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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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653:日銀が株を買うことの簿記3級的な検討

2015/05/11 (Mon) 17:49
本題に入る前に、近年における私の「基本的に誰の批判もしない」という方針について、少々書いておきたいと思います。




【私が混迷を増す世情において穏当な言動を心がけている理由】

私の「基本的に誰の批判もしない」方針は、概ね2012年に出版した『「国の借金」新常識』あたりから始めたものでした。

その後、ユングやフロイトといった心理学者/精神科医らの著書、それらを読んでやっと自分なりに腑の落ちる解釈ができるようになった老子の第二十八章、さらにはルドゥーやダマシオといった脳科学者らの非専門家向けの著作から得られた知見によって、「基本的に誰の批判もしない」方針をより一層強めたのが昨年出版に至った『日本経済のミステリーは心理学で解ける』ということになります。

最近では、この方針により、できるだけ穏当な表現を心がけてきたこともあり、この1、2年はほとんど批判コメント、罵倒コメントを受けることが皆無となっていました。
 ところがつい先日、久方ぶりに凄まじい罵倒コメント、というか「廣宮はバカだ」と連呼するような外部ブログのリンクをコメント欄に頂いたのでありますが、幸いにも、心や脳の仕組みをみっちり研究していた成果がいかんなく発揮されました。


 以前なら「この〇×△♨…!」と死ぬほどブチ切れていた(もし、相手が面前にいれば余りの非礼千万ぶりにつき、机をバンと叩いて「貴様何様のつもりか?まず四の五の言う前に名を名乗らんか!名乗るべき戸籍上の名前すらないのか?どこの馬の骨か?この無礼者が!」と恐らくは怒鳴りつけていたかも知れない)であろうところを、「ああ、これは生物学的に実に興味深い現象だ」と思うだけで済ませられるようになっています。なんと言いますか、今年は5月上旬にしてすでに台風が7つも発生しているという実に興味深い気象現象が起きていますが、それと同じような自然界において十分にあり得る現象、という感じでしょうか。

私はこれまで何度かこのブログで書いていますように、これから世の中は治世に向かうよりは乱世に向かうと見ています。あくまでも個人的には、ですが。
そうすると、誰のことも批判せず、穏当な表現を心がけていても、より頻繁に「アイツはアホだ、バカだ、〇×△だ」と言われてしまうようになる確率が高くなるでしょう。これは私だけでなく、多くの人々がそのような憂き目に遭いやすくなるでしょう。ましてや、日ごろから舌鋒鋭い論評をしていらっしゃる方(特に政治経済関係)は尚更でしょう。私が『日本経済のミステリーは心理学で解ける』をできるだけ早く出版したいと切望したのは、それに対処するための方法論(の一例)をできるだけ早く世に出しておきたかったという点が最大の理由の一つでした。


私自身は『日本経済のミステリーは心理学で解ける』にまとめた方法論を実践することで、以前なら完全にブチ切れていたところを「ブチ切れてもいいし、ブチ切れなくてもいい」というように自分の意志で選択できるようになりました。

私自身は、「基本的に誰の批判もしない」方針をこれからも延々続けるつもりですが、これは別にすべての人がこうあるべきと言っているわけではありません。これはあくまでも私自身の自由意志による私自身の選択です。自分以外の誰かが言っていたからとかそういうことではなく、私自身の選択です。

私は、「何を選択するか」よりは、「自分の意志による選択であるかどうか」のほうが重要であると考えています。私は、私の内部における主権を、可能な限り自分自身で掌握していることが私自身の幸せであると考えます。自分自身の内部における主権の掌握度が高いほど、私の人生における幸福の量が大きくなるのだと考える次第です。

世の中が乱れれば乱れるほどに、周囲からの影響によって一人ひとりの人間の内部における主権が喪失される危険が高まります。最近も某精神科医の方が自己内部における主権の掌握に失敗し、乱れた感情に流されるがままツイッターで失言したことによって社会的評価を著しく落としてしまった模様です。このようなことが、誰にでもあり得るわけであります。

もちろん、過激な言動によって世の中を変えてやろう、というのも一つの選択肢でしょう。
そのためならル・ボンの大衆煽動技法である「断言・反覆・感染」を大いに活用するのも一つの選択肢でしょう。
あるいは、吉田松陰のように、自らの生命と引き換えに井伊大老ら幕府首脳を相手に敢えて過激な発言を行って世の中を根本的に変えてしまう契機を作ってやろう、というのも一つの選択肢と言えます。
 しかし、ここで重要なのは、古典に通暁し、古今の多様な人々の生き死にについて考え抜いていたであろう吉田松陰は、穏当な発言に終始することで刑死を免れることも自らの意志で選べたかも知れないが、恐らくは、自らの意志で刑死されるほうを選んだ、ということではないかと私は想像します。あくまでも自らの自由意思において、であります(但し、もちろんいくら自由意思と言っても、現代においては居住する国の法体系を遵守する範囲内での活動とすることを強力に推奨致します。念のため)

私は自らの自由意思において、「断言・反覆・感染」を使わず、過激な言動を使わず、可能な限り他者を批判することなく、穏当に、時間をかけて、私自身が人類にとって最大の脅威であると考える「『国の借金』への過大な恐怖」と「富を失うことに対する過大な恐怖(=強欲)」を穏当に解消に導いて行くような活動を地道にしていきたいと考える次第です。

これは私が決めることであって、私以外の誰かが決めることでは断固として絶対にあり得ません。ここだけは敢えて断言させて頂きたいと思います。


【私が多角的な視点で考えることを重視することの二つの意義】

世情が混迷の度合いを増し、秩序から無秩序、均衡から不均衡、調和から不調和に向かう中で、私が上記のように穏当な言動を心がけているのは、自分自身や、できれば私の著述物を読む皆様方に、できる限り秩序、均衡、調和をもたらすようでありたいという願望を持っているからです。

それに当たって、私がもう一つ心がけているのは、多角的な視点で考え、多角的な視点を提供するという方針です。
あらゆる科学、経済学などの社会科学も、物理学や化学などの自然科学も、多角的な視点で検討がなされることによって新たな知見が得られ、それによって発展してきたと言えるでしょう。

『日本経済のミステリーは心理学で解ける』では、例えば、スポーツにおけるイメージトレーニングの効果につき、従来の「効果がある」とする多数の研究事例と「効果がない」とする多数の研究事例が示している矛盾につき、「イメージのやり方によって効果が異なる」というアイデアによって統合し、ものの見事にその矛盾を乗り越えたという話を紹介しました。これぞまさに多角的な視点で考えることによって新たな知見が得られ、研究が発展したという好事例と言えるでしょう。

学問や科学の世界のみならず、どのような問題も、問題があるということは何かしらの矛盾があるということであり、それは多角的な視点で考えることによって矛盾を乗り越え、問題の解決に至るということが常道であると思われます。

「多角的な視点で考える」ということの一つ目の意義はこのように、あらゆる種類の発展や問題解決にとって必要不可欠な要素であると考えられること、となります。

二つ目の意義は、多角的な視点で考えるということは、精神が乱れたときに平衡を取り戻したいという場合にも大いに役立つと考えられることです。詳細は『日本経済のミステリーは心理学で解ける』に書いた通りですが、例えば上のほうでも少し書きましたように、心理学とか脳科学とか生物学とか、あるいは、全く別の分野の知見からいま抱えているような問題に比喩的に似ている例え話を引っ張り出せば、より素早く精神の平衡を取り戻せる確率は高まるでしょう。

逆に言えば、多角的な視点で考えることを否定し、放棄するということは、成長すること、発展すること、不均衡に均衡をもたらすことを否定し、放棄することに等しいということになります。
 ある人がそのような方針を採ることと決めたならば、その人は残りの人生における成長、発展を放棄し、精神に不均衡が生じたときも不均衡のまま放置することを決意したに等しく、そのような人物がいたとすれば、残念ながら、私にはそのような方は残りの人生を生ける屍(しかばね)として生きることを決意したように見えます。
 私自身は残りの人生をゾンビのように生きるようなことはしたくないと常々思う次第であります。あくまでも、私自身が私自身の自由意思によってそのような選択をした、ということです。





とまあ、前置きが随分と長くなってしまいましたが、以下、本題です。


久方ぶりに簿記の「仕訳(しわけ)」の登場です。
だいぶ以前に書きましたように、「どのような経済取引も必ず簿記の仕訳で表現できる」という原則があると私は考えているのですが、その原則に従って日銀が株を買う――より具体的には2013年以降の量的緩和における株式指数ETFとREITの買入れ――という話を考えます。
が、その前に日銀の「指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領」から、概要をかいつまんで述べておきます。


【日銀資料に基づく株式指数ETFやREITの買入れ方式概要】

従前の「株式買入れ」が銀行の保有株のみを対象としていたのと違い、今般の株式指数ETFやREITの買入れは市場から直接買う。ただし、信託銀行に委託する方法は不変。

・株式指数ETFは「東証株価指数(TOPIX)、日経平均株価(日経225)またはJPX日経インデックス400(JPX日経400)に連動するよう運用されるもの」に限定。

・REITは「「適格担保取扱基本要領」(平成12年10月13日付政委第138号別紙1.)に定める適格担保基準を満たすものであること。また、原則として、金融商品取引所において売買の成立した日数が年間200日以上あり、かつ当該金融商品取引所で行われた年間の売買の累計額が200億円以上であること」が条件

まあ、これ以上は長くなるので止めましょう。

一番のポイントは、今般のETFやREITの買入れは、従前の株式買い入れや国債買入れと異なり、日銀が量的緩和で増やした当座預金が、かなり直接的に株を持っている個人や企業のフトコロを潤すような仕組みになっているという点です。


では、以下の図において簿記3級的な仕訳を検討します。



nichigin-buying-stock.png


・上の図において、話を簡単にするため、日銀からETFやREITの買入れを委託される信託銀行や個人株主が売却取引を行う証券会社や売却資金を受け取る預金口座がある銀行は、連結決算としています。ここを個別に検討し出すとあまりにも複雑になるためです。

・言葉でこの一連の過程を説明すると、以下のようになります:

①日銀が日銀における当該銀行の口座の当座預金を増やし、

②それを代金として日銀が株を購入します。

③売主はここでは個人としてますが、別に非金融企業でも構いません。市場=証券取引所で売買するからには、お互いに特定の売主や買主を指定することはありません。証券取引所においては単に売買される銘柄につき、希望する売値と口数、希望する買値と口数を突き合わせて順次取引をさばくだけです。で、売主である個人の手元から保有株が離れて日銀のフトコロに入り、売主の個人は市中銀行や証券会社を介して売却代金を受け取ります。個人は日銀当座預金を直接受け取るわけにはいきませんから、日銀が増やした当座預金を担保として市中銀行がいわば「信用創造」して創出された預金が売主名義の市中銀行口座(あるいは、もう少し間接的には証券会社における売主名義口座のMRF)に振り込まれることとなります。



【マネタリーベースとマネーストックの関係の考察】

若干細かい話になりますが、ここでマネーストック(通貨の流通量)の定義について。
日銀によると、

「マネーストックとは、基本的に、通貨保有主体が保有する通貨量の残高(金融機関や中央政府が保有する預金などは対象外)です。通貨保有主体の範囲は、居住者のうち、一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業が含まれます。このうち一般法人は預金取扱機関、保険会社、政府関係金融機関、証券会社、短資等を除く法人です。」

となります。
分かりやすい日本語に翻訳すると、「マネーストックとは中央銀行、市中銀行、証券会社などの金融機関や中央政府以外の保有者(=通貨保有主体=非金融企業や個人や地方自治体など)が保有する現金や預金」のことになります。

日銀が量的緩和において市場を通じて株式指数ETFやREITを購入するということは、そのETFやREITの売り手が個人や非金融企業などの「通貨保有主体」であるならば、日銀によるマネタリーベースの増加が直接的にマネーストックの増加につながります。

これが、従来の株式買い入れ(銀行保有株式のみの買入れ)や、国債買入れとの大きな違いです。
従来の株式買い入れや、国債買入れでは、日銀がマネタリーベース(当座預金や現金)を増やしてそれを株や国債と交換に銀行に渡すだけです。それだけでは「通貨保有主体」に預金が回りませんから、マネーストックは増えません。増加した日銀当座預金の影響で市中銀行の預金準備率が上昇し、かつ、借入れ金利が低下したことで、市中銀行は企業や個人に事業用資金や住宅ローンなどを新規に貸し付けて初めて信用創造が起こり、マネーストックが増加する、はずです。

一方、しつこいようですが、今般の量的緩和におけるETFやREITの市場からの買入れでは、マネタリーベース増がマネーストック増に直結すると考えられます。

なお、補足事項ですが、従来の株式買い入れや、国債買入れにおいても今回この件を考える上でもう一つのマネーストック増加経路――新規貸付による信用創造以外の経路――があり得ることが分かりました。それは、日銀の国債買入れによって国債の価格上昇=国債の金利低下に伴い、非金融企業や個人が「保有国債の価格が上がり、売ればもうかるので売る」というケースです。間接的ながら、それによってマネタリーベースの増加→通貨保有主体(非金融企業や個人)の預金増加という経路が成立し、マネーストックに参入される通貨量が増加するからです。

下の図は日銀の資金循環統計における、非金融企業(濃い緑)と家計(明るい緑)の国債・財融債残高の推移です(単位は億円。グラフは日銀のデータベースのグラフ機能で作成)。

hikinkigyou+kojin_kokusaihoyuudaka.png

上のグラフにおいて、1マスが5兆円となります。非金融企業はピークから17兆円程度、家計は5兆円程度、合計で22兆円程度の国債保有高減少となっています。日銀が国債を買い増す中で、この22兆円程度の非金融企業や家計の国債保有減少が、銀行の新規貸付なしでマネーストックを増加させている可能性があります。但し、日銀データベースを見ると2008年から現在にかけてマネーストックは150兆円程度増えていますし、家計の国債保有高は08年からはあまり変わっていません。
そうすると、非金融企業の17兆円の保有国債減少と量的緩和によるETFやREITの7兆円程度の買い入れで説明できるのは24兆円程度なので、この08年以来のマネーストックの増加すべてを説明することは出来ません。この辺の詳細はまた追い追い調べてみたいと思います。
少々脱線しましたが、話を元に戻しましょう。



【日銀が市場を通じて株を買うことのメリットとデメリットの検討】

メリット

(1)日銀のマネタリーベースの増加が直接マネーストックの増加につながることによる景気刺激効果が考えられる

(2)日銀の株買いによって、それがなかった場合に比べて株価が上昇し、より高い値段で株を売り抜けた売主たちが実物資産の購入に資金を回すことによる景気刺激効果が考えられる(いわゆる資産効果

(3)株高によって社会全体の気分が高揚し、それによる景気刺激効果が考えられる


デメリット
(1)メリット(1)については、元々株を保有する余裕のある人だけが直接利益を享受すると考えられる(もちろん、年金受給者も年金基金の保有株上昇の恩恵を受ける可能性がある)。そのような株による利益を享受する者と株と無縁な低所得層との資産格差が開く可能性がある。また、株を売ってもうけた人は余裕資金が増えたことによりその資金の一部または全部をよりリスクの高い金融商品の購入に充てることでバブルの助長や金融の不安定化を増大させる可能性があり得る(『「国の借金」新常識」で取り上げた国連報告書に書いてあるメカニズム)

(2)メリット(2)については、株でもうけたおカネが実物資産の購入に回るとは限らないという弱点があり得る。これは減税や社会保障における現金給付と同じ弱点。公共工事や社会保障の現物給付と比べると乗数効果は低くなると考えられる。とはいうものの一応は、「国の借金」を増やさないというメリットはあるとは言えるが。

(3)メリット(2)の資産効果やメリット(3)の気分高揚による景気刺激効果は、永続性が残念ながら疑わしい。株や不動産が値上がりを続ければそれによって十分なだけGDPが増え続けるとは限らない。もしそれでGDPが十分に増え続けるのであれば、過去の市場経済において繰り返し起きているバブルの形成と崩壊は説明が付かない。仮に当局者が「いや、今回は過去とは違うので絶対にバブルの形成と崩壊は起こらない」と100%信じているとしても、万が一にバブル崩壊が起こったときに備えて対応策のシミュレーションは十全に行っておくのが妥当であると言える(ただし、そのようなシミュレーションの実施を世間に公表すべきかどうかは別問題)。


以上、日銀が市場を通じて株を買うことのメリットとデメリットにつき、できるだけ感情抜きにして機械的に私が思いつく限りのことを書き出すに留めておきます。というのは、私はここで誰かを非難する意図を全く持たないからです。これは、当エントリーの冒頭に述べたように、私自身の自由意思による選択であります。

次回は仮に株が暴落したときのシミュレーションと言いますか、対応策(のあり得る選択肢)について検討してみたいと思います。

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コメント

1495:門外漢なのでズレてるかもですが

>非金融企業の17兆円の保有国債減少と量的緩和によるETFやREITの7兆円程度の買い入れで説明できるのは24兆円程度なので、この08年以来のマネーストックの増加すべてを説明することは出来ません。

たとえば、非金融企業または家計が新たに国債を買ってそれを日銀に買い取らせた場合は保有国債はプラスマイナスゼロですが、マネーストックは増えないですかね?

>日銀が市場を通じて株を買うことのメリットとデメリットの検討

なんか、デメリットがメリットを相殺しているような気もしますが(^_^;)
印象としてはトータルで見ると低所得者層にとってはデメリットの方が大きそうな感じですね(正確には「大きくなりそう」ですが)。


>自分自身の内部における主権の掌握度が高いほど、私の人生における幸福の量が大きくなるのだと考える次第です。

同感でございます。
私もすぐに自分の中の何かに主権侵害されそうになったりしますが、おかげさまで今のところ主権を守れているようです(笑)。

関連して現在、拙ブログにおきましてケン・ウィルバー氏の『無境界』という本に関して簡単にまとめているところでございます(まだ途中ですが)。もし、興味があられるようでしたら是非ご覧ください。
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005128640.html

P.S.
廣宮さんのブログのリンクを言論ポータルサイト「進撃の庶民」の推奨ブログの欄に掲載させていただきたいのですが、構いませんでしょうか?
http://ameblo.jp/shingekinosyomin/entry-12025168362.html

2015/05/15 14:11 | くらえもん #- URL編集 ]
1496:為替は無関係…ですよね?

本記事、凄く良く解りました。
すると、長所=短所…長所は短所にも成り得る、
と解釈しました。
廣宮さんの記事の文書構成も、
この解釈と同じ説明をされており、
自分の解釈は間違いではない、と考えて宜しいでしょうか?
(誤りがあればお気兼ねせず、ご指摘下さい)

また日銀が株を買うこと
(ETFやREITの市場からの買入れ)
は為替レートとは無関係と考えているのですが、
トレーダーの心理まで考慮すると
為替レートにも影響を及ぼすのでしょうか?



2015/05/15 18:47 | YUUYA #- URL [ 編集 ]
1499:Re: 門外漢なのでズレてるかもですが

くらえもんさん、こんにちは!

> >非金融企業の17兆円の保有国債減少と量的緩和によるETFやREITの7兆円程度の買い入れで説明できるのは24兆円程度なので、この08年以来のマネーストックの増加すべてを説明することは出来ません。
>
> たとえば、非金融企業または家計が新たに国債を買ってそれを日銀に買い取らせた場合は保有国債はプラスマイナスゼロですが、マネーストックは増えないですかね?

なるほど、増えますね!
名目GDPがあまり増えず、非金融企業や個人の借金もあまり増えていない状況でマネーストックが増加しているのは、くらえもんさんの書いて下さっているようなことがもっと間接的に起きているのかも知れません(要は、政府の借金が増え、民間の貯金が増え、その民間の貯金がマネーストックの範囲に含まれる形になりますね)。また、考えてみます。


> >日銀が市場を通じて株を買うことのメリットとデメリットの検討
>
> なんか、デメリットがメリットを相殺しているような気もしますが(^_^;)
> 印象としてはトータルで見ると低所得者層にとってはデメリットの方が大きそうな感じですね(正確には「大きくなりそう」ですが)。

もっとほかに何かしらバラ色なメリットが存在するかもしれません。しかし、残念ながら、いまのところ私の意識には上って来ていないといったところです…。


> >自分自身の内部における主権の掌握度が高いほど、私の人生における幸福の量が大きくなるのだと考える次第です。
>
> 同感でございます。
> 私もすぐに自分の中の何かに主権侵害されそうになったりしますが、おかげさまで今のところ主権を守れているようです(笑)。
>
> 関連して現在、拙ブログにおきましてケン・ウィルバー氏の『無境界』という本に関して簡単にまとめているところでございます(まだ途中ですが)。もし、興味があられるようでしたら是非ご覧ください。
> http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005128640.html

分かりました!拝読させて頂きたいと思います。


> P.S.
> 廣宮さんのブログのリンクを言論ポータルサイト「進撃の庶民」の推奨ブログの欄に掲載させていただきたいのですが、構いませんでしょうか?
> http://ameblo.jp/shingekinosyomin/entry-12025168362.html

ぜひとも。どうぞよろしくお願い致します♪

2015/05/16 14:13 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
1500:Re: 為替は無関係…ですよね?

YUUYAさん

> 本記事、凄く良く解りました。
> すると、長所=短所…長所は短所にも成り得る、
> と解釈しました。
> 廣宮さんの記事の文書構成も、
> この解釈と同じ説明をされており、
> 自分の解釈は間違いではない、と考えて宜しいでしょうか?
> (誤りがあればお気兼ねせず、ご指摘下さい)

おっしゃる通りかと。私は、老子の第二十八章を読み解いて以来、自分の今現在の考えの正反対の考え、つまり、自分の今現在の考えの否定形もまた正しい部分があるかも知れない、と一応は考えてみるのが習慣になっています。いや、たまに忘れることもありますが、できる限り。
 これは、新しい着想を得たり、精神の平衡を取り戻すのにかなり役立つというのが私の個人的経験による認識であります。素粒子がもし単体で存在しているならば、それは単なる素粒子です。しかし、これが集団を形成すると、例えば水素原子とか酸素原子になります。それぞれ、細かく分解すると同じ素粒子で構成されているはずですが、集団の形成のされ方によって水素と酸素というそれぞれ全く異なる性質の気体となります。そして、気体の水素と気体の酸素がくっつくと、H2Oで水になり液体となりますが、それは気体の水素や酸素とはまったく異なる性質をもちます。まあ、そんなイメージでしょうか。多角的な視点で考えるということは、このような化学反応を起こさせる素材をより多く取り揃えて、新しい発展、新しい着想を担うためのより多くの種類の化学反応を起こすための準備をする、という感じだと思います。


> また日銀が株を買うこと
> (ETFやREITの市場からの買入れ)
> は為替レートとは無関係と考えているのですが、
> トレーダーの心理まで考慮すると
> 為替レートにも影響を及ぼすのでしょうか?

少々極端な場合を考えてみましょう。日銀がマネタリーベースを増やして国債など一切買わず、株やリートだけをどんどん買い込むというケースです。購入した株やリートが自己資本を大幅に超えて来ると株やリートの暴落があった場合の債務超過リスクが生じることとなり、少々まずいことになると思いますが、それは心配がないという仮想世界を考えます。
 株やREITを日銀が当座預金を増やしてどんどん買い進めますと、株やREITの価格がどんどん上昇します。すると、株やREITの配当利回りがどんどん低下します。すると、国債は、例え利回りが低くとも相対的に魅力が増します(国債は株やREITに対して価格変動リスクが小さいという魅力がある)。すると、民間のマネーは株から徐々に国債にもシフトし始めることとなり、国債の利回りも低下します。すると日本円の金利が低下し、円安になる、ということが考えられます。
 もちろん、株やREITの価格上昇を見込んで海外マネーが流入し、それによって円高の圧力が高まることも考えられますが。しかし、日銀の買取によって株やREITが割高で低利回り水準になったと判断されれば、海外からの買いが減るでしょう。そうすると金利低下による円安圧力のほうが高くなるものと考えられます。すると、日銀によるマネタリーベース増加による株やREITの購入は、増加過程においては一時的には円高を招く可能性もあり得ますが、恐らくは、最終的には円安に向かわせる効果となるのではないか、というように考えられることになります。ただし、これは最初に設定した「日銀の債務超過リスクを心配しなくても良い」という仮想世界の場合です。
 日銀の債務超過リスクを意識しなければならない場合は、さらに長い期間で考えると、いつかバブルが崩壊したときには大幅に円安に向かわせる結果となる可能性があります。

 以上のように考えると、マネタリーベース増加による株やREITの購入は、円安の方向に向かわせる可能性が高い、というのが私の現在のところの結論となります。

2015/05/16 14:48 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
1501:

廣宮さんこんにちは。

僕は金融のお金の流れについてはそれほど詳しくないのですが、日銀が株を買った場合そのお金は日銀当座預金に積み上がるのでしょうか?国債を市中銀行から買い上げると日銀当座預金に緩和資金が積み上がるのは分かるのですが、株の場合はどうなんでしょうか?同じ過程を経るのでしょうか。

あと中央銀行のバランスシートが傷むリスクというのは、理論的には無から創造したお金で買い取った債権が不良化しようがどうなろうが簡潔ないと思うので、中央銀行のバランスシートがどうこうという議論自体が意味があるのかなと僕は思ったりするんですが、金融取引市場は中央銀行のバランスシートというのを、取り引きする上でどれ程の重要視しているのでしょうか?

2015/05/16 22:08 | 田中リンクス #- URL [ 編集 ]
1502:

あ、どうも失礼しました。日銀による株購入の流れは本文に書いてありましたね(*^^*)

個人は当座預金のお金を直接受けとる訳にはいかないので、委託銀行が信用創造で代金を支払うと。そして日銀が発行したお金はそのまま当座預金に積み上がると。こういう理解でいいんですよね。

2015/05/16 22:17 | 田中リンクス #- URL [ 編集 ]
1503:Re: タイトルなし

田中リンクスさん、こんにちは。

> あと中央銀行のバランスシートが傷むリスクというのは、理論的には無から創造したお金で買い取った債権が不良化しようがどうなろうが簡潔ないと思うので、中央銀行のバランスシートがどうこうという議論自体が意味があるのかなと僕は思ったりするんですが、金融取引市場は中央銀行のバランスシートというのを、取り引きする上でどれ程の重要視しているのでしょうか?

理論的には「債務超過となってもいくらでも通貨を発行できるのだから債務不履行とはならない」という考えで良いと思います。一方、「金融取引市場は中央銀行のバランスシートというのを、取り引きする上でどれ程の重要視しているのでしょうか?」という点に関しては最新のエントリー
http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-654.html
をご参照ください(これの後半部分に取り上げさせて頂きました)。このご質問のおかげで論点を膨らませることができました。ありがとうございます!

2015/05/18 17:55 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
1504:Re: タイトルなし

田中リンクスさん、

> あ、どうも失礼しました。日銀による株購入の流れは本文に書いてありましたね(*^^*)
>
> 個人は当座預金のお金を直接受けとる訳にはいかないので、委託銀行が信用創造で代金を支払うと。そして日銀が発行したお金はそのまま当座預金に積み上がると。こういう理解でいいんですよね。

そう言う感じで良いのではないかと思います。
ここで、もう少し実際的な話を考えてみましょう。日銀が株の購入を委託する銀行をA信託銀行、株を売る個人の預金口座があるのがB銀行とします。
日銀はA信託に株の購入代金を増やした当座預金で支払います。A信託はB銀行の株の売主個人の口座に株の代金を振り込むことになります。この時の処理は、日銀を介して行われます(これが日銀の中央銀行、銀行の銀行たるゆえんです)。この時、日銀においてはA信託名義の日銀当座預金がB銀行名義の日銀当座預金となる処理が行われます。それと同時に、B銀行において売主個人名義の預金口座に株の代金分の預金が入金される処理がなされます。このような形で、日銀→A信託→B銀行→売主個人への資金移動が行われることになります。
 最終的には、日銀の資産勘定に株、負債勘定に当座預金(B銀行が債権者)が計上される。B銀行の資産勘定に日銀当座預金、負債勘定に売主個人に対する預金が計上される。売主個人は持っていた株がB銀行口座の預金に転換される。ということになります。A信託においては、日銀当座預金と株がそれぞれA信託を通過して行っただけ、ということになります(厳密にはA信託は日銀から手数料を取っていますが)。

2015/05/18 18:04 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
1511:日銀による株式指数ETFの買いオペの詳細などについて

【賛否両論!】謎多き"日銀のETF買いの"正体を考える~日銀の買いはどこに記録されるのか?~
http://club109.hatenablog.com/entry/2015/05/22/082923


(年初からすると日銀によるJ-REITの買入があっても東証REIT指数は日経平均株価のように上昇していませんが)上記のブログ記事も見て思ったのですが、日銀によるETFの買い入れは、一体どのようなオペレーションで行われて何処に記録されるのか(市場統計の謎たとえば東証の投資部門別株式売買状況の自己計など)、廣宮さんは、詳細についてもご存知ですか?

追伸:冒頭にありました基本的に誰の批判もしない方針(お心掛け)というのはTh(セラピスト)の資質としてとても大切なことだと思われます。

2015/05/24 14:24 | Mr.T #- URL [ 編集 ]
1512:Re: 日銀による株式指数ETFの買いオペの詳細などについて

Mr. Tさん、こんにちは。

> (年初からすると日銀によるJ-REITの買入があっても東証REIT指数は日経平均株価のように上昇していませんが)上記のブログ記事も見て思ったのですが、日銀によるETFの買い入れは、一体どのようなオペレーションで行われて何処に記録されるのか(市場統計の謎たとえば東証の投資部門別株式売買状況の自己計など)、廣宮さんは、詳細についてもご存知ですか?

ロイターか日経かの記事で、「信託銀行」に分類されると書かれていたと記憶しております。

具体的には東証の統計資料「投資部門別売買状況」
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/index.html
で、委託→法人→金融機関→信託銀行 ということかと思われます。

なお、日銀の資料「指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領」
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/term_cond/yoryo85.htm/
には次のようにあります。


4.買入方式

(1) 本行が、本行を委託者兼受益者とし、信託銀行(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けて信託業務を営む銀行をいう。以下同じ。)を受託者とする金銭の信託を行い、当該金銭の信託にかかる信託財産として、指数連動型上場投資信託受益権等を買入れる方式とする。
(2) (1)の受託者は、別に定めるところに従い本行が選定した先とする。
(3) 指数連動型上場投資信託受益権等の買入れは、市場の状況に応じ、本行が定める基準に従って受託者に進捗させるものとする。


要するに、個人が証券会社を通じて購入した株式や投資信託などの金融商品は、証券会社で証券会社自身の資産とは別の、顧客からの預かり資産として管理(分別管理)されているのと同じように、日銀が信託銀行に委託して購入した株式等は信託銀行が信託銀行自身の資産とは切り分けて、日銀からの預かり資産として分別管理されているということなのだろうと思います。

銀行と信託銀行の信託業務との違い:
 銀行の場合、顧客からの預かり資産は何で運用するかは顧客が指定しません。国債とか、企業への貸付とか、個人の住宅ローンとか、銀行は、顧客からの預かり資産(預金)を、銀行の裁量で運用することになります。
 信託銀行の信託業務の場合、顧客からの預かり資産は顧客から指示された内容のとおりの資産で運用することになります。日銀の信託銀行への委託は、株式やREITなど特定の資産を日銀が指示して信託銀行が購入し、預かっている、ということになりますね。


>
> 追伸:冒頭にありました基本的に誰の批判もしない方針(お心掛け)というのはTh(セラピスト)の資質としてとても大切なことだと思われます。

そう言えば、そうでした!ありがとうございます^^

2015/05/24 15:06 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
1513:訂正Re: Re: 日銀による株式指数ETFの買いオペの詳細などについて

Mr. Tさん、こんにちは。


> ロイターか日経かの記事で、「信託銀行」に分類されると書かれていたと記憶しております。

いや、すみません。日銀ではなく、年金基金(GPIF)の記事だったと思います。記憶違いでしたm(_ _)m
ただ、信託銀行に委託して購入する形式が信託銀行に計上されるのであれば、日銀も同様かも知れません。

2015/05/24 15:24 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
1517:【日銀資料に基づく株式指数ETFやREITの買入れ方式概要】

「日銀が量的緩和で増やした当座預金が、かなり直接的に株を持っている個人や企業のフトコロを潤す」という趣意はそのの通りですが、只、日銀はそれらを「金銭信託」として、信託銀行を通じて金融機関から買入れた株式になっています。仕訳に多少工面をお願いします。

2015/06/04 06:57 | 富山通りもん #MfV4B0A2 URL [ 編集 ]
1519:Re: 【日銀資料に基づく株式指数ETFやREITの買入れ方式概要】

富山通りもんさん

> 「日銀が量的緩和で増やした当座預金が、かなり直接的に株を持っている個人や企業のフトコロを潤す」という趣意はそのの通りですが、只、日銀はそれらを「金銭信託」として、信託銀行を通じて金融機関から買入れた株式になっています。仕訳に多少工面をお願いします。

信託銀行の銀行業務の資産は信託銀行の財務諸表に算入されますが、信託業務の信託財産は信託銀行の財務諸表には算入されません(顧客資産として分別管理)。よって、信託に関しては仕訳に信託銀行を関係させるのは妥当ではないものと考えられます。また、従来型の株式購入は金融機関からの購入でありますが、「異次元緩和」から始められたETFやREITの購入は誰から買うか指定されることのない、証券取引所(日銀資料の用語では「金融商品取引所」)からの購入となっています(と、日銀資料からは読めます)。

株式買入等基本要領(従前からある株式購入)
https://www.boj.or.jp/finsys/spp/kyoryo1.htm/

指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領(異次元緩和で始められたETFやREITの購入)
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/term_cond/yoryo85.htm/

2015/06/06 15:41 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]

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