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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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211:国債増加は預金増加!【1】

2009/04/21 (Tue) 12:21

【「国債を刷れ!」質問コーナー】はこちらをクリック



昨日のテレ朝「TVタックル」

国の借金に対する論調

かなり良い方向

変わって来ています


VTRでは、「景気対策⇒国債増発⇒財政悪化⇒穴埋めのために消費税増税」

となってはいましたが、


民主党・長島昭久議員

「国には莫大な資産もあるので国の借金は大したことがない」

とような趣旨の発言したり、

福岡政行・白鴎大学教授がそれに同調したりしていました。

↑実はこれ、かなり大きな変化です。



先々月、河村たかし・前衆院議員にお会いしたときは、

・テレビで『国の借金は問題ない』と発言するとほぼ間違いなくカットされた

・TVタックルで『国の借金は問題ない』なんて言おうものなら、
 三宅久之氏に『国の借金が問題ないなんてあるわけないだろう!』と、どやされた

というお話を伺っていたのですが、

昨日の放送では、国の借金は問題ない(「完全に問題ない」というより「あまり問題ない」というニュアンスでしたが)という趣旨の発言が全くカットされておらず

また、

河村さんが「どやされた」という三宅久之さんも昨日のTVタックルには出演されていましたが、昨日は「どやした」様子は全く伺えませんでした^^。

こういう有名な人たちの中でも、「国の借金」に対する意識は、だいぶ変わりつつあるようです。時代が変われば変わるものですね^^。


ところで、
河村たかしさんが立候補される名古屋市長選は今度の日曜日に行われます。
この河村さんの掲げる政策というのが非常に面白いですので、また明日詳しく書いてみたいと思います。

#私、正直これまでは地方自治には全く興味なかったのですが、
 河村先生(やはり直接お会いすると思わず「先生」とお呼びしたくなる、
 非常に魅力的な方です^^)
 のお話を伺うと、非常に興味を持つようになりました^^。


さて、本題に戻ります。
私の「国の借金」に対するスタンスは、あくまでも「大して問題ではない」ではなく、「全く問題ない」です。

これまでも何度か書きましたが、

国債の発行残高の限度は決して現在の民間(特に個人)の預金残高ではありません!


国債を発行+中央銀行によるベースマネー供給⇒「信用創造」で通貨量増加

で、預金はどんどん増えて行くのですから。

この信用創造の過程『結局、国債の何が問題?』図解しましたが、

あの新自由主義の権現・財政出動反対・アンチケインズ

ミルトン・フリードマンさんの「選択の自由」にもその過程の説明がありましたので、以下に引用してみます(第3章。文庫本では上巻のp.174)。
第一次大戦中、とりわけアメリカがこれに参戦した後に、
よくも悪くも連邦準備制度の威力が発揮された。

それまでのすべての戦争のときに(そしてその後もまた)そうであったように、

連邦準備制度は戦費をまかなう通貨印刷機の役割を果たすこととなった。

しかし、
準備制度は、かつてに比べてはるかに複雑かつ巧妙なやり方でそれを行った。

連邦準備銀行が財務省から国債を購入する際、文字通り通貨印刷機を動かして
連邦準備紙幣を印刷し、それで代金を支払うこともある程度は行われた。

財務省はその連邦紙幣で支出の一部をまかなったのだ。

しかし
ほとんどの場合、連邦準備銀行は、財務省の連邦準備銀行預金勘定を通じて
信用を供与することによって国債購入資金を支払った。


ここでちょっと解説です。
仕訳を書いてみますと

政府: 紙幣(資産増加)/国債(負債増加)
連銀: 国債(資産増加)/紙幣(負債増加)

↑ここで、紙幣は連銀にとって返済義務はなく、あくまでも形式的な負債です。

上記の紙幣による国債引受けよりも、

政府: 連銀への預金(資産増加)/国債(負債増加)
連銀: 国債(資産増加)/政府からの預金(負債増加)

のような預金増加による国債引受けの方が多かったということです。


さて、引用を続けましょう:
そして財務省は、その預金を引き当てにした小切手で支出をまかなった

その小切手の受け取り手がこれを自分の取引銀行に預金し、
次にこれを受けた銀行がこれを連邦準備銀行に預金すれば、

連邦準備銀行にある財務省の預金勘定から相当金額が
商業銀行の預金勘定へと移転
されることになり、
その結果、それらの商業銀行の預金準備を増大させることになる。


政府: 財政出動(費用)/連銀への預金(資産減少)
民間: 商業銀行への預金(資産増加)/財政出動(収益)
商業銀行: 連銀への預金(資産増加)/民間からの預金(負債増加)
連銀: 政府からの預金(負債減少)/商業銀行からの預金(負債増加)

「商業銀行の預金準備を増大」とは、商業銀行の連銀への預金の増大のことです。


商業銀行は、こうしてふえた預金準備を自行による政府債の購入にあてたり(※1)、
政府債を購入できるように顧客に貸し付けを行うこと(※2)ことによって、
さらにその金融活動規模を拡大できたわけだ。

この迂回した経路を通じて、財務省は新規に創出された通貨を手に入れ、戦費を支払うことが出来た。

しかし、通貨量の増大は、その大半が現金よりもむしろ商業銀行における預金の増大という形をとった。


※1
商業銀行: 国債(資産増加)/連銀への預金(資産減少)

※2
は、よく分かりませんが、たぶんこんなことでしょう↓

商業銀行: 民間部門(非金融)への貸付(資産増加)/連銀への預金(資産減少)

民間1: 商業銀行への預金(資産増加)/商業銀行からの借入(負債増加)
     事業のための支出(費用)/商業銀行への預金(資産減少)

民間2: 商業銀行への預金(資産増加)/事業からの収益(収益)

商業銀行: 国債(資産増加)/民間からの預金(負債増加)


結局、連銀が国債引受けで増やした政府への預金(=ベースマネー)は、商業銀行への預金となり、その後、商業銀行⇒民間1⇒民間2⇒商業銀行とぐるっと回ることになり、

預金⇒貸し付け⇒預金⇒貸し付け⇒預金⇒国債⇒預金⇒…

のようなループで預金がどんどん膨らんでいくことになります。
これが「信用創造」です。


さて、フリードマンさんがこのプロセスで一つ非常に懸念していることがあります。
インフレの発生です。:
このように通貨量の増大過程が巧妙化しても、
インフレの防止に役立ちはしなかったが、
おかげで通貨量の操作は円滑化された


さて、まとめると
・政府の国債増発+中央銀行によるベースマネー増加(国債買いオペなど)
 は、「信用創造」のプロセスにより通貨量を増加させる。

・通貨量の増加は、インフレをもたらす。

となります。

しかし、
90年代以降の日本は、このフリードマン説「通貨量が増えれば、インフレ」が全く当てはまりませんでした(下図)




1990年から2007年にかけて、
・M2(現金+預金)は1.5倍、現金流通量は、2.3倍にもなっていますが、
・消費者物価指数は1.07倍にしかなっていません!

そして、上図の中で、
消費者物価指数に一番近い動きをしているのは、
自生的支出=政府支出+民間投資+純輸出です。

自生的支出は90年⇒07年で、1.04倍でした。

「国債を刷れ!」でも書いたように、
自生的支出の中で、不況でも能動的に増やせるのは政府支出だけです。

だから
デフレ不況対策については:

FRB議長のバーナンキさんは、
デフレ脱却には中央銀行による金融緩和だけでなく、財政出動が必要だと言っているわけですし、

前回記事のクルーグマンさんも
財政出動こそが
「実際にわれわれが取れる唯一の行動だ。
 今は危機的な状況で、支援が必要な時だ。
 民間部門は自らを支援することはできない」
と言っているわけです。

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