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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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194:機能する政府-「第三の道」の発想

2009/05/10 (Sun) 13:08


英国ブレア政権「第三の道」路線のブレーンであった、アンソニー・ギデンズ氏。


氏の著書「第三の道」は、「国債を刷れ!」でも、当ブログでも何度も引用させていただいておりました。

そのギデンズさん、
これまで日本のテレビや新聞などのマスメディアでは全く見たことも聞いたこともなかったのですが、
先週、NHKの経済番組でとうとうインタビュー映像を拝見し、
私、素直に感動いたしました^^。


「第三の道」の政治の目指すべきところは、一言で言えば、

公的部門の質と量の両方を充実させる政治


言い換えれば、「機能する政治」の実現です。


英国で、この「第三の道」路線が採用されるに至るまでは、

福祉偏重(量だけの充実)路線の失敗と、サッチャーの新自由主義(質だけの充実)路線の失敗両方の路線ともの見事なまでの失敗がありました。


70年代末にサッチャー政権が生まれるまでの英国は、

「ゆりかごから墓場まで」福祉偏重路線、基幹製造業はほぼ国営という、公的部門の量だけを追求する社会体制でした。

この社会主義的体制では、
あまり努力しなくても生きて行けるわけですから、
社会全体として効率が悪く、「英国病」と呼ばれるような沈滞した経済情勢が長く続いていたとされています。

この生産性・効率性の悪さは、二度のオイルショックでもろに露呈しました。

その辺りは「国債を刷れ!」でもグラフ付き書きましたが、簡単に振り返っておきましょう。

日本が1度目のショックで高インフレになったあと、その経験を活かして官民一体で省エネ・効率化を進めることで、2度目はインフレ率の抑制に成功しました。

それとは対照的に、
英国は2度とも高インフレになりました。
しかも、インフレ率は2度とも、OECD平均を上回ったのです。

次に、
サッチャー政権発足後の新自由主義政策は、
福祉切捨て、なんでも自由競争という路線でした。

自由競争にすれば、社会全体の効率が良くなる、という仮定の下での、「改革」でしたが、
その効率の測定については、私の印象では「儲かるかどうか」だけを基準にしていたように思われます。

そして、それは結果として
効率の悪い、儲からない製造業を衰退させ、代わりに、効率の良い、儲かる金融業を隆興させるものとなったのでした。

この改革で、

実質経済成長率は以前よりも良くなり、高止まりしていたインフレ率も下がりましたが、
失業率はサッチャー以前の5%台から10%台に跳ね上がったまま、一向に下がりませんでした。

そこで、
サッチャーは87年の選挙に向けて、86年から大規模な景気対策を実施しました。

その結果、
失業率は見事に下がりましたが、インフレ率は一気に跳ね上がりました。

製造業が弱いままに、積極財政を行ったために、
モノの供給が全く追いつかなかったのです。

供給が需要に追いつかず、インフレになり、
モノが足りないゆえに輸入も増えて経常赤字も一気に拡大しました。

その状況の中、
インフレ抑制のためにBank of Englandは高金利政策(金融引き締め)を行い、それが実力以上のポンド高を招きました。

そして、その割高となったポンドがジョージ・ソロスに狙われ、その後のポンド危機につながったのです。

結局、
サッチャーの新自由主義政策は、国全体の本当の意味での効率化・生産性の向上はできなかったのです。

サッチャー時代は、大学への予算も絞られ(サッチャー改革に賛同する経済学部には予算を積み増していましたが)、
特に技術系の学部は大打撃を受け
サッチャー時代は技術の発展が著しく遅れてしまったとされています。

つまり、
サッチャー政策は、公的部門の「質」の向上を目指したもののそれは達成できず
単なる公的部門の「量」の削減、そしてそれに伴う「質」の低下を招いたに過ぎなかったのです。

さて、
上記で振り返りましたように、
英国では、大戦後から前世紀末までの50年余の間の壮大な実験

福祉偏重の「量」の充実という路線も、「量」の削減という路線も、そのどちらでも機能する政府は実現できないことを、見事なまでに証明して見せたのです。


その壮大な実験に基づく大いなる反省の下に、

質と量を追求する「第三の道」路線のブレア政権が、1997年に誕生したのです。

繰り返しますが、

1997年には、

公的部門の「量」の削減による公的部門の質の向上の大失敗を経験した上で、

量と質の両方を充実させることで、機能する政府の実現を目指す政権

イギリスにすでに存在していたわけです。


小泉政権は2002年に発足したわけですから、

すでに英国の「第三の道」政権が発足して5年も経っていたわけです。

それなのに、
まるでそれが目に入らなかったかのように、
英国ですでに20年も前に失敗に終わった、
「単なる量の削減による、政府の質の向上」こそが素晴らしいとする政権
日本でできてしまったのには、今さらながら驚くばかりです。

しかも、
サッチャー時代、製造業を弱くし、金融業を強くしたことが、
英国の金融業依存体質という構造的弱点として残り続け
今般の金融危機で、英国がG7の中でももっとも深刻な打撃(通貨暴落、ドル建てGDPの最も激しい下落率)を受けることにつながったと考えられるわけですから、

今さら新自由主義は本当にご勘弁願いたいものです。

ブレア政権下のイギリスと、同時期の緊縮財政政権下の日本の対照的な結果(実質所得の増・減や、貧困率の改善・悪化)については、「国債を刷れ!」で紹介したとおりです。

製造業の強い日本緊縮財政などせず、英国同様の「第三の道」の「量と質の両方の充実」をやっていれば、本来ならば英国以上の成果を出していたはずです。

なお、
イギリスからは「第三の道」路線は学ぶべきですが、

製造業を弱らせて金融だけで生きて行くということだけは、サッチャー政権後半の高インフレや、今般の英国の通貨危機からも明らかですので、絶対に学ぶべきではないでしょう。


次回は、
「国債を刷れ!」では書き切れていなかった
「第三の道」路線の公的部門の効率的運用の具体例(NPO、PFIの活用)について紹介してみたいと思います。

最後に、
冒頭のAFP記事から、もう一つの「第三の道」的発想について紹介してみます:
英首相は、反社会的な行動を撲滅しようというキャンペーンを行っている

イギリスの社会に「尊敬の念」を広めるための多くの手段を打ち出した。

これを政権第三期の中心テーマにしようという考えである。

「よたもの的な」あるいは「粗野な」振る舞いを追放するために、
問題のある家族が「重大・執拗・深刻」な迷惑行為を行った場合には、
立ち退きを命じ、かつ福祉政策の恩恵を施すことを拒絶できるようにしようという狙いである。

こういう取り締まり方法は、従来は、麻薬関係の犯罪に関してのみ行われていたものを、この分野にも拡大することになった。
(AFP 2006年)

「第三の道」の福祉は、

・国民のやる気を殺がないこと、

・努力、社会への貢献をしている、またはしようとしている人にだけ報いる
 (障害者福祉を除く)

というのが基本姿勢ですが、
この基本姿勢に沿っているとは言え、
「良い子にしてないと、福祉もカットじゃ~」というのは実に面白い発想ですね(日本でこんなことをしようとすると、賛否両論あるかも知れませんが…)。


新自由主義者の口癖

「ケインズは死んだ!」

だから、積極財政はもう古い、というのがありますが、

私はそんなことを言う人には、このように言い返したいと思います

「そうですね。でも、新自由主義の大権現、フリードマンも死にましたよ。3年前に74歳で。」


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