した数字と2%くらい差があります。

あれ?なんでやろ・・・

と思ったら、すみません。私のほうで間違いがありました!

この日経の記事のデータは日銀「資金循環統計」です。その資金循環統計では、

財融債

というのが、短期国債(国庫短期証券)とセットになっています。そして、財融債というのは、実は「一般政府」に含まれない「公的金融機関」が発行元となっており、この財融債がなんと、一般政府の負債に含まれていなかったのです!

財務省の資料
http://www.mof.go.jp/filp/reference/management_report/unyo22a.htm

を見てみると、この財融債、正式名称

財政投融資特別会計国債


「国債」なので本来は一般政府の負債に含めるべきと思うのですが、なんとまあややこしい。

この資金循環統計で一般政府の負債に含まれていなかった財融債がなんと120兆円もあります。そりゃ、計算が狂います。

とりあえず、これは日経新聞さんに素直に感謝です。さすが、購読料が他の新聞より高いだけのことはあります。

で、これが非常に重大です。

この120兆円を一般政府の負債に加えると、とんでもない事実が発覚しました。






  一般政府負債と家計金融純資産




あんれまあ、

なんと財融債を政府の負債にカウントすると

政府の借金が、家計の金融純資産を上回っております!!!


よく竹中(平蔵)さんが

家計の金融資産から負債を差し引いた純資産が1100兆円です。これが政府の借金の限界です。

というようなことを仰っています。私、これは耳にタコが出来るくらい、何度も聞いています。

この前の三橋氏主演の「たかじんnoマネー」
でも仰っていました。これは私、録画しています。

ということで
皆様に66年前の玉音放送に匹敵する大変残念なお知らせです。

日本国は3年前、
 
2008年12月を以って破綻しました



さよなら、さよなら、さよなら
(故・淀川長治さん風に)



「ていうか、

それでも日本が

・国債の外国人保有高過去最高を更新

・外国から資金がさんざん流入して円高

・国債金利世界最低
を続けている

ということは、

日本は永遠に不滅です

ってことですか?


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(2010/03/02)
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・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
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398:増税しながら景気を良くする方法:財務省の省益と国益を一致させるための「増税論」

2011/09/20 (Tue) 16:38
 





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前回、前々回のエントリーではコメント欄で沢山のコメントを頂き、ありがとうございました!
また、twitterでもたくさんコメントを頂いております。

初めてコメントいただいた方はもちろん、おなじみの常連の方もいらっしゃれば、直にお会いしたことのある方からも頂きました。励みになっております。


twitterのリツイート等の状況を見ていますと、
前回の
TPP概論で紹介させて頂いた、藤井厳喜さんの著書にある
「アメリカにも多数の有力なTPP反対派が存在しているので、彼らと協力するのが日本の反対派の取るべき戦略」
という見解が特に反響が大きかった模様です。

TPP反対派にとっても賛成派にとっても、この視点は極めて新鮮で衝撃的な視点ではないでしょうか。


TPPに関してこの前、テレビ大阪の番組で竹中平蔵さんが面白いことをおっしゃっていました。それを題材に近々「超簡単TPP概論パート2」を書きたいと思います。

で、そのテレビ番組ですが、これは三橋貴明さんが主役扱いの番組となっていました。

たかじんnoマネー
 2011年9月17日放送分

地方局(テレビ大阪)の番組とは言え、地上波で積極財政派の論客が主役になるような番組が出てくるようになるとは!



この三橋さんがまた非常に義理堅い方でして、最近出された木下栄蔵さんとの共著


518sQtZA5KL_SL160_.jpg
経済学革命 復興債28兆円で日本は大復活!



にて「日本国家のバランスシート」の発想の元祖として私の名前を出されていたりします。

ただ、本当に私が元祖なのか、私は確認したことはありませんが、木下さんもそのように仰っています(というのは本の中ではなく、直接お会いしたときに仰っていました)。


ちなみにこの本、非常に面白いです。

三橋氏の経済に関する議論は、沢山の著書を書きこなされていることもあって、どんどん洗練されていっているという印象を受けます。

また、木下栄蔵さんですが、工学博士でオペレーションリサーチ(OR)の専門家でいらっしゃいます。

ORと言えば、あの奥さんがトム・クルーズと前世で一緒に金星に行って来られたという、どこかの国の元首相閣下も大学時代に専攻されていたというアレですね。

その元首相閣下は残念ながら政策にORを活用することなく退陣してしまいましたが、
木下教授はORを使って経済状況に応じて適切な経済政策を選択するための数学的な理論体系を構築されています。

木下教授の理論を簡単に説明してみます。

木下理論によれば、

・経済状況には2種類の相反する状態、「通常経済」「恐慌経済」

があります。


私の言葉を使って端的に説明すると

・「恐慌経済」というのはデフレ経済
・「通常経済」というのはインフレ経済


のことです。


そして、
恐慌経済」=デフレ経済では
 企業にとって借金の利子負担以上にもうかるような投資案件が少ない。
  よって企業は借金を減らす
   よって、政府が借金を増やす積極財政が正解

「通常経済」=インフレ経済では
 企業にとって借金の利子負担以上にもうかるような投資案件が多い。
  よって企業は借金を増やす
   よって、政府が借金を減らす緊縮財政が正解

とまあ、そんな感じです。

で、木下教授がこの本で非常に興味深い指摘をされています。

過去に世界の覇権を握ったオランダ、イギリス、そしてアメリカといった国々は、覇権を握る直前に大きなバブル崩壊を経験している。

これは、バブル崩壊によって過去のやり方を根本的に変えざるを得なかったから、というような理屈です。

なるほど。そう言われると、ローマもそうかも知れません。

ローマの場合は経済バブルではなく、カルタゴのハンニバルに軍事的にボロカスに叩きのめされたことが地中海で覇権を確立するきっかけとなりました。


ちなみにその木下先生、なんとまあ、ご自宅が兵庫県内でして、私の住まいと20kmと離れていないという驚異的事実が最近発覚しました。
彩図社の社長さんの紹介でつい最近、神戸市内でお会いし、100%関西弁で色々と語り合った次第です。

そして木下教授、以前はあのリチャード・クーさんとも一緒に活動をされていました。
クーさんがこれまた神戸出身です。木下教授も以前はかなり長い年月、職場は神戸市内だったそうです。なんという奇遇でしょうか。


さて、
以前に書きましたように、私が本(「国債を刷れ!」)を書くきっかけになったのは、河村たかし名古屋市長(当時は衆院議員)のテレビでの「国の借金が問題ではないという前提で政策を考えるべきです」という発言でした。

で、そのテレビ番組にはあの竹中平蔵さんも出ていました。

そして、河村たかしさんの影響で私が書いた本の影響を受けている三橋さんが、その竹中平蔵さんと一緒にテレビに出ている

そして、河村市長は経済に関してはクーさんや木下さんの影響を受けていて、その木下さんと私が神戸の三宮で経済について色々と語り合っている

いやはやなんとまあ、人の縁というのは不思議ですね。


こないだの三橋さんのテレビの話に戻ります。
竹中
さん、そして竹中さんとほとんど一心同体の「元あご官僚」の岸博幸さんと三橋さんとで、TPP以外の部分ではかなりの部分で意見が一致していました。

特に、岸さんが三橋さんにかなり好意的な印象でした。

私の著作の原点の一つが「竹中批判」であったわけですから、まあ、なんとも狐につままれたような不思議な気分にさせる番組でありました。

以前はあれだけ財政出動の効果を否定していた竹中さんも最近では
ツイッターで高橋是清を持ち上げたり、財政出動に肯定的な発言が見受けられます。

世の中、何が起こるか分かったものではありません。だから人生やめられない、といった具合でありましょうか。


この番組、三橋さんは非常に良い線をついていらっしゃったのですが、「ここはこうして欲しかったなあ」という点を一つ

当ブログのコメント欄でも書いてくださった方がいらっしゃいましたが、国の借金に関して竹中さん

「たしかにバランスシートで考えると国の借金よりも個人の資産のほうが大きいです。国が借金して使えば個人の資産が増えるでしょう。だからといって国の借金をいくら増やしても良いということにはなりません。そんなことが出来るなら、国の借金を5000兆円にして太平洋を埋め尽くせることになります。そんなこと出来ますか?出来ませんよ」

というような趣旨のことをおっしゃったときに三橋さんが

「なんでそんな極端なことをおっしゃるんですか」と返し、竹中さんが「物事を考える時はこういう極端な状況を考えるのが一番です」と切り返しました。

ここで、三橋さんには「なんでそんな極端なことを」という代わりに



国の借金は5000兆円だろうが、1京円であろうが増やせます。

でも、それだけの借金をしても太平洋を埋め尽くすことはできませんよ。

だってそれだけの鉄筋やらコンクリートやらをどこでどう調達するんですか?

経済成長の限界はカネではなく、モノで決まります。

お金は無限に作れますが、モノの供給は限られているからです。

それが竹中さんの大好きなサプライサイド経済学じゃないですか!

5000兆円も借金するなら、それは日本の将来に本当に必要なことに投資すべきですよ。

そうすればこの国の経済はいつまでも安泰です。


と仰っていただければなお良かったのではないかと勘考致します。




随分と前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
最近では竹中さんもお墨付き(?)の財政出動を実現するための最大の障壁

財務省

について。


財務省がなぜ「国の借金は大変だ!」と言い続けるのか。

いや、正確には国内に向かっては「大変だ!」と言い、
国外に向かっては「日本の国の借金は大丈夫だ!(外国格付け会社宛意見書要旨)」と言っていますが。


それは、

「増税が省益になるから」

と言われています。

なぜ「増税が省益」になるかというと、こういう説があるようです

「増税するときに特定の業界に軽減税率を適用すること等を通じて、天下り先を確保するため」


私、これを敢えて批判しないでおきます。皆さんにも是非、これを批判せずにおいて下さい。

ここで私が提唱している

私益と公益を一致させる

という原理原則を適用して考えを進めたいと思います。

「私益と公益を一致させる」というのは、公益を増大させることが、結局は私益、自分の利益を最大にすることにつながる、という、ある意味では究極に利己的な発想です。

ここで、この原理原則に沿って

「財務省の省益を国益に一致させる」

という命題を考えてみましょう。


ここで、仮に「増税は財務省の省益である」ということが正しいとします。

すると、上記の命題は、こう書き換えることができます。

「増税を国益に一致させる」


増税の何がダメかというと、増税によって財政再建、つまり、政府の負債を減らそうとすることです。

詳細は
「国の借金」をゼロにするという極端な財政再建をすると、民間部門(個人+企業)の負債が減り続けているデフレ経済下では、民間部門の貯金がゼロとなってしまう、という様子を簿記の仕訳を使って説明している↓PDFをご参照下さい。

http://hiromiya1975.web.fc2.com/hankokkahatanron/zaiseisaikenshiwake.pdf


デフレ環境下における国債残高の減少は、そのまま銀行預金の合計額の減少になります。それはマネーの減少です。

簿記の仕訳はあらゆる経済取引を表現することができます。これは絶対的な原理原則です。
そして、国全体の連結決算でその簿記の仕訳を適用し、連結財務諸表を作成すると、必ずそうなります。

ここで注意点があります。まれにアンチの人で「俺は簿記に詳しいぞ!その俺様が日本の国の借金は破綻すると言っているから破綻するんだ!」式の主張をされる方がいます。

簿記を知っている、というのは本来は
・仕訳を切って帳簿を作成することができる
・仕訳を集計し、複式簿記の原理に従って損益計算書や貸借対照表を作成することが出来る
ということを意味します。

つまり、「簿記を知っている」ということを証明するには、
・仕訳を切って
・損益計算書や貸借対照表を作成する

ということが出来ているところを人に見せることが出来なければなりません。

つまり、「簿記を知っている」と言っているだけでは簿記を知っていることにはならないのであります。

マクロ経済学を大学で勉強した人は、あまり会計学(その基本は簿記)を知りません
逆に、会計学を大学で学んだ人は、マクロ経済について知りません。というかマクロ経済についてあまり考えることはありません

色々と仰っしゃる方が多いので明確に書いておきます。
私は税理士試験という国家資格の試験の「簿記論」と「財務諸表論」の2つの科目に合格しています。
日商簿記1級というのが大学卒業レベルだと言われていますが、その1級合格者でも税理士試験の簿記論は1級合格より難しいと言っている人が多いのです。
ちなみに簿記1級は税理士試験の受験資格の一つになっています。

ということで、私はというと、少なくとも大学レベルの会計学の勉強をしたことが公的に認定されていることです。念のため。

ただ、税法科目は一つも取れておりませんが^^;


私は別にマクロ経済を専門的に学んだことはありませんが、マクロ経済の会計学的アプローチならいくらでも出来まっせ、ということです。
これは単に、全ての経済主体の連結決算をするだけです。極めて単純な話です。


あとは孫子です。事実を正確に確認するという孫子の教えに忠実に従うだけです。

私の意見では、経済について知るには、経済学を学ぶことも大事かもしれませんが、孫子のほうが圧倒的に役に立つと思います。というのは、孫子なら経済に限らず、世の中のあらゆる物事の状況把握と解決策の立案に活用できるからです。

たとえば、「智者の慮は必ず利害にまじう」という孫子の一節。

私はこれをとある件での弁護士さん相手の係争に役立てました。

智者の考えというのは必ず利害計算に基づいている、という意味です。
要は相手方に私に協力することのメリットと協力しないことのデメリットを明示することで相手方の協力を引き出し、問題を解決したということになります。

当時、私は本当にこの孫子の言葉を単純に実践しただけでした。それで、魔法のように効いたのですが、これが成立したのはあくまでも相手が「智者」だったからです。まあ、相手方が弁護士さんでしたから。

国と国との間の外交の問題も正にこういうことではないかと思われます。


さてさて、少々脱線しましたが、本題の国の借金の話に戻ります。

要は、

デフレ経済下では増税が間違っている
というよりは、財政再建が間違っている

ということです。


つまり、

「増税を国益に一致させる」ためには

「増税しても財政再建しなければ良い」
「増税しながらそれ以上の財政出動をすれば良い」

ということになります。


とにかく、増税しても良いから、財政赤字を拡大せよということです。

その財政赤字の拡大規模
民間の借金が減るのよりも大きな金額の財政赤字を出し、
国全体(民間+政府)の借金の合計額が増加するほどの規模
にしなければなりません。


政府がどれくらい借金を増やすペースを上げる必要があるかというと、


国内の政府と民間負債合計



2010年3月までの10年間で考えます。
民間の借金は500兆円も減りました。その間、政府の借金増加が332兆円


国全体の借金の大きさの水準を維持するには、169兆円足りなかった


ということになります。

これを1年あたりにすると、約17兆円です。

10年間、政府が毎年17兆円の財政赤字を上積みしていれば、国全体の負債、すなわちマネーの量が保たれていたことになります。

デフレ脱却にはやはり20兆円から30兆円は財政赤字を上積みする必要があるのではないかと思われます。
これ、ちょうど内閣府発表のGDPギャップ(需給ギャップ)の数字と合っていますね!

http://www5.cao.go.jp/keizai3/shihyo/2011/0916/1010.html

現在、およそ4%のGDPギャップということで、500兆円×4%とすると20兆円です。



次に、

「増税しながら積極財政」に必要な大義名分

つまり「財政再建」に代わる増税のための大義名分を考えましょう。


これまた藤井厳喜さんの著書(「
超大恐慌の時代」)で気付かされたことですが、ここで有用なのは、最近起きたチュニジア、エジプト、リビヤの革命が、比較的良好な経済成長下で起きているという事実です。




革命が起きた国の経済成長率





最近革命で政権が崩壊したこれらの国々、どれを取っても日本よりも実質GDP成長率が概ね良好であったことが分かります。

繰り返しますが、

経済が成長していても、革命で政権が転覆した

ということです。


この背景にあるのは、要するに

貧富の差

であります。


これを解消するにはどうしたら良いでしょう?

一つは、スウェーデンなど北欧諸国のような「高福祉高負担」の方向性を目指すことです。

それは、政府のサイズのGDP比によって表すことができます。
以下は「国債を刷れ!」で使っていた図表です。


高福祉高負担



まあ、スウェーデンが行き過ぎなら、ドイツイギリス並みの「中福祉中負担」を目指しても良いかも知れません。


ということで、
「財務省の省益と国益を一致させる」ための大義名分は、

↓こんな感じでいかがですか?


 社会の安定のためには貧富の格差が拡大することを防止する必要があります。

 よって、今の低福祉低負担から中福祉中負担の国を目指したいと思います。

 そのために、中期的に増税をして行くことが必要となります。

 ただし、だからといって増税だけをして経済を腰折れさせてはなりません。

 デフレが続く間は景気対策もしっかり行います。


 その場合の景気対策はいわゆる「バラマキ」ではなく、

 将来の日本経済に必要な投資に限定し、

 その分野に資金を集中的に投下させます。

 そのような景気対策は、

 それは将来の政府の財政を安定させるための投資にほかなりません。



え?

景気が良くなると税収が自然に増えて増税できなくなるので困る

ですって?


その場合は単純にあなた方の給料や年金の支給額を増やすとか、外郭団体を増やすなどして省益を拡大して下さい。

景気が良ければ、あまり反対されることもないでしょう。


つまり、恐慌経済と通常経済とでは省益の定義を転換させて下さい。

いや、そもそも景気が良くなってインフレ気味になれば、インフレ抑止のためという増税のためのれっきとした大義名分が成り立つじゃないですか!




省益と国益を一致させることはいつでも可能
なはずです。



財務官僚の皆さん、

是非とも財務省の省益と国益を一致させるために知恵を絞って下さい。

寝ても覚めてもひたすら「財務省の省益と国益を一致させるためにはどうしたら良いでしょうか?」と自らに質問し続けて下さい。

優秀な官僚の皆さんなら必ず素晴らしい解決方法がすぐに見つかるはずです。私はそのことを心底から信じており、決して疑うことはありません。

これが出来れば財務官僚の皆さんは救国の英雄となるのみならず、世界人類中興の祖となります。

是非とも想像してみてください:

省益と国益の一致を図ることが出来たとき、あなた方はどんな気分になるでしょうか?最高に良い気分になれるのではないでしょうか?それが出来れば、あなた方の子や孫が繁栄を謳歌し続けることも、全く疑う余地はありません!


「もしかすると、

 日本の財務官僚は

 世界史に燦然と輝く一大功績を

 残してしまえるんじゃないだろうか?

 と前向きに疑ってみたい今日この頃」

と思われた方は、


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<著書紹介>
さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信



【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
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397:超簡単TPP概論

2011/09/16 (Fri) 16:30
 





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皆様、いつも応援ありがとうございます!!!



最近のエントリーが携帯で表示されないようです。
この原因は多分、最近のエントリーの本文をワードで作っていたから、と思われますので、
久々にワードではなく、FC2のエディターで作ってみようかと思います。

このエディターがよく落ちて、1時間くらい頑張って書いて、いよいよアップしようと思ったら消えてなくなっていた、ということがしょっちゅうあったのでワードで作るようにしていたのですが・・・

頻繁にノートパッドにコピペしながら作業することでデータを保全しながら書き進めようと思います。



さて、菅政権の「功績」を見つけるとなると、非常に困難を伴う作業になろうかと思われますが、その数少ない功績(?)のうちの一つはというと・・・

結果的にTPPを押し進めなかったこと

ではなかったかと思われます。


さて、そのTPP。簡単に言えば


国際的な、過激な自由化・過激な規制緩和


ということになります。TPPの具体論は今回は無しにしますが、
「過激な自由化・過激な規制緩和」というと例えば、どんなことでしょう?


典型的な規制、と言えば、どこの国でもたいていあるのは

独占禁止法

です。もちろん、TPPでは独占禁止法の撤廃までは含まれませんが、まあ「過激な自由化・過激な規制緩和」を直感的にイメージするための例です。


独占禁止法の無い状態というのはどういうものかというと、要は、

カネ持っている企業がより一層カネにものを言わせる機会が増える

ということですよね。


とにかく競争相手はカネにものを言わせて潰すか買収するかして、競争相手を完全になくしてしまい、その段階で値段を釣り上げてがっぽり儲ける。兎にも角にも「カネにものを言わせることが簡単になる」ということです。


つまり、TPP「過激な自由化・過激な規制緩和」一般化してしまえば、

その意味を「カネ持ちであるほどより有利になるという環境を作り出すこと」と一般化することができます。


私の著書では「企業に有利。個人に不利」という説明をしていましたが、もっと一般化すれば上記のようになります


さて、
このように一般化すると、
TPPがアメリカと日本のどちらに有利に作用するかは、
どちらの国のほうが大金持ちの個人や企業が多いかによって決まってくることになります。


まずは個人の大金持ちの状況を見ましょう。

フォーブス誌の億万長者ランキングは、billionaireつまり10億ドル(約800億円)以上の純資産を持っている人々のランキングです。

1210人がランキングされています。

そのうち
アメリカ人 412人
日本人    26人


となっています。

ここで補足ですが、国民一人あたりの平均金融純資産で見れば、
アメリカ人一人あたりの金融純資産は900万円
日本人一人あたりの金融純資産は1,170万円
(アメリカ:FRBの資金循環統計から人口3.12億人、1ドル80円で計算。日本:日銀資金循環統計から人口1.28億人で計算)

となりますので、日本のほうが大きい金額になります。

しかし、企業の買収やら何やらを考えると、「極端に大きな金額の資産を持っている人」の数のほうがモノを言うことになります。

ということで、個人に関しては「カネ持ちであるほどより有利になるという環境を作り出すこと」で有利になるのはアメリカ人、ということが言えるでしょう。


次に、企業です。

Fortune誌の世界企業ランキング(売上高)で見ますと、

上位500社に入っている企業数は

アメリカ 133社(売上合計 615兆円。平均4.6兆円)
日本  68社(売上合計 263兆円。平均3.9兆円)

となります。端的にはアメリカのほうが規模の大きい会社が多いということがうかがい知れます。
でも、これはあくまでも売上の規模です。
株式の時価総額でみると、更に差が付きます。



野村資本市場研究所の資料から世界の主要証券取引所の上場企業の時価総額を拾ってみますと



主要証取時価総額





証取別の時価総額の合計額
でみると、
東京は世界でも2番目に大きいということになるのですが、

一企業当たりの時価総額で見ると、東京は何と上記の証取の中で最下位になってしまいます。

しかも、1社当たりの平均は、日本はアメリカの4分の1程度となっています。

最近では企業を買収するには、まどろっこしい資金調達などしなくても株式交換でできてしまいます。とくに2007年以降は外国企業による株式交換による日本企業の吸収合併も可能となっています。

これだけ一社あたりの時価総額が違うということは、要するにそれがあっさり出来てしまうということを意味します。しかし、株式交換となると実際には吸収されるほうの企業の株主や経営者が承諾しないとなかなか出来ません。

ところがです、ここまで時価総額が違うと、単純に増資による資金調達による買収も簡単になるということが言えます。

例えば、ニューヨークのある上場企業が1割増資するとします。単純には一つの企業は517億円資金を集めることができることになります。東京はというと、1割増資でも137億円です。

もちろん、増資となると株価が下がるので思い通りの資金が調達できるわけでもありませんが、昨年7月のみずほの公募増資の例をみると、なんと38%も増資しています。
ロイターの記事によれば、
8500億円の目標金額には届かなかったものの、7480億円ほどの金額を調達できたようです。

ニューヨークのとある上場会社が時価総額の1割の資金調達をすれば、東京のとある上場企業の株式の40%近くを買い占めることが可能、という計算です。
逆に東京のとある上場企業がニューヨークのとある上場企業に対して同じようにしても、東京のその企業はニューヨークのその上場企業のわずか3%未満の株式しか手に入れることが出来ません


このように見てみますと、個人でも企業でもアメリカのほうがカネ持ちが多いということになります。
単純に考えれば「過激な自由化・過激な規制緩和」はカネ持ちに有利な環境です。

そして、日本企業が日本の個人よりも「カネ持ち」であり、有利な状況だと思ってTPPを推進したら、あらま、アメリカの大金持ちたちに根こそぎオイシイとこを持ってかれてしまった、なんていう笑えないオチもあり得るわけです。


自由な状態、というのは戦国時代に例えることが出来ます。

四国という島の中では長宗我部家が圧倒的に強く、四国を統一してしまいます。ところが、やっと苦労して四国の統一を果たした途端、海の向こうから豊臣の圧倒的な大軍が津波のように押し寄せてきて、為すすべもなく土佐一国に押し込められてしまいました。

TPP推進派の企業経営者の皆さん、豊臣になれる自信はおありでしょうか?
いや、豊臣でもダメですね。徳川になれるでしょうか?
もし、そこまでの自信がおありでなければ、TPP推進は言わないほうが賢明ではないかと勘考致します。


簡単に言ってしまうと、

・経済規模が世界最大であり、先進国でもっとも格差の激しい米国は、大金持ちが多い。
よって国際的自由化で一番有利になるのは米国。
・そのための米国主導のTPP推進

ということになるのではないかと思います。

企業が従業員を自由に解雇できるアメリカのような社会は、伸びるときはどんどん伸びますが、景気が落ちるときは大量解雇が次から次へと起きるため、加速度的に景気が悪化します。それゆえに景気回復期でも消費の回復に時間がかかり、景気の本格的回復にも時間がかかると言えます。日本よりも過激な自由化の進んでいるアメリカの難点と言えるでしょう。

皮肉にもそのようなアメリカが本領を発揮できるのが、格差社会ゆえに大金持ちが多い。それゆえに、カネ持ちがより有利になるような、「国際的な過激な自由化」というわけですね。

しかし、ここに一つの盲点があります。

はい。すみません。私の著書でもこの点が曖昧、というよりは間違っていたと言っても良い点があります。

「TPPはアメリカに有利なので、ゆえにアメリカが推進している」
というような論調になっていたのは正しいとは言えませんでした。

あくまでも
TPPはアメリカに有利」なのではなく、「アメリカの大金持ちに有利」なのであります。

大多数の「カネ持ち」では無い
アメリカの一般国民にとって、更なる「過激な自由化」の推進であるTPPは、ちっとも利益にならないということです。

この点を私に明確に気づかせてくれたのが、藤井厳喜さんの最新の著書



51T9uiMf7HL_SL160_.jpg

日本人が知らないアメリカの本音


です。この本を読ませて頂くまでに、私も遅ればせながら漠然と「TPPはひょっとしたらアメリカの国益も損なうのではないだろうか?」と薄々思うようになっていたのですが、
先月読ませて頂いたとき、明確にTPPはアメリカの国益にすら反すると思うようになりました。

藤井厳喜さんが本書で指摘しているのは、

・アメリカにも多数の有力なTPP反対派が存在している
・ゆえに「TPPに反対すれば日米関係が悪化する」というのは完全に間違い
・日本の反対派はアメリカの反対派と協力するのが正しい戦略


ということです。
このような記述を目にしたとき、正直なところシビレました。私の著書の中でモヤがかかっていた部分を、完璧に晴らして頂けたというのが正直な感想です。

この本は他の部分もはっきり言って実に素晴らしいです。

建国以来の米国史を紐解きながら、アメリカとは何かということを解説しているのですが、なるほどとうならされた箇所多数
であります。

-----

ということで超簡単TPP概論はここまでです。

さてさて、最後に昨日のエントリーに書いた話ともリンクするを少しだけさせて頂きます。
自己啓発本(または成功哲学本)に文字通り啓発されて、新たに設定しなおした私の目標について。

たいていの自己啓発本に共通して書いているのは、「自分が心の底から本当に望むことを見つけなさい」です。それがまず何よりも先にすべきことであると。

そこで考えたわけです。そもそも経済の本を出版する、なんていう面倒くさいことを始めた目的は何だったか?

それは、もっと豊かさを享受してしかるべき日本国民を実際にもっと豊かにするためです。でもそれは、他人のためだけではなく、自分自身のためでもあります。

私は以前にも書きましたが、究極の私益というのは長期的な自家の存続と繁栄であると考えています。そして、その究極の私益を達成するためには、国家の存続と繁栄という公益の達成がない限り、全く担保されないのであります。それゆえに国全体を豊かにするための思想的基盤を世の中に広めたいと思ったわけであります。


私はこれを過去のエントリー

「私益と公益を一致させる」

という言葉で言い表しております。


これは言い換えれば「私益と国益を同時に増大させる」ということになりますが、もっと拡張する必要があります。
国益を増大させるには、自国以外の国益を増大させることが必要です。

例えば、日本の国益だけが増して、他の世界が貧乏になっていくとすればそれは国と国の間の貧富の差が増大することを意味します。それは日本にとって危険な状態です。なぜなら貧富の差こそが犯罪を生み、テロを生み、戦争を生むからです。

ということはです。

究極の私益をほんとうの意味で達成するためには、国益のみならず、世界中の公益も達成する必要がある、ということになるわけです。

ということで私の新たなる目標



全ての日本国民をいまよりも裕福にすること。

その達成を通じて世界中の人々をいまよりも

裕福にすること。

それと同時に自分自身を裕福にすること。



ということにしました。

ポイントは3つあります。

・最終的には世界中の人々が対象であすが、あくまでも日本優先

・「世界中の人々」には「日本破綻論者」やあの省庁の人々も含みます。つまり、これらの人々も裕福にする対象です。「てめえ、四の五の言ってやがると、もっと裕福にしてやるぞこの野郎!」みたいな感じですかね。このような目標であれば、目標それ自体に反対する人もそうはいないでしょう。

・自分自身のことも忘れてはいけません。他人ばかり優先していると、結局は長続きせず、多くの人々の役に立つという究極の目標の達成を困難にします。


これは目標という代わりに「理念」と言っても良いかも知れません。

私がこれから著作やブログで書くことは全てこの理念に従って書く所存であります。
次回はこの理念に沿った「増税論」の解決策について書いてみたいと思います。



「仮に『世界中の人々を今より裕福に』というのが出来たとすれば、憲法9条よりも確実に日本と我が家の平和と繁栄を守れるに違いない。
そうすればソマリアの海賊だっていなくなるわけだから、憲法9条を守れ、自衛隊の海外派遣反対と言いながら海外で自衛隊に守ってもらうような不細工なことをする必要も全くなくなりますなあ」と思われた方は、

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さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信



【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
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396:「財政が先進国で最悪」by輿石東氏

2011/09/15 (Thu) 13:50
 





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皆様、いつも応援ありがとうございます!!!

久方ぶりの更新であります。

 

定期的に当ブログを訪問して頂き、ランキングにクリックしていただいている皆様、まことにありがとうございます!!

 

今日はちょっとしたジャブを入れておこうかと。

 

さきほど国会中継で民主党幹事長の輿石東氏が野田総理に質問する中で「日本の財政は先進国で最悪」と発言されていました。

 

まあ、野田総理に「そのことについてどう思われますか?」ということだったのですが、野田総理の答えを聞く前にテレビを消してしまいました。だって答えは「良く分かっています。だから財政再建、増税です」となるに決まっていますので!

 

 

「日本の財政は先進国で最悪」ということは、「日本の財政はギリシャよりも悪い」ということになります。

 

逆に言えば「ギリシャの財政状態は日本よりも良い」ということになります。

 

日本政府よりも財政状態の良いはずのギリシャ政府は、いまにも破綻(債務不履行)しそうです。

 

それ故に、いや、それに加えてギリシャ以外のスペインやアイルランドやポルトガルやイタリアも「やばい」ということもあって、ユーロ安が対円で進行しています。

 

逆に「財政が先進国最悪」で、それら「やばい」先進国よりも財政が悪いはずの日本の通貨である円がどんどん高くなっています。なんでやねん!

 

そして今や、ギリシャのユーロ離脱が取りざたされています。Googleで「ギリシャ ユーロ 離脱」と検索するとわんさか出てきますね。

 

そして、ギリシャ国債の利回りは10年物が20%超、2年物が75%超となっています(WSJ 2011 9 13)。えーと、「ギリシャよりも財政状態が悪い」はずの日本は…、ブルームバーグで本日の日本国債の利回りを見てみますと…

10年物が1.0%、2年物が0.14%となっています。

まあこの数字の比較だけで「日本の財政が先進国最悪」というのがいかにアホかということは分かるのですが、これをグラフにしてみるとより一層鮮明にいかにアホかが分かります。

では、どうぞ!


 

 GGBvsJGB110915.png

 

 

 2年物の利回りを見て下さい。日本の2年物国債の利回り0.14%があまりにも小さすぎて、グラフでは表示不能になっています。

 

「日本の財政は先進国で最悪」という言葉は「ギリシャは日本よりも財政状態が良い」と同義です。

このグラフによって「ギリシャは日本よりも財政状態が良い」という言葉が完全に事実に反していることが証明されています。よって「日本の財政は先進国で最悪」という言葉もまた論理的に完全に破綻していることが証明されています。

 

 

これを孫子の一節「彼を知らず、おのれを知らざれば、百戦ことごとくあやうし」に当てはめて考えますと「ギリシャを知らず、日本も知らないので、百戦ことごとく危うし」ということになりますね。

事実を正確に把握できない人に問題の解決はできない。百戦百敗というわけです。
これは別に2500年も前に死んだ人の言葉を借りなくても、生まれてこのかた10年も経たないような小学生にでも分かるような単純な話です。

  

さてさて。
いままでの私なら「与党の幹事長がこんなことを言っている事自体が最悪」と締めくくっているところですが、そういうのは止めることにします。

 

そんなことを言っていても気分が悪くなって精神衛生上もよろしく無く、時間がもったいないし、下手をすると読者の皆さんの仕事の生産性を悪化させるだけであって、ちっとも国益を増進することに役立たないどころか、却って国益を損ないかねない可能性さえあるからです。

 

私、これまで生きてきた中で、自分自身にとって何か重大な事件が起きるたびに、心理学とか哲学とか、あるいはいわゆる自己啓発、成功哲学といった分野の本を大量に読み漁るという習性を持っています。一度目は阪神大震災のあと体調を大いに崩したときでした。そして、私にとってはこの前の大阪市会議員選挙への出馬とその落選もまたそのたぐいの「重大な事件」であったというわけです。

 

今回も色んな本を読みましたが、例えば、つい最近古くからの友人に教えてもらった

アンソニー・ロビンズというアメリカ人の本です。

 人生を変えた贈り物

人生を変えた贈り物 あなたを「決断の人」にする11のレッスン

 

 

このロビンズさん、なんとまあ、ビル・クリントンやロナルド・レーガン、ジョージ・ソロスからテニスのアガシまで弟子らしいです。

 

さまざまなことが書いてありますが、すぐに使えるものとしては、自分の気分を悪い方向から即座に良い方向に変えるテクニックなんかが書いてあります。

 

例えば、何かについて「嫌だ」という場合に、「嫌だ」という代わりに「ちょっと嫌だ」という、というようなテクニックです。

 

「野田総理はちょっとだけ保守っぽいのに、内閣や党幹部が左翼だらけなのはどうしようもなく嫌すぎてたまらんわい」という代わりに

 

「野田総理はちょっとだけ保守っぽいのに、内閣や党幹部が左翼だらけなのはちょっとだけ嫌だねえ

 

といってみると、同じ事を言っているのにだいぶ気分が違って来ると思います。

あるいは、こういうのもありかと

 

9月半ばだというのに、なんでこんなにクソ暑いねん。33℃もあるやないけ、こらダボ!」(注:ダボというのは神戸独特の言葉であり、ある意味関西最強というか最凶の言葉です)

 

という代わりに

9月半ばだというのに、ちょっとだけ暑いねえ」と言ってみるわけです。

 

 

あるいは、こんなことも書いています

「良い質問をする」というテクニックです。

 

「なんで今の内閣はデフレ不況の中で需要を減らしてデフレを加速することにしかならない財政再建を進めようとするのか?アホじゃないのか?」

 

「なんで首相がちょっとだけ保守なのに、周りの主要ポストが左翼で固められているのか?」

 

と質問する代わりに

 

「日本の景気を最高に良くするにはどうしたら良いか?」

 

「自分自身を含めて、全ての日本国民(財政破綻論者の皆さんももちろん含む全日本国民)を今より裕福に、そして今よりも安全な状態にするにはどうしたら良いか?」

と質問するわけです。かなり気分が違ってくると思います。さらには

 

「私の気分を最高に良くするにはどうしたら良いだろうか?」という質問をぶつけるのはもっと良いでしょう。

 

自分に質問する、というのは、その質問の内容に脳の思考回路を誘導する、ということになるということです。つまり、私の気分は、私が質問した方向に向いてしまう、というわけですね。

「なんでこんな問題が起こるのか?」と質問すると、その問題そのものに脳が焦点を当てることになり、あまり良い気分ではいられなく成ります。ところが「その問題を解決するにはどうしたら良いか?」と質問すると、その問題の解決に脳が焦点を当てることとなり、気分も良い方向に向けられることになります。

 

基本的に、人間の能力は良い気分のときのほうがパフォーマンスが向上するというのは科学的に証明されていることですから(それはスポーツ選手のパフォーマンスをつぶさに観察すればすぐに分かりますよね)、この「よい方向に質問する」という手法はかなり優れた方法の一つであろうかと思います。

 

ロビンズさんの本の中では、こんな強烈な事例が紹介されています。ナチスの強制収容所に送られた人物の事例です。

 

その人物は、一緒に連行された家族が先に処刑されてしまいます。そして周りの人々も次々にガス室に送られていくわけです。状況は本気で最悪です。ところがその人物は「神はなぜこんなひどいことが起こることをお許しになるのか?」と質問する代わりに「私はどうすれば脱出できるだろうか?」という質問をひたすら続け、解決策を導き出し、最終的に数少ないその収容所の生き残りとなったというわけです。(詳細をお知りになりたい方は、その本をお読み下さい。大きな書店の自己啓発コーナーに行けば一冊くらいは置いているのではないかと思います)

 

ちなみに、友人に言わせると、今回紹介させて頂いたようなテクニックはNLP(神経言語プログラミング)というものに分類されるようなものらしいです。

 

 

「ギリシャやスペインを横目にして『日本の財政は先進国で最悪』なんて余裕こいて言っていられる事自体が、今の日本が人類史上最高に豊かな国の一つであることの紛れも無い証拠ではないだろうか?」
という質問を自分にぶつけて、少しばかり気分を晴らしておこうかしら


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<著書紹介>
さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―
(2010/03/02)
廣宮 孝信


【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
 本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
 「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
 ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
 本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
 国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
 おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
 つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
 そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
 この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
 本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
  こちら→
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc




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