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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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462:「TPPで農業成長」への違和感+「アジアの成長」は既に取り込み済み!

2012/04/17 (Tue) 14:53

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どうも↓この写真が気に入ってしまったので、TPPネタのときは毎回冒頭に掲載。




TPP=DEATH

米国・シカゴにおける反TPPデモ 2011年9月5日 レイバーデイ

Citizens Trade Campaign




本日は、↓この毎日新聞の論説記事というかコラム記事を題材に、関税についての意外な事実について書いてみます。




水説:農業世界一の日本=潮田道夫
http://mainichi.jp/opinion/news/20120411ddm003070186000c.html
毎日新聞 2012年04月11日 東京朝刊


今回は丸々「書評」である。月刊「農業経営者」副編集長の浅川芳裕さんから新著「TPPで日本は世界一の農業大国になる」(KKベストセラーズ)をいただいた。

 題名がすごいから、ちょっと身を引く人がいるかもしれない。
 日本が世界一の農業大国になる?

 世界一にもいろいろあるだろう。次の基準で日本農業は世界一になれる。
 (1)農産物輸出額
 (2)単位面積当たりの付加価値生産額
 (3)農業投資収入、の三つ。
 私には初めて聞く話が多かった。おそらく大多数の日本人にとっても目からウロコの話ばかりだろう。

 浅川さんの考えは「農業のプロが自由に能力を発揮できるようにせよ」ということに尽きると思う。
 TPPはその契機として意味がある。

 農家とは農水省の定義では
 「農地(経営耕地面積)を10アール以上持っている」か「農地が10アール未満でも年間農作物売り上げ15万円以上」。
 253万世帯存在する。この人々の既得権をすべて守ろうとするとTPPと衝突する。

 そうではなくて、念頭にあるのは主業農家(農業所得が所得の半分以上で、年間60日以上農業をしている65歳未満の農業従事者がいる農家)であろう。それが36万世帯。
 その規模はさまざまだろうが、農業に打ち込んでいる人々だ。

 数は少ないが、鶏肉や鶏卵の99%、飲用牛乳の95%、豚肉、牛肉の92%、野菜の82%を生産している。コメも38%だ。この人々が日本を生産額で中国、米国、インド、ブラジルに次ぐ世界5位の農業大国にしている(これも意外と知られていない事実)。

 「プロ農家」の実例を数多く取材して、この人たちにまかせれば農水省の「TPPで日本農業は壊滅する」などありえず、逆に「世界一」になると確信したに違いない。

 キーワードは輸出である。オランダは面積は小さいが米国に次ぐ世界2位の農産物輸出国である。
 大量の農産品を輸入しそれを上回る巨額の農産加工品にして輸出する。

 日本も自由化で飼料や原料の価格が下がれば、コスト低下で輸出が飛躍的に伸びるだろう。

 内需だけで世界5位の日本農業である。TPPによる自由化で世界一が視野に入ってくる。

 本書には農業のプロ5人の声が収録され浅川説を裏付けている。
 批判者は農業の強者たちによる自由化論だと評するかもしれない。

 しかし、あらゆる農業資源をやる気のあるプロに集中する以外に、日本農業を伸ばす方策があるだろうか。
 浅川さんは先進国農業の常識を日本でもやろうと言っているだけだと思う。(専門編集委員)




もちろん、日本の農業が「世界一」になれればそれに越したことはないかもしれません。

しかし、いくつかの疑問が残ります。


①生産額「世界5位」はTPPで「世界1位」にできるか?

まず、日本農業の生産額「世界5位」ですが、これは関税や戸別所得補償、農業関係のインフラ整備等々を含めた補助金によって保護され、販売価格がいわば「かさ上げ」されていることを考慮する必要があります。

以前紹介しましたOECDの「%PSE」(農業保護率)を見ると、農業に関しては補助金も関税も全廃のニュージーランドと比べれば、日本の保護率が50%なので、単純に言ってしまうと、日本の農業の生産高は保護によって二倍にかさ上げされているということになります。

「%PSE」(農業保護率)の詳しい解説は
こちら
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-438.html




この「%PSE」はあくまでも目安に過ぎず、また、仮にTPPで関税が全廃されても国内産物の価格が輸入産物と完全に同じ価格まで下がることもないでしょうから、生産額がそれだけで半減する、ということもないとは思います。

しかし、TPPに参加すれば価格下落は当然避けられず、廃業する農家が増えることが予想されますから、生産額は増えるよりはむしろ減る可能性が極めて高いと言え、「世界一」どころか「世界5位」からの転落の可能性のほうが高いのではないでしょうか。


こういう話をすると、「いや、農業生産額のうち関税率の高いコメの占める割合は低く、関税率の低い野菜などが多い。よってTPPで関税が撤廃されたからといって農業生産額が低くならない」という反論が返ってくるかもしれません。

確かに農業生産高のうち、関税率が700%(ほんとうはパーセンテージではなく、正確には1kgあたり402円)と高い、米の比率は2割弱でしかなく、関税率の低い野菜や果物が4割近く占めています。



農業生産額(平成22年)tbl_01
農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/tokei/sokuhou/sansyutu_gaisan_10/


しかし、野菜と果物の平均関税率はなんだかんだといって10%です(WTO


そして、残り3割の畜産ですが、
牛肉 38.5%(暫定。基本は50%)
豚肉 1㎏あたり部位によって361円から482円
鶏肉 部位によって10%から20%

※豚肉は100gあたり40円前後となります。スーパーでアメリカ産豚肉はおおよそ100gあたり100円とかで売られています。
それを考えると、販売価格の40%が関税ということになります。
関税率(関税÷輸入コスト)で考えれば100%くらいになるでしょうか。

(細かい関税率は税関HP


で、結局なんだかんだと言って、加重平均した農産物の関税率が15.8%になります(WTO

関税率だけでみてもそれなりに高い数値と言えます。これがゼロになったときに世界5位を維持できるでしょうか…
(上記「農産物の平均関税率15.8%」は、あくまでも輸入産品に関する加重平均であって、国内産品の比率とは別ものです。この「加重平均関税率」へのコメの関税率の寄与度はゼロです。TPPで輸入米が増えれば、関税がなくなるインパクトはもっと大きくなるでしょう)




②自由化で飼料や原料の価格が下がれば、コスト低下で輸出が飛躍的に伸びる?


結論から言えば、残念ながら「自由化で飼料や原料の価格」は下がらないので、コスト低下もありません。

実をいうと最近、Facebookで農家の方から教えて頂いたばかりの知識ですが、

実は、畜産用の飼料は暫定ながらも基本的にすでに輸入関税0%です。


主力(飼料原料使用料の47%を占める。出典:配合飼料供給安定機構)であるとうもろこしも含め、飼料用穀物のいくつかは暫定ながら現行無税税関HP参照)なのです。


また、肥料についても、これは完全にすっぱり無税税関HP

それに、種苗用の産物は無税のものが目立ちます。

つまり、国内の農業を保護育成するために必要な原料(種や肥料や飼料)については、すでにかなりの部分で関税がゼロなのです。

TPP云々はこの点に関してほとんど関係がありません。


③輸出相手国の関税がゼロになれば農業の輸出が飛躍的に伸びる?

実は、TPPの参加表明国のうち、

アメリカ、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア以外の国々とは、日本はすでにEPA(経済連携協定)を提携済みです。

例えば、日本からシンガポールへの輸出関税は完全にゼロ

タイやマレーシア、フィリピン、インドネシアなどのASEAN諸国については
りんご、なし、かき、ぶどう等の温帯果実(国によって対象果実は若干異なる模様)は即時関税撤廃

というEPAが発効済みです。

外務省HP参照 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/


りんご、なし、かき、ぶどうといった温帯果実は、関税を気にせず、これらの国でバンバン売ってしまって良い状態というわけです。


そして、まだ二国間EPAやFTAを結んでいないアメリカですが、
アメリカでも農産物の関税がすでにゼロになっている産物がいくつもあります。

たとえば、
・リンゴ
・チェリー(さくらんぼ)
・緑茶(flavoredフレーバー付きを除く)
・紅茶
・コーヒー
・豚肉(肢肉に限る。ただし、すでに切り分けているでも1.4セント/kg、100gあたり14銭程度)
・牛肉のうちスモークや塩漬けあるいは、タン、肝臓、くず肉

といったものは関税がすでに撤廃されています(ただし、北朝鮮とキューバを除く)。

出典: U.S. International Trade Commission
「米国関税率表(United States Harmonized Tariff Schedule)」
http://www.usitc.gov/tata/hts/


-----
以上見てきましたように、関税だけで見ると

(1)農産物輸出のための門戸は既にかなり開かれている状態です
また、
(2)輸入関税の撤廃がなくとも、農業のための原料については既に基本的に関税がゼロです(輸出農業のための関税コストはすでにかなり抑えられている)

よって、関税制度によって農業の輸出が阻まれているということもないのです。

つまり、「強い農業のためにTPPが必要
とは、私にはあまり、というよりはほとんど全く感じられないのですが、皆様はいかがでしょうか?


もうひとつ付け加えておきますと、
日本からの米国向けの輸出関税(アメリカの輸入関税)

農産物のうち 27%
非農産物(工業製品など)のうち 65.2%


関税フリー(関税なし)です
WTO http://stat.wto.org/TariffProfile/WSDBTariffPFView.aspx?Language=E&Country=JP
のPart B 参照


それに加えて、アメリカとの貿易は日本の全貿易の11%に過ぎません

日本EPAの現状
↑クリックで拡大します

外務省 「日本の経済連携協定(EPA)の現状と主要国・地域の取組状況(平成24年3月)」


しかも、米国への輸出のうち関税がかかっているのは、金額ベースで考えると35%程度(上記の非農産物の無関税率65%を100%から差し引くと35%)ですので、貿易全体の3~4%に過ぎません。

つまり、「アメリカとの貿易を活性化して経済成長云々」というのは少々考え難いのです。貿易全体の3~4%の関税が無税になるだけです。

しかも、TPP参加表明国のアメリカ以外の大半の国々とすでにEPAを締結済みです。

しかも、それらのEPAでは貿易額ベースでほとんど9割超の関税無税化率をすでに達成しています。

EPAにおける無税化率
↑クリックで拡大します
(出典は上記外務省資料)


これを見ると、「アジアの成長を取り込むためにTPPをやります!」というよりは、

「アジアの成長はすでに取り込み済み!」という感じです。


こういう状況で、現政権がなぜここまで、国会軽視の上で無理押しでTPPに参加しようとしているのかはやはり理解に苦しみます。
なにか余程の大人の事情があるのでしょうか?


どうしてもやりたいのなら、アメリカとの2国間EPAをやれば良いのであって、それが「いや、アメリカとの2国間なら交渉で押し切られる」ということで出来ないのであれば、TPPも出来ないはずです。

現在交渉中の日豪EPAは日本の農業がネックでなかなか合意に至らないのですが、TPPにはその「なかなか合意できない」オーストラリアが入っています。

二国間で調整が付かない問題が、なぜ10ヶ国以上の国が関係するより複雑な利害調整のなかで調整がつくのでしょうか?





 今回のエントリーで
 
 TPPのメリットをより一層

 感じられなくなった\(^o^)/オワタ



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<著書紹介>

さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―

(2010/03/02)
廣宮 孝信

さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―

【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

・「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
こちら→
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc



 







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コメント

844:

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

2012/05/22 17:59 | マナー #- URL編集 ]

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