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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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201:与謝野大臣、小泉路線に決別!

2009/04/30 (Thu) 18:12
先月10日に財政再建教からの改宗を宣言した与謝野財務大臣

今度は、
プライマリーバランス黒字化の方針を見直すという、素晴らしい発言をされておりました(コメントで情報を頂きました。ありがとうございます!)


与謝野財務相は

プライマリーバランスの黒字化について
「(中略)近年の債務の増加の状況考えると、プライマリーバランスの到達の仕方も難しい」と述べ、現在の経済・財政状況の下では目標に適さないとの考えを示した。

その上で
「税収動向や経済状況などを考えると、国民にわかりやすいメルクマール(注:中間目標、進捗を確認するための目印といった意味のドイツ語らしいです)。が必要になるのではないか」
と語った。

 新たな目標については、債務残高対国内総生産(GDP)比などが指摘されているが、与謝野財務相は「皆が見てなるほどというもので、これからの勉強だ」と述べるにとどめた。

ロイター 2009年 04月 17日

ここに注目です↓

「プライマリーバランスの黒字化」は「目標に適さない」


ついに、プライマリーバランスの黒字化を放棄すると取れる宣言ですね!

これ、プライマリーバランスの黒字化を政策目標に設定した小泉・竹中路線との完全な決別宣言です。


後々になって、NHKの「そのとき歴史は動いた」に取り上げられるのではないかと思うくらい、インパクトがあると思いますが、いかがでしょうか?


プライマリーバランス以外の財政目標はこれから探すとのことですね。

代わりに、債務GDP比などが取り沙汰されているとのこと、実に素晴らしいです。

仮に債務GDP比を財政の管理目標にするとしても

もちろん、昨日の記事に書きましたように、

アイスランドや韓国のような「ヤバい国」の債務GDP比は日本よりずっと小さいのですから

債務GDP比が大きいとかは、「そんなの関係ねえ」です。


小島よしおkojima Yoshio Comedian

あくまでも、
債務の増加以上にGDPを増やすにはどうしたらよいかというのを、
内閣府のシミュレーションなどで検討しながら、政策を粛々と実行して行けばよいでしょう。


この内閣府シミュレーションでは、
公共投資を増やした方が、増やさないよりは債務GDP比はマシになるという結論が得られます。

しかし、これまでの政策目標はあくまでもプライマリーバランスの黒字化でした。

公共投資を増やすと、シミュレーションでも当然赤字が増えることになります。

「シミュレーションでも赤字が増えるから」という理由で、歳出は削られるばかりになっていました。

それが、
政策目標が「財政黒字?そんなの関係ねえ!」ということで、
「債務GDP比を中長期的に減らす」に変更されれば、
当然、シミュレーション結果の別の部分、すなわち
「公共投資を増やした方が、増やさないよりは債務GDP比がマシになる」ということに注目が行くことになります。

内閣府シミュレーションについては、こちら↓をご参照ください
『内閣府シミュレーションによる財政拡大⇒財政健全化の検証』


さて、ここで、
政府、家計、金融機関、非金融企業という主要部門の負債の状況を見ておきましょう



出典:日銀「資金循環統計」

ところで、
今までは、書くとややこしくなるので一切書いていなかったのですが、

実は、日銀「資金循環統計」では、企業(金融+非金融)部門は、自分が発行した株式についても、時価で負債に計上されています。

(このように計上されているため、全部門の資産側の株式と、負債側の株式を全て差し引きするとゼロになります。なお、細かいことを言うと、海外の株式については「株式」ではなく「対外投資」の項目に計上されています。)


でも、自分が発行した株式は、返済義務などもちろんありませんので、これは本来、負債ではありません

上記のグラフでは、
企業の負債側に計上されている株式・出資は取り除いて計算した、
本当の意味での負債を示しています。

さて、
注目点は、過去12年で、主要部門の負債の総額は、
4700兆円くらいで、ほとんど変わっていないということです。

そして、その中でグングン伸びているのが、一般政府負債、つまり「国の借金」です。

国の借金がガンガン伸び
なんと、540兆円→970兆円で1.8倍増なのに、
全体の負債総額は約4700兆円でほとんど変化なし。

ということは、国以外の負債がガンガン減っているわけです。

端的に言えば、

国ばっかり頑張って、借金して、カネ使ってるのに、
民間はガンガン借金返済してカネを使っていない

という状況だったわけです。


↑これで皆様には結構「おーーーーっ!」と思っていただけたと思いますし(勝手に妄想)、今日はここで終わっても良いような気もしますが…


当ブログでは負債だけ見てはいけない
負債だけを見て「資産?そんなの関係ねえ」はダメ!と繰り返し申し上げています
ので、
資産も見てみましょう




2006年以降は急に減っていますが、総額に注目しましょう!

減っている原因は主に株安
08年末でも、5460兆円もあります。

ということで、金融純資産

金融資産5460兆円-負債4740兆円=金融純資産720兆円

です。GDPの1.4倍超です。すごい金額ですね!


でも、「株がどんどん安くなっても大丈夫?」とのご心配もあるかと思いますが、

次の最後のグラフを見れば、今日も枕を高くして眠って頂けることと思います




上のグラフの赤線は、金融純資産から株式・出資(時価)を全て差引いたものです。

つまり、株価が全部ゼロになっても、それでも金融純資産はプラスです。

この株価全部を引いた金融純資産は、ほぼ対外純資産と同じもの(金額でというより概念として同じようなもの)ですが、これが日本は世界最大なわけです。


それでも、07年9月をピークに減っているじゃないか、と思われるかも知れませんが、

G7のうちアメリカ、イギリス、イタリア、カナダは、そもそもこの対外純資産がマイナスですね。

日本はあまりにも巨額のプラスが、少々減っただけです。
まだまだ世界に対してデカイ顔をしていられる状況はビクともしていません。

IMFにポーンと10兆円分のドルを貸し付けられる国なんて、この惑星の上には他にありませんよね^^

また、金融純資産には、当然、不動産その他の有形資産は含まれませんので、普通に貸借対照表を書けば、純資産はもっと巨大な金額になります。念のため。


そうそう、危うく書き忘れそうでしたが、

与謝野馨 財務・金融・経済財政相は…参院予算委員会
社会保障費の伸びを毎年2,200億円抑制する政府方針を見直す方針を表明した
(日経新聞 09年3月26日 朝刊1面)
という記事もありました。実に、素晴らしいですね!

「国の借金がやたら増えた原因は、民間が借金をやたら減らしていたことが、めちゃくちゃ大きな原因だったのねん。それにしても、与謝野さん、プライマリーバランス黒字化放棄宣言で、小泉・竹中路線を完全否定しちゃったのには驚いた!」と思われた方は、こちらのリンクのクリックをお願い致します↓ m(_ _)m

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