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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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171:政府支出とGDPの関係

2009/06/10 (Wed) 11:30
http://x6.cho-chin.com/bin/ll?081850800
アクセス解析


政府支出が増えるとGDPが増える。


GDP=民間消費+民間投資+政府支出+純輸出

算式を見れば、あまりにも当たり前のことなのですが…


国家経済に関して、
「国の借金それ自体には何の問題もない」ということと並び

これほど基礎的で重要なことも他にないですので

いま一度、しっかり確認しておきたいと思います。




出典:OECD。日本の政府支出のみ内閣府。


95年-05年の日本を除き、

どの国も、政府支出がものすごい勢いで増えており、かつ名目GDPももの凄い勢いで伸びていますね。

さて、
表の一番右は、名目GDPの増加額が政府支出の増加額の何倍になっていたかを示しています。

95年-05年の日本は、
政府支出が、この表の中でも唯一減少しており、それでも一応は名目GDPが伸びていたので、日本だけは特殊なことに倍数がマイナスになっていますが、

政府支出の伸びと比べて、名目GDPの伸びが3倍とか、5倍というのがザラにあり、中には10倍というのまであります。


政府支出を増やしても名目GDPは伸びないとか、

政府支出を増やしても名目GDPが伸びるのは一時的に過ぎないとかと、

どうしても主張される方がいますが、
いったい全体、
どこにそんな根拠があるのでしょうか?

少なくとも、過去20年の上記表の各国の例を見れば、そんな国は存在しません。

長期的に、政府支出を増やしても名目GDPが伸びないという実例があるというのなら、一つでも、是非示していただきたいものです。


そもそも、

GDP=民間消費+民間投資+政府支出+純輸出

の算式を見て、なんでそんなトンデモ理論が出てくるのか、私にはさっぱり理解できません。

仮に
GDP=500兆円とします。

政府支出を100兆円から1000兆円に増やしたとします。

政府支出が増えてもGDPが増えない、というのなら、

GDP500兆円のまま

政府支出1000兆円それ以外の項目の合計がマイナス500兆円

にならざるを得ません。

となると、

民間消費+民間投資がゼロで、純輸出がマイナス500兆円とかにならなければ、そうはなりません。

そんなアホなことが、あるわけがありません。

政府支出を増やしてもGDPが増えないなんて、世迷言でしかありません。

現実の結果として、
各国で政府支出が増加、GDPも増加しているのですから、

そのような主張はナンセンス以外の何者でもありません。

それでも、
20年は一時的かも知れないですので、もっと長期のデータも見てみましょう


政府支出は伸び続けていますが、それによって民間投資や民間消費が妨げられている様子など、微塵(みじん)も見受けられません。


このBEA(Bureau of Economic Analysis)では
1929年からの米国のGDPのデータを閲覧できますが、

インターネットさえつながっていれば、誰でも見られます。

共産主義者だろうが、新自由主義者であろうが、左翼だろうが極右であろうが、国籍を問わず、誰でもです。

政府支出を増やしてもGDPが増えない。政府支出を増やせば、民間の支出が減る

主張なさる方は、
この誰でも簡単に見られるデータすら見たことがないのでしょう。

これが経済の専門家でない一般の方々であれば見てなくて当然ですし、
経済の専門家がそう言っているからそう思ってたというのも
それは全くもって仕方のないことです。

しかし、

経済の専門家を名乗る方で、
このBEAのデータを見たことすらなく、上記のような主張をされる方は、
あまりにも怠慢というべきでありましょう。

あるいは、他に何かしら特殊な政治目的があるのかも知れませんが…


さて次はもうちょっと細かく。

大恐慌から二次大戦にかけての米国GDPの推移です。




説明書きは、グラフの中に書いたとおりですが、

二次大戦期についてもう少し。


政府支出急増とともに、民間投資は急減しています。

いわば、
「投資」は政府だけ。民間は殆どしない、という形で、
ちょっぴり社会主義チックです。

で、この社会主義的な、なんとなく統制経済な感じの時期ですが、

民間消費がひたすら伸び続けています。

政府がカネを出せば、社会主義だろうと資本主義だろうと、そのカネは民間に渡ります。

そして、民間人は、生活の営みのためにカネを使うわけです。

結局のところ、

政府支出が増えれば、素直に名目GDPが増えています。
(それなりにインフレになっていますが、それ以上に名目GDPが伸びているので、実質でも超プラス成長だったというのは、「国債を刷れ」でも書きましたとおりです。)


あとは、日本のデータも見ておきましょう。

なぜ日本も見るかって?まがりなりにも、世界第二位の経済大国なのですから、しっかり見ておきましょう!!!




アメリカと対照的に、90年代後半からは横ばいですね。

そして、
このグラフからも、

「政府支出が増えてもGDPが増えない」とか
「政府支出が増えれば民間支出の増加が邪魔される」

というのは微塵も見受けられません。



見受けられるのは、
「政府支出が横ばい。GDPも横ばい」とか、
「政府支出と民間投資がだいたい同じくらいの金額で推移」
ということになりますね。


日本の場合は、バブル崩壊以降について少し詳しく見てみましょう。




うーん、これはちっとも面白味のないグラフですね…

ということで、ちと加工して、

90年の値をゼロにして、90年と比べての増え方や減り方を見てみましょう。




90年から96年にかけて、政府支出がひたすら増えていますね。

その間、民間消費もひたすら伸びています。


そして、注目は民間投資です。

90年から93年にかけては、
バブル崩壊のあおりで一気に24兆円ほど減少しました。

しかし、
政府支出がひたすら増え続ける中、民間投資は93年以降、ようやく回復基調に戻っています。

これはどう見ても、
政府支出が民間の支出の邪魔をしているようには見えず
むしろ、
政府支出が呼び水になって民間投資が復活した(というか、復活しかけた)ようにしか見えません

そのことは、
政府支出が横ばい・減少に転じた後
民間消費も横ばいに転じ
民間投資に至っては急激に減速してしまったことを見ても明らかでしょう。


02年から07年の景気拡大局面では、
政府支出が減っている中、

民間投資が景気拡大の牽引になっている様子が伺えますね。
ここで、政府支出が増えていたら、どうでしょうか?
これまで延々見て来ましたように、
政府支出の増加が民間支出の増加を妨げるようなことはないわけですから、

当然、
GDP=民間消費+民間投資+政府支出+純輸出
の算式に従って、名目GDPはもっと増加していたはずですね。

この、
日本における、
近代世界経済史上、極めて稀(まれ)に見る、長期間にわたる政府の支出減少
があった、
02年から07年の期間

日本の名目GDP増加率は、
あまりにも当然のごとく、堂々の世界最低でした。



出典:IMF


ちなみに最近、
中国の潜水艦など軍事向け充電池を作っている中国の企業が、その技術を応用し、
電気自動車向けの高性能充電池の生産・販売をしていると言う話を、テレビで見ました。

軍需産業ですから、当然、政府支出によって育ってきた企業です。

「これだけのデータを見た上でも、まだ『政府支出を増やしてもGDPは伸びない、伸びても一時的だ、政府支出の増加は民間の支出増加を妨げる』という主張を遮二無二に続ける方は、一体何が目的なのかな? もしかして、日本経済を徹底的に弱らせ、立ち枯れさせて、日本が某共和国の『日本省』、または、別の某共和国の『日本道』になって欲しいと願っているのかしら。 あるいは、ただ単純に足し算ができないだけなのかしら…」と思われた方は↓こちらのリンクのクリックをお願い致しますm(_ _)m

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