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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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661:TPA成立でTPP交渉加速も、米では反対運動も絶賛加速中の模様

2015/06/25 (Thu) 12:19
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昨日、TPP交渉を阻害していたと目されるTPA(大統領貿易促進権限)法案が米議会で可決成立しました。
このTPP関係で私が習慣にしているのは、ロイターの日本語版と英語版を読み比べることです。というか日本語版はあくまでも要約版のようですので、何が省略されているのをざっと把握する、という具合であります。





ロイター日本語版:

米上院がTPA法案を再可決、TPP妥結へ大きく前進
2015年 06月 25日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P42MK20150624



ロイター英語版:

Congress victory moves Obama's Pacific trade pact forward
議会の勝利がオバマのTPP交渉を前進させる
Wed Jun 24, 2015 Reuters
http://www.reuters.com/article/2015/06/24/us-usa-trade-idUSKBN0P40BJ20150624




記事のタイトルは似たような感じですが、日本語版で省略されている英語版の箇所のうち、興味深いところを引用しておきます:

U.S. labor groups, which fought fast-track, said they will redouble their efforts. "We will vigorously oppose TPP if it continues on its current course," AFL-CIO President Richard Trumka wrote in a letter to lawmakers.
TPA反対運動を展開していた米国の労働団体は、努力を倍加させると言っている。「我々は、これまでの路線通りであるならば、精力的にTPPに反対する」とAFL-CIOの Richard Trumka 議長は、議員ら宛ての書簡で述べた。






さて、TPA法案に関して、日本のメディアであまり報じられていない(とりあえず、私の目に留まっていない)話があります。TPAには、議会が大統領に通商交渉権限を与えるにあたり、「この目標に沿って交渉するように」という通商交渉目標が列挙されています。
本来、このTPAを成立させてから、このTPAに書かれている交渉目標に沿って、ホワイトハウスが他国との交渉を進めるのが筋であるわけです。TPPは、2007年に失効したTPA法案の交渉目標、つまり、2002年、13年も前に定められた交渉目標があたかも有効であるかのように進められてきたわけです。交渉が最終段階に近い状況になって、ようやく交渉目標が定められたという本末転倒な事態です。この問題は、米議会調査局の報告書でも問題視されていました。

さて、「TPPは、2007年に失効したTPA法案の交渉目標、つまり、2002年、13年も前に定められた交渉目標があたかも有効であるかのように進められてきた」という話も、私が知る限りは英語版のロイターの記事だけで、日本語の記事は見たことがありません(探せばあるかも知れませんが…)。

こないだのロンドンにおける大規模反緊縮デモの件でも、英語版のロイターは扱いは大きくなくとも一応は記事がありましたが、日本語版はなし。ブルームバーグは英語版はかなり大きな扱いでしたが、日本語版は記事なし。
 というか、そもそも日本語メディアで記事が一切なかったということに、私は改めて衝撃を受けました。いや、日本語だけでは世界のことは本当に分からんことが多過ぎる、というのが今の日本の実態であると、改めて思う次第であります。とは言え、日本のメディアも間違いなく貴重な情報源ではありますが、それだけでは残念ながら足りていない、というのが正確なところでしょうか。


TPA法案に規定されている交渉目標の件については、ツイッターで簡単につぶやいていましたので、以下にまとめておきます。(「埋め込み」が面倒なのでそのままコピーします^^;)


廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
TPA法案の正式名称:H.R.2146 - Bipartisan Congressional Trade Priorities and Accountability Act of 2015 米議会HPで閲覧可→ https://www.congress.gov/bill/114th-congress/house-bill/2146/text?q=%7B%22search%22%3A%5B%22Trade+Promotion+Authority%22%5D%7D … (続く)

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613527098947297280



廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
TPA法案の最初のほうに「通商目標」が規定されています。「アメリカの輸出業者にとっての障害を取り除く」というのもありますが、「ILO基準の労働者の権利、子供の権利への尊重を促進せよ」とか環境云々という項目も入っています(続く)

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613528901105496064



廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
TPA法案「通商交渉目標 TRADE NEGOTIATING OBJECTIVES」のうち、個人的に一番注目したいのは「(7) 通商促進のために国内の環境や労働法規に基づく保護を弱めることを、協定参加国がしないようにさせる条項を、通商協定に入れることを追及すること」(続く)

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613530567523463169


※(7)の原文は↓こちら
(7) to seek provisions in trade agreements under which parties to those agreements ensure that they do not weaken or reduce the protections afforded in domestic environmental and labor laws as an encouragement for trade;



廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月24日
以上で紹介したような「通商交渉目的」を「秘密交渉」されているTPPがどこまで満たしているか、そして、それを米議会が今後どのように判断するかが、TPPの成否を決定的に左右するでしょう。もう一度、米議会のTPA法案条文のリン ク: https://www.congress.gov/114/bills/hr2146/BILLS-114hr2146eah.xml

https://twitter.com/YNHiromiya/status/613531926603829248





あと、TPP関連では「TPPと米覇権のゆらぎ」のテーマで↓こんな話も

廣宮孝信 Y.Hiromiya ‏@YNHiromiya 6月17日
焦点:米政権の「アジア重視」に暗雲、TAA法案否決で中国の影響拡大も | Reuters http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OX0IN20150617 … … シンガポール外相:“「東アジアとアジア太平洋地域の歴史が書き直されようとしている。米国は現在、主導的な立場にない」と語った”

https://twitter.com/YNHiromiya/status/611088937277218816






「TPPと米覇権のゆらぎ」に関しては、「米国の覇権がゆらいでいるからこそ、米国の巨大企業が自衛のためにISDSなどを通じて企業の権力を強めるべく、TPPを秘密交渉にした上で反対運動が盛り上がらないようにしつつ強力に推進している」というような見方をされている方もいらっしゃいます(どちらかというと中国寄りの見解が散見される方ですが、そこは割り引いて読まれると良いでしょう。私は割り引いて読ませて頂いております)。いや、それにしてもこれは鋭い・・・。




あと、↓こんな話も


https://twitter.com/YNHiromiya/status/612427438287491072



このカナダの「調査実施団体」というのは、自由貿易協定の秘密交渉を監視することが目的のTrade Justice Network (TJN)という団体で、環境団体や農業団体、労働団体で構成されているようです。
そのスポークスマンMartin O’Hanlonの発言の原文は以下のとおり:

TJN spokesman Martin O’Hanlon said that the secrecy surrounding the negotiations is “very disturbing.”

“Most Canadians have no idea that this deal is being negotiated in secret under the guidance of multinational corporations with no input from labor leaders, environmental experts or even MPs,” O’Hanlon said in a statement this week. “It’s frightening that this can happen in a democracy.”




個人的には、今回成立したTPA法案に規定されている交渉目標とこれまでのTPP交渉の内容があまりにもかけ離れていて、米議会で「何じゃこりゃ」となり、アメリカにおいてTPPがきれいさっぱり葬り去られる一方で、日米安保は当面揺るがず、日本が名実ともに自立するための時間が確保される、という状況になることを希望します。
もちろん、これはあくまでも希望的観測に過ぎませんが…




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クリック、ありがとうございましたm(_ _)m 
 


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