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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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596:続【仮説「9月危機」】:次期FRB議長候補を巡る議論の過熱は、大きな景気リスク要因の一つか?

2013/08/18 (Sun) 12:34
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今回も米Yahoo! Financeの「Daily Ticker」から。


世界最大の債券ファンド会社、ピムコのCEOが、次期FRB議長候補を巡る議論がアメリカで加熱していることについて、興味深いことを言っています。

これは、議会の両極化(まあ、上下院のねじれのことでしょう)の表れである。
経済にとってFRB議長の信頼性が極めて大切であるのに、この議論の過熱によってその信頼性を損ねてしまいかねない。
この経済に関する不確実性が高い状況で、このようなことになっているのは、まったく好ましくない。

というような趣旨となっています。


とりあえず、翻訳してみます:

-----

Fed Chair Debate Has Entered “Silly Season,” Could Damage Economy: El-Erian
次期FRB議長候補を巡る議論が「夏枯れ期」にすれ込んだことが、経済を損ないかねない:エル・エリアン(PIMCO CEO)

http://finance.yahoo.com/blogs/daily-ticker/fed-chair-debate-entered-silly-season-could-damage-172112168.html
By Justin Maiman | Daily Ticker – Fri, Aug 16, 2013 1:21 PM EDT




Fed chairman Ben Bernanke will be handing over the keys to someone in January to oversee the Fed's close to $4 trillion in assets. The stakes are high. So who will President Obama nominate?

バーナンキFRB議長は、4兆ドル(400兆円)近い連銀の資産の監督者としての地位を、来年1月、ほかの誰かに譲ろうとしている。この賭けは当れば大きいが負ければ手痛い。オバマ大統領は誰を次期FRB議長に指名するだろうか?

Mohamed El-Erian, CEO and co-CIO of Pimco, says it's up to the President. More importantly, El-Erian insists the decision must be made in the next few weeks to reduce uncertainty in the markets. Until then, he says "silly" rules the day when it comes to the debate over contenders for the central bank's top spot.
ピムコのCEO兼副CIO、モハメッド・エル・エリアンは、それは大統領次第だという。エル・エリアンの主張によれば、もっと重要なことは、市場の不確実性を低減するために、この2、3週間の間に意思決定をすべき、ということだ。意思決定がなされるまでの間は、彼が言うには、FRB議長候補者についての議論を巡って、「愚かさ」が日々を左右することになる。

"The silly season is to focus on the small differences between them and amplify them to such an extent that they start taking over the narrative," El-Erian tells The Daily Ticker in the accompanying video. "And if that continues to happen... whoever ends up being selected will have to deal with issues that have been blown completely out of proportion."
「夏枯れ期(silly season 本当のニュースの不足によってつまらぬ事柄に関する誇張されたニュース記事で特徴付けられた、通常は晩夏の期間)は、ささいな違いが注目を集め、尾ひれをつけて話を誇張し始める」と、エル・エリアンはDaily Tickerに語った(添付のビデオ)。「それが続けば、誰が最終的に選ばれたとしても、調和的な状態が完全に壊れた中で問題に取り組まなければならなくなるだろう」

He's referring to the ongoing discussions in the media and in Washington about Larry Summers and Janet Yellen, the two top candidates for Fed Chair. Whether he's too "prickly" and she's too "professorial" -- or whether he's too much of an "insider" and she's too much of an "outsider." The list goes on and on, but El-Erian says the small details ignore the bigger picture.
彼は、二人の有力候補、ラリー・サマーズ(元財務大臣、元ハーバード大学長)とジャネット・イエレン(FRB副議長)に関するメディアや政界で続けられている議論について触れている。例えば、サマーズは「トゲがあり過ぎ」であり、イエレンは「学者然とし過ぎ」である、あるいは、サマーズは「内幕に明る過ぎ」であり、イエレンは「内幕に暗すぎ」である、などなど。他にもいろいろとあるが、些末な議論は大局を見落としている、とエル・エリアンはいう。


"A central bank uses indirect instruments," he says. "The credibility of a leader of a central bank is very important. What has happened in the debate is an evolution that risks undermining the credibility of whoever is selected as the next Fed chair."
「中央銀行は間接的な手段を使う」と彼は言う。「中央銀行のリーダーの信頼性は、非常に重要だ。議論のなかで起こっているのは、誰が次のFRB議長になろうと、その信頼性を損ねるリスクの発生である」

That could be catastrophic. El-Erian wrote in The Washington Post: "If this continues, there is a material risk that exaggerations and tangents could undermine the country by raising unwarranted questions about leadership, particularly when the next Fed chair may need to calm panicky financial markets, take controversial steps, persuade foreign central banks to cooperate or suddenly lead the private sector in a new direction."
それは壊滅的なものとなり得る。エル・エリアンはワシントンポストに次のように書いた:「これが続けば、誇大表現や的外れな言葉が、リーダーシップに関する不当な議論が沸き起こることを通じて国家を損ないかねない。特に、次のFRB議長が混乱した金融市場を落ち着かせたり、異論のあるような手段を用いたり、外国の中央銀行と協力したり、民間部門を新しい方向にいきなり導こうとしたり必要があるときは。」


At the end of the day, the "silly season" shows just how polarized Washington is right now, according to El-Erian.
エル・エリアンによれば、要するにこの「夏枯れ期」は、政界がいかに両極化しているかを示している。

And that's too bad. Because at the end of the day, El-Erian thinks Summers and Yellen are indeed the top candidates and ready to fill Bernanke's shoes. "Both of them are really qualified... we couldn't be in a better position."
そしてこれは非常にまずい。というのは、要するに、サマーズとイエレンが実際に有力候補でありバーナンキの後を引き継ぐ用意があるからだ、とエル・エリアンは考えている。「彼らは二人とも実に適任だ。…我々は今以上に良くなることも無かっただろう」

-----





次期FRB議長を巡る「議論」によって生じるリスクについて、ワシントン・ポストの記事でエル・エリアンは次のようなことを書いています:

not only unconstructive but that also creates more polarization on longstanding issues such as gender.
非建設的であるだけでなく、例えば性別に関するものなど、長きにわたって続いている諸問題において、更なる両極化が生じてしまう。

特に、両者の「欠点」について、このニュースの少ない「夏枯れ期」にマスコミや政治家がああだこうだと熱論を振るうのは、非常にまずい。しかも、それは後々にまで響いてしまう(FRB議長の信頼性が損なわれて、いざというとき皆が言うことを聞かなくなるので)というのがエル・エリアン氏の趣旨のようです。





さて、テキストにある「中央銀行は間接的な手段を使う」に関して、ビデオではもう少し詳しく語られています。

「財政は税や歳出によって直接経済に働きかけるが、中央銀行は間接的な手段を使うため、そのリーダーの信頼性が重要である。」という感じでエル・エリアン氏は語っています。

連邦議会のねじれで「財政の崖」が起こっているから、余計にFRB議長の信頼性が少しでも損なわれると非常にまずい、とエル・エリアン氏は考えているのではないかと思われます。


また、ビデオでは、FRB議長候補者について、これだけ議論が熱くなったことはかつてなかったと語られています。で、それはまさに政界の両極化が原因であると。


それに、ビデオでは、大統領は早くFRB議長を決めるべき、それは「too much uncertainty is coming up あまりにも多くの不確実性が迫っている」からとしています。

エル・エリアン氏は不確実性要素として、
debt ceiling 連邦債務上限
continuing function of government 政府機能の継続性
how would the Fed taper FRBがどれくらい金融引き締めをするのか
uncertainty with Germany election ドイツ連邦議会選挙の不確実性
を挙げています。


つまり、先日書きました【仮説「9月危機」】の要素の一つに、「次期FRB議長を巡る“非建設的な”議論」
が加わる、という具合でしょうか。


私はエル・エリアン氏が挙げた以外に、中東情勢も加味すべきかと思います。

エジプトも凄まじいことになっていますが、エジプトだけでなくチュニジアもかなり凄まじい状況のようです:

-----
自宅前で暗殺の野党幹部議員、至近距離から11発 チュニジア、抗議のデモ
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130726/mds13072608410001-n1.htm
MSN産経ニュース 2013.7.26


ベンアリ政権を倒した2011年の革命後、野党指導者の暗殺はことし2月に続いて2件目。ブラヒミ氏は、2月に暗殺された別の世俗派野党の指導者ベルイード氏と同様にイスラム勢力を批判しており、自宅前での射殺という手口も共通している。


-----




両国では平和的に革命が成ったはずでしたが、その平和的な革命のあとで殺し合いが起こっているという様相を呈しています。

どうも両国において民主主義はいまのところ最適解ではないのかも知れない…と言えるのかも知れません。


またこの両国の情勢からは、どれだけ立派で平和的な「理念」を掲げていたとしても、大規模な殺し合いはいつでも起き得るのが世界の現実であることを、まざまざと見せつけられているような気も致します。





※補足:
ちなみに、エジプト情勢に関してはロイターが興味深い記事を書いています。

焦点:エジプトめぐる米大統領の「誤算」、消え行く影響力
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97G01F20130817?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
ロイター 2013年 08月 17日


アメリカ政府が中途半端な対応をしているのは、エジプト軍の持つスエズ運河利権への関与を手放したくないという見方があるようです。
そして、記事の最後は米国の元高官の次のような発言の紹介で締めくくっています:
「米国は民主主義の立場で軍から距離を置き、利益の立場でムスリム同胞団から距離を取った」
「不幸にもその細い道を進もうとすることは、オバマ大統領にとって綱渡りではなく、カミソリの刃となってしまった」

オバマ政権は、このエジプト問題や、少し前に騒ぎになったNSAによる個人情報収集が発覚した問題(元CIA職員による告発)でかなり失点を重ねてしまっている感があります。
この点も、来月から再発しそうな「財政の崖」に影を落とすかもしれません。





さて、
仮に「9月危機」が起こった場合、ちょうど安倍内閣が消費増税の判断をする時期に重なります。
仮に「危機」が起こった場合は、消費増税は延期となるでしょう。

ただ、手放しに喜べる状況とは言えませんが…。


まあ、それはそれとして。

 「

 しかし、

 仮に『議論が危機を増大する』

 という説が正しいとすれば、

 民主主義とはなんと難しいものか、

 と思わぬではない今日この頃。

 」

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595:米国、200兆円のグレーマーケット:雇用統計にカウントされない巨大市場は米景気が不思議に良いことの理由の一つか?+「消費税」、「緊縮財政」という言葉の整理

2013/08/14 (Wed) 11:34
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まず、昨日触れました「アングラマネー」に関連して。

アメリカの200兆円にものぼる「グレーマーケット」ないし「シャドウ・エコノミー」の話を紹介してみたいと思います。

これが実はアメリカの景気が不思議に良いことの理由の一つかも知れません。
(ほかの理由は、財政の崖といいつつ何だかんだと言って政府の支出が増えていることや、シェールガスと思われることは、先日書きました)


アメリカのYahoo!Financeが配信しているDaily Tickerという経済ネタのコーナーから拾ってきたネタです。この「Daily Ticker」、いつもなかなか面白いネタを提供しています。








$2 Trillion Shadow Economy Not Counted in Jobs Numbers
雇用統計にカウントされない「シャドウ・エコノミー」:2兆ドル(200兆円)

By Lauren Lyster | Daily Ticker – Fri, Jul 5, 2013 7:48 AM EDT

The labor market is improving, and the shadow economy is growing too.
雇用状況は改善しつつあるが、シャドウ・エコノミーも成長を続けている。

Jobs are being added at an average of 172,000 per month according to the Labor Department, slowly bringing the unemployment rate down. Consensus forecast is 7.5% for June, down from 8.2% a year ago.
労働省によれば、ひと月で172,000の雇用が増加し、失業率を緩やかに低下させている。6月の予測コンセンサス(大勢の分析者の予測値の平均)は7.5%であり、昨年の8.2%から下がってきている。

At the same time, one persistent and disquieting theme of the so-called recovery is the staggering number of people who have dropped out of the labor force. The labor force participation rate was 63.4% in May, and it has been hovering around a 30-year low for more than a year.
同時に、圧倒的に多くの人々が労働力人口からこぼれ落ちていることが、いわゆる「景気回復」について根強い不安を感じさせている(廣宮注:意味の取りにくい文章ですが、後ろとのつながりを勘案して意訳を試みました)。5月の労働参加率(労働者数÷労働力人口)は63.4%であったが、この一年以上、30年間で過去最低水準の状態が続いている。

One explanation economists give is demographics: the baby boomers are retiring. And then there is the obvious explanation of a tough economy, with people going back to school to re-train or dropping out of the workforce because they are discouraged.
経済学者は、たとえば人口統計学的に説明する:ベイビーブーマーが引退した。また、困難な経済状況が人々を学校や再訓練に向かわせ、あるいは、諦めてしまった人々を労働からドロップアウトさせているという説明もある。

But one $2 trillion part of the equation that's missing is the growing shadow economy: A grey market made up of people who aren’t on the official payrolls but are finding ways to get by nonetheless.
しかし、数式から消えている2兆ドル(200兆円)規模のシャドウ・エコノミーが成長を続けている:正式な従業員名簿に載っていないにもかかわらず仕事を得ている人々によって形成されるグレー・マーケットだ。

“It’s important to note this is not the illegal economy,” Yahoo! Finance senior columnist Rick Newman tells The Daily Ticker. “We’re talking about people who are doing legitimate work that would be ordinary work if it were taxed, but they’re getting paid in cash.”
「これは違法経済ではない、ということは重要だ」。Yahoo! Financeの上級コラムニストであるリック・ニューマンがDaily Tickerに語った。「我々は合法的な仕事、税金さえ徴収されているならば普通の仕事をしている人々のことを言っている。彼らは現金で支払いを受けているのだ」

So this work is under the table and it’s not taxed as wages would be, and these folks are also not counted in the monthly jobs numbers.
だからこの仕事はモグリであり、賃金は徴税されていない。この人々は毎月の雇用統計にもカウントされない。

Examples would be people working as consultants (in something like IT), drivers, people running small eBay (EBAY) businesses, nannies, and landscapers.
例を挙げると、コンサルタント(たとえばIT関係)、運転手、eBay(ネットオークション)でモノを売って稼いでいる人々、子守り、庭師などだ。

Estimates from a University of Wisconsin-Madison study put the underground economy at that $2 trillion mark for last year. That’s twice the amount estimated in a 2009 study.
ウィスコンシン・マディソン大学の研究では、昨年のアングラ経済(地下経済)の規模は2兆ドル(200兆円)と見積もられる。それは2009年の見積もり値の2倍だ。

When it comes to the economic impact, Newman cites economists' bewilderment over retail sales coming in much higher than they should be given the unemployment rate. That could indicate some stimulus benefit of the shadow economy.
経済へのインパクトはというと、失業率のわりにやたら好調な小売業の活況に経済学者らがうろたえている話をニューマンは持ち出した。これはシャドウ・エコノミーからも恩恵がたらされていることを示唆する。

On the other hand, according to USA Today, the IRS cites lost tax revenue because of unreported wages at about $500 billion for last year. That’s up from $384 billion in 2001.
一方、USAトゥデイ(新聞)によれば、IRS(内国歳入庁)は報告されていない賃金により約5000億ドル(50兆円)の税収を失っているとしている。それは2001年の3840億ドル(38兆円)より増えている。

※廣宮注:税収で50兆円なのか、報告されていない賃金が50兆円なのか
分かりにくかったのでUSA Todayの元記事を見たところ

According to the Internal Revenue Service, about $500 billion in taxes were lost last year because of unreported wages vs. $384 billion in 2001.

とありますので、税収で5000億ドル(50兆円)取り損ねている、ということですね。


So, is this trend typical during the recovery from a recession, or is this an unusual red flag warning us of some urgent structural changes needed to lift these workers back into the light? Check out the video to see Newman's assessment.
さて、この傾向は景気後退からの回復期に典型的なものなのか、もしくは、これらの労働者を表社会に連れ戻さなければならないような差し迫った構造変化についての我々への警告なのか。ニューマンの評価についてはビデオをご覧いただきたい。

Regardless, it sure gives the idea of a "greying population" new meaning entirely.
とにかく、このことは「グレー化する人々(高齢化greyingと経済のグレー化をかけている=英語ではgreyは髪の毛が白髪になること、つまり、年を取ることの意味がある)」という考え方に、新しい意味を与えてくれることに違いはない。



最後のダジャレはなかなかシュールでしたね。
まあ、それはどうでもいいのですが。

なお、「グレー・マーケット」というのは、「仕事自体は違法ではないが、脱税している。ということで真っ黒ではないから、グレー」ということかと思います。

新たな究極の非正規雇用の誕生と見るべきか、誰でも簡単に個人事業を起業できる環境が整ったと見るべきか。

200兆円の「地下経済」。

それは必ずしも麻薬、武器、売春などの非合法ビジネスではなく、普通の仕事だったりするのだと。

アメリカ歳入庁がそれによって50兆円もの税収を取り損ねているのだと。これ、大きいですね!日本の財政赤字が吹っ飛ぶくらいの金額です。

これでは、「このままでは2013年前半に"recession 景気後退"入り」としていた米議会予算局の推計も狂うわけです。


今回の上の記事と、昨日ご紹介した藤井厳喜さんの「アングラマネー」を読んで、こういった「裏経済」についても目を配らないと、経済の見通しが完全に狂うなあ、と痛感した次第です。

藤井厳喜さんの本は私に、いつも何か鋭く新しい視点を提供してくれています。

これまでも、アメリカにおいてもTPP反対運動(しかも右派と左派の両方)があること、エジプトやチュニジアの革命が経済の高成長化で起こったことなど、非常に勉強になったのですが、今回は特にイタリアのマフィアマネーが東西冷戦終結にまで影響したことなど、非常に鮮烈なことが書いてあります。





ところで、もう一度昨日の消費税に関して。

私は、「橋本内閣の消費税が97年の景気を腰折れさせた」という言い方はあまり好みません。

というのは、橋本内閣では消費増税の実施だけでなく、歳出削減もしていたからです。




一応、日本の政府支出(GDP算入分)の推移を確認しておきましょう:




20130814政府支出
データ出典:内閣府「2011年度国民経済計算(2005年基準・93SNA)」4. 主要系列表 (1) 国内総生産(支出側)名目 暦年 
(政府支出=政府最終消費支出+公的総固定資本形成+公的在庫品増加)



つまり、正確には「増税+歳出削減の緊縮財政が景気を腰折れさせた」のだと思っています。


消費税を10兆円増税しても、100兆円の歳出増をやれば、差し引き90兆円の財政出動・積極財政です。

だから私は消費税反対、とは言わないのです。

私は緊縮財政には反対ですが、消費税だけが悪玉だとするのはすこし戸惑いを覚えます。


「消費税を上げれば必ず景気は失速する」というのは、
それは下手をすると、まるで「国の借金が大きければ必ず破綻する」というのと同じです。

一国の経済を見る場合、国の借金、つまり政府の負債だけでなく政府の資産、さらに民間の資産負債を合わせた、もっと言えば特に外貨建て資産と負債を含めた総合的なバランスを見る必要があります。

それと同じように、政府の経済政策・財政政策は、「消費税」だけでなく、歳入と歳出の全体のバランスを見る必要があります。


問題は、安倍内閣で閣議決定されている、
「国・地方のプライマリーバランスについて、2015 年度までに2010 年度に比べ赤字の対GDP 比の半減、2020 年度までに黒字化」
という財政目標です。


これがある限り、仮に消費税の増税が沙汰やみになったとしても、緊縮財政まで沙汰やみになるわけではないのです。


たとえば、こんな感じ:


竹中平蔵の「経済政策ウオッチング」
既定路線の消費増税、せめて歳出削減をセットで行うべき

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130718/358478/?ST=business&P=1
nikkei BPnet 2013年07月26日 



私自身は、消費税の引き上げに一貫して反対してきた。消費増税の前にやるべきことはたくさんある。やるべきことをきちんとやったら、消費増税の必要はなくなるからだ。

 経済を成長させ、歳出を削減すれば、消費増税分の財源は捻出できる。逆に言えば、歳出を削減せずに消費増税を行っても財源は足りないままだ。いくら消費税を引き上げても、やるべきことをやらなかったら、財源不足は解消されないのである。



----

「経済を成長させ」は良いとして、「歳出を削減すれば、消費増税分の財源は捻出できる」から消費増税に反対だった、と読者の皆さんの大好きな竹中さんは仰っていたわけです(いまは「もう決まったので増税すべき」となっていらっしゃいますが)。


すでに閣議決定されている「国・地方のプライマリーバランスについて、2015 年度までに2010 年度に比べ赤字の対GDP 比の半減、2020 年度までに黒字化」の目標がある限り、消費税を増税しようとしまいと、緊縮財政になるということです(もちろん、自民党の老獪な先生方が骨抜きにしてくれることを密かに期待はしていますが、しかし、それをやってしまうと世間的に大丈夫か、という心配もあります)。

2015年というのは2年後です。2年後に「プライマリーバランスの半減」ということなのです。

国土強靭化投資を少しでも早く、少しでも大きい金額にしたくても、「プライマリーバランス」の財政目標があるかぎり、消費税の増税を見送れば、いつまでたっても出来ないということがあり得ます。

内閣の閣議決定で「プライマリーバランス半減・黒字化」の目標を放棄するようになるまで、国土強靭化投資(の増額)は待つべきなのでしょうか?私には到底そうは思えません。

だから私は特に消費税増税に反対しないわけです。
問題の根本は消費税ではなく、「プライマリーバランスの黒字化」にあるからです。



また繰り返しますが、橋本内閣で景気が失速したのは「消費増税が原因」ではなく「緊縮財政が原因」です。ここは繰り返し強調しておきます。
もちろん「消費増税が原因」と言ってしまったほうが多くの人々にとって分かりやすい、短時間でアピールしやすいという点は理解します。
ただ、それは「国の借金1000兆円。もう終わり、ハイパーインフレ!」の持つ分かりやすさ、アピールしやすさと同じ性質のものだ、という点はつねに注意を払っておくべきです。



あと、何人かの方から言われたので書いておきますが、私は「消費税が国土強靭化の直接の財源」とは言っていません。

あくまでも法律として成立している附則18条第2項の
「2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。」
という文言が、
「消費増税で財政に余裕が出来たら成長戦略や国土強靭化をやることを検討する」と書いてあるように読める、と私は書いたのです。

なお、公共工事を増やすならそれは資産の獲得ですから、実際の財源は建設国債でしょう。
消費税で財政赤字が減る分、余分に建設国債を発行できるというのが附則18条第2項の趣旨ではないかと思います。





まあ、それはそれとして。

 「

  アメリカの歳入庁が

  日本の財政赤字に匹敵する

  50兆円もの税収を

  取りこぼしているとは

  “グレー経済”恐るべし!

  でも、これを単純に徴税するだけでは

  緊縮財政、か?

 」

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594:GDP実質+2.6%、名目+2.9%。ここでもう一度「附則18条」を振り返ってみましょう!増税しようがしまいが、一にも二にも国土強靭化!!

2013/08/13 (Tue) 09:50
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国債を刷れ新装版表紙

「国債を刷れ!新装版-これがアベノミクスの核心だ」







昨日、内閣府社会総合研究所が、今年の第二四半期のGDP速報(第一次速報)を発表しました。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2013/toukei_2013.html

年率換算で、
実質+2.6%
名目+2.9%



2013Q2速報値
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2013/qe132/pdf/gaiyou1321.pdf



というわけで、ここでもう一度、消費増税法の附則18条を振り返ってみましょう:


附則
(消費税率の引上げに当たっての措置)
第十八条 

消費税率の引上げに当たっては、
経済状況を好転させることを条件として実施するため、
物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、
平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

2 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条(注:消費税率8%への変更)及び第三条(注:消費税率10%への変更)に規定する費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。


《可決された修正案で、附則第十八条に追加された項目↓》
附則第十八条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。





今回の第2四半期速報値だけで言えば、

実質は2%程度

名目は3%程度

になっているので、「じゃあ、予定通り来年4月から8%ね!」としても良いことになるか…。

というと、よくよく見たら

「平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において」

ですから、

2011年から2020年の平均で実質+2%、名目+3%程度を目指すべきということになります。

今回同時に発表されている2012年度の数値を見ると…

2012年度GDP
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2013/qe132/pdf/gaiyou1321.pdf


2011年度、2012年度は、実質、名目ともに目標値を大幅に下回っています。

「平成二十三年度から平成三十二年度までの平均において」実質+2%、名目+3%に持って行くとなると、今年度以降の各年度では実質2%、名目3%では全く足りず、実質で+3%以上、名目で+4%以上を目指さなければなりません。


とはいえ、この状態を「目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づける」うんぬんという、あくまでも努力目標なので、「とりあえず、今回の実質+2.6%、名目+2.9%という数値で、近づいたのねん」と言われれば、そうなのか、ということにもなり得ます。

そもそもこの法律の文言、あいまいですね^^;。


ほんでもって、何だかんだといって、修正案で加わった「第二項」の文言こそが一番重要かと:

「2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。」


ここで、

「税制の抜本的な改革の実施等」

とは、消費増税のことを指すのかな??
まあ、そう取るとしましょう。

消費増税によって、財源に余裕ができる(はず)なので、そのカネを使って、消費税引き上げによるデフレギャップの拡大を防ぐような景気対策をしますよ。
その際には成長戦略や防災減災に特に重点的にやりますよん。


と読めるのではないでしょうか。





近頃は1時間あたり100mmを超えるような「経験のない大雨」が頻発し、何人もの方の命が犠牲になってしまっています。

大都市では1時間あたり50㎜の排水を基準に雨水の下水管が整備されているので、当然のように洪水になってしまうような雨量です。

例えば横浜市ではこんな具合です:


 雨水幹線等の整備率は、平成19年度現在で5年に1回程度の降雨(時間降雨量約50mm)に対して61%、 10年に1回程度の降雨(時間降雨量約60mm)に対して34%とまだまだ遅れている状況下にあります。

 近年、都市化の進展に伴い、市域では流域の保全・遊水機能が低下する中で、ゲリラ豪雨や計画降雨量である5年に1回程度の降雨(時間降雨量約50mm)を上回る大雨が増加傾向にあります。平成16年10月の台風22号では、市域の広範囲で10年に1回程度の降雨(時間降雨量約60mm)を超える大雨によって、浸水家屋1000棟を超える甚大な都市型水害が発生し、市民生活に大きな影響をもたらしました。安全な市民生活を確保するためには、浸水対策を計画的かつ着実に進める必要があります。

 横浜市では、5年に1回程度の降雨(時間降雨量約50mm)に対応する雨水幹線等の整備を進めており、人口や資産が集中し、かつ地盤の低い都心部については10年に1回程度の降雨(時間降雨量約60mm)に対応した整備を進めております。
」(横浜市環境創造局


全国の政令指定都市のなかでは財政状況がかなり優良な部類に入る横浜市ですら、この程度です。

つまり、日本国全体として、増加傾向にあるゲリラ豪雨等に対して極めて脆弱な状態です。


それに、こんな話も:

-----

首都直下地震、起きやすい可能性 大震災でプレート沈み込み加速 防災科研が分析
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120307/dst12030702010003-n1.htm
MSN産経ニュース 2012.3.7
 東日本大震災の影響でフィリピン海プレート(岩板)の沈み込みが加速し、関東地方を乗せた北米プレートとの境界部にひずみが蓄積しやすくなっていることが防災科学技術研究所の観測で6日、分かった。首都直下地震などプレート境界型の大地震が起きやすくなった可能性が高い。


-----


全国にはコンクリートが劣化してコンクリート片がポロポロ剥がれ落ちているような橋梁が多数あるのに、ちっとも補修や改修が進んでいません。


以上のような状況を考えると、私はむしろ消費税は予定通り増税し、附則18条第2項を盾にとって、国土強靭化を可及的速やかに進めるのが妥当ではなかろうかとも思います。


もちろん、消費増税などせずに国土強靭化をどんどん推し進められればそれに越したことはありません。しかし、それはそれでかなりハードルが高いように思えます。

この状況の中でも、防災減災のための施策は本当に少しでも早く進めなければならない、という観点に経てば、取りあえず消費増税には目をつむる、というのも一つの考え方かもしれません。






消費税についてはもう一つの視点があります。


それは、「アングラマネー」に対してもそれなりに課税できるというメリットです。

最近、藤井厳喜さんの新著、「アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門」という本を読んでいて、ふと改めて消費税について考えてみました。

この本の裏表紙には、次のようにあります:

「世界各国の税収が極端に減少している。税金は表の経済にしか、かけられないからだ。タックスヘイブン(租税回避地)やシャドーバンキング(影の銀行)を使った、いわゆる脱税や資産隠し、麻薬や売春や賭博によって生まれ蓄えられた金をアングラマネーと呼ぶ。世界の年間総生産70兆ドルの約25%がタックスヘイブンに流れ、シャドーバンキングの規模は約67兆ドルにまで拡大。もはや中央銀行やIMFも制御できない闇資金の還流が世界経済を揺さぶっている。」


犯罪絡みのアングラマネーの規模というのは世界的に見てもまったく無視できないほど大きい、ということを考えると、どんな「犯罪者」でも表社会で買い物をすれば消費税を払う必要が出てきますので、その点では消費税は意義が大きいと言えます。

また、犯罪絡みだけでなく、表社会であっても著名なグローバル企業等があの手この手の「節税スキーム」を駆使し、どこの国にもほとんど法人税を支払っていないという状況です。これがまた、世界各国の税収が著しき落ち込んでしまっている原因です。
消費税はそのような企業からも確実に税金を徴収できるというメリットがあります(本来、消費税は消費者が負担するものではありますが、あくまでも方便として)。


このような「アングラマネー」から税金を一応は取れる、というメリットの反面、低所得者に重くのしかかる逆進性があるのが、消費税のデメリットです。
よって、中小企業への減免措置や、低所得層への一定の配慮は、やはりしっかり担保する必要があります。
とまあ、このようにすれば、消費税をグローバル企業に対する抑止力とする一方で、消費税による財源を国土強靭化や福祉の強化に回すことを通じて一般国民に対する恩恵にしてしまえる可能性も出て来ることになります。

underground-money.jpg 

藤井厳喜著
「アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門」

※藤井厳喜さんは「アングラマネー」で消費税のことは書いていません。念のため。



ありゃ、すると消費増税もあながち悪いことばかりでもないのか。

…などと書くと財務省の回し者と言われかねませんが(笑)。


ちなみに、私は財務省さんからカネをもらったことはありません。いや、所得税の還付はもらったことはありますが、それは私が予定納税の形で先払いしていた所得税の一部を返してもらっただけです。
つまり、財務省からもらっているより、財務省に払ってやってる金額の方が圧倒的に多い状況です!
(たいていの人はそうだと思いますが…。いや、いますでに年金をもらっている世代の方々は必ずしもそうでない場合があるかも知れませんね!)

「こら財務省!所得税とか消費税で目一杯カネをくれてやってんだから、俺っちの言うことをちったあ聞きやがれってんだ!」なんて言ってみたりして。





<追記事項>

今回の趣旨:

国・地方のプライマリーバランスについて、2015 年度までに2010 年度に比べ赤字の対GDP 比の半減、2020 年度までに黒字化、その後の債務残高の対GDP 比の安定的な引下げを目指す」という閣議決定(「経済財政運営と改革の基本方針について」 平成25年6月14日)されている中期財政方針を踏まえれば、消費増税なしの国土強靭化推進は困難な状況と考えられます。

この状況のなか、
①増税なしで国土強靭化あり
②増税ありで国土強靭化あり
③増税なしで国土強靭化もなし
④増税ありで国土強靭化なし
の4択なら、


①が最善だが中期財政目標から困難。
②は渋々ながら次善で実現可能性は比較的高い。

③は国土強靭化なしなので、恐らく①と②に比べれば犠牲者は確実に多くなる(個人的には、ちょっとこの選択肢は選べないなあ、と思う次第です)。
④はまるで消費税を三途の川の渡し賃とする阿鼻叫喚の生き地獄となるので勘弁してほしい、ということであります。附則18条第2項を盾にとって、絶対に④にだけはならないようにしたいですよね。

なので、諸般の事情を勘案すると現実的な解としては結局、残念ながら②になってしまうのかな、という趣旨です。






というわけで、



 消費税、

 増税しようが、するまいが、

 一にも二にも

 国土強靭化!!!



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593:「国の借金1000兆円」(笑)

2013/08/10 (Sat) 14:43
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表題の件、日本のメディアの伝え方を見てもあまり面白くないので、海外メディアを見てみましょう。

といってもそれほど日本のと趣旨は変わりませんが。


とりえあえず、CNNの日本語版から


-----

国の借金1000兆円を突破 6月末時点
http://www.cnn.co.jp/business/35035799.html
2013.08.09 Fri posted at 18:26 JST

香港(CNNMoney) 財務省は9日、国債や借入金などを合わせた国の借金が今年6月末時点で1008兆6281億円になったと発表した。1000兆円を突破したのは初めて。

債務残高の対国内総生産(GDP)比率は先進国中最も高い水準で、2014年には230%に達するとみられている。国債残高は830兆円に達した。

政府は10年以上続いたデフレからの脱却を目指し公共投資などの景気刺激策を拡大しているが、これらの財政出動は債務増加をもたらす結果となる。増え続ける政府債務に対して、国際社会からは懸念の声が高まっている。

経済開発協力機構(OECD)は、債務削減に向けた一層の努力が必要だと主張。「債務残高の対GDP比率の上昇を止め、下げるようにすることが重要だ」と説く。
国際通貨基金(IMF)も「経済成長を促進する構造改革とともに、債務削減に向けたより大胆な計画が必要だ」との見方を示す。

政府も財政再建に向けて動き出している。政府は消費税の税率を2014年4月に8%、15年に10%へと引き上げる方向で検討を進める。増税は経済成長を妨げる可能性もあるだけに、安倍政権は増税を実施できるか、正念場を迎えることになる。

-----

上記記事では、

「債務残高の対国内総生産(GDP)比率は先進国中最も高い水準」
とありますが、IMFのデータベースを見ると、データがある中では、一般政府(中央+地方+社会保障基金)の債務GDP比は先進国中どころか世界最高です。

「だから何だ? So what?」という話なのですが。



国の借金のGDP比がたとえ0%であったとしても、破綻するときゃ破綻しますがな。

アジア通貨危機のときの韓国なんて8%か9%で破綻しかけました。


それは政府の借金ではなくて、民間の外貨建て債務によってです。

たいていの場合、本当に怖いのは民間部門の借金であって政府の借金ではありません。

もちろん、政府が多額の外貨建て債務を持っている場合は別です。

つまり、「政府+民間の外貨建て債務」が問題なのであります。

そして本質的には、物が足りるかどうかの問題です。
外貨建ての借金が返せなくなると、信用が失墜してその国はモノを買いにくくなり、国民は飢え苦しむことになります。

それは「カネ」の側面からみるとインフレです。通貨の価値が大幅に下落し、物を手に入れることができない状態であり、その本質はモノ不足です。

国の借金の大きさよりも、インフレ率を見る方が大事ですが、日本のインフレ率は目下のところ世界最低水準です。

それゆえに「デフレ脱却だー」と国ぐるみで言っているのに、何で国の借金の大きさを気にする必要があるのでしょうか?国の借金がどうなろうと、インフレ率が低ければ何らの問題もないのであります。

インフレが問題になってから国の借金を減らしても遅くはありません。

といっても、本当はインフレだろうが何だろうが、物不足を起こさない対策を取らなければなりません。
終戦直後はそのようにしてインフレの中でも国の借金を増やして生産のための投資をし、物不足地獄から脱却することで物価は落ち着きを取り戻したのです。
朝鮮戦争特需で景気が高揚したのは、物不足がひと通り解消するくらいに物作りができるようになっていた何よりの証拠。そうでなければ、特需があろうが何だろうがモノ作りできず、物が足りないために売るものもなく、よってカネも稼げなかったはずですから。



あとはまあ、湾岸戦争のクウェートみたいな金持ちでも隣の国の強力な軍隊に占領されるなどした場合は、外貨建て借金とかなくてもあっさり“破綻”しますが。



それと念のために再び書いておきますが、「国の借金」という言い方自体は何ら問題はありません。

この場合の「国」は中央政府です。辞書にもそうあります。

例えば「国政に参与する」という言い方をする場合、それは中央政府の政治に参加し、関与する、という意味です。それと同じです。
あるいは「国を相手取って訴訟を起こす」という場合も、それは中央政府を相手に訴訟を起こす意味です。

私は、昔、破綻論を信じていたときも、「国債を刷れ」を執筆したときも特に「国の借金」という言い方に違和感を覚えたことは一切なく、今に至ってもまったく覚えません。未来永劫、ないでしょう。
なぜなら「国」とは、「中央政府」だからです。

マスコミの報道で「国の借金」を「政府の借金」と言い方が仮に変わったところで、何かが変わるとは私にはまったく思えません。
それで消費税の増税問題が沙汰やみになるのでしょうか?
災害対策のための公共工事を可及的速やかにもっと大幅に増額することとなるでしょうか?
まず間違いなく、そんなことにはならないでしょう。
問題の根本はそこにはありません。

「国の借金1000兆円、大変だ!もう終わりだ!」が、
「政府の借金1000兆円、大変だ!もう終わりだ!」に変わるだけです。



というような当ブログにおける「ありきたり過ぎる話」はほどほどにして、NYタイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ブルームバーグの英語記事をさわりだけ紹介します。


まずはNYタイムズ

1000兆= Quadrillion

という数字、桁数に随分とこだわっていらっしゃるようです。

-----

Japan’s Debt Looks Like This: 1,000,000,000,000,000 Yen
日本の借金はこんな感じ:1,000,000,000,000,000円

http://www.nytimes.com/2013/08/10/world/asia/japans-debt-reaches-new-milestone.html?_r=0
By JOHN SCHWARTZ (New York Times)
Published: August 9, 2013

Japan’s soaring national debt, already more than twice the size of its economy, has reached a new milestone, surpassing one quadrillion yen.
日本の莫大な国の借金(national debt)は、すでに経済規模の2倍以上となっているが、新たな歴史的水準に到達し、1000兆円(one quadrillion yen)を超えた。

Let the word quadrillion roll around in your brain for a moment or two, because it is not something you hear every day. Quadrillion. 1,000,000,000,000,000. Really.
少しの間、1000兆という言葉をあなたの脳の中でめぐらせてみよう。それはあなたが日常生活で聞くようなものではないからだ。1000兆(Quadrillion)。 1,000,000,000,000,000。いや、まったく。

A paltry million is the numeral one followed by six zeros. A billion? Nine zeros. A trillion is getting up there: 12 zeros. But the mighty quadrillion has 15 of them.
100万というわずかな数はゼロが6つ。10億(billion)?ゼロが9個。1兆(trillion)はだいぶ近づいてゼロが12個。しかし、1000兆(quadrillion)となるとゼロが15個にもなる。

The mind boggles.
頭がクラクラする。



Compared with Japan, the United States national debt is a mere $16 trillion or so. But if you convert that number into yen, it comes to about 1.5 quadrillion. So it’s good to have a currency that conserves its zeros. Of course, that also means the total American debt is even larger than Japan’s (though not, it should be noted, as a percentage of gross domestic product).
日本に比べて、アメリカの国の借金(national debt)はたったの16兆ドルかそこらだ。しかし、これを円に換算すると、およそ1500兆円(1.5 quadrillion)。というわけで、ゼロをあまり使わない通貨を持っているのは実に良い。もちろん、これはアメリカの総負債が日本よりも多いことを意味する(とは言え、GDP比で言えばそんなことは無いのだが)。

Hmm. Let’s not talk about that.
はああ。この問題を話すのはやめにしましょう。


-----


ははは。
ということは、明治の昔、円を導入する際に決めた1ドル=1円のレートに戻す、「新円」を作れば、多少はマシになるかもしれませんね!

するとあら不思議、日本の「国の借金」はたった10兆円になってしまいます。

これなら、いかにも少ない感じがしますねえ。

まあ、GDPも5兆円になりますが!


このNYタイムズの記者、「少しの間、1000兆という言葉をあなたの脳の中をめぐらしてみよう。それはあなたが日常生活で聞くようなものではないからだ。」と言っています。でも、そんなもんどうでも良い話じゃないですか。

明治18年の日本のGNPは8億円程度でした。
だから一般庶民には「兆」どころか「億」という単位もなじみがなかったでしょう。まあ、本当にその程度の問題なら、通貨制度を変えてしまえば解決します。1円=1銭にするデノミです。


次に、ウォール・ストリート・ジャーナル


-----

Japan Debt in the ‘Quadrillion’ Zone
日本の借金、「1000兆円」圏に

http://stream.wsj.com/story/markets/SS-2-5/SS-2-297796/?mod=wsj_streaming_markets

By Takashi Nakamichi

Japan’s central-government debt topped the quadrillion-yen mark for the first time ever in the second quarter, passing the unwelcome milestone just as a national debate heats up on whether the government should follow through with a controversial a plan to raise the sales tax.
物議をかもしている消費税引き上げ計画を政府が実行すべきかどうかという議論が過熱するなか、日本の中央政府の借金は、今年の第2四半期、初めて1000兆円(quadrillion-yen)という歓迎されざる大台を超えた。


-----

記者は日本人のようですが、まあ、消費税うんぬんということですね。


最後に、ブルームバーグ。

-----

Japan’s Debt Exceeds 1 Quadrillion Yen as Abe Mulls Tax Rise
安倍首相が増税に慎重となるなか、日本の借金が1000兆円を超えた

http://www.bloomberg.com/news/2013-08-09/japan-s-debt-surpasses-1-quadrillion-yen-as-abe-weighs-tax-rise.html
By Mayumi Otsuma - Aug 9, 2013 2:51 PM GMT+0900

Japan’s national debt exceeded 1,000 trillion yen for the first time, underscoring the case for Prime Minister Shinzo Abe to proceed with a sales-tax increase to shore up government finances.
日本の国の借金(national debt)が1000兆円(1,000 trillion yen)を初めて超え、安倍晋三首相が政府の財政を支えるための消費税増税を進めるかどうかが注目されている。



“Tax reform and containment of social security expenditure would further reduce the government’s budget deficit and enhance its debt-servicing capacity,” Thomas Byrne, senior vice president at Moody’s, wrote in a report yesterday.
「税制改革や社会保障費抑制は政府財政赤字を削減させ、財政許容度を高めるだろう」とムーディーズのトーマス・バーン上級副社長は昨日、報告書に書いた。



-----

いやいや、消費税で財政再建なんぞできませんけどね。
そんなもん、1%あたり2兆円ポッチ。3%でせいぜい6兆円やがな。5%で10兆円あるかないか。それに対して財政赤字は数十兆円。
焼け石に水でっせー!!

そもそも政府の財政を黒字にしたってアカンで、あんた。
お宅の国(アメリカ)は、10年も政府が黒字を続けたのに1929年に大恐慌起こしましたがな。
それで二度目の世界大戦やがな。





とまあ、各メディアの記事をひと言でまとめると「1000兆円大変だ!増税だ!歳出削減だ!」という感じですね。


さて、

関東大震災とか東南海大地震が起こっても、「1000兆円大変だ!増税だ!歳出削減だ!」と言い続けるんでしょうかね、ムーディーズの上級副社長さん?

(まあ、次善のケースとして、消費増税して国土強靭化のための公共工事を増やすのならまだマシですが…。最悪なのは消費増税だけして国土強靭無しというパターン)




というわけで、



 国の借金が

  『1億円突破!』

  『10億円突破!』

   …

  『1兆円突破!』

   …

  『1000兆円突破!』

  『1京円突破!』

  『1垓円突破!』

   …

 って、いつまで続ける気やねん!!!

 そんなもん、いつかは突破するやろ!!!!



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592:仮説「9月危機」(米債務上限引き上げ問題+独連邦議会選挙)

2013/08/08 (Thu) 17:11
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アメリカの国防総省の予算がガバッと減らされ、アメリカの軍事プレゼンスが低下する中で、





さて、

今回のタイトル【仮説「9月危機」】のポイントは以下の2つであります。

(1)アメリカ「財政の崖」が9月に再燃の予定

(2)支持率で過半数を取れている勢力がいまのところ存在しないドイツ連邦議会選挙が9月22日の予定



では、(1)のアメリカ「財政の崖」から。


昨日の日経新聞朝刊6面に

ふりかえり 国際ニュース -1-
米「財政の崖」秋に攻防再び


という記事がありました。


この中から「債務上限」の引き上げ問題の箇所を引用します:


「連邦政府の借金に当たる国債発行の限度額を米議会がいつ、どれだけ引き上げるのかが焦点だ。現行の上限は約16兆7000億ドルだが、実は国債発行額は5月19日に上限に達した。米財務省の緊急避難措置で夏すぎまでは何とかやり繰りできるが9~10月までしか持たない。
 オバマ大統領は『債務上限は交渉しない』と無条件での引き上げを要請する。ただ、歳出カットや米医療改革法の廃止などを迫る共和党が引き上げに応じる気配はない。」


ちなみにホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)の債務上限の資料
http://www.whitehouse.gov/omb/budget/Historicals
Table 7.3—Statutory Limits on Federal Debt: 1940–Current

には、

Suspended the existing debt limit from February 4, 2013, through May 18, 2013, and prospectively increased the limit to accommodate the increase in such debt outstanding as of May 19, 2013.
2013年2月4日から2013年5月18日までは、既存の債務制限を一時停止し、2013年5月19日時点におけるそのような負債残高の増加に対応するために将来を見越して上限を増加させた。

とあります。

このように当局の資料には、あまり深刻な雰囲気を感じさせないような感じで、さらっと書いています--「書き流している」という感じになっています。

が、実情はどうなのでしょうか?


連邦政府の財政に関して、次のような記事を金融市場調査会社のフィスコが出しています:

----

米国の財政赤字削減
http://www.zaikei.co.jp/article/20130806/144341.html
財経新聞(情報提供元:フィスコ) 2013年8月6日 08:46

あまり喧伝されていないが、6月の米財政収支は1165億ドルの黒字だった。税収増、歳出削減、GSE(政府系住宅金融機関)による巨額配当支払などが寄与した。アナリスト予想395億ドルを上回り、6月としては過去最高の黒字だった。今年度9ヵ月(10−6月)の概算赤字額は5120億ドル、前年同期の9040億ドルから大幅に減少している。

7月31日から8月1日にかけ、ヘーゲル国防長官、カーター副長官の発言が相次いだ。議会での財政交渉合意、予算成立が得られないと、空母機動部隊を最大3個削減しなければならない、陸軍兵力を57万人規模から最大削減で38人(廣宮注:38万人?)規模に、アジアでの戦力強化が困難に、などの選択肢を提示した。現行では10年間で5000億ドルの国防費が強制削減されることになっている。

オバマ政権と米議会は、”財政の崖”を利用した壮大な国防費削減実験に取り組んでいる印象すら受ける。産軍複合体の圧力があると見られ、ケネディ以来、為し得なかった「危険な課題」と考えられる。それに伴う財政赤字削減も、あまり騒がれることなく、静かに進行している印象だ。広範囲な影響が考えられえるが、まずはドル高要因の一つとして、米財政赤字の今後の展開をウォッチしたい。

-----


いまのところ米国経済および米政府財政は不思議と堅調な具合のようです。



昨年の9月には当ブログで「米経済、来年失速確実か? - 大統領選によらず下院は共和党過半数確実の見通し(日経報道)で、アメリカの超緊縮財政&来年の景気後退はほぼ確定的! 」などと書いていました私としては、キツネにつままれたような感覚であったりします。


上下院のネジレは選挙前からの大方の予想通りだったし、その結果として債務上限引き上げ問題等で1月と3月の連邦議会もまた大方の予想通りすったもんだしました。

また、13年度の強制歳出削減が850億ドルはすでに3月から発動されているし、14年度の削減額も1090億ドルとすでに決まっていたりします(ロイター 2013年 04月 11日)。

しかし、不思議なことにNYダウはあっさり過去最大を更新してしまいました。

その要因のうち、大きなものの一つは「シェールガス」のようです。

証券会社の人に「財政の崖がさく裂しているのに、なんで?」と聞くと、大抵、「シェールガスです!」と言います。



「シェールガスやシェール油は近代史において米経済に影響を与える最も強大な力の1つと広くみられている。2008年以降、米国のシェールガス生産は33%増加、シェール油は46%増加しており、エネルギーコストの低減につながった。エネルギーコンサルタント会社IHS/CERAによると、シェール産業の拡大により12年には170万の職が支えられ、620億ドル(約6兆2000億円)の州および連邦の税収がもたらされた。」(ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年 7月 19日


13年度の連邦支出の強制削減850億ドルの規模に対し、シェールガスが地方と連邦で合わせて620億ドルの税収増をもたらしたというのはかなりのインパクトと言えるでしょう。

また、こんな記事も。

-----

仏電力公社が米原発市場から撤退、シェールガス革命で
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96U01320130731
2013年 07月 31日

[パリ 30日 ロイター] - 世界最大の原子力発電事業者であるでフランス電力公社(EDF)(EDF.PA: 株価, 企業情報, レポート)は、米国の原子力発電市場から撤退する方針を示した。安価なシェールガスの登場で電力業界の状況が様変わりしていることが背景。

米国では、シェールガスによる発電コスト低下を受け、複数の原発が閉鎖、もしくは閉鎖予定となっている。

同社のアンリ・プログリオ最高経営責任者(CEO)は「米国の目覚しいガス価格低下は、数年前まで想像できなかった。これにより、他のすべてのエネルギー源に対する競争力が大幅に高まった」と述べた。

-----

もちろん、9月にまた議会ですったもんだすることで、かなりのネガティブな影響が出る可能性はあります。

しかし、最近思うのは、それによる直接的・短期的影響よりは、中長期的な国防費の大幅カット(上のほうのフィスコの記事参照)の影響のほうが甚大ではなかろうかと思います。


ホワイトハウス行政予算局のデータから、連邦政府の省庁別の歳出の推移(推計)を見てみると、国防総省の歳出カットが異様に目立ちます。

20130808米連邦省庁別歳出




Department of Defense--Military Programs
国防総省

Social Security Administration (On-Budget)
社会保障局(一般会計)

Department of Labor
労働省


が大幅にカット。



しかし、一方で

Department of Health and Human Services
保健福祉省

Social Security Administration (Off-Budget)
社会保障局(特別会計)

Department of the Treasury
財務省

は、これからも増額予定。

で、結局のところ総支出はガンガン増える予定となっています。


20130808米連邦総支出



いや、私がうっかりしていたのは、歳出の強制カットといっても、「総額ベースではガンガン増える予定の歳出の増え方を抑制する」という意味でのカットであるという点を見落としていたという点にもありそうです。

つまり、シェールガス革命だけでなくて、一応、連邦政府の歳出は増え続ける予定になっている、ということです。


その中で、国防総省の予算がかなり減ることが決まっている、という点が一番重要ではないかと思います(特に、日本にとって)。

2011年度の6780億ドルをピークに、2018年には5640億ドルに、1140億ドル減ることになっています。

1ドル100円で考えれば、年間の予算が11.4兆円も減るわけです。

日本の防衛予算をざっくり5兆円と考えると、自衛隊2つ分以上、減るわけです。

これはかなりのものだと思います。



ということで、アメリカの向こう10年くらいのイメージはこんな感じ:

・予算大幅カットというものの、連邦政府の歳出はいまのところ増え続ける予定

・その予算カットの経済的悪影響も、シェールガスうんぬんでカバーできるかも

・もっとも気になるのは国防予算の大幅カット(これは本当の歳出削減。実額で減少)。

・シェールガスで中東を始めとする国外への関心が薄れるなか、国防予算を削減しつつ、
 国内経済はなんとか安定成長を続ける予定(あくまでも予定)


日本にとって一番の問題は、「国防予算の大幅カット(単なる抑制ではなく本当の実額でのカット)」ということになるでしょう。

-----

次に、ドイツについて少々。



独与党、世論調査好調でも9月総選挙に警戒緩めず
http://jp.reuters.com/article/jp_eurocrisis/idJPTYE97502E20130806
2013年 08月 6日

[ベルリン 5日 ロイター]


4日に発表されたエムニドの世論調査によると、保守派連合の得票率は合わせて45%、SPDと緑の党が38%、左派党は8%と予想され、過半数を獲得する勢力はない見通し。


-----

保守派連合とはメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)に加えて、自由民主党(FDP)です。


ちなみに、


----

ドイツ総選挙、与野党の差が1ポイントに縮小=世論調査
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323338404578653631909893970.html
ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年 8月 07日


メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)、姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)の支持率は計40%で、前週と比べ1ポイント低下した。連立与党を構成し、企業寄りの政策を掲げる自由民主党(FDP)は5%で変化がなかった。野党はSPDが23%で前週から1ポイント支持を増やした。緑の党も14%に上昇したが、左派党は7%へと低下した。

-----


また、ピクテ投信投資顧問の記事(2013/03/26)によると、

「ドイツの議会選挙では得票率が5%に満たない政党は議席を獲得できない等の仕組みがあります」

ので、連立政権を構成するうちの自由民主党(FDP)が議席を失う可能性があります。

また同記事には次のようにあります。

ユーロ懐疑派が増えている…。
このような流れの中、4月には『ドイツの別の道(AfD)』が発足する模様です。
AfDは主にユーロ統合を疑問視するメンバーで構成されることからドイツ国民の一部にあるユーロへの不満の受け皿となる可能性があります。
従来のドイツの主要政党であるCDUや野党のSPDでさえ、ユーロについては維持することで概ね一致していることから、動向が注目されています。
現段階ではAfDが勢力を拡大するとする見方は少数派です。
しかしユーロ懐疑論を主張し予想外に支持を伸ばしたイタリアの五つ星運動のような展開も考えられ、AfDの動向には注視が必要です。



というようなことで、さっきのロイターの記事のように、9月のドイツ連邦議会選挙では、どの勢力も過半数に達せず、三つ巴状態となって政治が混乱することも予想されます。

もちろんその場合であっても、いずれはあれやこれやの妥協の産物で、イタリアのような大連立になって一安を得ることになるものとは思います。


しかし、それがアメリカの「財政の崖」のすったもんだと重なるとどうなるのか、とか、エジプトその他の中東情勢はどうなるのか、とか、中国のシャドー・バンキング問題が重なったりしないか、などを考えると、やはり注意は必要でしょう。


以上が、【仮説「9月危機」】です。


つまり、日本においては来年4月の消費税増税をするかしないかは別にして、かなり巨額の補正予算を組む必要が出て来る可能性もある、ということになろうかと思います。



しかし、この状況の中で…

今朝発表された日本の中期財政計画(閣議決定)はこんな感じになっているとか(日経新聞Web版 2013/8/8 9:29):

-----

政府は8日、中期財政計画を閣議了解した。国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)について、2015年度に向け「17兆円程度改善する必要がある」と明記し、20年度までには黒字化の達成を目指すことを強調した。財政再建に向けて全力を尽くす姿勢を打ち出した内容で、新規国債の発行額は「前年度を上回らないよう最大限努力する」との方針を示した。

中期財政計画の概要は以下の通り。

▽基本認識

・13年度から22年度まで平均で名目国内総生産(GDP)成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度を目指す

▽財政健全化に向けた目標

・国と地方を合わせたPBについて、15年度までに10年度に比べてGDPに対する赤字を半減させ、20年度までに黒字化を目指す

▽2015年度の目標達成に向けて

・国と地方を合わせたPBを13年度から17兆円程度改善する必要

(13年度は34兆円の赤字。15年度に17.1兆円程度へ)

・国の一般会計のPB赤字について改善を図る必要。歳出・歳入両面で最大限努力する

(13年度は23兆円の赤字、14年度は19兆円程度の赤字、15年度は15兆円程度の赤字)



・新規国債発行額は14年度、15年度に前年度を上回らないよう最大限努力




▽2020年度の目標達成に向けて


・今後の予算編成において歳出増や歳入減を伴う施策を導入する際は、歳出削減や歳入確保により安定的な財源を確保することを原則とする


----


まあ、いざというときはしっかり補正予算をガバっと組んで頂けるとは思うのですが…。


しかしながら、

中期的な経済運営は

・新規国債発行額は14年度、15年度に前年度を上回らないよう最大限努力

とか、

・今後の予算編成において歳出増や歳入減を伴う施策を導入する際は、歳出削減や歳入確保により安定的な財源を確保することを原則とする

で大丈夫なのかしらん。

第一の矢(量的緩和)と第三の矢(規制緩和)だけを使い、第二の矢(財政出動)抜きで成長を目指すと書いているようにしか見えないので少々心配になってきました。


これにより、アメリカの国防総省の予算がガバッと減らされ、アメリカの軍事プレゼンスが低下する中で、

景気腰折れ。

支持率低迷。

憲法改正が完全に頓挫。



という最悪のパターンになることだけは何としても避けたいと思う今日この頃であります。









 第三の矢の規制緩和(TPP含む)で

 旨い汁を吸おうとする人々にとっても、

 第二の矢でもっとドカンと財政出動

 があったほうが

 もっと旨みが出るんだけどなあ…。

 そうすると、

 みんながみんな、丸く収まるのになあ…

 ブツブツ



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591:#TPP 米、日との関税二国間協議拒否→自民公約のTPP交渉参加の前提条件、崩れたか?(自民党を批判したいわけではありませんが!)

2013/08/07 (Wed) 10:59
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ただでさえ夏バテ気味の人が多いと思われるこの酷暑のなか、TPPに関する、夏バテを促進しそうな「あちゃー」というニュースです。


-----
米、日本とのTPP関税協議拒否 他の10カ国と連携か
http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013080601002436.html
2013/08/06 22:17 【共同通信】

 環太平洋連携協定(TPP)交渉の最大の焦点となっている農産品や工業品の関税をめぐり、米国が8月下旬の次回交渉会合では日本との2国間協議に応じない姿勢を示していることが6日、複数の関係者の話で分かった。日本を除く10カ国との関税交渉を先行させ、10カ国とともに日本に高い貿易自由化率の達成を迫る戦略とみられ、政府は警戒を強めている。

 ブルネイで22~30日に開かれる交渉会合では連日、関税に関する2国間協議が行われる見通し。政府は米を含む11カ国に個別協議を申し入れる方針だが、米が拒否を貫けば日本の出遅れが明白になる。政府は米以外との国との連携を検討している。
 
-----

「米国が8月下旬の次回交渉会合では日本との2国間協議に応じない姿勢を示していることが6日、複数の関係者の話で分かった。」

とのことですが、これが確定した場合、非常にゆゆしき問題です。

以前、2月中旬の安倍総理訪米に伴う日米共同宣言の後、3月中旬の安倍総理によるTPP参加表明の前という時期、当ブログではその日米共同宣言と米議会調査局レポートを踏まえて、次のようなことを書きました。


-----
さて、5日前の23日のエントリーで、私はこれまでの「6項目の公約があるから、参加表明はまずあり得ない」としていた判断が間違っていたと謝罪し、これは参加表明に進むようだ、という考えに転換しました。


その最大の確証は、上に書いたような、米議会調査局の「ヌードル・ボウル」の記述です。

関税問題に関してはAPEC首脳声明のような「すべての分野における包括的で野心的な関税障壁および非関税障壁の撤廃」で進めれれており、原則として全部例外なく関税撤廃と思っていたので、それに基づいて「自民党政権による参加表明は極めて困難」と考えていました。

しかし実態は、他の参加国は必ずしもそうではありませんが、少なくともアメリカはTPPにおいてそんな方針を脇に置き、ちゃっかり二国間交渉をやっていたわけです。

これなら当然、「聖域はあり得る」ということが大前提になるわけです。

そうすると、これはもう残念ながら「交渉参加推進」になるしかない、と考えたのであります。
-----


TPPの「関税や非関税分野の“野心的”撤廃」の理念はさておき、アメリカは実際には「ヌードル・ボール」と揶揄される二国間協議を行っている。

それゆえ、自民党の衆院選(2012年)の公約6条件の一つ、

【政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。】

を守りながらTPP交渉に参加することが、理論的に可能である。

よって、交渉参加は公約違反とはならない。

…という論法が理論的には通っていたため、安倍総理はTPP参加表明をすることになるだろう、というように私は「予測」を変えたわけです。


ところが、今回の共同通信記事にある

「米国が8月下旬の次回交渉会合では日本との2国間協議に応じない姿勢を示している」

ということが確定した場合、その大前提が消滅することになります。


でもその場合、日米共同宣言にある

「両政府は、TPP参加への日本のあり得べき関心についての二国間協議を継続する。」

を盾に「交渉」することもできる、かな…。

いや、でもこの文章、よく見ると「日本がTPPに参加するまで」のことを「二国間協議」すると書いているだけ(英語の原文もそんなニュアンス)であって、日本がすでに参加してしまった今の状況には及ばなかったりして…。

とにもかくにも、自民党の先生方には、昨年の衆院選公約を遵守して頂きたいというほかはない、といったところであります。



いずれにせよ、当ブログの結論はいつもと同じであります:




 TPP、

 すったもんだで、

 さようなら



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