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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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242:比較・日中の景気対策

2009/03/31 (Tue) 15:43
とりあえず、
これを見ているだけで元気になりそうな、「政府の成長戦略原案」の骨子です
(日経新聞 09年3月28日朝刊の1面)




一番下のは麻生さんの趣味(アニメ)かな?と思いますが、新たな輸出産業を育てたいという意図は面白いですね(このコンテンツ輸出のためにアジア中東向けの高速通信回線を国費で借り上げるなどする「シルクロード構想」なるものがあるそうです)。

私がよく引き合いにだす、オバマさんの
「(アメリカの競争力を高めるための)教育、技術、エネルギー的独立への投資」
というような考え方は、

そっくりそのまま日本の競争力を高めるためにも当てはまると思います。
更に言えば、これをやるにはアメリカよりも日本の方がずっと有利な立場にあると思われます。

なお、
この3つの投資は、
将来における生産性の向上を通じて、将来のインフレ圧力を抑制する、という観点からも非常に有用なアイデアです。


ここでもう一つ、上記の日経の表で、

耕作放棄地10万ヘクタールを再生

というのがありました。

日本の場合は、エネルギー的独立には、人間のエネルギーつまり食料供給の外国依存を抑制するという考えも重要で意義のあることですね^^



さて、
上記の表では、技術投資や、エネルギー的独立(石油依存からの脱却)につながる投資が多く含まれている点が非常に心強いですね。

「低酸素革命」では、太陽発電、ハイブリッド車の普及促進など、単に環境に良いから、というだけでなく、石油への依存を低下させる狙いもある、というアピールをもっとしても良いと思います。

なお、太陽発電、ハイブリッド車については、上記日経新聞3面で
(景気対策のメニューがいろいろある中で)
今後の課題は、各方面からの要求制作・事業を効果の高いものに絞り込むことだ。

実現が有力視されているのは、
太陽光発電や次世代自動車への支援など環境対策で需要創出効果が高い政策だ。

数年先まで需要を確保することで、メーカーが安定供給体制を整えコストダウンにつなげることを目指している

つまり、景気対策と、将来への投資(国際競争力の確保)という一石二鳥を狙っているわけですね。

これに関連して
昨日のNHKのクローズアップ現代。

ゲスト出演者(というか解説者)の方(昨日は野菜炒めを作りながらチラ見だったので、どなたかはわかりませんです^^;)が、
自動車に関して、日本政府は世界的に環境規制を強めるように各国に働きかけるべきです。
これは、環境にとっても良いし、技術力のある日本の競争力を高めることにもなります
のようなことをおっしゃっていました。

これは、すばらしいアイデアですね。

これだと、景気対策、技術投資の効果を更に高めるための外交努力、というのもありですね。
目からウロコでした^^。

なお、家庭向け太陽発電の補助については、以下のように、自治体によっては10年ちょっとで投資を回収できるくらいの、補助(266万円のうち103万円くらいの補助)が受けられるケースもあるとのことです。
(日経09年3月26日3面)




さて、中国の景気対策の中身について、最近目に付いたものだけピックアップしてみます
中国、40万店の小売網
年内に整備
農村の消費促進

農村部では食品や雑貨、生活用品などを総合的に取り扱う小売店が不足しており、
既存の約26万店に加え、年内に15万店を増設する。

中国政府は中央・地方の財政支出と国営企業などの拠出金を原資に、農家店1店舗当たり4千-6千元の補助金を支給。

商務省は着存分の26万店だけで、消費支出が中国全体の1%近く…増えたと試算

商務相は「中国の潜在的な消費は8億人を超える人口を抱えた農村にある。今後の約5年間で、全村にこう売り販売網を普及させる」と強調した。
(日経09年3月26日1面)

中国、家電購入の補助拡大
消費刺激策、農村に照準
TCLなど増産に動く

消費刺激策の柱は農民がカラーテレビや冷蔵庫、洗濯機、携帯電話を購入する際に政府が販売価格の13%を補助するという枠組み。…2月から全国に拡大。対象商品も3月からパソコンが加わった。

ハイアール集団は…家電製品の売り上げが急伸し、パソコンも「策に円比2倍の約400万台」の販売を見込む。

先行導入されたテレビや洗濯機では、導入1年で延べ350万人が補助金制度を利用した。家電大手のTCL集団は1月までに対象のカラーテレビを60万台販売」し、家電の販売数量は前年比4割増

(日経09年3月25日7面)

ちなみに、上記記事で、携帯電話についても補助金(13%)が出るとのことで、これについては日本企業も恩恵に預かれそうです
第3世代携帯 中国大手3社、6兆円投資
世界最大市場 インフラを整備

総投資額29兆円
日本勢、受注目指す

3Gは既に日本で普及が進み、中国通信3社と日本通信大手の連携強化が進む見込み。
中国移動はソフトバンクと携帯電話向けソフト開発で提携しており…
中国電信はKDDIが使う「CDMA2000」、
中国聯通はNTTドコモが使う「W-CDMA」を採用。
中国電信はKDDIと、中国聯通はNTTドコモと連携を強化する方針…
(日経09年3月30日1面)

以上だけをみると、

日本では、
先端技術の開発を促進するような形での景気対策に焦点が当てられており、

中国では、
すでにコモディティー化(ありふれたもの)の製品の購入を促進するような景気対策、とにかく需要促進、に目が行っているような感じですね。


上記だけで断言するつもりはありませんが、

日本の技術力に関する競争優位は当面続きそうですね


ただ、
日経ビジネス09.03.16号では、

日本の製造業の競争力を支えて来た、

金型、鋳物、鍛造、金属プレス、電気めっき、などなどの中小企業が

今回の不況で一層追い詰められてしまっている内容の記事が載っていました:
トヨタショック モノ作り危機
現場力死守、最後の戦い

基盤産業を破壊する津波

足元から崩れる「下請けピラミッド」
1990年創業のインクスはITを活用して金型設計・製造期間を劇的に短縮し…大手にのし上がった。携帯電話の試作金型では世界トップだ。2006年には24時間無人で稼動する「ゼロ工場」を長野県で完成させ、低コスト生産体制も整えてきた。最近ではトヨタ自動車やホンダなど自動車大手からも相次ぎ大口受注を獲得していた。

有力金型メーカーである並木金型の…会長は「職人頼みだった金型の世界に、インクスは新風を吹き込んだ。大不況になっても、インクスだけは生き残ると思っていたのだが…」
という、そのインクスは
「昨年9月以降、仕事が半分になり、さすがに対処できなくなった」(社長談)とのことで、今年の2月25日、民事再生法の適用を申請した
のでした。


そして、記事には次のような記述も:
自動車や家電など、日本の製造業大手が世界で飛躍したのは、日本の金型産業が底力を発揮していたからだ。日本の金型技術はそれこそ「モノ作り大国」の金看板だった。

昨年の第4四半期時点で、内閣府の需給ギャップの試算では需要が20兆円くらい不足しているとのことでした。

上記のように供給力は有り余っているわけですし、この状態を放っておいては、
上記のような日本のモノ作りの基盤である下請け中小企業群はかなり深刻なダメージを受けてしまうことになります。

とりあえず政府の経済対策の方向性は良いように思われますので、
あとは出来るだけ大規模な追加経済対策を出来るだけ早く実施していただくことを望みたいところです。

なお、上記日経ビジネス記事の後半では、個別企業の生き残りのための創意工夫についての内容もあります。

個別企業の創意工夫や努力については重要ですし、
実際に取り組んでいる皆さんには頭が下がります。
 
ただ、国の借金が問題だという誤った前提のために仮に政府が財政出動をケチることで需要不足が補いきれず、
日本の製造業を下支えする現場が崩壊してしまっては、
日本全体の競争力が殺がれかねません。

そのためには個別企業の努力とは別にマクロの政策が必要不可欠であると考えます。

たとえば、
今や世界に冠たる日本の自動車産業は1950年代、税制上の優遇や、自動車のほぼ全面的な輸入禁止措置というかなりの保護政策の中で育ちました。

また、米国の軍需産業は世界で突出していますが、これもレーガン時代に政府がガンガンカネをつぎ込ん
できたことが大きい要因と考えられます。

ただ、政府が保護とか助成すると言っても、一社だけにやらせるのではなくて、複数の企業に競争させるわけですから、保護の中にも一定の競争があるわけです。

最適解は、過度な保護や、過度の自由競争ではなく、
適度な保護と適度な自由というところにあると言えるでしょう。

とりあえず、政府は国債をバンバン刷って、将来の競争力を意識した支出を増やして不足している需要を補うべし!と思われた方は↓こちらのリンクのクリックを

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