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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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125:「そんなに資産があるわけない!」(1)

2009/08/12 (Wed) 13:07
http://x6.cho-chin.com/bin/ll?081850800
アクセス解析


http://ecx.images-amazon.com/images/I/51iN5BfVzDL._SL500_SS75_.jpg

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日本の対外純資産は18年連続世界最大

という話を書くと、

いや、日本にそんな資産はない

とか、

それは時価評価していないに違いない。だからダメだ

といった書き込みやご批判を頂戴するのですが、

その辺り、スッキリしておきたいと思います。


財務省の「対外純資産」日銀の資金循環統計と対応しているという話は「国債を刷れ!」で詳しく書いているのですが、

まず、日銀の資金循環統計は時価評価ですので、

時価評価してないからダメ

というのは、もういいですね。


そのことは、

【個人金融資産「1500兆円」は時価評価】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/12951567.html

ご参照下さい。



ということで、


いや、日本にそんな資産はない、あるわけが無い!

と言う点について、考えて見ましょう。


とりあえず、今年の3月時点の資金循環統計を確認しておきましょう。



出典:日銀「資金循環統計」


いつもは、国内主要4部門だけ見ていましたが、今回は全部門を示しています。

すなわち、

国内主要4部門+対家計民間非営利団体+海外

です。

と言いつつ、
非営利団体は数字が小さい
(といっても純資産で36兆円もあるのですが、上のグラフ上ではどうでも良いくらい小さいです)
ので、まあ、良いでしょう


海外

はというと、文字通り、海外の人たちの日本に対する資産と負債です。

これは、主語を日本に変えると、

海外部門の資産 = 日本の対外債務

海外部門の負債 = 日本の対外債権

です。

このことは、日銀の資金循環統計の「参考図表」を見るのが、一番分かりやすいと思いますので、↓以下に掲載しておきます

(クリックして拡大するか、下のリンクのPDFファイルの2ページ目をご覧下さい)

イメージ 2





私が思うに、

物事を端的に理解・把握するためには、

もの凄い極端な事例を想定してみるということが、非常に良い手段であると考えます。


以前も、「円高で日本が破綻」はない、というのを検証するために、1ドル=1円という超円高を想定し、

輸入原材料費はほとんどゼロ同然ですので、国内での商売は輸入すればするほど儲け放題

になりますね、というのをやりました。

【「超超円高:1ドル1円の世界」を想像してみると…】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/11260520.html



ということで、

そんなに日本の資産があるわけない!

という方への友愛メッセージとして

今日は、

日本の対外資産が完全にゼロになった場合

というのをやってみます。





上の図で、

ピンク色もどきの部分が、海外部門の資産、負債

水色の部分が、国内部門の資産、負債

です。

以前も書きましたが、この「負債」には本来負債ではない株式・出資金も含まれます

これは、日本の対外純資産と、海外部門の対日純資産のバランスを見るには、そうしないと都合が悪いからです。


株式・出資金を負債に含めてこそ、世界の全ての国の対外資産・負債の合計がバランスして純資産・純負債がゼロになります。

ただ、厳密には政府や中央銀行が持っている金とSDR(IMFの引出権)は、負債を伴わない資産として計上されるので、その分だけ純資産はプラスになるのですが




(a)は、現在の状態です。

次に、

(b)と(c)は、国内部門の資産のうち、対外資産がゼロになって消えてなくなる場合です。

その場合、海外部門の日本に対する負債、対日負債も同時に消えます


そりゃそうです。

日本が海外に対して持っている資産(資金循環統計では「対外債権」と書いています)が
海外部門から見たら負債に他ならないのであり、

日本の対外債権がゼロになる、ということは、海外部門は、その日本の債権、自分たちにとっての債務を返さなて良くなった状態なのですから。

つまり、
日本の対外債権がゼロ、海外の対日債務もゼロ、ということになります。


これでめでたく日本の世界最大の対外純資産は消え去り

アメリカに肩を並べる世界屈指の対外純債務国に仲間入り(上図(c))ですが、

残念なことに、これだけでは済みません。



さてさて、

日本の対外資産というのは、具体的には何でしょうか?

海外の株式や債券などですね。

様々な国の企業の株式、あるいは、政府や自治体や公的機関や企業が発行する債券などに広く分散しています(ただ、550兆円の対外資産のうち、100兆円くらいが米国債ですが)。


ということは、です。

日本の対外資産がゼロになるためには、
世界中の政府・自治体・公的機関・企業がことごとく破綻してくれないとなれないわけです。

いや、単なる「破綻」ではダメです。「破綻」しただけでは、債務の一部は返せる状態かも知れません。

海外の様々な政府や公的機関や企業が100%完全に借金を踏み倒し、かつ、株価も完全にゼロ円になってくれないと、日本の対外資産はゼロになれません。



この時点ですでにあり得ない話をしていますが、このあり得ない前提でさらに話を進めてみましょう

世界中が「海外の様々な政府や公的機関や企業が100%完全に借金を踏み倒」さないといけないくらいに完璧に破綻しまくった状態であるなら、

海外の人たちで、対日資産を持っている人々は、当然、そんなことになる前に、日本から資産を引き上げているでしょう。

だって、自分たちが他の国で持っている資産は、上記のようにして、完全にゼロなのですから。

海外の人たちが持っている対日資産・対日債権が300兆円ありますが、これが全部売りに出された場合、どうなるでしょうか?

もちろん、彼らが売りに出した日本国内の企業・公的機関・政府の株式や債券は大暴落です。

もちろん、そうなるとドミノ倒しのように、全ての企業・公的機関・政府は破綻し尽くしますので、

国内部門、つまり、家計、企業、非営利団体、一般政府の資産と負債はことごとくゼロになります(上図の(e))。

ということで、
見事、テトリス、あるいは、ダルマ落とし、あるいは、積み木崩し(?)のように、資産も負債もあとかたも無く雲散霧消しておしまいですね。


ああそうだ、金とSDRは残りますね。
でも、世界中が完全に破綻している状態では、金やSDRに価値などありませんので、やはりゼロです。


さて、
このような「夢幻のごとくなり」な話は終りにして現実に戻りましょう。

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