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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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313:積極財政派、増税派、構造改革派の違い(2)

2008/12/09 (Tue) 01:28

(前号の続き)
 さて、筆者の感触では構造改革派の主張や発言には事実と異なることが多いように思われます。事例を三つ(①~③)紹介しておきます:

①構造改革派の代表格である竹中さんの著書「あしたの経済学」p.52に「競争力のある自動車や電機・電子といった産業は、規制による保護などないか極めて少ない産業です。常に、世界の最先端のマーケットで競争しています」とあるのですが、日本の自動車産業は1950年代には「国内乗用車産業廃絶論」まで出るほど脆弱だったのを、税制優遇・乗用車の輸入禁止措置その他のものすごい保護政策の中で守られながらなんとか育って行ったという時期があったのです。「常に、世界の最先端のマーケットで競争しています」の「常に」というのは全く事実無根です。これは戦争に例えると分かりやすいと思います。何の訓練も受けていない新兵をいきなり実弾飛び交う戦場に送り出したりすれば、どういうことになるかは火を見るよりも明らかです。保護育成すべきは保護育成し、競争を促進すべきは促進する。何でもかんでも自由競争、何でもかんでも保護すればよいというわけではなく、ケース・バイ・ケースで是々非々に対応することこそが適切で健全なあり方であると言えます。

②竹中さんは今年7月ころのフジテレビ「報道2001」に出演されていたときに、他の出演者が「今の経済状況では弱者救済が必要」と発言したのを受けて「世界は日本が財政出動をすることを望んでなんていませんよ。構造改革が進んでいるアメリカは今年も実質GDPはプラス成長の見込みです。」という趣旨の発言されていました。この発言は二重の意味でウソが含まれています。

まず、第一に現FRB議長のベン・バーナンキ氏は議長就任前ですが、2003年に来日の際の講演で

One possible approach to ending deflation in Japan would be greater cooperation, for a limited time, between the monetary and the fiscal authorities.Specifically, the Bank of Japan should consider increasing still further its purchases of government debt, preferably in explicit conjunction with a program of tax cuts or other fiscal stimulus.

日本におけるデフレを収束させるための、一つの可能性のあるアプローチとしては、通貨当局(日銀)と財政当局(政府)がほぼ同時期に、より大規模な共同行動を取ることである。具体的には、日銀が、現在よりももっと政府債務(国債)の購入(引受け)を増やすのと連動して、政府は減税または財政出動をすることが望ましい。

と述べています(03年5月、日本金融学会60周年記念大会講演"Some Thoughts on Monetary Policy in Japan"のp.9から引用。邦訳は筆者)。竹中さんの「世界」の中には世界最大の中央銀行のトップである人物は入っていないようです。彼の「世界」とはどうやら、彼と同じく「財政出動は悪だ」と決め付けているお仲間の皆さんだけが存在する世界のようです。

第二に、今年の5月ごろに実施された所得税等の減税還付(約15兆円)ですが、これは所得税を納税していない世帯にまで小切手を送りつけるという、超が付くほど純粋なバラマキ、財政出動です。この15兆円というのは米国のGDPがおよそ1500兆円なので、その1%に相当します。そして米国では消費性向が70%なので、乗数効果は(減税額×70%)/(1-70%)=減税額×2.3倍となり、15兆円×2.3=35兆円、GDPを名目で2.3%押し上げる効果が期待されます。これだけのものすごい財政出動をしているのに竹中さんはこれを無視し、「構造改革が進んでいる米国は(財政出動しなくても)今年もGDPはプラスの見込み」と言っているのです。ここまで来ると立派な「風説の流布」だと思いますが、いかがですか?


③「ITなどで生産性が高まれば雇用が増える」というのも構造改革派の典型的な主張ですが、これも全くのウソ、とまでは言えないにしても決して正確ではありません。1990年から2000年にかけての米国では:
・ITで生産性が高まったとされる産業は「卸売業」が+62万人、「金融業」は+107万人でそれなりに増えていますが、そのITを支え、ITで最も生産性が高まっているはずのコンピューター・電子産業はなんと-8万人でした。
・一方、生産性が低いままとされる「建設業」は+152万人「医療・社会サービス」は+342万人、「専門職・ビジネスサービス」は+582万人、さらに、非効率の権化であるはずの「公務員」は+238万人でした。
・なお、全体としては+2230万人でした。
(以上、データ出典Bureau of Labor Statistics)
 
 90年代米国では、生産性が低い産業の方がむしろ勢いよく雇用が増えていたのです。構造改革派の言う「生産性が高まれば雇用が増える」とはあべこですね。
 そもそも、生産性が高まれば同じ売上げを稼ぐのに必要な人員は少なくて済むのですから、その産業全体がよほど成長しない限り人があぶれて雇用はむしろ減りかねないのです。
 1990年から2000年にかけて、米国のGDP(実額)は1.69倍、政府支出(実額)は1.46倍になっています。政府支出はGDPと比べてもあまり遜色なく増えていたのです。つまり、「生産性の向上」であぶれた人達があぶれるまま政府がほったらかしにしていた、というようなことはないのです。また、93年から99年までの米国は、伝統的にケインズ色の強い(つまり福祉を重視する)民主党政権(ビル・クリントン大統領)でした。ケインズ色が強いとは書きましたが、より正確にはクリントン政権は英国ブレア政権に先駆けて、市場原理(効率)と福祉国家(社会の安定)の両立を目指す「第三の道」を実践していた、とされています。
 いずれにせよ、90年代アメリカは「歳出削減」をしながら「構造改革」だけで雇用を増やしたなんてことはないのです。政府支出はしっかり増えているし、公務員もたくさん増えているのですから。


と、以上例を挙げましたように、構造改革派の皆さんの主張には事実に基づかないものが多く目に付きます。それでも、まだ構造改革派の主張を信じられます??筆者自身は竹中さんがテレビに出るたびに、「今日はまた、どんなウソをつきはるのかな」と楽しみにしています。アメリカン・ジョークと思えば苦笑いくらいはできないことはありません。とは言え、そんな竹中さんも近頃では「危機的な状況では財政出動も必要です。成田の拡張工事など、将来必要な公共事業を前倒しにしてやれば良いのです」のような感じで積極財政を奨める発言をするようになっていらっしゃいます。構造改革しながらでもなんでもいいですので、とにかく財政出動しろというのなら、筆者も文句はありません^^。
 ただ、今さらながら必要なものにはじゃんじゃんカネを使えとはおっしゃりますが、地域医療崩壊の原因になっている「社会保障費毎年2200億円削減」など、歳出削減の「骨太の方針」を小泉政権のときに打ち出したのはどこの誰だっけ、と思いつつ…

なお、現在の政党別の政策類型はこんな感じです:
自民党:積極財政派(ただし、かなり財政再建派寄り)
公明党:積極財政派(「定額給付金」を推し進めたのは公明党)

民主党:積極財政派
社民党:積極財政派
国民新党:積極財政派
共産党:増税派(金持ち増税、大資本家増税で福祉をやる)

このように書くと、共産党以外はみんな同じ、ということになりますが、野党の積極財政政策は与党のそれよりも財政出動の規模が概ね大きくなっています。

なお、08年12月3日に閣議決定された政府の財政出動路線への方針転換について、各新聞社の姿勢は、毎日新聞の12月7日記事(4面。各社社説の分析)によると
積極財政推進   
  日経・読売
積極財政容認(財政再建の道筋示すこと条件)
  毎日・朝日・東京
財政規律重視   
  産経

となっています。ここで、日経・読売以外は財政再建とか財政規律とか言っていることになります。
 財政再建とか財政規律とかの社説を書いている人達は、果たして、この言葉の意味が本当に分かっているのでしょうか?
 たとえば、欧州ではユーロ加盟国は「財政赤字GDPの3%以内」という財政規律のルールがあります。英国では「公的債務/GDP比40%を維持」というルールです。この二つに共通するのは、財政黒字を目指したり、借金を減らしたりすることを目標にしていることではない点にあります。GDPの3%以内ということは、GDPが増えればその分赤字を増やしていける仕組みですし、公的債務/GDP比40%以内ということは、GDPが増えればそれだけ国の借金を増やして行って良い仕組みなのです。
 なお、なお、ユーロ参加国については今般の金融危機を受けて「欧州単一通貨ユーロ圏では、財政赤字をGDPの3%以内に抑えることが各国に義務付けられているが、欧州委は、09年から2年間に限って上限超過を容認する方針」(YOMIURI ONLINE 2008年11月27日 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081126-OYT1T00861.htm
としています。
 いずれにせよ、このユーロ加盟国や英国の「財政規律」というのは、借金の絶対額を減らそうなんていうルールではまったくありません。だいたい、国家経済の規模が大きくなれば、それにつれて政府支出が増えるのは当たり前であり、それにつれて国の借金が増加の一途を辿るのもこれまたまったく自然のことなのです。

 それに、日本ではデフレという不利な条件があることを忘れてはいけません。デフレではモノの値段が下がる、つまりお金の価値が相対的に高くなります。ということは過去に積み上げた借金の価値も大きくなりやすいのです。そして、これが重要なのですが、政府が支出を減らせば当然それはデフレ圧力です。
 日本ではGDPの約1/4は政府支出で構成されているので、いわば政府は大きなものの買い手です。この大きな買い手が支出を絞ってきているのであれば、とうぜんモノの値段は下がります。そうなるとGDPも当然伸びず、しかもデフレで借金の価値がGDPに対して大きくなってしまいます。この観点からも、政府は支出を増やすべきなのです。

 財政規律と国民生活、どちらが重要かなんて、考える余地もありません。なぜなら、そもそもからして、日本は国の借金は問題ではないし、この国は財政危機でもなんでもないのですから!(国の借金が問題ないという話はこちら:http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/5094959.html

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