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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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666:ギリシャには米軍基地があるため、ギリシャ危機は米露「冷戦」と無関係でいられなさそう

2015/06/30 (Tue) 17:11
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英語のブルームバーグ記事で知ったのですが、ギリシャのクレタ島、ソウダ・ベイ(Souda Bay)には米海軍基地があります。



米海軍の当該ページの↓リンク
http://www.cnic.navy.mil/regions/cnreurafswa/installations/nsa_souda_bay.html


このソウダ・ベイ基地の「歴史」のところを見ると、地中海に展開する第6艦隊の活動を支援するために、「戦略的な位置」にあるクレタ島のソウダ・ベイに1958年、戦車揚陸艦USS TALLAHATCHIE COUNTY(タラハッシー・カウンティ)が配備されたのが最初のようです。そして、現在は800人の要員がいて、3分の1が米軍人、3分の1が米政府職員(文民)、残りの3分の1が現地人(文民)という態勢だそうです。




以下、上記ブルームバーグ記事関連のツイート+記事の内容紹介の追加:




https://twitter.com/YNHiromiya/status/615766604396101632





https://twitter.com/YNHiromiya/status/615774008278016000





https://twitter.com/YNHiromiya/status/615775032019554304





上記ブルームバーグ記事の内容からもう少し:

ワシントンにある Atlantic Council(シンクタンク?)のAndrea Montanino氏によると、ギリシャ国民の多くは親ヨーロッパでると思われるので可能性は低いけれども
・ギリシャがデフォルトすれば中国を含む他地域からの資金獲得を模索するだろうし、
中国も海外での投資先を求めている
中国はギリシャを拠点にヨーロッパでの出来事の一部をコントロールすることも考えることができる

とのこと。

ランド研究所(元は米軍が戦略立案を研究するために設立。現在はNPO)の Dobbins氏によれば、
・第二次大戦後にギリシャで内戦があった際、米国は西ヨーロッパ再建のための大規模な経済支援であるトルーマン・ドクトリンによって対処した
・現在ではそのような支援が行われる可能性は低いが、ギリシャの経済崩壊では、ほぼどんなことでも考えられる
・いまや我々はまさしく未知の水域に入り込んでおり、ギリシャのユーロ離脱のような事態はまったくの前代未聞の出来事だ

とのこと。







ギリシャ危機の先行き予測を困難にしているのは、このような安全保障上の問題、米ロ対立、米中対立の情勢が密接に絡んでいることも大きいようです。

※ギリシャ関連その他、ツイッターは頻繁に更新しています。当ブログのPC版の左上に表示しているツイッター窓で見て頂くか、「twitterでフォローして下さい」ボタンを押してツイッターを開いてみて下さい。

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665:ギリシャ銀行閉鎖:国民投票終了後まで+先行き不透明ながらギリシャ瀬戸際外交はさっそくEU、独、仏のみならず米の首脳らから「債務減免」の言及引き出す「成果」も

2015/06/29 (Mon) 11:58
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前回に続きギリシャです。

銀行閉鎖の件に入る前に、前回のエントリーの後につぶやいていた

「第3のシナリオ」

の話をしておきたいと思います。



前回、今後の想定シナリオとして

①【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】

②【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】


という感じで書いていましたが、その後、ガーディアン記事に出ていたギリシャのバルファキス財務大臣のラジオインタビューの様子を見て、以下のような第3の想定シナリオを追加したいと思った次第です:



https://twitter.com/YNHiromiya/status/615150270750658560







https://twitter.com/YNHiromiya/status/615162065800466432





↑この「第3のシナリオ」は、本来的には、「資本規制はあるか?」と聞かれたバルファキス財相が、「民主主義において重大な案件に対する投票が銀行閉鎖なしで行われるように、通貨同盟における中央銀行は何でもすべき(In a monetary union, a central bank should do “whatever it takes”, and in a democracy the people should be able to vote on momentous issues without seeing their banks shut.)と言っていたことと、

Varoufakis also insisted that Greece needn’t be forced out of the eurozone. Indeed, there’s no mechanism to exit the single currency.
バルファキスはギリシャが強制的にユーロ圏から退出させられる必要はないと強調した。実際、ユーロから退出する仕組みは存在しない。

The euro was never designed to solve a problem such as Greek insolvency, and we’ve had a comedy of errors since, he adds.
ユーロはギリシャのような債務超過の問題を解決するようには全く設計されていない。我々はしばしば「間違いの喜劇(シェークスピアの作品名)」を演じてきた、と彼は付け加えた。





という記事の記述から、少々想像を膨らませたものであります。



というわけでいまのところ、

①【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】

②【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】

③【国民投票でNo→瀬戸際外交で債権団の譲歩引き出しユーロ居座りのシナリオ】

の三つを上げておきたいと思います。




以上で前回の補足は終わりです。







で、今回のテーマです。

上記のガーディアン記事において引用されていたのですが、バルファキス財相は「ギリシャ政府は銀行閉鎖などの資本規制には反対!」とツイートしていました:



https://twitter.com/yanisvaroufakis/status/615127339102531584

訳すと、

「通貨同盟内での資本規制は矛盾した手法。ギリシャ政府はこのような概念に反対します」




ところが、
それから半日も経たないうちに、今般のチプラス政権による銀行閉鎖と預金引き出し制限、すなわち資本規制(capital control)の発表です。


こういうことをやるときは、「ラブストーリーは突然に」以上に突然にやらな、そりゃあかんか。

以下、その件のガーディアン記事を抄訳:






Greece crisis deepens as banks close for a week after weekend that shook euro
週末から一週間の銀行閉鎖でギリシャ危機深まり、ユーロを揺さぶる

http://www.theguardian.com/world/2015/jun/28/greece-crisis-deepens-banks-close-a-week-weekend-shook-euro
Sunday 28 June 2015, The Guardian

Greece’s government says banks will stay closed until after snap referendum, while stock exchange shut on Monday and cash machine withdrawals limited
ギリシャ政府は、国民投票直後までの銀行閉鎖を宣言。月曜日は株式市場を閉鎖。ATM預金引出しは制限された



On Monday morning Greeks will find their savings blocked and their banks closed for a week following a fateful weekend that has shaken Europe’s single currency.
単一通貨のヨーロッパを震撼させた運命の週末に続き、月曜の朝、ギリシャ国民は彼らの銀行が閉鎖され、預金が封鎖されたことに気づくだろう。

The Greek government decided on Sunday night it had no option but to close the nation’s banks the following day after the European Central Bank (ECB) raised the stakes by freezing the liquidity lifeline that has kept them afloat during a six-month run on deposits.
ギリシャ政府は、ECBがこの6ヵ月間、預金の流れを支えた流動性支援を凍結することでリスクを高めたことを受け、土曜夜に止む終えずギリシャの銀行を閉鎖することと決めた。

The Athens Stock Exchange will not reopen on Monday either. The dramatic move, after 48 hours of sensational developments in Greece’s long-running battles with creditors, was sparked by the country’s prime minister, Alexis Tsipras’s Friday night call for a referendum on its creditors’ demands. That prompted finance ministers of the eurozone to effectively put an end to his country’s five-year bailout by the International Monetary Fund, the ECB and the European commission.
アテネ証取は月曜は開かない。金曜日の夜にチプラス首相が債権団の要求に対する国民投票実施を提起し、劇的な動きが生じた。それは、実質的にギリシャへの5年に及ぶ支援を打ち切るようにユーロ圏財相らを刺激した。

In a brief, televised address to the nation, Tsipras threw the blame onto the leaders of the eurozone. But he did not say how long the banks would remain shut, nor did he give details of how much individuals and companies would be allowed to withdraw once they reopened.
同国でテレビ中継された演説において、チプラス首相はユーロ圏指導者らを非難した。しかし、彼は銀行がどれくらいの期間閉鎖されるか、銀行が再開したときに個人や企業がどれくらいの金額を引き出せるのか、言及しなかった。

It later emerged that the banks would be kept shut until after the referendum on 5 July and there were reports that the withdrawals from cash machines would be limited to €60 – about £40.
その後、銀行は7月5日の国民投票後まで閉鎖されることが明らかとなった。また、ATMの引き出しは60ユーロ(約8,000円)に制限されたという報告が入っている※。

※引出し制限は、一日あたりなのか、閉鎖期間中の合計額なのかは不明


The prime minister said that Saturday’s move by the eurozone’s finance ministers to halt Greece’s bailout programme was unprecedented. He called it “a denial of the Greek public’s right to reach a democratic decision”.
首相は、ユーロ圏財相らによるギリシャ救済プログラムの停止の動きは、前代未聞の奇怪事であると言った。彼は、それは「民主的決定に到達するためのギリシャ国民の権利の否定だ」と言っている。

Tsipras added that the finance ministers’ initiative had prompted the ECB to curb its assistance, forcing the government to take the steps that it had. He said he had once again appealed for an extension of the bailout until after the referendum, on 5 July, sending his proposal to the president of the European council, Donald Tusk, the leaders of the 18 member states of the single currency, the commission and the ECB.
チプラスは、ユーロ圏財相らが、ECBの支援を抑制させることを主導し、ギリシャ政府が踏み込んだ措置(資本規制)と取ることを強制した、と付け加えた。彼は、7月5日国民投票後までの支援延長を再度訴え、ドナルド・トゥスク欧州連合大統領、ユーロ圏18か国首脳、欧州委員会、ECB宛てに提案書を送った。


As fears spread through Sunday that capital controls would need to be put in place, growing numbers of depositors lined up at ATMs, even in affluent city areas, to withdraw what cash they could.
日曜日、資本規制がなされるだろうと動揺が広まるにつれ、富裕地区ですらATMに並ぶ人々が増えていった。


The country’s plight deteriorated sharply on Friday night when Tsipras put his country’s future in the balance by suddenly calling a referendum and arguing robustly for a rejection of the price set by his creditors for saving Greece, at least for a few more months. This Sunday’s vote will ask Greeks whether they approve or disapprove of the last offer tabled by the creditors before the negotiations broke down.
同国の苦境は、チプラスによる国民投票呼びかけと、債権団提案に対する強い拒否によって急速に悪化した。次の日曜の投票では、交渉決裂前の債権団の提案を受け入れるかどうかが問われる。


But during a marathon parliamentary debate that ended in the early hours of Sunday morning, opposition leaders argued that it was, in fact, a vote on whether Greeks wished any longer to be part of the eurozone. It will be Greece’s first referendum since the country voted to abolish its monarchy in 1974.
しかし、日曜早朝まで続いた国会の討論では、野党党首らが、それは実際にはギリシャがユーロ圏に留まるかどうかの投票だと異議を唱えられた。この国民投票は、1974年に君主制と放棄した投票以来のものである。

The European commission said on Sunday for the first time in the crisis that it wanted to offer Greece debt relief, Tsipras’s central demand during the five months of stalemated talks. Reports from Berlin said that Angela Merkel and François Hollande shared that view.
欧州委員会は日曜、この危機において初めて、ギリシャに債務減免を提示する意思があると表明した。それはこの5か月間の膠着した交渉における、チプラスの中心的要求である。ベルリンからの報告によると、メルケル独首相とオランド仏大統領はその意見を共有している。


But the potential concession appeared to come too late to prevent growing chaos in Greece – and sparked concerns across the Atlantic. Barack Obama was said to have called Merkel to urge her to take action. Jack Lew, the US Treasury secretary, urged creditors to offer debt relief to Greece.
しかし、このような容認の可能性は、増大するギリシャの混乱を防ぐには、出て来るのが遅すぎた――そして、大西洋の向こう側で懸念を生じさせている。オバマ米大統領は、メルケル独首相に行動を急ぐように促したと言っている。ルー米財務長官は、債権団にギリシャへの債務減免を促した※。

※アメリカとしては、ギリシャがロシアに一気に傾倒するのを恐れる側面もあるかと思われます。


Financial analysts will be watching the impact on the markets, which have not yet had the chance to react to the events of the last 48 hours. Mario Draghi, the president of the ECB, tightened the screws somewhat on the country.
金融アナリストらは、市場への影響を見ようとしているが、この48時間の出来事に対して反応する機会をまだ得ていない。ドラギECB総裁は、ギリシャに対していくぶん圧迫を強めた。


The governing council of the ECB decided to freeze emergency liquidity assistance to the Greek banks, the lifeline that is keeping the national financial system functioning. The ELA was capped at last Friday’s level of €89bn. It meant that the banks could continue to function, but the draining of money as people flocked to the ATMs to retrieve their savings also meant they would run out of money that could not be replenished by the central bank.
ECBはギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA。同国の金融システムを機能させる命綱)を凍結することを決めた。ELAは先週金曜日に890億ユーロ(12兆円)が上限とされた。それは、ギリシャの銀行が機能し続け得ることを意味するが、人々がATMに群がって預金を引き出すにつれて資金が尽きても、ECBが補充できないことをも意味する。


“We continue to work closely with the Bank of Greece,” Draghi said.
「我々はギリシャ銀行(ギリシャの中銀)と密接に作業を続ける」とドラギECB総裁は言った。

Greece’s financial stability committee, which includes the finance minister, Yanis Varoufakis, and the central bank governor, Yannis Stournaras, met on Sunday evening to discuss Greece’s rapidly shrinking options. The high-level political confrontations on Friday and Saturday produced the greatest uncertainty over Greece and in the eurozone in the five-year debt saga.
ギリシャの金融安定委員会(バルファキス財相、Stournaras中銀総裁含む含む)は、日曜夜に会合を開き、急速に狭まるギリシャの採るべき選択肢について議論した。金曜と土曜の高度な政治的対立によって、ギリシャと5年に及ぶ債務大河ドラマの渦中にあるユーロ圏に、最大級の不確実性が生じた。


The fall-out from the collapse of negotiations and the calling of the referendum brought recrimination on all sides and predictions of gloom.
交渉の決裂と国民投票の提起は、すべての陣営における非難の応酬と悲観的な予測をもたらしている。

The German finance minister, Wolfgang Schäuble, said he was “perplexed and depressed” by developments. Jeroen Dijsselbloem, the Dutch finance minister who heads the committee of eurozone finance ministers, said that with his referendum call, Tsipras was thrusting the country into a mess from which it would struggle to recover.
ドイツのショイブレ財相は、事態の進展によって「途方に暮れ、憂鬱になっている」と述べた。オランダのダイセルブルーム財相(ユーロ財相委員会議長)は、国民投票呼びかけによってチプラス首相は回復へともがいていたギリシャを台無しにしたと言った。


“We are millimetres away from the total collapse of the Greek financial system,” warned Herman Van Rompuy, until last year the president of the European Council and heavily involved in years of Greek rescue negotiations. “It’s actually suicide that’s taking place in Greece right now.”
昨年まで欧州連合大統領としてギリシャ救済交渉に関与していたファン・ロンパイ「我々はギリシャ金融システムの全面的崩壊までミリメートル単位のところまで来ている」、「いまギリシャで起こっていることは実際のところ自殺行為だ」と言った。

The restrictions being imposed are anathema to Tsipras’s radical left-led government – all the more so since it desperately needs to keep public opinion on its side ahead of the referendum.
いま課されている規制は、チプラスの過激左派政権が忌み嫌うものである――だからこそより一層、政権は国民投票に向けて世論の支持を、死にもの狂いで必要としている。


Varoufakis told the BBC in a Sunday interview: “Capital controls within a monetary union are a contradiction in terms.” But he was party to Sunday night’s decision.
バルファキスは日曜のインタビューでBBCに「通貨同盟における資本規制は矛盾した手法だ」と述べた。しかし、日曜の夜、彼の所属政党は資本規制を決定した。

In the early hours of Sunday, parliament voted 178 to 120 in favour of holding the referendum. Embarrassingly for the government, the neo-Nazi Golden Dawn movement joined Tsipras’s Syriza party and its populist right-wing coalition partner, ANEL, in backing the proposal.
日曜の早朝、国会において178対120で国民投票は可決された。政府を当惑させているのは、ネオナチの黄金の夜明けがチプラスの与党シリザに賛同する動きを見せ、シリザの連立相手である大衆的右派政党ANEL(独立ギリシャ人)が債権団提案に賛成していることだ。

By Sunday evening, however, it had not received the necessary endorsement of Greece’s president, Prokopis Pavlopoulos.
しかしながら日曜の夜、政権は必要なパブロウプロス大統領の承認をまだ受け取っていない。

According to two polls published on Sunday, Tsipras faces an uphill battle to secure the rejection he has indicated that he favours. One in the right-leaning tabloid Proto Thema found 57% of those interviewed favoured acceptance of the creditors’ latest offer. Another in the centre-left To Vima put support at 47%.
日曜に発表された二つの世論調査によると、チプラスは、彼が望む債権団提案拒否を確保するための、困難な闘いに直面している。右寄りのタブロイド紙Proto Thema の調査では債権団提案の容認が57%。中道左派のTo Vima では47%が支持(債権団提案の容認を?)となっている。





国民投票でチプラス首相が望む結果が出るかどうかは不透明です。

しかしながら、このギリシャ国民のみならずユーロ圏全体を人質に取った格好の瀬戸際外交によって、欧州連合、メルケル独首相、オランド仏大統領、オバマ米大統領、ルー米財務長官らから、危機以来初めて「債務減免  debt relief」の言及を引き出した、という「成果」がさっそく挙がったことも事実です。

世論調査の結果は、EU離脱を恐怖する国民が多いことを示しているようですから、
①【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】
②【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】
③【国民投票でNo→瀬戸際外交で債権団の譲歩引き出しユーロ居座りのシナリオ】

のうち、

チプラス政権はおそらく3番のシナリオの路線でユーロ離脱恐怖派の国民を惹きつけつつ、債権団から大幅な譲歩(特に、大幅な債務免除)を引き出す作戦を強化するのではないかと想像する次第です。


「瀬戸際外交」というと日本でも、「お隣」というか、「お隣のお隣」のお国を思い出してしまいそうな今日この頃でもありますね…。



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664:現代版ギリシャ悲劇、いよいよ第二幕か?――ギリシャ債務危機:直近2週間の流れのまとめ&今後の想定シナリオの検討

2015/06/28 (Sun) 10:46
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現地時間の金曜日の夜、ギリシャのチプラス首相が突如、国民投票を呼び掛けたことにより、ギリシャ債務危機問題が急速に不安定化しています。

なお、債権団(EU、ECB、IMF)からの支援案(年金カットと更なる増税と引き換えに5か月間の支援延長)につき可否を決める国民投票の実施はつい先ほど、ギリシャ国会で可決されました(現地時間では土曜の深夜から日曜にかけての真夜中に採決があった)。

「チェックアウトできても、離れられない」、ホテル・カリフォルニアならぬホテル・ユーロから、ギリシャはいよいよ「チェックアウト、かつ、離れたくないけれど離れざるを得ない」状況に追い込まれつつあるようです。
もちろん、国民投票の結果次第では中途半端といえる「チェックアウトできても、離れられない」ホテル・カリフォルニア状態が今後も延々と続くかもしれませんが…。

以下、直近2週間ほどの流れをまとめておき、その後、今後の想定シナリオを検討します:




https://twitter.com/YNHiromiya/status/611105920706220032






https://twitter.com/YNHiromiya/status/611886087347179521

※チプラス首相の「もしダメならロシアに頼ります」と取れる発言で揺さぶり、というその発言は以下のようなものです(上記ガーディアン記事より):

Tsipras said:
"As all of you are aware, we are at the moment at the centre of a storm of a whirlpool, but we live near the sea so we’re not scared of the sea. We are ready to go to new seas to reach new safe ports."
チプラスは言った:
「皆さんがご存じのように我々は今、嵐の渦巻の真っただ中にいます。しかし、我々は海の近くに住んでいますので、海(の嵐、荒波)を恐れません。我々は新しい海に行き、新しい安全な港にたどり着く準備ができています」

まるで「新世界」に向けて漕ぎ出した、「海賊王に、俺は、なる!」(ワンピースのルフィー)的なご発言。

「新しい安全な港」というのは、クリミアのセバストポリとかサンクトペテルブルク辺りにあるのでしょうか?







https://twitter.com/YNHiromiya/status/612435214493560832






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612981816241172481






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612981890492952576






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612995834704101377






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612996164560908289

※↑のロイター記事ではいまのギリシャと似た状況だったキプロスの当時の財相が「ECBが支援を止めた場合に何が起きるかほぼ確信しており、ロイターに対し『基本的に(ギリシャの銀行は)30分で閉鎖を余儀なくされる』と指摘」しています






https://twitter.com/YNHiromiya/status/613133783122903040






https://twitter.com/YNHiromiya/status/613602829798735872

※↑欧州全体における不法移民問題、深刻です。ギリシャに関しては3年前に書いたエントリーもどうぞ:

EUも「移民お断り」:世界的不況による不法移民大量流入で+ギリシャの不法”残虐”移民問題の惨状、現地生レポート付き。「国を開け」が招いたEUの悲劇

不法移民VSネオナチ:「開国は壊国だ!」仁義なき戦い in ギリシャ ― 今回も抱腹絶倒間違いなし、のギリシャ在住読者からのご投稿…いや、本当は笑えないのですが

ギリシャ:ネオナチ得票、前回と変わらず―テレビで共産党議員を平手打ちしたにもかかわらず!







https://twitter.com/YNHiromiya/status/613689493594378241






https://twitter.com/YNHiromiya/status/613943754546790400






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614311628574580736






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614398515406442496






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614747034759729153

※チプラス首相は、年金カットだけはどうしても応じられない、ということだったようですね。





https://twitter.com/YNHiromiya/status/614587271451271169






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614602831975157760






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614748846321577984

※預金封鎖に備え、現金確保!






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614765615182561280






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614767532784783360






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614814609782935553

※ギリシャは国民投票の実施とその後の処理を円滑にするため、1ヵ月の無条件支援を債権団にお願いしたのですが、速攻で却下された、という具合です。だから、7月5日の国民投票実施までにデフォルト、ということがあり得ることに現状はなっています。







https://twitter.com/YNHiromiya/status/614912750859370496






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614913812395786241






https://twitter.com/YNHiromiya/status/614946946961125377




というわけで、国民投票実施は、深夜にまで及んだ怒号飛び交う激しい議論の末、採決、可決されました。





では今後の想定シナリオを簡単に検討してみましょう。

※今月末で債権団(EU、IMF、ECB)の支援が打ち切られ、IMFへの返済どうするの?というのはちょっと脇に置きます。


【国民投票でYes→ユーロ残留(?)のシナリオ】
国民投票で債権団の支援案(年金カットや増税と引き換えに5か月支援延長)に対し、Yesであれば、今までと同じ。そして5か月後にまたもやすったもんだ、という塩梅でしょうか。いや、その前に、まずは解散総選挙ですったもんだか…。


【国民投票でNo→ユーロ離脱(?)のシナリオ】
今までの流れで行くと、チプラス政権はユーロ離脱となった場合、ロシア(=「新しい安全な港」)に支援を仰ぎそうな気配ですね。
が、その前にまずユーロ離脱の処理ですが、やはりまずは
 預金封鎖
 預金(ユーロ)の新ドラクマへの強制転換

となるでしょうか(キプロス流なら国民投票の結果が出て30分以内に預金封鎖?)。これは、終戦直後の日本の新円切り替えと同様のプロセスであります。

 為替レートはひとまず分かりやすく1ユーロ=1ドラクマが妥当かと思われます。

 で、当然のように、ドラクマを持っていたいという人は少ないでしょうから、猛烈なドラクマ売りユーロ買いが起こることが想定されます。
 ここで、無理に為替レートを維持しようとしても恐らくうまく行かないと思いますので、一応は一日の変動幅の上限を設定しつつ、ドラクマの価値を落ちるところまで落とすのが妥当かと思われます。過去のアイスランドとかアルゼンチンなどの破綻事例を考えると7割減から8割減といったところが落ち着きどころではないかと思われます。すると、1ドラクマ=0.2~0.3ユーロ程度の水準です。
 そして、ロシアであれ他の国であれ、仮に支援を受けるとしても為替レートの安定に関して直接の支援を受けるのは避けたほうが良いでしょう。多分、失敗しますし、失敗すると支援国の権威が落ちてしまい、また、ギリシャ国民がいらざることで支援国を逆恨みすることになると思われるからです。支援を受ける場合、例えば、原油や天然ガスの無償提供あるいは割引価格による提供、経常黒字になるまでその支払を免除してもらうとか、そういったことに留めるのが良いかと思われます。 
 ただ、ロシアから支援を受けた場合、シリアで軍港を借りているように、ギリシャでも軍港を租借するというような話も出て来るように思われます。ユーロ債権団の目下の反応はそれをなかば是認しているかのようにも見えますが、どうでしょうか。そうなると、欧州における力の均衡状況がだいぶ変わってしまいそうですが…。
 
 さて、為替レートの話に戻りますが、「1ドラクマ=0.2~0.3ユーロ程度の水準」になったとき、その瞬間はギリシャ国民の生活にとって、かなり厳しいものとなると思われます。しかし、多くの破綻国において、そこから数年でかなりの度合いまで経済が回復しています。
 ギリシャもユーロ参加前は、経常収支は±0近傍、対外純資産も±0近傍でした。その当時の購買力平価の他国に対する相対的な水準よりも平価を落としてやれば、経常黒字に持って行くことは可能ではないかと思われます。すると、対外債務の返済も可能となってきます。
 そのような段階になったあと、為替政策は安定重視でユーロに対して固定にするか、変動幅を持たせるかですが、拙著「日本経済のミステリーは心理学で解ける」に挙げた、アルゼンチンとブラジルの比較を考えますと、変動幅をある程度持たせたほうが良いかも知れません。アルゼンチンもブラジルも1980年代に外貨建て債務不履行をお越し、その後は為替レートの急落でハイパーインフレに近い状態となっていました。そして90年代に入ってからは、アルゼンチンは対ドルで固定レートを貫き、割高のレートを続けたためにもう一度01年に破綻。一方、ブラジルは対ドルで為替レートを徐々に切り下げて行き、一時は経常黒字にもなり、再度の債務不履行を起こすことなく経済は比較的安定的に推移しました(2010年以降は少々調子が悪いですが)。
 ということを考えると、ギリシャもブラジル型でゆくのが良いかも知れませんね。


日本は通貨発行権の権能が及ばないようなタイプの債務の問題を抱えていません。
よって、いまのところギリシャや80年代~90年代の中南米諸国のような状況に陥ることはまずないはず、ですが、「国の借金は大変だ!」ということになっています
(但し、日本は量的緩和のやり過ぎにより日銀の債務超過リスクが一応はあります。ただそれは経済リスク、金融リスクというよりは、政治リスクの要素が大きいと思われますが)
ギリシャ国民からしたら何とぜいたくな悩みをお抱えのお金持ち国家なんだろう、と羨望の的だと思いますが…


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663:中国、金本位制を検討中?――米投資情報サイトTheStreetでブルームバーグインテリジェンスの金属・鉱山調査部長「この動きは大勢を一変させ得る」

2015/06/27 (Sat) 15:15
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中国当局が人民元の国際化、例えば、人民元のIMFのSDR入りや、他の中央銀行が人民元を外貨準備として持ちたいと思えるようにして国際準備通貨としての地位を確立するために、金本位制を検討している(らしい)というお話です。

ただし、ある意味では「なんちゃって金本位制」とも思える形になりそうではあります。

いずれにせよ、中国当局は人民元を基軸通貨にすることを目指している、ということになろうかと思います。


TheStreetというジム・クレイマー氏(著名な投資家。ちなみに、ユダヤ系)が設立した投資情報サイトで、ブルームバーグインテリジェンスのグローバル金属・鉱山調査部長のケン・ホフマン氏がその件について語っています:



Chinese Gold Standard Could Create 'Fireworks' - Bloomberg Intelligence
中国の金本位制は「激発」を生み出すかも知れない - ブルームバーグインテリジェンス

http://www.thestreet.com/story/13199812/1/chinese-gold-standard-could-create-fireworks--bloomberg-intelligence.html?puc=yahoo&cm_ven=YAHOO
06/25/15, The Street





NEW YORK (TheStreet) -- Could gold, the world's longest running currency be used to create a new order in global currencies? The Chinese central bank is said to be considering backing its yuan with the yellow metal.
ニューヨーク(TheStreet) ― 世界の最も伝統のある通貨である金は、世界通貨の新秩序を作り出せるか?中国の中央銀行は、人民元の価値をその黄金色の金属で裏付けることを検討していると言われています。


This move, says Ken Hoffman, global head of metals and mining research for Bloomberg Intelligence, would be a "game changer."
この動きは、グローバル金属・鉱山調査部長のケン・ホフマン氏がいうには、「大勢を一変(game changer)」させ得るものであるとのことです。

Why would China consider such a move? Hoffman explains that Chinese policy makers are already trying to establish the yuan as a reserve currency, and backing it with gold would help attract foreign capital.
なぜ、中国はこんな動きをするのか?ホフマンは中国の当局者らが既に人民元を準備通貨にしようとしており、金で人民元の価値を裏付ければ外国資本を魅了するから、と説明しています。

China is expected to receive approval from its central bank for a yuan-denominated gold fix, with a potential for an announcement as early as next week.
中国は早ければ来週にも、中央銀行から人民元建ての金取引(yuan-denominated gold fix)についての承認を得て公表すると見られています。


Hoffman explains that a gold standard would not necessarily create a big constraint to the Chinese central bank, as many believe.
ホフマンは、多くの人々が信じるような形で、金本位制が中国の中央銀行に対して大きな制約を持たせることは、必ずしもないだろうと説明しています。


"It could be at any price they fix. There's a lot of things that they can do to make this work," he says.
「金との兌換価格はどんな価格でもあり得ます。彼らがこれ(金本位制)を機能させるためにできることは多いのです」と彼は言っています。

Hoffman estimates that to create an exchange rate of one ounce of gold for every $64,000, the country would need about 10,000 metric tons of the metal. "That's nine times the national official holdings and about 6 percent of all the bullion ever mined globally," Hoffman says.
ホフマンは、金地金1オンス64,000ドルの交換レートを設定するとすれば、中国は10,000トンの金が必要になる、と見積もっています。「それは中国の公式な金保有高の9倍であり、世界中で採掘済みの金の6%に相当します」※とホフマンは言います。

※中国の「公式」な保有高は、ブルームバーグ記事によると2009年の中国当局発表の数値が最新で 1,054.1トンですが、現在は既に3500トンは持っているんじゃないかとブルームバーグインテリジェンスは見積もっています。
また、現在の金価格は1オンス1200ドル弱です。
すると、仮に中国が今すぐ金本位制を採ろうとするならば、紙幣1に対し、0.66%分の金の裏付けしか出来ない「なんちゃって金本位制」になる計算となります((1200ドル÷64000ドル)×(3,500トン÷10,000トン)=0.66%)。
ただ、「なんちゃって」であっても、「全く裏付けがない」不換紙幣よりはマシ、ということになるかも知れませんが…




Moving to a gold standard may also be a question of power for China. Hoffman says that when the U.S. adopted a gold standard after World War II, it emerged as the main power in the International Monetary Fund. In 1971, the U.S. ended the use of the gold standard and rendered the dollar a fiat currency.
金本位制への移行は、中国の力の問題でもあるかも知れません。ホフマンは、アメリカが第二次世界大戦後に金本位制を採用した際、それはIMFにおける主要な力として現れたと言います。1971年に、アメリカは金本位制を終わらせ、ドルを不換紙幣としました。

If China decides to go into some form of a gold standard, Hoffman says it would make the rest of the world view the metal as a currency again.
もし中国が何らかの形で金本位制を採用すると決断したら、世界は金を通貨であると再びみなすようになるだろう、とホフマンは言います。


"If they go for it, we'd be talking about fireworks," he says.
「彼らがやるつもりなら、我々は(世界を一変させるような)激発について語ることになるだろう」と彼は言います。


Comex August gold futures settled Thursday at $1,171.80 an ounce.
8月限の金先物の木曜日の終値は1オンス1171.8ドルでした。




で、実は私が「え?」と驚いたのは、上記記事の動画のほうです。

動画の1:54辺りでホフマン氏が「2ヵ月前、中国はChina Gold Bankというべき取り組みを始めており、外国の中央銀行の金購入を仲介し、中国で保管するようになっている」と語っているように聞こえたのであります。

※たぶん、大まかには↑これで合っていると思いますが、微妙なニュアンス、例えば、断定形なのか推定形なのかまでは良く分かりませんでした。英語の聞き取りが得意な方、一度聞いてコメント欄でご教示頂けるとありがたいですm(_ _)m。



もしこれが本当なら、中国人民銀行はFRBと同じようなことをしていることになります(FRBというよりは、英語Wikipediaによると、米財務省というのが正確のようですが、米財務省はケンタッキー州のフォートノックス陸軍基地に8000トンの金塊を保管しており、1974年以降は誰もその地下貯蔵庫に入ったことはないそうです。なお、各国の外貨準備の金も一部はここで保管されていて、帳簿上だけで取引されている、という話をどこかで読んだ記憶があります)。





では、仮に中国が金本位制を採用するとなったら、どんなことが起き得るでしょうか?

私が言うところの老子スタイル(正反対のものごとが両方とも正しいかも知れないと考えるような方式)で二つの正反対のシナリオを考えてみましょう。


【シナリオ1】
 現在の世界経済の大きな課題の一つは、これまで資源を大量消費していた中国経済が減速し、ブラジルなどの資源国経済が大幅に減速していることが挙げられるでしょう。
 仮に人民元が、たとえ「なんちゃって」レベルであったとしても、金で価値が裏付けられるとした場合、人民元は他の通貨に対して高くなると思われます。
 これまでの中国経済は製造業中心
  割安な通貨(=人件費の比較優位) + 設備投資 → 輸出の急拡大で急成長
という輸出主導経済であったと考えられます。
 それが、通貨が高くなるということは、
  割高な通貨(=購買力の増大)→消費拡大で内需主導で安定成長
というような形でサービス業中心、輸入主導経済に転換される方向となるように思われます。
 で、シナリオ1はこの中国の経済構造の転換がスムーズにゆき、ブラジルなど資源国経済も復活、アメリカも基軸通貨の重荷から解放されて製造業復活。世界経済は金融不安や世界同時株式暴落などなく、これから順調に安定成長を続ける、というシナリオです。



【シナリオ2】
 シナリオ1における、中国の製造業・輸出主導経済からサービス業・輸入主導経済への転換がスムーズに行かず、少なくとも短期的に中国経済がさらに減速。それにつれてブラジルなど資源国経済も輪をかけて落ち込み、世界全体で金融の不安定化と株式暴落が起きる(ついでに言えば日本も日銀の債務超過問題も表面化する)、というシナリオです。





以上の二つのシナリオにつき、どちらに転ぶか、私には分かりませんが、どちらに転んでも大丈夫なようにしておくのが無難、とは思います。

孫子でいうところの「その来たらざるを恃(たの)むことなく、我の以て待つあるを恃(たの)む(=危機が起こらないという想定に依存することなく、危機があっても備えがあることに依存すべき)」、「それ、兵は水に象(かたど)る(=どんな状況になっても、水が器の形によって変形するように柔軟に対応する)」であります。


【シナリオ1】では、中国がアメリカに取って代わって基軸通貨国、覇権国になることが想定されます。この場合、中国は自前の資源をより一層必要とし、尖閣や場合によっては沖縄本島まで、日本に対する軍事的圧力を強めることが考えられます。日本は米国との連携の強化だけでなく、自前の防衛力も強化して「なめられない」ように備えつつ、柔軟な外交が必要となるのではないかと思われます。

【シナリオ2】では、最悪の場合は中国の体制崩壊まで見ておいたほうが良いかも知れません。
 そうなると、中国は北アフリカ、東シナ海は地中海となると見るべきでしょう。北アフリカから最近は年間20万人もの不法入国者が地中海を経てEU域に流入していますが、それと同等以上のことが日本でも起こり得るということであります。この場合においても、【シナリオ1】のような防衛力の強化が重要であると思われます。
 しかし、もしかするとそれ以上のことも必要になるかも知れません(通常の民主主義では対処しきれないかも知れない、という意味においてはタイのような民政から軍政への移行も、最悪の場合、一時的には必要となるかも知れません。あくまでも最悪の場合、ですが…)。
 もっと言うと、人民解放軍が配備している核兵器につき、中国の体制崩壊があった場合、誰が責任を持って管理するのか、あるいは、責任を持てる管理主体がそもそも存在し得るのか、という問題も出て来ます。
 このように考えると、中国の体制崩壊というのは「ただ喜んで傍観していれば良い」というものでは済まされない、日本にとってはかなり厳しい状況となり得ると見たほうが良いかも知れませんね。



いずれにせよ、「備えあれば憂いなし」、「転ばぬ先の杖」、と言ったところでしょうか。


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662:TPP推進で米議員ら荒稼ぎ――08年以降、上院議員へのTPP推進業界からの献金約260億円に対し、TPP反対業界からの献金はその9分の1に過ぎなかった:米CNBC報道

2015/06/26 (Fri) 10:54
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「地獄の沙汰もカネ次第」
などと申しますが…

水曜日にTPA法案が可決した件に関連して、米CNBC――「ダウ指数」のダウ・ジョーンズと米3大ネットワークのNBCが共同出資して運営している経済ニュース放送局――が大変興味深い報道をしています。株関係のニュース中心の放送局がこのような記事も扱うという点もまた興味深いところです。
しかし、こんな興味深い話も日本では多分報じられなさそうに思えてなりませんが、どうでしょうか…




Senators rake in big money from pro-trade donors
上院議員ら、TPP推進献金者から巨額資金を荒稼ぎ

http://www.cnbc.com/id/102784965
Wednesday, 24 Jun 2015 , CNBC

A politically contentious trade bill passed the U.S. Senate on Wednesday evening, handing President Barack Obama "fast-track" negotiating authority for a Pacific trade agreement pending his signature.
政治的論争を呼んでいる通商法案が水曜日の夜可決され、バラク・オバマ大統領にTPP早期一括交渉権を与えることとなり、あとは大統領自身の署名待ちとなっている。


The political maneuvering and opinions on the trade partnership remain complex. But the money flowing to senators from interested groups has been much more one-sided.
政治的駆け引きと通商協定に対する様々な意見はいまだ複雑に入り組んでいる。しかし、上院議員らへの関係団体からのカネの流れはもっとずっと単純明快であった。


Industries, such as banks, insurance companies, utilities and many more, that back the bill in its current form have donated $218.4 million to current senators since October 2008, according to money in politics researcher MapLight. That's about nine times more than the $23.2 million contributed by groups that oppose it. ( Tweet This )
政治資金の調査団体MapLightによれば、現在の形のTPA法案を支持する銀行、保険、公益事業その他多くの業界は、現職上院議員らに2008年10月以降で2億1840万ドル(1ドル=120円とすれば約260億円)の献金を行っている。それは、TPA法案反対業界からの献金2320万ドル(同約28億円)の9倍以上の金額だ。


"As far as business, this is the most important vote that will be taken this year," said Anthony Corrado, a professor of government at Colby College in Waterville, Maine, who studies campaign finance. "The business community for the most part has been united on TPA, so you might expect a large disparity."
「ビジネスに関して、これは今年行われる中で最も重要な議会採決だ」とメイン州ウォータービル、コルビー大学の政治学教授であるAnthony Corrado(選挙資金の研究者)は語った。「企業団体は大部分においてTPAに関して団結していた。それゆえ、これは大きな不均衡、格差につながるだろう」


Obama and many legislators have called for the president to receive negotiating authority for the 11-country Trans-Pacific Partnership, saying it opens channels that benefit American business. But the plan has received backlash for potential job outsourcing and lax environmental regulations.
オバマ大統領や多くの議員らは、アメリカ企業の利益への道筋を開くとして、大統領に他の11ヶ国とのTPP交渉の権限を与えることを求めていた。しかしそれは失業の増加や環境規制の弱体化を招く可能性があるとして反発を招いていた。


The TPA was previously packaged with the so-called Trade Adjustment Assistance, which provides protections and training for workers displaced by jobs moving overseas. After political wrangling, including some opposition from Obama's Democratic Party, the House last week passed a version without TAA provisions.
TPAは従前、貿易調整援助(TAA)法案――仕事の海外への流失によって失業した労働者の保護と訓練を提供する法案――とまとめられていた。オバマの民主党の一部からの反対を含む政治的論争の結果、下院はTAA法案抜きバージョンのTPA法案を可決した。


Senate Majority Leader Mitch McConnell reaps the most from supporters of this version of the bill, taking in $8.26 million since 2008. Among the top 10 recipients, six are Republicans, and four are Democrats.
上院の与党リーダー、ミッチ・マコーネルは、この法案の支持者から最も報いられており、2008年以降で826万ドル(約10億円)を受け取っている。トップ10に入る献金受け取り議員のうち、6人が共和党、4人が民主党である。


"A strong dependency for money, in the form of campaign contributions, exists on both sides of the aisle," said MapLight spokeswoman Pamela Behrsin, adding that trade groups are just some of the players who "have the ear" of Congress.
「選挙資金という形で、強力な金銭依存が共和党と民主党の両方に存在する」とMapLightの広報担当者Pamela Behrsinは述べており、貿易企業グループは国会で「話を聞いてもらえる」重要な役割を果たす人達のうちの一部に過ぎない、と付け加えた。

Democratic presidential candidate and Vermont Sen. Bernie Sanders has unsurprisingly received the least money, about $140,000, from backers of the bill. Sanders raises much less money than his peers and much of it comes from labor unions or other groups that often oppose international trade agreements.
民主党の大統領候補でもあるバーニー・サンダース上院議員は、当然ながら14万ドル(約1680万円)と最も少ない金額しかTPA法案支持者から献金を受けていない。サンダースは、彼の同僚議員らと比べて非常に少ない金額しか受け取っておらず、その資金の大半は労働組合や国際貿易協定にしばしば反対する他の団体からのものである。


Corrado noted that some labor unions threatened to withhold campaign contributions to Democrats before the TPA made its rounds through Congress. Still, Corrado said a "great disparity" would have existed even with more labor union donations.
Corrado (選挙資金の研究者)は、TPA法案が可決される前、一部の労働組合が民主党議員らへの選挙資金提供を取り止めると迫っていたと述べている。しかし、Corrado が言うには、労働組合の献金にすら「大いなる格差」が存在する。


The final vote for fast-track authority comes after the Senate voted 60-37 to advance it on Tuesday. Senators who voted for the Tuesday measure received an average of $2.34 million from trade agreement supporters, 22 percent more than those who voted no.
TPA法案の最終採決は、その最終採決へ進むための上院での火曜日の採決(賛成60対反対37)の後に行われた。火曜日の採決で賛成票を投じた上院議員らが貿易協定支持者から受け取った献金は平均234万ドル(約2.8億円)であり、反対票を投じた議員らより22%多かった。


Senators who voted against it took in an average of $443,254 from industries that oppose it, about four times more than those who voted yes.
反対票を投じた上院議員らが、貿易協定に反対する業界から受け取った献金は平均で44万ドル(約5300万円)であり、それは賛成票を投じた議員らの約4倍の金額であった。


Still, the big contributions may not hold that much sway on votes, Corrado said. Many industries probably chose to donate to candidates based on their record, rather than encourage them to change their policy outlook, he noted.
但し、巨額献金が採決の揺らぎを止めるわけではないだろう、とCorrado は言う。多くの企業は恐らく、候補者ら政治観を変えるためにというよりは、彼らの経歴に基づいて献金しているだろう、と彼は述べた。




最後のCorrado教授のコメントは、「ニワトリが先か、卵が先か」という類の話かも知れません。

TPP推進、自由貿易協定推進、のほうが多額の献金をもらえるということが分かっていれば、TPP推進、自由貿易協定推進を目指して政治家になろうとする候補者が増えるのは自然のような気もしますが、どうでしょう。


最後に、この記事の元ネタである政治資金調査団体MapLightの記事からの引用を改めてしておきましょう:

Industries supporting the House-passed version of H.R. 2146 have given 9 times more money ($218.4M) to current members of the Senate compared to industries opposing the bill ($23.2M).
下院を通過したTAAなしバージョンのTPA法案を支持する業界の現職上院議員らへの献金(2億1840万ドル、約260億円)は、反対する業界の献金(2320万ドル、約28億円)の9倍以上となっている。



この状況において、仮にTPPが成立した場合、格差はさらに拡大に向かって米国社会はさらに不安定化が進むのでしょうか。それとも、格差は縮小に向かって米国社会は安定化するのでしょうか。

そして、仮にこれ以上格差が拡大した場合、アメリカは国として持つのかどうか、といったところでしょうか…




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661:TPA成立でTPP交渉加速も、米では反対運動も絶賛加速中の模様

2015/06/25 (Thu) 12:19
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昨日、TPP交渉を阻害していたと目されるTPA(大統領貿易促進権限)法案が米議会で可決成立しました。
このTPP関係で私が習慣にしているのは、ロイターの日本語版と英語版を読み比べることです。というか日本語版はあくまでも要約版のようですので、何が省略されているのをざっと把握する、という具合であります。





ロイター日本語版:

米上院がTPA法案を再可決、TPP妥結へ大きく前進
2015年 06月 25日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P42MK20150624



ロイター英語版:

Congress victory moves Obama's Pacific trade pact forward
議会の勝利がオバマのTPP交渉を前進させる
Wed Jun 24, 2015 Reuters
http://www.reuters.com/article/2015/06/24/us-usa-trade-idUSKBN0P40BJ20150624




記事のタイトルは似たような感じですが、日本語版で省略されている英語版の箇所のうち、興味深いところを引用しておきます:

U.S. labor groups, which fought fast-track, said they will redouble their efforts. "We will vigorously oppose TPP if it continues on its current course," AFL-CIO President Richard Trumka wrote in a letter to lawmakers.
TPA反対運動を展開していた米国の労働団体は、努力を倍加させると言っている。「我々は、これまでの路線通りであるならば、精力的にTPPに反対する」とAFL-CIOの Richard Trumka 議長は、議員ら宛ての書簡で述べた。






さて、TPA法案に関して、日本のメディアであまり報じられていない(とりあえず、私の目に留まっていない)話があります。TPAには、議会が大統領に通商交渉権限を与えるにあたり、「この目標に沿って交渉するように」という通商交渉目標が列挙されています。
本来、このTPAを成立させてから、このTPAに書かれている交渉目標に沿って、ホワイトハウスが他国との交渉を進めるのが筋であるわけです。TPPは、2007年に失効したTPA法案の交渉目標、つまり、2002年、13年も前に定められた交渉目標があたかも有効であるかのように進められてきたわけです。交渉が最終段階に近い状況になって、ようやく交渉目標が定められたという本末転倒な事態です。この問題は、米議会調査局の報告書でも問題視されていました。

さて、「TPPは、2007年に失効したTPA法案の交渉目標、つまり、2002年、13年も前に定められた交渉目標があたかも有効であるかのように進められてきた」という話も、私が知る限りは英語版のロイターの記事だけで、日本語の記事は見たことがありません(探せばあるかも知れませんが…)。

こないだのロンドンにおける大規模反緊縮デモの件でも、英語版のロイターは扱いは大きくなくとも一応は記事がありましたが、日本語版はなし。ブルームバーグは英語版はかなり大きな扱いでしたが、日本語版は記事なし。
 というか、そもそも日本語メディアで記事が一切なかったということに、私は改めて衝撃を受けました。いや、日本語だけでは世界のことは本当に分からんことが多過ぎる、というのが今の日本の実態であると、改めて思う次第であります。とは言え、日本のメディアも間違いなく貴重な情報源ではありますが、それだけでは残念ながら足りていない、というのが正確なところでしょうか。


TPA法案に規定されている交渉目標の件については、ツイッターで簡単につぶやいていましたので、以下にまとめておきます。(「埋め込み」が面倒なのでそのままコピーします^^;)


廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
TPA法案の正式名称:H.R.2146 - Bipartisan Congressional Trade Priorities and Accountability Act of 2015 米議会HPで閲覧可→ https://www.congress.gov/bill/114th-congress/house-bill/2146/text?q=%7B%22search%22%3A%5B%22Trade+Promotion+Authority%22%5D%7D … (続く)

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613527098947297280



廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
TPA法案の最初のほうに「通商目標」が規定されています。「アメリカの輸出業者にとっての障害を取り除く」というのもありますが、「ILO基準の労働者の権利、子供の権利への尊重を促進せよ」とか環境云々という項目も入っています(続く)

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613528901105496064



廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
TPA法案「通商交渉目標 TRADE NEGOTIATING OBJECTIVES」のうち、個人的に一番注目したいのは「(7) 通商促進のために国内の環境や労働法規に基づく保護を弱めることを、協定参加国がしないようにさせる条項を、通商協定に入れることを追及すること」(続く)

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613530567523463169


※(7)の原文は↓こちら
(7) to seek provisions in trade agreements under which parties to those agreements ensure that they do not weaken or reduce the protections afforded in domestic environmental and labor laws as an encouragement for trade;



廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
以上で紹介したような「通商交渉目的」を「秘密交渉」されているTPPがどこまで満たしているか、そして、それを米議会が今後どのように判断するかが、TPPの成否を決定的に左右するでしょう。もう一度、米議会のTPA法案条文のリン ク: https://www.congress.gov/114/bills/hr2146/BILLS-114hr2146eah.xml

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613531926603829248





あと、TPP関連では「TPPと米覇権のゆらぎ」のテーマで↓こんな話も

廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月17日
焦点:米政権の「アジア重視」に暗雲、TAA法案否決で中国の影響拡大も | Reuters http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OX0IN20150617 … … シンガポール外相:“「東アジアとアジア太平洋地域の歴史が書き直されようとしている。米国は現在、主導的な立場にない」と語った”

https://twitter.com/YNHiromiya/status/611088937277218816






「TPPと米覇権のゆらぎ」に関しては、「米国の覇権がゆらいでいるからこそ、米国の巨大企業が自衛のためにISDSなどを通じて企業の権力を強めるべく、TPPを秘密交渉にした上で反対運動が盛り上がらないようにしつつ強力に推進している」というような見方をされている方もいらっしゃいます(どちらかというと中国寄りの見解が散見される方ですが、そこは割り引いて読まれると良いでしょう。私は割り引いて読ませて頂いております)。いや、それにしてもこれは鋭い・・・。




あと、↓こんな話も


https://twitter.com/YNHiromiya/status/612427438287491072



このカナダの「調査実施団体」というのは、自由貿易協定の秘密交渉を監視することが目的のTrade Justice Network (TJN)という団体で、環境団体や農業団体、労働団体で構成されているようです。
そのスポークスマンMartin O’Hanlonの発言の原文は以下のとおり:

TJN spokesman Martin O’Hanlon said that the secrecy surrounding the negotiations is “very disturbing.”

“Most Canadians have no idea that this deal is being negotiated in secret under the guidance of multinational corporations with no input from labor leaders, environmental experts or even MPs,” O’Hanlon said in a statement this week. “It’s frightening that this can happen in a democracy.”




個人的には、今回成立したTPA法案に規定されている交渉目標とこれまでのTPP交渉の内容があまりにもかけ離れていて、米議会で「何じゃこりゃ」となり、アメリカにおいてTPPがきれいさっぱり葬り去られる一方で、日米安保は当面揺るがず、日本が名実ともに自立するための時間が確保される、という状況になることを希望します。
もちろん、これはあくまでも希望的観測に過ぎませんが…




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660:日本のメディアがなぜか一切報じない「大規模 反緊縮財政デモ in ロンドン」の話――補足(これまでのツイートのまとめetc)

2015/06/23 (Tue) 19:10
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前回のエントリーでは、「大規模 反緊縮財政デモ in ロンドン」(2015年6月20日)の主催者団体の主張を中心に紹介しましたが、前提条件的な話が抜けていましたので、今回は、補足的にこれまでのツイートをまとめておきたいと思います:






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612237251154546691






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612240743759937536




ついでに補足しておくと、
2018年までに30億 300億ポンド(約5.7兆円)の予算削減する政策案は、ブルームバーグ記事によると「英国(政府)の黒字回復に資するため(to help return Britain to a surplus)」とのこと。

日本の安倍内閣による閣議決定に基づく「2020年までにプライマリーバランス黒字化」と似ていますね…






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612237912839589889





https://twitter.com/YNHiromiya/status/612250295746179072






https://twitter.com/YNHiromiya/status/612419880554360832



前回のエントリーで紹介しました主催団体People's Assemblyの主張――例えば、「国の借金のGDP比が100%超えていようが何だというんだ、むしろ今より成長しとったがな」的な主張など――や、上記のデモの参加者の声など並べてみますと、私が小野盛司さんや丹羽春樹さん、あるいは、河村たかしさんといった方々の影響・刺激を受けて6年前に本を書いて以来主張して来たことと重なる部分が非常に多く、ああ、海の向こうでも同じことを問題視している人達が確かにいるんだな、と感じ入ってしまう今日この頃であります。


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659:【拡散希望】「大規模反緊縮デモ in ロンドン」:主催団体の経済的主張が非常に興味深い――日本のメディアが一切報じないのはなぜ??

2015/06/21 (Sun) 18:49
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ツイッターで何度かにわたって紹介していました、なぜか日本のメディアが報じないロンドンでの大規模反緊縮財政デモの件です。

主催団体の経済的主張が、積極財政派にとって非常に興味深いものとなっています(詳細は後程)。



Saturday 20 June 2015 17.40 BST, The Guardian



・目下、日本のメディアでは一切報じられていないようです。
googleで「ロンドン」、「イギリス」、「英国」でニュース検索しても、日本語ソースで出て来るのはロシアのsputnik日本語版(以前の「ロシアの声」)の記事のみでした。


・日本メディアが報じないのは、日本のメディア自身がイギリスの反緊縮運動にまったく興味がないから、なのでしょうか。あるいは大半の日本国民が興味が持てないと考えてニュース価値がないと日本のメディアが判断したから、なのでしょうか…。


・デモ参加者数は、主催者発表では「最大で25万人」ですが、英ガーディアン紙によるとそれは確認不能(it’s impossible to be sure)であり、実数は7万から15万人と見積もられるとのことです。

・その主催者とはThe People's Assemblyという団体です。Assemblyは集会という意味もありますが、議会、立法府という意味もありますので、日本語で訳すとさしずめ「人民会議」という具合でしょうか。

この響きに「ん?」と感じた方もいらっしゃるでしょう。

「国民会議 National Assembly」ではなく、「人民会議 People's Assembly」…

例えば、この団体の「about」を読むと

7. Vehemently opposes all proposals to “solve” the crisis by discrimination or scapegoating on grounds of disability, race, religion, ethnic origin, nationality, gender, age, sexual orientation or identity.
7.危機の「解決」が、障害、人種、宗教、民族、国籍、性別、年齢、性的傾向や性アイデンティティに基づく差別や貶めによってなされることに、強く反対する

とあります。

うーん・・・。
でも、まあ、例えば日本では外国人にだけ実質認められていた海外にいる(ことになっている)扶養者を対象にした扶養控除による「優遇」などがあったことは、日本人が「差別」される「国籍に基づく差別」と言えますから、このような差別をなくそうという解釈をすれば、まあ許容範囲かな、と。
※外国人の扶養控除問題については、小坪さんのブログをご参照下さい


あと、これ↓

3. Is based on affiliation by individual supporters, unions nationally and locally, anti-cuts campaigns, and other student, pensioner, unemployed, disabled people’s, women’s, Black people’s, youth and LGBT campaigning organisations.

訳は省略しますが、要するにLGBT(レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)も大歓迎というわけです。
私は個人的にはLGBTについてその存在を否定するものではありませんが、積極的に肯定というわけでもない、という具合です。まあ、この問題は深入りは避けます。


…と、上記のような主張をもつ団体ですよ、という点を踏まえつつ、彼らPeople's Assemblyの資料のなかで、積極財政派として非常に興味深い記述を以下、紹介していきたいと思います:

まず、彼らの立ち位置を紹介しているWebページより。

1. A fairer economy for a fairer Britain
1.より公正な英国のための、より公正な経済


Consolidate all current banking institutions into a new publicly owned banking system.
現在あるすべての銀行を新しい公的銀行システムに統合する

(※廣宮は↑日本ではここまでする必要があるとまでは思っていませんが、まあ、こういう考え方もあるか、という感じです)

Makes long term investment in future technology and green production.
将来技術や持続可能な生産のための長期投資を行う

(※これ↑は全面的に賛成です。ヒト、モノ、カネのうち経済で必要不可欠なのはヒトとモノであって、カネは添え物に過ぎない。であるからこそ、自国通貨建ての政府債務は主要問題ではなく従属的問題に過ぎない。ヒトが生きるのに必要なのはモノであってカネではない。モノを充実させるためには将来技術、持続可能な生産のための長期投資は必要不可欠です。モノを充実させることさえできていれば、カネはあとからどうとでもできます)


Repudiate all the US and EU agreements that force open public services to private gain.
民間利益のための公的部門開放を強いる、米国やEUとの協定の拒否

(※これ↑も個人的には基本的に反対する理由のない箇所かと)


Close tax loopholes and tax havens.
租税回避やタックスヘイブンの閉鎖

(※いや、悪くないですね。反テロの意味でも。)


Target the £120 billion of evaded and avoided tax by the super-rich.
超富裕層によって回避された1200億ポンドの税金を標的にする

(※これ↑も個人的には基本的に反対する理由のない箇所かと)


Increase tax on the super-rich and city of London.
超富裕層とシティー(ロンドンの金融街。一説ではこのシティー・オブ・ロンドンこそ世界最大のタックスヘイブンともされています)への増税

(※これ↑も個人的には基本的に反対する理由のない箇所かと。もちろん、イギリスの皆さんが決めることですが!)


Take back control of interest rates and monetary policy from the Bank of England.
バンク・オブ・イングランド(中央銀行)からの、金利と通貨政策の支配権の奪還

(※日本の場合、日銀法で中央銀行は実質的に政府支配・国会支配が担保されているため、英国とは事情が異なると思われます)




次に、
The People's Charater (訳せば「人民憲章」でしょうか)という資料より:

Britain was on its knees after WW2 when the people built the NHS and turned the great industries back to peacetime work – despite a “deficit” much larger than that now. Debt was dealt with through much fairer taxes and the drive to full employment - building hospitals, schools and new homes... boosting the economy.
第二次世界大戦後、人々が国民保健制度(National Health Service)を創設し、多くの事業者が平時の仕事に戻ろうとしていたとき、英国は崩壊寸前であったが、現在よりもずっと大きな「赤字」を抱えていた。借金は、より公正な税制と、経済を活性化させる病院や学校、住宅の建設による完全雇用の達成によって、うまく対処されていた。


As the PCS – the civil servants’ union – points out, “From 1918 to 1961 the UK national debt was over 100% of GDP. During that period the government introduced the welfare state, the NHS, state pensions, comprehensive education, built millions of council houses, and nationalised a range of industries. The public sector grew and there was economic growth.”
PCS(公務員の組合)の指摘によれば、「1918年から1961年の英国の国の借金(national debt)は、GDP比100%を超えていた。この間、政府は福祉国家、国民保健制度、国民年金制度、包括的な教育制度を導入し、多くの公営住宅の建設、広範囲な産業の国有化を行った。公的部門は拡大し、そこには経済成長があった※」。


※ちなみに、1950年から1980年の英国の一人あたり実質GDPの平均成長率は2.47%、新自由主義のサッチャー政権以降の1980年から2010年は1.96%です(データ出典:measuringworth.com)。
 つまり、サッチャー前30年のほうが、サッチャー後30年より成長率は若干高かったというわけです。
 ただし、資本ストック(生産財ストック)の水準が低いほど成長率が高い、という点は意識しておいたほうが良いでしょう(ソローによる成長モデル)。発展途上国、新興国のほうが先進国よりも成長率が高くなりやすい、ということを考えれば、資本ストックがあまり整備されていない終戦直後の英国のほうが、1980年以降の資本ストックがかなり整備された英国よりも成長率の点で有利になると想像すべきと思われます。
 とは言え、サッチャー以前が成長率の点でサッチャー後に劣っていなかったというのは紛れもない事実である、とも思う次第です。


Many politicians, media people and economic pundits say there is now no alternative to spending cuts and job losses, and we have to be scared of what the wealthy might do if we resist their “austerity measures”.
多くの政治家、報道関係者、経済専門家は、歳出削減と失業の増大以外の選択肢は今や存在しないと言い、我々は、我々が「緊縮財政」に反対すれば、この豊かさがどうなるのかと脅される。


It was not true at the end of WW2 and it is not true now. There is an alternative. Our economy could work for the people. We need the courage, determination and organisation to get the message out – and we need a real mass movement of people to do this. No-one will do this for us – the media are largely controlled by millionaires too. We need you, and people like you, to play your part. The Charter shows the way. Please get involved.
第二次第戦後においてそれは真実ではなかったし、今においてもそれは真実ではない。選択肢は他にも存在する。我々の経済は、人々のために機能するのだ。我々には勇気と決断とメッセージを発信する組織が必要なのである。そして我々には、これを為すための、本当の大衆運動が必要だ。誰もこれを我々のためにはしてくれない。メディアもまた、大金持ちに支配されているからだ。我々には各自の役割を果たそうとするようなあなたが、あなた方のような人々が必要である。この憲章が進むべき道を示している。運動への参加を願いたい。






確かに、日本においても英国同様、終戦直後の財政赤字(GDP比)や政府債務GDP比は現在と比べものにならないほど大きかったにもかかわらず、現在よりも圧倒的に高い成長率を達成していたわけです。

ギリシャのように、自らの通貨発行権の権能が及ばない借金を返せと国際機関から迫られているわけでもなんでもない日本も、英国と同様、現在の国の借金よりは将来への技術投資のほうがはるかに重要と言えるでしょう。

羽柴秀吉率いる軍勢に取り囲まれた鳥取城を思えば分かりやすい話です。
当時の鳥取城は、事前に秀吉の命を受けた配下らが商人に扮して相場の倍以上の高値で兵糧を買いあさったため、城中の兵糧がすっかり売り払われ、食い物がなく、小判だけが積み上がった状態でした。カネだけあってモノがない、という状態です。
それで、鳥取城はあっけなく落城という顛末です。

国の借金を減らして政府を黒字化し、そのために将来においてモノを確保し続けるための投資が損なわれるとすれば、国の借金がゼロになろうと、政府が大幅黒字を達成しようと、日本全体がまるで秀吉勢に包囲された鳥取城の如く、いとも簡単に干上がることに相成るでしょう。

とにかく、このような考え方を少しずつ地道に広めるしかないかな、と思う今日この頃であります。


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658:ルービニ教授による“過剰な金融緩和deバブル崩壊”の説明

2015/06/20 (Sat) 16:04
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日経ビジネス最新号(2015年6月20日)に載っていた、サブプライムローン危機やリーマンショックをその数年前から予測していたということで有名になったルービニ教授の記事のご紹介です。

以下、タイトルと要約部分を引用した上で、ごく短く内容紹介をしておきます。


-----
「バブル崩壊への時限爆弾に注意」 
ノリエリ・ルービニ
日経ビジネス2015年6月20日 p.126

金融危機以降の金融政策によって、先進国の金融市場が抱える大きな矛盾が顕在化しつつある。
マクロレベルでは量的緩和で過剰流動性が創出される一方、債券や株式市場の厚みは失われてきている。
現在の過剰流動性が株式や債券市場バブルをもたらしているだけに、放置すれば確実に崩壊の危機に向かう。
-----


以下、廣宮による内容紹介:

・現在は過剰な金融緩和で株や債券が高値安定している状況である。

・ショックが起きたとき、従来は大手銀行が「マーケットメーカー」として債券価格安定を担ってきたが、リーマンショック後規制が厳しくなり、そのようなことができなくなっている(債券市場のマーケットメーカー不在)

・近年、HTC HFT※(コンピューターによる高速取引)が普及しており、これが価格追従型の取引を行うため、市場価格の振幅が増大されやすい。

※訂正です。HFT: High-frequency trading 高頻度取引。なんでHCTと書き写したのかはよく分かりません。何らかの生理的、生物学的要因としか言いようがないという具合です。すみませんでしたm(_ _)m。

・近年、顧客からの解約指示があれば流動性低い商品についても、翌日にはどんな低価格でも売却してなければならない仕組みである投資信託が普及拡大していることによる、不安定化リスクが増大している。

・最近、ドイツ国債の金利が0.1%以下だったものがいきなり0.8%まで上昇したことなどは、上記の理由のようです。

・そして、マクロでの過剰流動性と市場での非流動性のミスマッチがバブル崩壊の引き金を引くだろう、とのことです。

-----


私が頻繁に引き合いに出している国連報告書の説明では、

金融における規制緩和+金融緩和→金融不安定化

という理屈でしたが、ルービニ教授によると、リーマンショック後の規制強化が逆説的に市場の不安定化を招いており、今後もそれが大きなリスクとなりそう、ということになります。






ちなみに、アメリカのとある優秀な株式投資信託(過去37年でMSCI World指数の30倍に対し、この投資信託は106倍になるという好運用成績)の日本版(野村証券で販売。但し手数料の違いで元のファンドとは運用成績は違って来る)の月次レポート(2015年5月29日現在)から、市況見通しに関するコメントを引用してみます:

-----
【今後の運用方針】
株式市場は高値圏での推移が続いていますが、私たちが世界経済に対し様々な懸念を有しているという状況に大きな変化はありません。イエレンFRB議長は年内の利上げを示唆したものの、FRBがどの程度の時間をかけて金利水準を正常化させるかは不透明です。発言通り年内に利上げをしたとしても、利上げ幅が小幅にとどまれば、今後も緩和的な金融政策が継続することに変わりはないかもしれません。私たちは、金利水準が正常化し、様々なリスク資産の価格が割安な水準まで調整することを期待しますが、そうなるまでにはかなりの時間を要すると思われます。

このような状況下でも、安全マージン(予期せぬ事態が生じても、回復不可能な損失を回避できるよう、十分に割安な水準で投資を行うこと)を重視し、質の高い事業や希少な資産を有する企業に割安な水準で長期的に投資を行っていくという、私たちの運用方針に変更はありません。株価水準が高いため、割安な会社を見つけることは困難ですが、エネルギー関連企業など、エネルギー価格下落の結果、割安となっている企業には継続的に投資を行っています。市場全体の下落がなくとも、業種や個別企業特有の要因で割安となった企業には今後も投資を行ってまいります。
-----

上記ファンドはウォーレン・バフェット氏のようなバリュー投資(割安株投資)を行うファンドですが、現在は「金利が低すぎることで、割安(適正な水準以下)の株を見つけるのは難しい」状況であるというわけですね。つまり、「今、まさにバブルっぽい」てなわけです。

いま、株をお持ちの方は、「回復不可能な損失を回避できる」ように手を打っておくのが無難かもしれません。




もう一つ、リーマンショックの2008年も運用成績がプラス(但し、英ポンド建てで)となった、イギリスの投信会社が運用する、日本でもいくつかの証券会社で取り扱っているファンドの月次レポート(基準日: 2015年5月29日)の市況見通しコメントも参考までに:

-----
依然として金融市場に先行き不透明感が残る中、運用においては、様々な状況に対応できるバランスの取れた資産配分を保つことが極めて重要であると考えます。どのような事が将来起きうるかを正確に予見することは大変難しいですが、世界的なデフレ傾向や低水準にある経済成長、国家財政にとって重圧となる水準まで積み上がった債務など、世界経済をとりまく状況に対しては、引き続き細心の注意を払ってまいります。さらに、金融市場の各資産クラスにおいて、量的緩和による資金流入を背景に、本来のファンダメンタル価値とは切り離された相場展開が見られる中、想定外の事象が起こりうる可能性が十分にあることを踏まえ、当ファンドにおいては、資産の保全を最優先とすると同時に、リターン追求に向け、投資戦略に基づいたバランスの取れた資産配分を保つことに焦点を当て、慎重な姿勢で運用に取り組んでまいります。
-----

※今回紹介している投資信託につき、購入を推奨するものではありませんので、念のため(ルービニ教授の指摘している投資信託特有の「リスク」にも留意されたし)。



量的緩和相場にご用心、といったところでしょうか…。


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657:日銀が万が一、債務超過となった時の対応策の検討(その4):政府紙幣と通常国債のハイブリッドな存在、「無期限、無利子で納税時のみ償還可能な国債(納税時優遇措置付き)」というアイデア

2015/06/06 (Sat) 12:42
前回の続きです。(今回の「その4」で最終回)


前回までの流れ:

1.そもそも、債務超過をもたらすような株価暴落はあり得るか?
→「ない」とは言い切れない。よって「あり得る」と仮定。

2.日銀が株価暴落の影響を受けずに済む方法の検討
→政府が政府保有資産を日銀に資本注入して、日銀が「株式簿価<純資産」となるようにしておけば、どれだけ株価暴落しても日銀が債務超過になることはない。ただし、政治的に可能かどうかは別問題である上、事前にそんなことをすると政府・日銀が株式暴落を予測しているといういらざる懸念を市場に与えかねない。

3.株の暴落により日銀が債務超過となってしまった場合の対処法
→暴落してしまった後なら「政府・日銀が株式暴落を予測しているといういらざる懸念を市場に与えかねない」ことは心配無用(すでに暴落しているので!)であるため、「政府が政府保有資産を日銀に資本注入」のハードルが下がる。ただし、それでも政治的に可能かどうかは別。

4.万が一、世界的な株の暴落等により、万が一、日銀が債務超過に陥った場合の為替レートの検討
→通貨発行権の権能が及ばないような債務の問題がない点においては、1992年の英ポンド危機と似ている。しかし、英ポンド危機では中央銀行の債務超過は起きていないので、日銀が仮に債務超過となれば、円の対ドルレートは英ポンド危機以上の下落となる可能性が高い。一方、「通貨発行権の権能が及ばないような債務の問題」があった2008年のアイスランド政府債務不履行と比べると、日本はそのような対外債務の問題が僅少であり、かつ、対外資産>>対外債務(=対外純資産が大幅にプラス)なので、アイスランドほどにもならないと思われる。
 そうすると、仮に日銀の債務超過が起こった場合の円の対ドルレートの下落は、92年英ポンド危機の「7ヵ月で25%」と08年アイスランドの「12ヵ月で55%」の範囲内、インフレ率は最大で+18%以下、10年物国債利回りは6%程度から最悪で15%程度以下になるものと類推される。


以上、これまでの内容をざっと振り返りました。
では、今回の内容に入ります。






5.日銀が万が一債務超過に陥り、かつ、政府が資本注入できなかった場合における、対処法の検討

「日銀が万が一債務超過に陥り、かつ、政府が資本注入できなかった場合」というのはかなりあり得ない状況であるとは思います。しかし、政治的な理由、外的な不可抗力…といいますか、まあ、諸般の事情により、可能性が完全にゼロとも言い切れないので、一応、検討しておきましょう。


(1)民間から日銀への増資を募ることで債務超過を解消する方法の検討


政府が出資できないなら、政府以外、すなわち民間からの出資を募るということが考えられるでしょう。
ただし、出資を募って資本金を増やすとなると、日銀法第八条 「日本銀行の資本金は、政府及び政府以外の者からの出資による一億円とする」を改正しないといけません。
 いや、政府が増資する場合であっても、この第八条は改正が必要となります(これは、政府が日銀に資本注入できない「政治的理由」となり得るかも知れません)。日銀法改正ができないなら、政府が国有財産日銀に寄付をする、という手段もあり得るかも知れませんが、これも法改正まで行かなくとも、国会の議決による承認を要するようにも思われます(予算としての承認など)。それゆえ、やはり政治的な困難さが付きまとうかも知れません。

 それはそれとして。

 民間から出資を募るということにして、仮に、日銀法第八条を改正できたとしましょう。

 まず、「そもそも民間から数兆円もの資金が集まるか?」という問題がありますが、それはあとにすることとして、数兆円の資金が集まったとします。
 すると、政府が55%株主という「政府が親会社」である状況が崩れます。というのも、政府の出資金はわずかに5千500万円に過ぎないからです。
 しかし、日銀の金融調節――いまの年80兆円もの当座預金増発、すなわち「異次元緩和」含む――は、国会で承認された9人の委員――総裁、副総裁含む――からなる委員会で決定されるのであり、株主総会(出資者による総会)で決まるものではありません(日銀法第二十三条、第十五条)。
 また、配当金については、出資金の年率5%以下でかつ財務大臣の承認が必要(日銀法第五十三条)ですので、政府の裁量で配当金は制限されます。さらに、日銀が解散した場合の出資者への払い戻しは出資金を限度とし、それを超える部分は国庫に納入されます(日銀法第六十条)。
 というわけで、出資者は出資金額がいくらだろうと、日銀の金融政策や配当その他の決定権を一切持てないので、出資金が何兆円になろうと、日銀の「支配権」に関して特に気にする必要はないでしょう。
 
 次に、「そもそも民間から数兆円もの資金が集まるか?」という問題について対処法を考えてみましょう。
 日銀の株、というよりは、出資証券はJASDAQで上場されています(証券コード8301)。価値変動があるのであり、出資者は損を被ることがあるわけです。その上、上述の日銀法の規定により配当も無きに等しい、となれば、「そんなもん、新たに何兆円も誰が買いまんねん」という話になってしまいます。
 そこで一つの発想として、政府が最低価格を保証するというのはどうでしょうか。
 でも、普通に価格を保証するとしたら、「いきなり、数兆円分の日銀出資証券の買取を請求される」という事態を防げないので、それでは政府が最初から出資するのと変わらないことになります。

 では、納税の時に限り、日銀出資証券による物納を認めるという形で、その際に買取価格を保証するということではどうでしょう。
 国税の納税においては、現行では相続税に限られるようです(国税庁HP参照。しかも、相続税額が10万円超で、金銭による納付が困難で云々という条件付き)。
 そして、物納が認められる場合の「収納価額」は相続事由発生時の時価となるようです(相続税法の第四十三条と第十一条の二からそのように読めます)。
 さて、相続税に限って「日銀出資証券による物納を認めるという形で、その際に買取価格を保証する」としましょう。相続税法の政令を変えるだけで良いのか、新たにそのための法律を作る必要があるのかはさておき、その買取価格を日銀に対する増資があったときの株価を保証するとしましょう。
 単に増資時の価格を保証するだけなら、配当もないだろうし、現金・預金に対して何のメリットもないので出資への動機づけが弱く資金が思うように集まらないかも知れません。であるならば、相続税の物納時に限り、増資時の価格に1%~2%を上乗せした金額での「買い取り」というか、それを「収納価額」とすることでインセンティブ(動機づけ)を付けるのが良いかも知れません。
 このようにすれば、相続税の納税に備えて、現金や預金の一部を日銀出資証券にしておこうとする需要が生じるでしょう。相続税の納税額は近年、年間1兆円から2兆円で推移しています(国税庁HP参照)。数兆円分の日銀出資証券の価値を支えるには十分な金額ではないかと思われます。
 なお、政府が日銀出資証券で物納を受け、そのまま持っているのであれば「予算が足りない!」ということになるなら、物納を受けたその日銀出資証券をそのまま市場で売却すれば良いだけです。
 「そんなことをすれば価格が下落するのでは?」となりますが、上述のとおり相続税の納税額は年間1兆円から2兆円ありますから、それが需要となり、価格の下支えとなるでしょう。その「相続税の納税額は年間1兆円から2兆円」が全部、日銀出資証券で支払われ、かつ、政府がそれをすべて市場で増資時の価格で売却した、となるばあ、年間で政府はその1%~2%、100億円から400億円の負担増とはなりますが、市場が落ち着き、日銀の債務超過問題が解消された時点で追い追い政府保有の日銀出資証券と日銀保有の国債を相殺していってやればやがてそのような負担も不要になるでしょう(年間100億円から400億円の負担増だけで危機を脱することができるのなら安いものだと思われます)。

 仮に以上のようにして民間資金で首尾よく日銀の債務超過を解消できるとしても、少なくとも日銀法第八条について法改正が必要ですから、それなりに時間がかかるでしょう。そうなると、日銀が債務超過である間、国債価格の暴落による一般金融機関のバランスシートが痛むことによる金融危機に対処する必要が出て来ることになります。


(2)国債価格暴落に対処する方法の検討

 仮に株式市場暴落→日銀債務超過→国債暴落という事象が生じた場合。
 日銀については、前回に書きましたように、国債は簿価評価(償却原価法)で、かつ、減損処理の対象外であり、また、損失引当金は積まない選択肢もあるようですので、国債暴落によってバランスシートは痛まずに済む可能性が高いと思われます。とはいうものの、危機時には「そんなごまかしがまかり通っていいのか!」というような批判が噴出するリスクがあることは、念頭に置いたほうが良いかも知れません。
 一方、市中銀行は、これも前回書きましたように、例えば三菱UFJフィナンシャルグループでは保有国債につき、時価評価される「その他有価証券(満期保有目的でも売買目的でもない有価証券)」が大半を占めるし、満期保有目的の国債も価値が半減すれば減損処理の対象となります。そうなるとバランスシートが痛み、債務超過に陥る可能性が出て来ます。
 
 このようなとき、政治的に可能かどうかは脇に置いた場合、一番単純なのは、日銀や市中銀行の保有国債の全部または一部を、政府が変動金利国債と交換してしまうことでしょう。
 変動金利国債ならば価格変動がなくなりますので、時価評価だ、減損処理だ、債務超過だ、という心配が一切なくなります。
 ただし、政府の金利負担が円レートの急落やインフレの高進とともに急増してしまうというデメリットがあります。国の借金1000兆円に対して数%分の金利上昇があるだけで一気に数十兆円の負担増となり、年40~50兆円の国税の税収が一気に吹き飛ぶレベルです。
 その場合、1年待てば税収がインフレによって増収となります(所得税や法人税など、税金は基本的に課税ベースが過去1年間なので)。この1年を耐え、しのぐのが肝要かと思います。
 一方、この1年を耐えられなければ、インフレ高進時に政府の金利負担を増やす=支出を増やす=財政赤字を増やすことにより、いやが上にもさらなるインフレ圧力を加えることになってしまうということになってしまいます。それでも、金融危機の打撃を緩和するためにはやむを得ないコストである、と考えることもできます。

 ところで。
 金利負担増が嫌なら、金利負担が生じない政府紙幣(無期限、無利子債)を発行して日銀や市中銀行の保有国債を買い取ってしまえ、という考え方もあり得るでしょう。ついでに、政府紙幣を3~4兆円ほど日銀に寄付してしまえば日銀の債務超過もあっというまに雲散霧消!とも考え得るでしょう。しかし、政治的にはかなり難しいのではないかと思います。経済理論的、法理論的に可能かどうかというよりは、政治的に難しい、というのが一番大きいのではないかと思います。

ここまで、まとめますと
・日銀や市中銀行のバランスシートが痛むのも嫌だ、
・変動金利国債も金利負担激増なので嫌だ、
・政府紙幣もとにかく理屈抜きで嫌だ、
となります。

 では、変動金利国債と政府紙幣の中間的存在の国債という発想がないかしら
ということになります。さきほどの、日銀の出資証券の納税時のみ最低価格保証というアイデアの応用すると、 


 無期限、無利子で納税時のみ償還可能な国債(納税時優遇措置付き)

というアイデアがあり得ます。

 無期限、無利子という点では紙幣に近いですが、現金のような「法貨として無限に通用」という機能は持たないという点ではやはり債券である、というハイブリッドな代物であります。
 そして、価格維持のために、さきほどの日銀出資証券と同様、納税時に1%とか2%の優遇措置を付けるわけです(この納税時の優遇措置により「現金よりはお得」となるため、0.5%とかでも良いかも知れません)。

 仮にこのアイデアを使って日銀や市中銀行のバランスシートの損壊を防ぐという場合、発行額は数百兆円に上る可能性があります(ちなみに財務省の資料によると、残存期間10年以上の国債は、普通国債と財融債合わせて600兆円を超えています。なお、金利市場の基準金利としての機能を残すため、既存国債の一部はそのまま残しておくべきでしょう)。
 そうすると、年1~2兆円の相続税だけでは価格維持は難しいでしょう。
 となると、国税全般、さらには国保や国民年金の保険料、地方税などまで広げる必要があるかも知れません。一般政府の総収入(純)であれば年間150兆円~160兆円になります(IMF WEO参照)。納税や保険料納入を控えた個人や企業は「現金で払うよりお得」ということで競ってこの、「納税時優遇 無期限国債」を買い求めることになるものと思われます。

 また、この「納税時優遇 無期限国債」であれば、年間の政府の負担は150兆円~160兆円に対する1%~2%ですので、1.5兆円から3.2兆円の負担増で済みます。変動金利国債の場合と比べて金利負担は圧倒的に小さくて済むわけです。
 さらには、政府紙幣と違い、用途が限定されており(納税時のみ使える)、市場で取引される形態にすることによって発行し過ぎると価格が崩れるリスクがあるため、政府が必要以上に発行を増やす、無制限に増発するというリスクを排除できると考えられます。

 ただし、日銀出資証券のところで述べたように、物納が認められているのは現行、相続税のみです。
 これを「国税全般、さらには国保や国民年金の保険料、地方税などまで広げる」となると、広範囲の法改正が必要となりますので、そこは政治的な難しさが出て来るでしょう(危機において素早くできるかというと、それは疑問)。
 とは言え、政治的難しさは政府紙幣よりは意外と小さいかも知れませんが、どうでしょう。

 
というわけで、
「納税時優遇 無期限無利子国債」
 ・日銀や市中銀行のバランスシートが痛むのも嫌だ→回避可能
 ・変動金利国債も金利負担激増なので嫌だ→金利負担は極めて限定的
 ・政府紙幣もとにかく理屈抜きで嫌だ→あくまでも債券
 ・ただし、税法など広範囲な法改正が必要なので仮に危機時にこのアイデアを使うとしても時間がかかる可能性あり
というアイデアの発表でした。


こう書くとこの「納税時優遇 無期限国債」はいいことずくめのように見えます。しかし、私が意識できていない重大な欠陥があるかも知れません。あくまでも試論という形でのお披露目、ということになります。

 

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