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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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110:銀行の国債保有、最高水準[1]

2009/08/31 (Mon) 17:12

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51xJ2bE3HTL._SL160_AA115_.jpg

「国債を刷れ!」「高校生でもわかる日本経済のすごさ!」アマゾンでのご購入は こちらです→ http://www.amazon.co.jp/gp/product/4883926788




先週金曜日の日経朝刊1面トップです。

#本当は金曜日に上げようと思っていたのですが、
若干マニアックな内容になりそうで、
選挙直前の盛り上がっているときに上げてもなー、と思い、
今日になりました^^;


【銀行の国債保有、最高水準 6月末の残高111兆円】

【預金、融資に回らず】

【長期金利は抑制】


銀行に預金の形で集まったお金が国債市場に流れ込んでいる。

資金需要の低迷により銀行が運用難に陥っているためで、

国内銀行が保有する国債の残高は昨秋から急増、

6月末には111兆円台と最高水準に達した。


企業や個人への融資金利の基準となる長期金利の上昇を抑える効果

がある一方、

預金で集めたお金が民間の経済活動に回らない構図も鮮明になっている。



銀行は預金で集めた資金を企業や個人に貸し出しているが、

余った分は有価証券などで運用している。


日銀の「民間金融機関の資産・負債統計」
(オフショア勘定含む)によると、

国内銀行の6月末の預金額は過去最高の約573兆円に拡大。

一方、

貸出金は約431兆円と3カ月連続で減った。


預金から貸出金を引いた「預金超過額」は過去最高の142兆円に達している。

この8割程度が国債に回っている計算になる。


ここまではWeb版にも載っていますが、

紙面版にはこんなことも:

メガバンクの6月末の国債保有額を3月末と比べると、

みずほFG が約19兆円から約22兆円に、

三菱UFJFG が約25兆円から約29兆円、

三井住友FG は約15兆円から約16兆円へ増えた。


「資金需要が低迷しているため、資金をいったん国債に置かざるを得ない」
(メガバンク)という。



銀行では預金が余って余って仕方ないようです。


ちなみに、紙面版では、こんなグラフが:





↑これを見ると、

05年から08年までくらいは

銀行の国債保有残高が減り、

その反対に、

貸出金が増えています。


この時期は景気が良かったわけです。


景気の良いときは資金需要が増える

貸し倒れリスクが小さくなって利ザヤが稼げる'ので、銀行は国債の保有残高を減らし、

民間への貸し出しを増やしていたわけですね。



そしてこの間、実は国債残高全体は一貫して増え続けていました(資金循環統計を見れば分かります)。



国債の残高が増えると民間の借り入れの邪魔をする

という考えの方が以前いらっしゃいましたが、


もしそれが本当なら、

国債残高全体が一貫して増え続けるなか、

銀行の貸出金は減り続けていなければなりませんが、

そんなことは無かったわけです。


結局、

銀行の民間への貸し出しが増えるかどうかというのは、景気次第

ということですね。


これははっきり言って当たり前のことです。

銀行は貸倒れ率以上の金利を稼げないと、利益は出ません。

当たり前のことですが、民間への貸し出しは一定の割合で貸し倒れます。

不況のときは、その貸倒れ率が高くなるわけですから、

銀行としては、貸し出し金利を高くするか、貸出しそのものを減らすしかありません。


で、
この不況で貸し出し金利を高くすれば

借り手の方でも借りにくくなりますし、

例え借りられたとしても、金利負担に耐えられなくなって、
結局は破綻(銀行から見たら貸し倒れ)となる確率は高くなりますね。


また不況のときは、

新規投資しようという企業も、

いっちょローンを借りて家を買おうと言う人も

総体としては減ります。当たり前ですが。


だから、

不況になれば、

銀行による民間への貸し出しというのは、

貸し手も借り手も全体として減ることになります。


しかし、

上のグラフを見ると、

リーマンショック後の08年末前後に貸出金が急激に増えていますね。

これは、きっと政府の債務保証枠の大幅拡大の影響でしょう。



ということで、以上まとめます。



預金で集めたお金が民間の経済活動に回す(銀行の民間への貸し出しを増やす)

ためには、


・国債の残高全体が増えても影響は皆無(上記の通り)

なので、

国債増発をして

・積極財政で景気を良くする

・政府の債務保証枠を拡大する

をやれば良いわけです。


非常にシンプルですね。


ああ、
一応、「国債残高が増えれば長期金利が上昇して」どうたらこうたら
という書き込みをなさろうとしている方むけに書いておきますが、

日本の公的債務残高は上昇の一途をたどっていますが、
90年以降、国債金利はつるべ落としのように下落し、世界有数の低水準のまま
です。

それは、「国債を刷れ!」p.62のグラフでも示していますし、このブログでもどこかで示しています。


是非、
ご自身で日銀などから一次データソースを拾ってきてグラフを作って延々眺めて見て下さい。

当ブログをご覧になっているからにはインターネットにはつながっているのでしょうから、あとはエクセルとやる気さえあればグラフは必ず作れます



金利が高くなるのは、インフレのときに中央銀行が金融引き締めをするときです。

というのは、中央銀行というものは、日銀法第2条にあるような

(通貨及び金融の調節の理念)
第2条
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、
物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。

という理念に基づいて行動する、

つまり、

「物価の安定」のために、「通貨及び金融の調節を行う」からです。


だから、

金利が高くなるか低くなるかは、

政府の借金が多いか少ないかではなく

国全体としてのモノやサービスの需要と供給のバランス(その結果としてのインフレ率)で決まると考える方が自然です。


今の日本は供給過剰、というか、世界中で供給過剰であるため、

各国の中央銀行が金融緩和をしており、どこもかしこも国債の金利が低いわけです。

その中でもとりわけ日本が低いということの意味をもっと素直に受け止めるべきでしょう。


問題は物やサービスの需要と供給のバランスであって、

国の借金のGDP比とか絶対額とかではありません。



物余り→デフレ→金融緩和→資金供給過剰→金利が低い

逆に、

物不足→インフレ→金融引き締め→資金供給不足→金利が高い

となります。



つまりは、

国家財政というものに関して、本当に重要なのは

物やサービスの供給がうまく行っているかどうか

だけです。


国の借金の金額とか規模とかなんとかは枝葉でしかありません。

ただし、
そう言っていられるのは外国からの外貨建ての借金が僅少の場合のみですが。

と言いつつ、究極的には

物々交換さえうまく行けば、何でもありです。



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