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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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72:「借金が税収を上回る」って?だから何なのさ?[1]

2009/10/27 (Tue) 12:28

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いつも、ありがとうございますm(_ _)m




今般、

「戦後初めて国の借金による収入が税収を上回る」

と大騒ぎになっていますが…



マスコミの皆さんはこういうネタ、本当にお好きですね。


しかし、
まあ、これほど無意味な日本語の羅列も【戦後初めて】と言ってしまって良いかもしれないくらい、無意味なことをよくもまあ…


さて、どいういう点で無意味かと言いますと、


第一に、この話、

一般政府ではなく、中央政府だけの話をしている

という点です。
地方税の話や、中央でお金を集めて地方に渡す交付金とか交付税の話は全く無視しています。

国と地方の収入、分配、支出のバランスが違ってくれば、

「国の借金による収入が(国税の)税収を上回る」

という話も全然変わってきます。



第二に、

公的年金保険料などの社会保険料は、大部分は強制的に徴収されています。

これ、【実質税金】ですよね。


税金と社会保険料のバランスによっても、名目上の「税収」が変わってきますので、

「国の借金による収入が税収を上回る」という話も全然変わってきます。


以上2点は、

国・地方、税・社会保険料の「見た目」だけの話で言っているので「国の借金による収入が(国税の)税収を上回る」というフレーズが全然無意味、という観点です。



もう一つ
第三の観点として、

今年度、税収が落ち込んだのは、景気が悪いからです。

そして、税収が落ち込んだということは、民間から政府への資産の移転が少なくなったということです。


民間から政府への資産の移転が少なくなった、ということは、

民間に資金が貯め込まれているということです(資金循環統計を見れば分かりますね)。

貯め込まれた資金はどのように運用されるか?
言うまでもないですよね。


日本円の預金は必ず日本円建ての債権で運用されることになります。

そして、

不況においては民間の借金がマクロではなかなか増えないわけですから、その預金の運用先は必然的に国債中心にならざるを得ません。



世の中全体の預金の量
税収の多寡で変化することはありません。


税収が増えたとか減ったとかだけでは、世の中全体のお金の量は不変です。

税収が増えるということは、民間のお金が政府に移るだけで、お金の総量は変わりません。

また、

税収が減ったということは、民間から政府に移るお金の量が減るだけで、やはり世の中全体のお金の総量は不変ですね。


ということで、

税金という形で取られないお金は、そこに余っているのだから、とくに不況のときは結局は国債等の公債に回ることになります。


ということで、
【税収が減って、国債の発行が増えた】というのは、【一対の出来事】であり、当たり前の現象であって、取り立てて騒ぐほどのことでも何でもありません。


よって、
税収が落ちて借金依存が大きくなったからと言って、政府が自国通貨建ての借金で破綻することはありません。

単に債権・債務、資産・負債の国内バランスが変わるだけです。

とりあえず、
負債のバランスのみ再掲します:




(出典:日銀「資金循環統計」。
 なお、負債側に計上されている株式・出資は控除している)



民間の負債が減り、政府の負債が増え、民間+政府の負債合計は横ばい

民間の負債総額↓ + 一般政府の負債↑ = 負債の合計→

というバランスの変化です。



でも、

【景気が悪くて民間にもカネが無いはずだー】

という突っ込みを入れたくなる方も中にはいらっしゃるかもしれません(といっても、当ブログの常連の皆さんはそんなことは無いと思います)が、


別に民間全体でお金が無いなんてことはありません。


お金はあるけど使われていないだけです(民間のお金が使われていないからこそ、政府の借金が大々的に増えるし、大々的に増やせるのですが)。


実際、80年代末のバブル景気のときよりも、現在の方が民間の金融純資産は圧倒的に大きくなっていますし、預金総額も圧倒的に大きくなっています。


これは資金循環統計を見れば明々白々ですね。


それは、

民間純資産 = 政府純負債 + 対外純資産

の算式通りのことが起こっているだけのことです。


民間純資産↑↑↑ = 政府純負債↑↑+対外純資産↑

のような具合です。


単純に言ってしまえば、政府の借金が増えれば、民間の資産が増える、ただそれだけのことです。


で、上の算式で言えば、税収が増えるということは、対外純資産を無視すると

民間純資産の減少 = 政府純負債の減少

ということです。



いや、それでも俺のところにはカネが無い

だから、国全体にもカネは無いはずだー

という書き込みをされていた方が以前いましたが…


今年の4月に某大手証券会社がヘッジファンドを組み込んだ投資信託を発売したところ、わずか3週間で1000億円売れた

と言う話は前にも書きました。


あなたのところになくても、他のところにあるということです。



そして、
いまお金の無いあなたのところにも、お金が行き渡るようにするのが、適切で継続的な財政拡大政策(+金融緩和)というわけです。



どうしても、今まで以上にお金のない状態を望みたいのであれば、

「国の借金は大変だー!」「政府は支出を減らせー!!!」と、

これからもせいぜい頑張って叫び続けてください、と言うほかありません。


ただし、

そう叫び続けることによって、各方面の方々から

七代にわたって祟ってやる

くらいの勢いで恨みを買っても、それは自己責任でお願い致します。



さて、

借金による収入と(国税の)税収

については、

国によって中央と地方の財政のバランスは全然違うので、この点だけでも一切国際比較不能な話です。

また、
国によって、税で賄う部分と社会保険料で賄う部分の割合が全く異なっており、つまり、二重の意味で国際比較不能です。


ということで、一応

政府総収入(税収+社会保険料等) と 財政赤字

についてデータを見てみましょう。


ここでは、

借金依存度 = 財政赤字 ÷ (政府総収入+財政赤字)

という指標を勝手に作り、
それをOECDのデータから計算したものを示します:


#ちなみに、

 政府総収入 + 財政赤字 = 政府総支出
 
 です。


#ただ、先にお断りしておきますが、このグラフ、大して意味はありません…





(OECDデータを元に作成)


これを見ると、データがある中では

98年の日本が「借金依存度」の最高記録

でありますね^^


と同時に、日本は目下

・国債金利 世界最低水準

・18年連続 対外純資産世界最大

絶賛爆走中ですが。



さて、

上のグラフはあまりにもゴチャゴチャしていますので、

いくつかの国を抜粋してみましょう。








借金依存度が高いどころか、マイナス(つまり黒字)の国

通貨危機

になったり、

実質国家破綻

したりしています。


ということで、改めて断言しますが、

この「借金依存度」は無意味であり、

政府の税収より借金による収入が多いとかなんとかというのは、本気で全くの無意味です。



最後に、それでもどうしても

このー木なんの木 気になる木~♪

というかた向けのお話を:

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