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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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218:「政府紙幣」の整理【3】

2009/04/14 (Tue) 13:53
【2】からの続きです。
【2】はこちらをクリック⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/15064639.html

(2)「日銀からの国庫納付金が減って、増税になるからダメ」について
とりあえず(1)で見たように、
政府紙幣(1万円札)が2千円札のように流通しないということは考えにくいのですが、

仮に、流通せず、全部回収された場合

「日銀からの国庫納付金が減って、政府収入減⇒増税」

ということが、本当にあるのかどうか、に関して見てゆきます。

さて、「お札の回収」ってどんなプロセスでしょう?


(a) 私が銀行に政府紙幣1万円を持ち込み、預金なり、日銀券1万円札と交換してもらったとします。

すると、
(b) 銀行は政府紙幣を、日銀に持ち込みます。

すると、
(c) 日銀は、新しい日銀券を刷って銀行に渡すということもできますが、

それよりも、

(c') お札を渡す代わりに、その銀行に対する当座預金残高を増やす

という方が、きっとスマートです。印刷代すらかかりません!


(c')について、簿記3級的に仕訳を切ると

日銀: 政府紙幣30兆円(資産増加)/当座預金 30兆円(負債増加)

銀行: 当座預金30兆円(資産増加)/政府紙幣30兆円(資産減少)

これで、日銀のバランスシートはどうなるかと言うと:


上記↑のバランスシートが下↓のようになります



日銀の主な収益元は資産欄にある資産からの金利収入ですが、
07年度では、そのうちの最大のものが国債の金利6,820億円です。

そして、
07年度の国庫納付金+法人税は6,546億円(国庫納付金は6,087億円)です。

ここに、
仮に政府紙幣30兆円がまるまる回収されてきても、

資産30兆円増加、負債は金利負担なしの当座預金30兆円増加

となるだけで、

日銀の収益が減る話にもならず、費用が増える話にもなりません。

よって、
純利益は変化せず、国庫納付金も影響を受けません。

なお、
深尾さんの論文では
政府紙幣発行によりインフレが発生すると、
国民にはインフレ税という負担が発生する。
物価上昇により通貨価値が下落するという負担である
という懸念が示されていますが、

金利がインフレ率を上回れば、国民はインフレ税以上の金利収入が得られるので、問題ありません。

例えば、今日現在の米国債1年ものの金利は、ブルームバーグによると0.57%ですが、

最新のインフレ率(2月のCPI季節調整前・前年同期比)は0.2%、季節調整済みでも0.4%です。

1年もの国債の方が、インフレ率を上回っています。

先日紹介したイギリスでもインフレ率3.5%に対して、銀行の預金金利は短期でも長期でも5%以上になっていましたね。

また、ブラジルでは、
最新のインフレ率5.61%に対して、国債の利回り(Yield)が短期から長期まで全部9%を超えています(下図 <ブルームバーグ参照>



日本でも2月のCPI前年同月比はなんとマイナス0.1%、預金金利は当然のようにプラスですから、預金金利がインフレ率を上回っております。

以上から、

政府紙幣は流通しないとも考えにくいですし、流通せず回収されても、それによって問題が生じるということも、考えにくい

と言えそうです。

ちなみに、2千円札については、

流通せず回収されて来た分について
二千円札は、あまり人気がなく、だぶついていて、日銀も職員給与で現物支給をする
日銀HP
というような、笑い話のようなことになっていたようです。

なお、想定される発行総額からして、政府紙幣が2千円札のように流通しない、ということにはならないだろう、というのは上記の通りです。


問題はデフレ解消のために
財政出動+金融緩和を大規模にやることであって、

その手段
・財政出動+国債増発+日銀による金融緩和

・財政出動+政府紙幣発行による金融緩和

2種類があるということです。

そして、重要なのは、より早く&より大規模にできる方を選んで、速やかに実施する
ということです。

また、
できれば「国債増発+日銀による金融緩和」でやってしまえる方が無難
ではあるでしょう。

あとは、
マスコミが、インフレとデフレと経常収支の不均衡についてしっかり勉強した上で、「国の借金が大変だ~」と言いふらすのを止め、「いまは国の借金が問題ではなくて、デフレが問題だ~」と言いふらすようになることが極めて重要です

それにしても、日銀職員の給料に2千円札現物支給には笑えた、と思われた方は、こちらのリンクのクリックをお願い致します↓ m(_ _)m

    http://blog.with2.net/in.php?751771

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