2010/10/16 (Sat) 21:40
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↓政治ブログランキング、お陰様で
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皆様、ありがとうございます!!!
前の水曜日に
チャンネル桜の収録があり、
その前準備等々によりブログ更新が滞っておりました。
その収録分、
↓本日10月16日(土)、20:00~23:00放送です
チャンネル桜「経済討論第14弾」(2010年10月16日)
◆経済討論第14弾!上海万博以降の世界経済と日本 Part2
パネリスト:
クライン孝子(ノンフィクション作家)
廣宮孝信(作家・経済評論家)
三橋貴明(作家・経済評論家)
宮崎正弘(作家・評論家)
渡邉哲也(作家・経済評論家)
司会:水島総
(敬称略)
・渡邉さんの、中国からレアアースを止められて困るのは実は日本ではなく…というお話
・クライン孝子さんの、ドイツのハイパーインフレ時のお札の現物披露
・宮崎さんの、中国の新聞や最近訪問したときの写真などから分かる超意外な中国ネタ
・三橋さんの世界経済の最新ネタ
など
見所満載!
さて、
私はというと、
今回は
20枚も
フリップを用意し、7割がたを番組中でお見せいたしました^^。
そのフリップの画像データを↓こちらにアップしておきました(ひさびさにヤフーブログ活用)。
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/27085916.html 今回の当ブログはその
フリップのうち、使いそびれた分を中心にして
世界経済の状況を
さらっと俯瞰してみようと思います。
まずは、
経常収支の不均衡の問題
経常収支というのは、
・海外→自国のおカネの流れ (+)
から
・自国→海外のおカネの流れ (-)
を
差引したものです。
端的に言えば、
経常収支がプラスだと、
海外に貸したおカネが増加 (対外純資産増加) 経常収支がマイナスだと、
海外から借りたおカネが増加 (対外純負債増加) という意味合いになります。
06年までは
経常赤字国の経常赤字が膨らみ続けました。
つまり、
06年までは
海外からの借金でおカネを回している国々が、
海外からの借金を加速度的に増やしたのです。
そして、
07年に
サブプライムローンが弾け、さらに、
08年に
リーマンショックが弾け、
赤字国の海外からの借金依存による世界経済の
膨張がとりあえず止まってしまったのでした。
その
「海外からの借金依存」によって
世界経済のエンジンとなっていたのが
アメリカです。
アメリカは世界の経常赤字の半分を占めていました。
そのアメリカの借金依存による経済拡大が、サブプライムとリーマンでとりあえず止まってしまったのです。
そして、
その
経常赤字の反対側で
貯蓄を増やしたのが
経常黒字国です。
経常黒字国の経常黒字は、もちろん、
経常赤字国の赤字拡大とともに膨張しました。
その
代表的な経常黒字国は
日本、ドイツ、中国です。
日本、ドイツ、中国は、
アメリカ人が借金してモノを買う という場合に、
そのアメリカ人にモノを売って、稼いだおカネを
自分では使わず、アメリカ人に貸し付けて、
さらにアメリカ人にモノを買わせる ということをやっていたことになります(あくまでも
単純化すれば)。
ここで、
経常黒字国は、
アメリカ人にモノを買ってもらうことで経済が回っていました。 一方、
アメリカは経常黒字国からカネを借りることで経済が回っていました。
「どちらか一方が善で、他方が悪」 ということにはなりません。
「お互い様 」
と見るべきでしょう。
ただし、
借金の増加ペースが早過ぎる
というのは、これはまさに
バブルです。
特に、
民間部門の過剰債務
は
簡単に弾けます。
経常収支というのは、
国全体で借金が増えているのか、
貯蓄が増えている(=借金を減らしている)のか
を
見るのに役立ちますが、
今度は
世界全体の民間の収支を見てみましょう。
半年ごとに更新している
IMFのデータベース、
政府の財政収支は
これまでごく限られた国々しか出していなかったのですが、
2010年の10月分からは
名目GDPで世界の98%前後の国々をカバーするようになりました。
さて、
1年ちょっと前の当ブログ
あなたの黒字は他人の赤字![1]
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-91.html あなたの黒字は他人の赤字![2] http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-90.html で見ましたように、
政府収支+民間収支=経常収支 です。
それゆえ、IMFデータベースで
前からある経常収支、今回見れるようになってほぼ世界中の政府収支
から
民間収支=経常収支-政府収支 の式により
民間収支を算出することが可能となりました。
ということで、
上のグラフに戻りますと、
03年から06年にかけてアメリカの民間の収支が赤字化し、その赤字が拡大しました。
この
アメリカの民間の借金の加速度的増加(それにつれて、アメリカの経常赤字も拡大!)
が、
先般の
世界同時好況のエンジンであったわけです。
そのエンジンが、
サブプライム、リーマンショックを経て、
年あたり2兆ドル(約200兆円)もの民間フローの減少を起こし、
これを引き金に、
世界全体の民間の収支が3.6兆ドル(約360兆円)プラス側、つまり貯蓄側にシフトしたのです。
この
民間貯蓄シフトの規模は、世界全体のGDPの約6%に相当します。
(これにより、
世界全体の政府の収支が同じだけ赤字側にシフト。)
ということで、
世界経済の現状というのは、
・経常収支の不均衡拡大が限界に達し、縮小した
・民間が過少貯蓄から過剰貯蓄にシフトした (=民間収支と政府収支の不均衡の拡大)
という状態です。
さて、
ここで
個別国の状況を見てみようと思います。
まずは、
比較的安定している(と思われる)
4ヵ国。
共通点は、
継続的に
政府収支が黒字・・・×
それは
シンガポールだけです。
4ヵ国全てに共通するのは
継続的に
民間収支が黒字、かつ、経常収支が黒字 であるということです。
ここで、
シンガポールは
GDP比20%前後という
やたら大きい経常黒字のお陰で
民間と政府が同時に黒字という荒技を達成しています。
これは
シンガポールが小国であるが故にできる技であって、普通はできません。
なぜなら、
ある国の経常収支の黒字は他の国の経常赤字に依存するからです。
経常赤字に限界があるがゆえに、おのずと経常黒字にも限界が生じます。
さて、
今度は最近
著しい不安定化を経験した国々です。
ことごとく
民間収支の赤字 を経験しています。
面白いのは、
いずれの国も政府の赤字縮小または黒字化 となっていた点です。
政府赤字の縮小や黒字それ自体が
国家経済の安定には何の役にも立たないということがよく分かります。
さて、
恐らくこれらの国々の中で、
一番真っ先に「回復」したのは韓国と思われますが、
その
韓国は
リーマンショック後、ウォンがスコーンと切り下がったがために
経常黒字が一気に拡大。
ウォンが一気に切り下がったため、
大きな外貨建て対外債務を持つ韓国は
一時は危機が囁かれたものの
民間が急激に貯蓄に走ったけれども、外需主導によって経済が立ち直った(?)、という具合です。
これが出来なかったのが
ギリシャです。
ギリシャはユーロ加盟国であるがゆえに、
韓国のような回復パターンが望めなさそうです。
ユーロは安くなったといっても、
ギリシャにとってはユーロは実力以上に高いということになるのではないでしょうか。
一方で、
ユーロ圏全体の落ち込みによるユーロ安の恩恵を受けているのが
ドイツ(2010年の第2四半期において東西統合後最高の4半期実質GDP成長率を達成)
です。
ということで
安定している(と思しき)国々の
共通点は
・経常黒字&民間黒字 不安定化した(と思しき)国々の
共通点は
・経常赤字&民間赤字 (韓国も08年だけですが経常赤字を経験)
でした。
繰り返しになりますが、
これまで、
世界経済を牽引していた主役は
アメリカの民間債務急増 であり、今回の
危機の引き金を引いたのは
アメリカの民間債務が限界点に達したこと
でした。
その後、アイスランドやギリシャなどの借金依存国(対外、民間の借金依存)が
破裂したため、
世界経済の不安定な状況が長引いているわけです。
経常赤字国のアメリカの、しかも、
民間の過剰な借金に頼る世界経済運営というのは
これからは
少々難しいでしょう。
仮に、その
アメリカの民間債務主導で世界経済が回復したとして、
またもやそれ自体が世界経済の不安定要素となる可能性が高いのです。
じゃあ、
誰が牽引するべきか?
やはり
経常黒字国が借金を増やし、内需を増やし、経常黒字を抑える。
それによって
経常赤字国の赤字の増加を抑える。
そのようにして
経常収支の不均衡の拡大を抑えながら、世界経済を安定的に拡大する以外にはないでしょう。
そこで
鍵を握るのは
世界の経常黒字の半分を占める
日、独、中の振る舞いとなります。
日、独、中の
民間部門は
やたら貯蓄好きです。
それ故に
政府が借金を増やすペースを加速する必要があるのですが、
ここで、
日、独、中の政府収支、経常収支、民間収支の絶対額(ただしドル建て)
の
推移を見てみましょう。
日独と比べて
中国が特徴的なのは、
08年→09年で、
絶対額で政府の赤字を急拡大し
かつ、
民間の黒字が減少に転じたことです。(上の方の
GDP比を見ると、もっと明らかに民間の黒字が減少しています)
日独は、
政府の赤字を増やしましたが、
一方で、民間が貯蓄に走っているため、
それゆえに
政府の赤字が増えてもそれほど景気回復に貢献しないということになるわけです。
(但し、この点において、ドイツは日本よりマシですが)
中国は、
政府と民間が、しっかり赤字シフト(黒字減少シフト)しているため、
このデータだけ見れば非常に「優秀」です。
(中身の問題などはあるかも知れませんが…)
ちなみに、
08年から09年にかけての
経常黒字減少額は
日本 0.015兆ドル
中国 0.14兆ドル
ドイツ 0.082兆ドル
となっています。
経常収支の減少額は日本が一番小さいのです。
日本の経常黒字は
07年 0.21兆ドル
08年 0.16兆ドル
09年 0.14兆ドル
で、
中国は1年でほぼ日本1ヶ国分1年分の経常黒字を削減したということになります。
ここで注目すべきは、
09年の中国は
経常黒字をこれだけ減らしながら高い経済成長率を達成した
ということです。
つまり、
内需拡大に成功したということになります(あくまでもデータだけ見れば)。
となると、
残りは日本とドイツです。
日本とドイツの課題は
(1)政府の赤字をもっと急拡大すべき
(2)民間の貯蓄モードを、貯蓄吐き出しモード(または借金拡大モード)に切り替えるべき の二点です。
(1)は
世論がうるさい(「国の借金大変だー」)ので
なかなか出来ないでいるのが実情です。
となると、現実的には
(2)で
民間の借金拡大や貯蓄吐き出し を
誘導することが重要になってきます。
でも、
この景気の悪いときに(2)をやるには、やはり呼び水となる政府の赤字拡大もある程度は必要です。
逆に言えば、
政府の借金の使い道を、
民間の借金拡大&貯蓄吐き出しを引き出すようなものに集中すべき
ということになりましょう。
日独には内需拡大という課題のみならず
次のような問題も考慮する必要があります。
世界経済の安定的拡大の障害として将来、必ず出てくる
資源や食糧の不足
の問題です。
だから、技術投資は必須です。
ということで、
政府の財政拡大は
A.民間借金拡大、民間貯蓄吐き出しを引き出す投資
かつ、
B.技術開発を促進する投資
この2点に重なる部分に特に重点が置かれるべきであるということになります。
長くなったので具体的な話は短めにしておきますが、
現状の子ども手当、農家戸別補償などはA.とB.のどちらにも当てはまらず、
エコポイントやエコ減税&補助金(自動車、家電、住宅)は
一応はA.とB.の両方に当てはまりそうです。
あと、最近出てきた↓これ
「レアメタル対策 1000億円計上へ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101009-00000111-san-bus_all
も、A.とB.の両方に当てはまりそうな気がします。
まあとりあえず、
【アメリカの民間債務バブル】が弾けたいま、
「世界経済の鍵を握るのは、
中国を脇に置けば
日独の内需拡大。
経済規模で見ればとりわけ、
日本の内需拡大、
日本の民間債務の安定的拡大を引き出すことに重点を置いた
日本政府の債務拡大だ!」
と思われた方は、
↓こちらのリンクのクリックをお願い致しますm(_ _)m
http://blog.with2.net/in.php?751771
クリック、ありがとうございましたm(_ _)m
<著書紹介>
【↓著者本人による解説】
・国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一は読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。
・「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。
・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」、「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。
・そして、本書の目的の第二は
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。
・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。
・本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。
・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり、将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか。
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか。
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
本書についての類書との際立った特異点でありましょう。
☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
こちら→ http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc
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わかりやすいデータを公開していただきありがとうございます。
質問ですが、アメリカや中国が自国通貨を刷ってどんどん増やしているのに対して日銀がほとんどやらないことをどのようにお考えでしょうか?
日銀は自国通貨を毀損したりバランスシートを膨らせることを嫌っているのでしょうか?それとも米国からの圧力があるのでしょうか?
2010/10/19 11:13 | 新太 #JbKOQ7W2 URL [ 編集 ]