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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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657:日銀が万が一、債務超過となった時の対応策の検討(その4):政府紙幣と通常国債のハイブリッドな存在、「無期限、無利子で納税時のみ償還可能な国債(納税時優遇措置付き)」というアイデア

2015/06/06 (Sat) 12:42
前回の続きです。(今回の「その4」で最終回)


前回までの流れ:

1.そもそも、債務超過をもたらすような株価暴落はあり得るか?
→「ない」とは言い切れない。よって「あり得る」と仮定。

2.日銀が株価暴落の影響を受けずに済む方法の検討
→政府が政府保有資産を日銀に資本注入して、日銀が「株式簿価<純資産」となるようにしておけば、どれだけ株価暴落しても日銀が債務超過になることはない。ただし、政治的に可能かどうかは別問題である上、事前にそんなことをすると政府・日銀が株式暴落を予測しているといういらざる懸念を市場に与えかねない。

3.株の暴落により日銀が債務超過となってしまった場合の対処法
→暴落してしまった後なら「政府・日銀が株式暴落を予測しているといういらざる懸念を市場に与えかねない」ことは心配無用(すでに暴落しているので!)であるため、「政府が政府保有資産を日銀に資本注入」のハードルが下がる。ただし、それでも政治的に可能かどうかは別。

4.万が一、世界的な株の暴落等により、万が一、日銀が債務超過に陥った場合の為替レートの検討
→通貨発行権の権能が及ばないような債務の問題がない点においては、1992年の英ポンド危機と似ている。しかし、英ポンド危機では中央銀行の債務超過は起きていないので、日銀が仮に債務超過となれば、円の対ドルレートは英ポンド危機以上の下落となる可能性が高い。一方、「通貨発行権の権能が及ばないような債務の問題」があった2008年のアイスランド政府債務不履行と比べると、日本はそのような対外債務の問題が僅少であり、かつ、対外資産>>対外債務(=対外純資産が大幅にプラス)なので、アイスランドほどにもならないと思われる。
 そうすると、仮に日銀の債務超過が起こった場合の円の対ドルレートの下落は、92年英ポンド危機の「7ヵ月で25%」と08年アイスランドの「12ヵ月で55%」の範囲内、インフレ率は最大で+18%以下、10年物国債利回りは6%程度から最悪で15%程度以下になるものと類推される。


以上、これまでの内容をざっと振り返りました。
では、今回の内容に入ります。






5.日銀が万が一債務超過に陥り、かつ、政府が資本注入できなかった場合における、対処法の検討

「日銀が万が一債務超過に陥り、かつ、政府が資本注入できなかった場合」というのはかなりあり得ない状況であるとは思います。しかし、政治的な理由、外的な不可抗力…といいますか、まあ、諸般の事情により、可能性が完全にゼロとも言い切れないので、一応、検討しておきましょう。


(1)民間から日銀への増資を募ることで債務超過を解消する方法の検討


政府が出資できないなら、政府以外、すなわち民間からの出資を募るということが考えられるでしょう。
ただし、出資を募って資本金を増やすとなると、日銀法第八条 「日本銀行の資本金は、政府及び政府以外の者からの出資による一億円とする」を改正しないといけません。
 いや、政府が増資する場合であっても、この第八条は改正が必要となります(これは、政府が日銀に資本注入できない「政治的理由」となり得るかも知れません)。日銀法改正ができないなら、政府が国有財産日銀に寄付をする、という手段もあり得るかも知れませんが、これも法改正まで行かなくとも、国会の議決による承認を要するようにも思われます(予算としての承認など)。それゆえ、やはり政治的な困難さが付きまとうかも知れません。

 それはそれとして。

 民間から出資を募るということにして、仮に、日銀法第八条を改正できたとしましょう。

 まず、「そもそも民間から数兆円もの資金が集まるか?」という問題がありますが、それはあとにすることとして、数兆円の資金が集まったとします。
 すると、政府が55%株主という「政府が親会社」である状況が崩れます。というのも、政府の出資金はわずかに5千500万円に過ぎないからです。
 しかし、日銀の金融調節――いまの年80兆円もの当座預金増発、すなわち「異次元緩和」含む――は、国会で承認された9人の委員――総裁、副総裁含む――からなる委員会で決定されるのであり、株主総会(出資者による総会)で決まるものではありません(日銀法第二十三条、第十五条)。
 また、配当金については、出資金の年率5%以下でかつ財務大臣の承認が必要(日銀法第五十三条)ですので、政府の裁量で配当金は制限されます。さらに、日銀が解散した場合の出資者への払い戻しは出資金を限度とし、それを超える部分は国庫に納入されます(日銀法第六十条)。
 というわけで、出資者は出資金額がいくらだろうと、日銀の金融政策や配当その他の決定権を一切持てないので、出資金が何兆円になろうと、日銀の「支配権」に関して特に気にする必要はないでしょう。
 
 次に、「そもそも民間から数兆円もの資金が集まるか?」という問題について対処法を考えてみましょう。
 日銀の株、というよりは、出資証券はJASDAQで上場されています(証券コード8301)。価値変動があるのであり、出資者は損を被ることがあるわけです。その上、上述の日銀法の規定により配当も無きに等しい、となれば、「そんなもん、新たに何兆円も誰が買いまんねん」という話になってしまいます。
 そこで一つの発想として、政府が最低価格を保証するというのはどうでしょうか。
 でも、普通に価格を保証するとしたら、「いきなり、数兆円分の日銀出資証券の買取を請求される」という事態を防げないので、それでは政府が最初から出資するのと変わらないことになります。

 では、納税の時に限り、日銀出資証券による物納を認めるという形で、その際に買取価格を保証するということではどうでしょう。
 国税の納税においては、現行では相続税に限られるようです(国税庁HP参照。しかも、相続税額が10万円超で、金銭による納付が困難で云々という条件付き)。
 そして、物納が認められる場合の「収納価額」は相続事由発生時の時価となるようです(相続税法の第四十三条と第十一条の二からそのように読めます)。
 さて、相続税に限って「日銀出資証券による物納を認めるという形で、その際に買取価格を保証する」としましょう。相続税法の政令を変えるだけで良いのか、新たにそのための法律を作る必要があるのかはさておき、その買取価格を日銀に対する増資があったときの株価を保証するとしましょう。
 単に増資時の価格を保証するだけなら、配当もないだろうし、現金・預金に対して何のメリットもないので出資への動機づけが弱く資金が思うように集まらないかも知れません。であるならば、相続税の物納時に限り、増資時の価格に1%~2%を上乗せした金額での「買い取り」というか、それを「収納価額」とすることでインセンティブ(動機づけ)を付けるのが良いかも知れません。
 このようにすれば、相続税の納税に備えて、現金や預金の一部を日銀出資証券にしておこうとする需要が生じるでしょう。相続税の納税額は近年、年間1兆円から2兆円で推移しています(国税庁HP参照)。数兆円分の日銀出資証券の価値を支えるには十分な金額ではないかと思われます。
 なお、政府が日銀出資証券で物納を受け、そのまま持っているのであれば「予算が足りない!」ということになるなら、物納を受けたその日銀出資証券をそのまま市場で売却すれば良いだけです。
 「そんなことをすれば価格が下落するのでは?」となりますが、上述のとおり相続税の納税額は年間1兆円から2兆円ありますから、それが需要となり、価格の下支えとなるでしょう。その「相続税の納税額は年間1兆円から2兆円」が全部、日銀出資証券で支払われ、かつ、政府がそれをすべて市場で増資時の価格で売却した、となるばあ、年間で政府はその1%~2%、100億円から400億円の負担増とはなりますが、市場が落ち着き、日銀の債務超過問題が解消された時点で追い追い政府保有の日銀出資証券と日銀保有の国債を相殺していってやればやがてそのような負担も不要になるでしょう(年間100億円から400億円の負担増だけで危機を脱することができるのなら安いものだと思われます)。

 仮に以上のようにして民間資金で首尾よく日銀の債務超過を解消できるとしても、少なくとも日銀法第八条について法改正が必要ですから、それなりに時間がかかるでしょう。そうなると、日銀が債務超過である間、国債価格の暴落による一般金融機関のバランスシートが痛むことによる金融危機に対処する必要が出て来ることになります。


(2)国債価格暴落に対処する方法の検討

 仮に株式市場暴落→日銀債務超過→国債暴落という事象が生じた場合。
 日銀については、前回に書きましたように、国債は簿価評価(償却原価法)で、かつ、減損処理の対象外であり、また、損失引当金は積まない選択肢もあるようですので、国債暴落によってバランスシートは痛まずに済む可能性が高いと思われます。とはいうものの、危機時には「そんなごまかしがまかり通っていいのか!」というような批判が噴出するリスクがあることは、念頭に置いたほうが良いかも知れません。
 一方、市中銀行は、これも前回書きましたように、例えば三菱UFJフィナンシャルグループでは保有国債につき、時価評価される「その他有価証券(満期保有目的でも売買目的でもない有価証券)」が大半を占めるし、満期保有目的の国債も価値が半減すれば減損処理の対象となります。そうなるとバランスシートが痛み、債務超過に陥る可能性が出て来ます。
 
 このようなとき、政治的に可能かどうかは脇に置いた場合、一番単純なのは、日銀や市中銀行の保有国債の全部または一部を、政府が変動金利国債と交換してしまうことでしょう。
 変動金利国債ならば価格変動がなくなりますので、時価評価だ、減損処理だ、債務超過だ、という心配が一切なくなります。
 ただし、政府の金利負担が円レートの急落やインフレの高進とともに急増してしまうというデメリットがあります。国の借金1000兆円に対して数%分の金利上昇があるだけで一気に数十兆円の負担増となり、年40~50兆円の国税の税収が一気に吹き飛ぶレベルです。
 その場合、1年待てば税収がインフレによって増収となります(所得税や法人税など、税金は基本的に課税ベースが過去1年間なので)。この1年を耐え、しのぐのが肝要かと思います。
 一方、この1年を耐えられなければ、インフレ高進時に政府の金利負担を増やす=支出を増やす=財政赤字を増やすことにより、いやが上にもさらなるインフレ圧力を加えることになってしまうということになってしまいます。それでも、金融危機の打撃を緩和するためにはやむを得ないコストである、と考えることもできます。

 ところで。
 金利負担増が嫌なら、金利負担が生じない政府紙幣(無期限、無利子債)を発行して日銀や市中銀行の保有国債を買い取ってしまえ、という考え方もあり得るでしょう。ついでに、政府紙幣を3~4兆円ほど日銀に寄付してしまえば日銀の債務超過もあっというまに雲散霧消!とも考え得るでしょう。しかし、政治的にはかなり難しいのではないかと思います。経済理論的、法理論的に可能かどうかというよりは、政治的に難しい、というのが一番大きいのではないかと思います。

ここまで、まとめますと
・日銀や市中銀行のバランスシートが痛むのも嫌だ、
・変動金利国債も金利負担激増なので嫌だ、
・政府紙幣もとにかく理屈抜きで嫌だ、
となります。

 では、変動金利国債と政府紙幣の中間的存在の国債という発想がないかしら
ということになります。さきほどの、日銀の出資証券の納税時のみ最低価格保証というアイデアの応用すると、 


 無期限、無利子で納税時のみ償還可能な国債(納税時優遇措置付き)

というアイデアがあり得ます。

 無期限、無利子という点では紙幣に近いですが、現金のような「法貨として無限に通用」という機能は持たないという点ではやはり債券である、というハイブリッドな代物であります。
 そして、価格維持のために、さきほどの日銀出資証券と同様、納税時に1%とか2%の優遇措置を付けるわけです(この納税時の優遇措置により「現金よりはお得」となるため、0.5%とかでも良いかも知れません)。

 仮にこのアイデアを使って日銀や市中銀行のバランスシートの損壊を防ぐという場合、発行額は数百兆円に上る可能性があります(ちなみに財務省の資料によると、残存期間10年以上の国債は、普通国債と財融債合わせて600兆円を超えています。なお、金利市場の基準金利としての機能を残すため、既存国債の一部はそのまま残しておくべきでしょう)。
 そうすると、年1~2兆円の相続税だけでは価格維持は難しいでしょう。
 となると、国税全般、さらには国保や国民年金の保険料、地方税などまで広げる必要があるかも知れません。一般政府の総収入(純)であれば年間150兆円~160兆円になります(IMF WEO参照)。納税や保険料納入を控えた個人や企業は「現金で払うよりお得」ということで競ってこの、「納税時優遇 無期限国債」を買い求めることになるものと思われます。

 また、この「納税時優遇 無期限国債」であれば、年間の政府の負担は150兆円~160兆円に対する1%~2%ですので、1.5兆円から3.2兆円の負担増で済みます。変動金利国債の場合と比べて金利負担は圧倒的に小さくて済むわけです。
 さらには、政府紙幣と違い、用途が限定されており(納税時のみ使える)、市場で取引される形態にすることによって発行し過ぎると価格が崩れるリスクがあるため、政府が必要以上に発行を増やす、無制限に増発するというリスクを排除できると考えられます。

 ただし、日銀出資証券のところで述べたように、物納が認められているのは現行、相続税のみです。
 これを「国税全般、さらには国保や国民年金の保険料、地方税などまで広げる」となると、広範囲の法改正が必要となりますので、そこは政治的な難しさが出て来るでしょう(危機において素早くできるかというと、それは疑問)。
 とは言え、政治的難しさは政府紙幣よりは意外と小さいかも知れませんが、どうでしょう。

 
というわけで、
「納税時優遇 無期限無利子国債」
 ・日銀や市中銀行のバランスシートが痛むのも嫌だ→回避可能
 ・変動金利国債も金利負担激増なので嫌だ→金利負担は極めて限定的
 ・政府紙幣もとにかく理屈抜きで嫌だ→あくまでも債券
 ・ただし、税法など広範囲な法改正が必要なので仮に危機時にこのアイデアを使うとしても時間がかかる可能性あり
というアイデアの発表でした。


こう書くとこの「納税時優遇 無期限国債」はいいことずくめのように見えます。しかし、私が意識できていない重大な欠陥があるかも知れません。あくまでも試論という形でのお披露目、ということになります。

 

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1520:債務超過に陥った可能性があるというSNB(スイス国立銀行)のケースについて


日銀の円売り介入以上の金額の外貨買いを行っているというGPIFを除いた日本の機関投資家(ゆうちょ、生保、外貨投信など)による1~3月の円売りは約4兆円だそうですが(直近のミセスワタナベは50億ドルのドル売りをしていたようですが)、SNBの1~3月期(第1四半期)の決算は300億スイスフランの赤字だったそうですね。

日銀が債務超過に陥ることへの懸念については、その昔バーナンキ前FRB議長も何か参考になる話をしていたようなんですが(今や日銀は日本株の株式指数ETFの最大の保有者で今年末には6兆8千億円に達するとか)、米国の株式市場にもクジラが出現したとかで、確かSNBによる米国株の保有額は374億ドルというのも見聞きしたことがあります。

スイスショックもありましたが、SNBが何の手当てもせずEUR/CHF相場に介入していたとすると、その膨れ上がった外貨建て資産の含み損によって(単純計算では名目GDPの15%に相当するとか)、今まさに債務超過に陥っているのではないかと一部で懸念されていたようなんですが(外貨準備がユーロ圏の国債になっているのなら実際には為替変動による評価損は意外と少なく債券価格の上昇(金利の低下)などにより損失はかなり相殺されているのではないかといった話もあったようですが)、廣宮さんは、世界の主要国の中で国債格付けが今も最上位のスイスのSNBのケースについては今どう思われていますか?

2015/06/07 10:22 | Mr.T #- URL [ 編集 ]
1521:Re: 債務超過に陥った可能性があるというSNB(スイス国立銀行)のケースについて

Mr.Tさん

> 日銀の円売り介入以上の金額の外貨買いを行っているというGPIFを除いた日本の機関投資家(ゆうちょ、生保、外貨投信など)による1~3月の円売りは約4兆円だそうですが(直近のミセスワタナベは50億ドルのドル売りをしていたようですが)、SNBの1~3月期(第1四半期)の決算は300億スイスフランの赤字だったそうですね。
>
> 日銀が債務超過に陥ることへの懸念については、その昔バーナンキ前FRB議長も何か参考になる話をしていたようなんですが(今や日銀は日本株の株式指数ETFの最大の保有者で今年末には6兆8千億円に達するとか)、米国の株式市場にもクジラが出現したとかで、確かSNBによる米国株の保有額は374億ドルというのも見聞きしたことがあります。
>
> スイスショックもありましたが、SNBが何の手当てもせずEUR/CHF相場に介入していたとすると、その膨れ上がった外貨建て資産の含み損によって(単純計算では名目GDPの15%に相当するとか)、今まさに債務超過に陥っているのではないかと一部で懸念されていたようなんですが(外貨準備がユーロ圏の国債になっているのなら実際には為替変動による評価損は意外と少なく債券価格の上昇(金利の低下)などにより損失はかなり相殺されているのではないかといった話もあったようですが)、廣宮さんは、世界の主要国の中で国債格付けが今も最上位のスイスのSNBのケースについては今どう思われていますか?

スイス国立銀行SNBの資料「SNB balance sheet items」
http://www.snb.ch/ext/stats/balsnb/pdf/deen/A1_Ausweise_der_SNB.pdf
を見てみますと、SNBは1月のスイスフランショック以降でも債務超過とはなっていなかった模様です。

2014年12月に純資産(Provisions and equity capital 準備金と自己資本)が860億スイスフランあったものが、翌月2015年1月には360億スイスフランに激減、その後2月は440億ドル、3月は560億ドル、4月は480億ドルと推移しています。自己資本比率を「純資産÷総資産」で計算してみますと、12月の15%から1月は6%まで激減、その後は8%前後で推移しています。まるでジェットコースターのような自己資本の価値変動があったことになりますね。
 しかしながら、SNBの場合、悩みのタネはスイスフラン高と言えます。
 SNBの自己資本が減ったり債務超過に近づいたりすると、スイスフランが弱くなる方向に市場圧力がかかるものと思われますが、そうなると悩みのタネであるスイスフラン高が是正され、総資産のうち9割超を占める外貨建て資産(おそらく、その多くはユーロ建て)を抱えるSNBのバランスシートが自動的に修復されることになります。
 スイスフランが高くなり過ぎると9割超を占める外貨建て資産の価値が減少するためにSNBのバランスシートは悪化しますが、それはすなわち、スイスフラン安に誘導する為替介入しなくても自動的に為替介入効果が見込めるというわけです。
 …と考えると、日銀が抱える外貨建て資産も同じ効果を発揮することになりますね。
 
 日本銀行の場合、資産の大部分が日本国債ですが、外国為替が6兆円、株式+REITが6.6兆円で、それに対して自己資本が3.1兆円です※。
※営業毎旬報告(平成27年5月31日現在)
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac150531.htm/

 株が暴落し、日銀が債務超過となり、円が暴落するとします。株式+REITが極端な話、0円になった場合、債務超過が3.5兆円になりますが、そこで円が37%安くなると、外国為替6兆円が1÷(1-0.37)=1.59倍で9.5兆円となって3.5兆円増加となり、債務超過が解消されることとなります(日銀が保有する他の国債や社債などの資産につき、時価評価や減損処理を行わないと仮定した場合)。政府が何も手を打たなかった場合は、以上のようなことも想定される、ということになりますが、株+REITがゼロになるとは思われないので上記の円のレート37%下落よりは、もう少しだけ軽い想定でも良いかも知れません。

2015/06/07 14:42 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]
1522:

嫌だ*3のような人達に対してここまで真摯に向き合うなんて、私なんかにゃ到底できません。廣宮先生、超真面目!
でも、嫌だ*3のような人達が変わるまで待ったり努力したりするよりは、こういうスタンスの方が現実的なのかもしれませんね。

2015/06/11 15:35 | asd #- URL [ 編集 ]
1523:Re: タイトルなし

asdさん、

コメント承認したつもりになっていて、10日も放置プレイしてしまい、大変申し訳ありませんm(_ _)m

> 嫌だ*3のような人達に対してここまで真摯に向き合うなんて、私なんかにゃ到底できません。廣宮先生、超真面目!
> でも、嫌だ*3のような人達が変わるまで待ったり努力したりするよりは、こういうスタンスの方が現実的なのかもしれませんね。

いやはや、恐れ入ります。

2015/06/21 23:14 | 廣宮孝信 ひろみやよしのぶ #- URL [ 編集 ]

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