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廣宮孝信 ひろみやよしのぶ

Author:廣宮孝信 ひろみやよしのぶ
工学修士(大阪大学)、都市情報学博士(名城大学)。
2009年、著書「国債を刷れ!」で「政府のみならず民間を合わせた国全体の連結貸借対照表(国家のバランスシート)」を世に送り出した経済評論家、"国家破綻セラピスト"です。
「アイスランドは財政黒字なのに破綻!」、「日本とドイツは『破綻』後50年で世界で最も繁栄した」--財政赤字や政府債務GDP比は、国家経済の本質的問題では全くありません!
モノは有限、カネは無限。国家・国民の永続的繁栄に必要なのは、国の借金を減らすとかそんなことでは全くなく、いかにモノを確保するか。モノを確保し続けるための技術投資こそがカギ。技術立国という言葉は伊達にあるわけではなく、カネとか国の借金はそのための手段、道具、方便に過ぎません。
このように「モノを中心に考える」ことで、国の借金に対する悲観的常識を根こそぎ打ち破り、将来への希望と展望を見出すための”物流中心主義”の経済観を展開しております。”技術立国・日本”が世界を救う!
 お問い合わせは当ブログのメールフォーム(下の方にあります)やコメント欄(内緒設定もご利用ください)や、ツイッターのダイレクトメッセージをご利用ください。

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88:株・不動産は純資産〔補足〕

2009/09/25 (Fri) 20:14

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本日は、

【不動産、機械装置は「純資産」】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/21678278.html



について、いろいろ説明不足な面があったように思われますので、補足します。


不動産や機械装置といった有形資産



株式・出資

が、「ビールの泡のようなプラスαの資産」という話について。


この話の出発点は、

金融資産と負債は釣り合って、金融純資産がゼロになる

という資金循環統計です。


資金循環統計では、いわば、負債側に全ての借金が入っているわけです。

そして、その対になる金融資産と釣り合っている

ただし、

釣り合っている状態であるのは、本来負債ではない株式・出資を発行元の負債と見なして、負債に入れているからです。


さて、

資金循環統計

全ての部門の資産側の株式・出資



全ての部門の負債側の株式・出資


それぞれ合計してみると…






で、一致するわけです。

そして、これを踏まえて、

国内部門(政府+民間)と海外部門を全部足し合わせたバランスシートは↓こうなります






一番左が、資金循環統計スタイルのバランスシートです。

金融資産と負債が釣り合って、差し引きゼロになります。

厳密には、政府と中央銀行保有の金とSDRが、対応する負債が無いので、
 3.2兆円ほど資産超過になりますが)


次に、中央の図です。

株式・出資は本来、発行元にとって返済義務はありませんので、負債ではありません。

よって、株式・出資を負債から消し去ると、

株式・出資の金額分がそのまま金融純資産(この場合、国内と海外部門を含めた金融純資産)となります。


最後に、右の図です。

債権者のいない債務は存在し得ません。

よって、基本的に負債というのは、他の誰かの金融資産(債権)です。

よって、負債は金融資産(債権)と釣り合って完結します。


これに

本来負債ではないので、一方的に資産のみである株式・出資



金融資産以外の資産、つまり、不動産や機械装置などの有形資産

を加えると、


純資産はプラス側に伸びる一方となります。


上図で、黄緑色の破線枠は、
対応する負債のない資産、つまり、相手方が純資産となる資産群を示しています。



で、

なぜ、こんなことになるのか?

なぜ、こんな「純資産」が存在し得るのか?

ということの仕組みについて、具体例を挙げて説明したのが、


【不動産、機械装置は「純資産」】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/21678278.html



というわけです。

説明の方法は下の二種類でした。

(1)具体的な取引事例を簿記の仕訳を用いて説明(これは、
   説明のため仕訳という手法を用いて、ある瞬間を切
   り取ったものと捉えて下さい)。


(2)株や不動産の売買があっても、お金は買い手から売り手に渡るだけ。
   預金の量が変わることは無い。
   よって、株や不動産の価格を決めるのはお金の回転スピード
   (というのを図説)。

と言った具合です。


そして、結論としては、


株や不動産の価値総額というのは、

ビールの泡のようなもの、お金の回転速度や景気のバロメーター、速度メーター。


あるいは、


株や不動産の価値総額というのは、

預金などの「安定資産」の上に乗っかっている、バネのようなもの。

景気が良ければバネが伸び、景気が悪ければバネが縮む。


となります。



というのは、
株がどれだけ減っても、時価総額で数百兆円規模の減少があっても、

預金は減るどころか、むしろ増えている、という下の図を見ていただけると、かなり納得ができるのではなかろうかと思います。






上図では、

☆株式・出資の合計額(青)

☆預金総額(黄色)

↑これら以外にも、参考情報として、

☆日経平均株価(ピンク色、右軸)

も掲載しました。


で、ここで、注目していただきたいのは、

株式・出資の合計額(青)

・バブル期のピーク(89年3月)



・直近のピーク(07年6月)

の時の日経平均です。

(株式・出資のピークと日経平均のピークは若干ずれていますが、日経平均は月データなのに対し、株式・出資のデータが年度末データしかないためです。悪しからず)






日経平均は、ほぼ半減なのに、

株式・出資の時価総額が、バブル期よりも07年の方が大きかった!

(但し、しつこいようですが、この時期、緊縮財政の外需頼みで日本の名目GDP成長率は世界最低です(笑))

のでした。


これは、意外に思われる方が多いのではないでしょうか?


もちろん、

日経平均が日本の株の全てを示す指数ではないので、

株式・出資の時価総額のピークと日経平均のピークがずれていても、何ら不思議ではないのですが、


株式・出資の数、発行株数というのは、バブル時よりもずっと増えているということなのでしょう。

つまり、

89年以降の新株発行というのが少なからずあった(新興市場を含めて)ということです。


現在は、89年の時価総額を下回っていますが、

07年6月時点では、

【新株発行マジック!】

で述べたような、株式増発による「信用創造」が起こっていたと言えそうです。



もう一つ別の説明をしておきますと、

07年6月のピーク 1,067兆円から
09年3月の底 487兆円まで、

580兆円も時価総額が激減したとは言え、


それでも、株式・出資は487兆円あったわけです。


もし、
これまでに日本の企業が一社たりとも株式・出資を発行していなかったら、この487兆円は0円です。

しかし、株式の発行だけでは、預金は右から左に移るだけで増えも減りもしないわけです。


つまり、

株式・出資の新規発行の積み重ねによって、
最近では底の時ですら、預金とは別の、本来ゼロであるはずの金融資産が、上乗せで487兆円もあったわけです。

より正確には、「あるように見えた」と言うべきかも知れませんが^^)。


【新株発行マジック!】では、
上記のようなマクロにおける摩訶不思議な現象を、簡易に説明することを試みた、ということなのであります。




但し、繰り返しになりますが、


「所詮、株式の価値というのは、

 ビールの泡のようなもので、価値変動が激しいもの。取扱注意」

です。


「それにしても…、一時的とは言え、株式・出資の時価総額が07年にはバブル期を凌いでいたとは、意外かも @o@」 と思われた方は、↓下のリンクのクリックをお願いいたします

http://blog.with2.net/in.php?751771

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