ツイッターで当ブログを共有

廣宮孝信 ツイッター

TPPアンケート

プロフィール

廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

著書

カテゴリ

最新記事

カレンダー

11 | 2016/12 | 01
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最新コメント

ブログランキング

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

全記事表示リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
政治・経済
81位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
経済分析
7位
アクセスランキングを見る>>

お奨め書籍

WTI原油価格

金価格

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

:スポンサーサイト

--/--/-- (--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告

480:米議会予算局「デフレギャップが埋まるまで財政赤字を続けろ!」 

2012/05/30 (Wed) 14:40

政治ブログランキング、いつもクリックありがとうございます!
 

 
人気ブログランキングへ







前回予告した、米国の”議会予算局”のレポートについて。

非常に秀逸です。


まず、米国議会予算局 the Congressional Budget Office  とは?

・まず、URL http://www.cbo.gov/ に「.gov」とついているので、政府機関です。

・同予算局のホームページ上には次のような説明

Since its founding in 1974, the Congressional Budget Office has produced independent, nonpartisan, timely analysis of economic and budgetary issues to support the Congressional budget process.

1974年の設立以来、議会予算局は、独立した、無党派の、時宜にかなった経済や予算関連問題の分析を行い、議会(上院・下院)の予算形成を支援してきました。

(なお、後段では「議会予算局は政策を推奨することはありません」、とも書かれています)



で、今回取り上げるレポート(前回ご紹介の日経記事に出てきたレポート)ですが、


タイトル:
Economic Effects of Reducing the Fiscal Restraint That Is Scheduled to Occur in 2013
2013年に予定されている財政の抑制による経済への影響について


要約版
http://www.cbo.gov/publication/43262

フルバージョン
http://www.cbo.gov/sites/default/files/cbofiles/attachments/FiscalRestraint_0.pdf


要約版では結論がいまいち「?」なのですが、フルバージョンの結論部分が非常に秀逸でした。

さて、当ブログでは要約版とフルバージョンの両方を参照しながら、私なりに要約しておきます。


なお、前回は「破綻論者の皆さんが発狂する内容」と書いてしまいましたが、それは訂正します。

破綻論者の皆さんにも、かなり配慮した内容になっております!





1.短期的な影響

現行法(つまり、すでに可決されている予算関連法)の予算では、
 2013年の前半には実質GDP成長率がマイナス1.3%となると予測。

 全米経済研究所 National Bureau of Economic Research
 が過去に行なってきた判別に従えば、それは"recession 景気後退" と判定
 されることになるだろう。

・もしも立法者が2012年後半になって緊縮財政を取りやめれば
 2013年前半の実質成長率は+5.3%前後になると議会予算局は分析した。


米議会予算局の予測




2.長期的影響
・もしも従来の財政政策(大きな財政赤字の政策)を長期的に維持すると、
 連邦政府の債務残高がGDP比で増加し続け、
 債務の維持が困難になる

  金利負担が増える
  突発的な債務危機が起こる

・だから、どこかで緊縮財政に舵を切ることが必要


「突発的な債務危機が起こる」
 という部分について、私はちょっと疑問です。

 ただ、
 いつまでも高いレベルの財政赤字を続けると、インフレが高進することを通じて
 経済に悪影響を与える、と捉えれば、確かに、それは良くありません。

 そういう意味では納得です。

 高いインフレ率の元で高いレベルの財政赤字を続けると、

  ・政府の収入(税収)は上昇前の低い物価に基づいた収入

  ・政府の支出は上昇後の高い物価に基づいた支出

 にならざるをえないですので、
 財政赤字が予定よりも拡大され、
 それがさらに需要拡大やマネーサプライの拡大となって

 物価をさらに押し上げ、それでさらに財政赤字が拡大

 →物価上昇→財政赤字拡大→物価上昇→…

 という悪循環を通じて国民経済にダメージを与えることになります。

 だから、「どこかで、緊縮財政に舵を切る必要性がある」という部分も納得です。


 なお、アメリカの場合、
 政治的に揉めにもめて債務の上限を更新することができなくなり

 それによって「突発的な債務危機」が起こる可能性はもちろんありますが。


3.結論

An intermediate possibility is to extend some but not all current
policies indefinitely (perhaps with some offsetting
changes in other policies) or to extend or enact certain
policies for a limited period.

(従来の大きな赤字を続ける政策と、現行法による大幅な赤字縮小の政策の)中間的なやり方としては、

・従来の大きな赤字を続ける政策の一部を続けるやり方

もしくは、
・従来の大きな赤字を続ける政策の一部を期間限定で行うやり方

が可能性として考えられる。


In particular, if policymakers wanted to minimize the short-run costs of narrowing the
deficit very quickly while also minimizing the longer-run costs of allowing large deficits to persist, they could enact a combination of policies:

特に、もし政策立案者が、

・急激な財政赤字削減による短期的なコスト
(景気後退などのこと)の最小化と、

・大きな財政赤字を続けることによる長期的なコスト(財政リスク増大のこと)
 最小化

両方を望むのであれば、
そのような政策の組み合わせを実行するという選択肢があり得る:


changes in taxes and spending that would widen the deficit in 2013 relative to what
would occur under current law but that would reduce deficits later in the decade relative to what would occur if current policies were extended for a prolonged period.

税と支出の変更(廣宮注:短期的には大きな財政赤字を許し、後で財政赤字を縮小させるような税と支出のあり方への変更)は、現行法と比べて2013年の財政赤字を拡大することになるだろう。
しかし、その変更は、2010年代の後半において、従来の政策(大きな財政赤字)を長期的に続けることに比べ、財政赤字を小さくすることになるだろう。


Such a combination of policies would use fiscal policy to support demand for goods and services in the short run, while the unemployment rate is high and many factories
and offices are underused, but would impose fiscal restraint to bolster the economy’s production over the longer run, when output and employment will probably be close to their potential.

このような政策の組み合わせは、
短期的には、
 失業率が高く、多くの工場やオフィスが未稼働である間
 財政政策を使ってモノやサービスへの需要を
 サポート(財政赤字で需要を拡大)し、

長期的には、
 生産高や雇用が潜在的な限界に近い状態になったとき
 経済の生産性を支えるべく財政の抑制を課す

というやり方となる。

(廣宮注:

 「失業率が高く、多くの工場やオフィスが未稼働」
 =「デフレギャップのある状態」

 「生産高や雇用が潜在的な限界に近い状態」
 =「デフレギャップが埋まった状態」

 つまり、ここの部分は

 「デフレギャップが埋まるまでは大きな財政赤字を続けるべき」
 
 という意味になります)


That approach to fiscal policy would work best if the future policy changes were sufficiently specific and widely supported so that households, businesses, state and local governments, and participants in the financial markets believed that the future fiscal restraint would truly take effect.

このような財政政策のアプローチは、

・将来における政策変更(つまり、財政赤字縮小/緊縮財政への政策変更)が
 十分明確になっており、かつ、広く支持されているとき、その効果が最大
となる。

・そのため、家計、企業、州および地方政府、および金融関係者は、
 将来の財政抑制が真に効果を発揮するものと信頼することとなろう。


If such policy changes were enacted soon, they would tend to boost output and employment in the next few years by holding down interest rates and by reducing
uncertainty and enhancing business and consumer confidence.

そのような政策変更(つまり、デフレギャップがある間は大きな財政赤字を続け、デフレギャップが埋まったら緊縮財政にするという政策への変更)が、
すぐに実行されれば、
彼ら(つまり、家計、企業、政府、金融機関)は、
金利が低く抑えられ(廣宮注:これはFRBに金融緩和しろと言っている?)、
不確実性が低減され
企業と消費者の信頼性を拡大させることを通じて
今後の2、3年において生産高と雇用を拡大させることになるだろう。


Moreover, enacting policy changes soon would allow for implementing them gradually while still limiting further increases in federal debt and the corresponding negative consequences.

さらに、
政策変更の実行は、
これらのこと(つまり、需要の拡大につながる事象)が段階的に実施されることを許し、
一方で、
連邦債務のさらなる増加に歯止めをかけ、連邦債務の増加に連動する一連の悪い影響を抑えることになるだろう。


Therefore, although there are trade-offs in choosing when policy changes to reduce future deficits should take effect, there are important benefits and few apparent costs from deciding quickly what those changes will be.

それゆえ、将来の赤字削減を有効にする政策変更を選択すると、それにはトレードオフがある(廣宮注:おそらく短期的には連邦債務の拡大というデメリットがあるということを指す)とはいえ、
その政策変更への迅速な決断は、ほとんど犠牲を払うこと無く重大な利益を得ることにつながるだろう。







さて、この米議会予算局のレポートにあるような

「デフレギャップがある間は大きな財政赤字を続け、デフレギャップが埋まったら緊縮財政にするという政策」

というのは、実は


木下栄蔵
さんが2009年に出した著書

「経済学はなぜ間違え続けるのか」

で提唱した考えと、そっくりそのまま同じです。


ちなみに、
木下さんが最近出した↑の本の発展・拡張版が、

「世界がいま陥っている経済学の罠

です(いずれも、徳間出版)。

なお、この↑新しい方の本では、私が何枚かグラフと資料を提供した上で、本文にも若干手を入れています。



ただ、本の作成にまで協力していたのに、私が木下さんの考えをまだ理解し切っていなかった部分があります。

それは、木下さん提唱

恐慌経済、通常経済の定義を

恐慌経済 = 民間が借金を減らし、デフレとなっている経済

通常経済 = 民間が借金を増やし、インフレとなっている経済


と思っていたことです。


これを最近、よくよく伺ったところ、

恐慌経済 = 大きなデフレギャップがある状態(結果として民間が自律的に借金を増やそうとしないような状態)

通常経済 = デフレギャップが無い状態(もしくは、インフレギャップがある状態)

ということでした^^;


今のアメリカは、インフレ率が3%程度あるので、見かけ上は”通常経済”なのですが、

木下さんに言わせると、まだ恐慌経済なのだ、ということです。

というのは、今回の米議会予算局のレポートにあるように、現在の米国は

「失業率が高く、多くの工場やオフィスが未稼働」の状態


つまり、

デフレギャップのある状態であるからです。



「木下理論」では、

恐慌経済=デフレギャップ経済では大きな政府、積極財政が正解

通常経済=インフレギャップ経済では小さな政府、緊縮財政が正解

です。


アメリカの政府機関のひとつが、まさにこの「木下理論」とほとんど同じことを言っていることに、私は驚きを禁じえません。


そして、今回のこのレポートのように、「国の借金大変だ!」の人々への配慮がしっかり入っているところが非常に秀逸だと感じました。

この辺りが私に若干足りないところなのかしら、と思い、非常に感銘を受けました。


また、デフレギャップというよく分からない言葉を使うこと無く、それを「失業率が高く、多くの工場やオフィスが未稼働」という非常に平易で明瞭な言い方で表現しているところも、非常に素晴らしいと思います。



日本の財務省も、こんな文脈で増税を叫べば、もっとスムーズに行くんじゃないかと思います。
(その中で「消費税の増税”利権”」を確保したいなら、それはそれでどうぞ、という具合です。
 つまり、国民全体がもらえる利権を増やす中で、ついでに利権を取る、
 という方法であれば、もっと
簡単に物事が運ぶ、というものです。)




「 

 "歳出を

  増やして無くそう

  デフレギャップ"


   日本でもアメリカでも

   やるべきことは基本、同じですよ、

   野田閣下!




と思われた方は、


↓クリックをお願いいたしますm(_ _)m

人気ブログランキングへ

http://blog.with2.net/in.php?751771
クリック、ありがとうございましたm(_ _)m 
 

YNHiromiyaをフォローしましょう








<著書紹介>

さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―

(2010/03/02)
廣宮 孝信

さらば、デフレ不況 -日本を救う最良の景気回復論―

【↓著者本人による解説】

国家財政やマクロ経済においては常識とは正反対の見方をする必要があります。
本書の目的の第一読者の皆さんにその「正反対の見方」を提供することです。

・「財政黒字は良い」「財政赤字は悪い」。それが一般的な常識的なものの見方でありましょう。

・しかし、実際には
「財政黒字なのに国家破綻」「20年以上財政赤字が続いている国が高度成長を続けている」
ということが世界ではごく普通に起きているのです。

・そして、本書の目的の第二
本当に怖いのは財政破綻ではなく、モノの供給が途絶えてしまう「物流上の破綻」であることを明示することです。

・なぜならおカネというものは印刷や帳簿上の処理で幾らでも創れますが、
国民生活、国民の生存のために必要な食料やエネルギー資源などは、
おカネと違って幾らでも創れるものではないからです。

本書の最大の特徴は、一般の「経済学」では取り扱われることのないこの「物流上の破綻」に焦点を当ている点です。

・この本当に恐るべき「破綻」が起こらないようにするにはどうしたら良いか、
つまり将来において供給不足が起こらないようにするにはどうしたら良いか
そして、それを踏まえた上で、現在の需要不足にどう対応すべきか
この問題の解決策に関して年金問題をも絡めての具体的な提言を行っていることも、
本書についての類書との際立った特異点でありましょう。



☆アンチ対策に役立つ【反「国家破産」的マスコミ記事】は
こちら→
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/folder/1031019.html?m=lc



 







関連記事
スポンサーサイト

マクロ経済コメント(4)トラックバック(0)|

≪前の記事 「アジアの成長を取り込む」=「補助金による成長を取り込む」 ― 「アジアの成長国」じゃ燃料価格の10%前後の補助金⇔日本じゃ税金でマイナス補助金!
≫次の記事 「米景気不安」で戦争の足音が聞こえてしまうのは、心配しすぎ?

コメント

865:

廣宮氏に以前からお尋ねしたいことがあった。
今回の記事と関連するのだが、アメリカではコアCPI、GDPデフレーター、いずれでもインフレが観測されているはずなのに、失業率は高止まりしている。
インフレ率が(一応とはいえ)+に保たれている以上、市場にデフレ期待はないはずだ。しかしながら、依然アメリカ経済が苦境に陥っているのは、三橋貴明らのデフレ害悪論とやや整合性が取れていない。
このことに対する自分の暫定的見解としては
①アメリカのインフレ率は、失業率がNAIRUに達するにはまだ低い=ディスインフレーションである。
②何かしら特別な要因で物価が上昇しており、スタグフレーション的な状態にある。
③これまでの財政出動派の議論は完璧に間違っていて、問題はアメリカ右派の言うような『構造』にある。

ここらへんを想定している。また、バーナンキが昔の論文で日本の問題を需要不足と診断し、その結果として観測される指標の一つがマイナスのインフレ率(デフレ)と主張し、その指標(インフレ率)の不確かさに言及していたことと、この議論は関係あるかもしれない。

これらのことについての見解を、お尋ねしたいのだ。

2012/06/08 09:41 | AAA #- URL [ 編集 ]
866:Re: タイトルなし

AAAさん


この議会予算局の報告書では、あえてデフレギャップという用語を使わず、「失業率と工場やオフィスの未稼働」という状況に焦点を当てているのがミソではないかと思います。

つまり、インフレ率よりも、「失業率と工場やオフィスの未稼働」を解消することが重要だという認識です。

ちょっと極端な事例ですが、第一次大戦後のドイツのハイパーインフレでは、実は景気が良かったそうです。野村證券が戦前に出していた本や1946年あたりの東洋経済新報社の「日本経済年報」でそのような記述があります。

また、アルゼンチンも90年ころでしたか、ハイパーに近いインフレの時は、実は失業率が意外と低く、逆にドルペッグや構造改革によってインフレ退治したときに失業率が高くなりました。現在はその構造改革があったおかげか、2000年代半ば以降はドルペッグ廃止で保護主義、かつ、積極財政気味にもかかわらずインフレ率はそこそこ低め(とはいえ10%くらいはありますが)でかなり高い成長率と低失業率(8%くらいなので)あくまでも以前と比べて低いというだけ)を達成しています(現在は保護主義が行き過ぎている感がありますが)。

つまり、失業率を低くすることにだけこだわるなら、インフレをほとんど気にせず、ガンガン積極財政をやれば良い、ということになります。ただし、やはりインフレも行き過ぎると海外との取引に支障をきたすとか色々不都合が出てくるし、やはりどうしても実質成長率は低下します。
だから、どこかでインフレを止める必要が出てくるのですが、インフレを無理矢理でも止める時は景気がガタンと落ち込み、一時的には相当な犠牲を払うことになります(ドイツは金本位制に戻してあっというまにハイパーインフレを止めましたが、景気があまりにも落ち込みすぎたため、のちにナチスの台頭を生みました)

一番いいのは、インフレ気味に持って行き、しかしインフレ率は最大でも10%以内で抑え、それによって失業率を低めに抑えつつ、いわゆる構造改革をすることで生産性を高めて供給力を高めることを通じてインフレを抑える。それによって、インフレ率と失業率を低減させながら実質成長率を高める。

インフレへの誘導もデフレへの誘導も、マイルドにコントロールしながら高い成長率を維持する。というのが大抵の場合の政府の目標とすべきところではないかと、というのが私の意見であります。いつでも極端なことなら簡単にできますが、振幅が大きすぎると、それはいつの時代も過激な活動グループを台頭させることにつながります。

なお、積極財政をせず、構造改革(というか労働の自由化)で失業率を低く抑えながら成長をも達成することに成功したのがドイツです。しかし、ドイツでもハンブルクの700人逮捕というような騒動が起きているわけです。だから構造改革だけで乗り切ろうとすると、今度は格差拡大(というか貧困の拡大)によって、社会は不安定化してしまいます。職があっても、給料が安すぎる、雇用が不安定過ぎる、ということでは、民衆の不満が爆発してしまうわけです。
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-483.html

アメリカでは積極財政が効かなかったという主張もありますが、少なくともオバマ政権下の大規模財政出動で実質GDPは回復し、過去最大を更新しました。
だから、経済成長はしていますし、積極財政に効果がなかったとは言えないのではないかと思います。ここで重要なことは、格差拡大や貧困や失業を解消することと成長をリンクさせることです。貧困問題を放置していると、OWS運動はさらに拡大し、収集がつかなくなるでしょう。元軍人の参加も増えているのですから。

そして、アメリカの場合は既に3%程度のインフレ率になっているので、積極財政をやるにも創意工夫が日本以上に必要でしょう。そのためには技術投資や製造業の国内回帰を促す減税措置などが重要ではないかと思います。そのような財政拡大に重点を置いて、生産性、供給力を高めることで、失業を解消しながらインフレ圧力を低減させるというのが、一つの方法論ではないかと思います。

なお、シェールガス革命の影響もあり原油価格がこのところ急落しています(当ブログの左一番下にチャートをリンクしています)が、これが物価、インフレ率にどう影響してくるかも興味深いところです。


> 廣宮氏に以前からお尋ねしたいことがあった。
> 今回の記事と関連するのだが、アメリカではコアCPI、GDPデフレーター、いずれでもインフレが観測されているはずなのに、失業率は高止まりしている。
> インフレ率が(一応とはいえ)+に保たれている以上、市場にデフレ期待はないはずだ。しかしながら、依然アメリカ経済が苦境に陥っているのは、三橋貴明らのデフレ害悪論とやや整合性が取れていない。
> このことに対する自分の暫定的見解としては
> ①アメリカのインフレ率は、失業率がNAIRUに達するにはまだ低い=ディスインフレーションである。
> ②何かしら特別な要因で物価が上昇しており、スタグフレーション的な状態にある。
> ③これまでの財政出動派の議論は完璧に間違っていて、問題はアメリカ右派の言うような『構造』にある。
>
> ここらへんを想定している。また、バーナンキが昔の論文で日本の問題を需要不足と診断し、その結果として観測される指標の一つがマイナスのインフレ率(デフレ)と主張し、その指標(インフレ率)の不確かさに言及していたことと、この議論は関係あるかもしれない。
>
> これらのことについての見解を、お尋ねしたいのだ。

2012/06/08 12:20 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
868:

>日本の財務省も、こんな文脈で増税を叫べば、もっとスムーズに行くんじゃないかと思います。
>(その中で「消費税の増税”利権”」を確保したいなら、それはそれでどうぞ、という具合です。
> つまり、国民全体がもらえる利権を増やす中で、ついでに利権を取る、
> という方法であれば、もっと簡単に物事が運ぶ、というものです。)
全体のパイを大きくすれば個々の取り分が増えて、それは財務省も例外じゃないのだから、
財務省はただきちんとお仕事すればいいだけなのにね~って事ですね?
増税が目的化してしまい、得られる利権を減らしてしまっているという本末転倒な状態の財務省なわけですね。

2012/06/08 13:30 | 白珠 #- URL [ 編集 ]
938:AAAさんへ

通貨の下落と資源価格の上昇も視野に入れてみては?

2012/06/25 04:08 | ぷにょ #- URL [ 編集 ]

コメントの投稿

名前
題名
メールアドレス
URL
コメント

パスワード
Secret
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

ブログ TOP


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。